レトロゲーと思ったらクソゲーどころかエロゲーでした

白玉しらす

文字の大きさ
23 / 23
宇佐美くん編

エピローグ

しおりを挟む
「いい加減にしてくれないかな」
 気が付くと、私達は真っ白な世界にいた。
 隣を見ると、機嫌の悪そうな宇佐美くんが立っていた。
「それは、こっちのセリフだ」
「次のステージも用意してあったのに、延々エッロい事続けちゃってさあ」
「二桁はやる予定だったのに、途中で止めやがって」
「強制終了はしたくないから、ユーティリティの書き換えをデスマーチで進めて、こっちには労災なんてないんだよ」
「もうちょっとで菜々ちゃんも潮吹きそうだったのに、終わらせるにしてもタイミングってもんがあるだろ」
「大体今回は、シナリオにも拘って世界を構築したんだよ。アカデミー脚本賞を狙う勢いだったんだからね。それを台無しにして、全米が泣くよ」
「二番煎じばっかだったくせによく言う」
「それは君の趣味のせいだろ」
「そういう意味では、満足してる」
「え、そう?……まあこっちもちゃんと直ったからいいけど」
 口を挟む間もなく、言い合いが終わったと思ったら、宇佐美くんが私の方を向き、いい顔で笑った。
「菜々ちゃん、続きはまた後で」
「え?何?」
 相変わらず、状況が飲み込めない。

「じゃあ、説明事項行きまーす」
「俺から伝えとくから」
「そう?じゃあ記憶はどうする?」
「残す」
「ですよねー☆」
 声だけの人物の、愉快そうな笑い声と共に、端の方が暗くなってきた。
 何だか怖くて、隣に立つ宇佐美くんの服を握りしめると、ギュッと抱きしめてくれた。
「絶対に、逃さないから」
 私は抱きしめられる安心感に目を閉じたけど、その言葉の本当の意味は、まだ分かっていなかった。
 
 
「ありがとねー」
 マスターがお客さんを見送る声がして、反射的に私も声をあげる。
「ありがとうございました」
 そこはいつものバーで、お客さんが階段を登り、店から出るところだった。
 私の目の前には、カウンターに座る宇佐美くんがいる。
 さっきまでのアレコレが思い出されて、危うく手に持ったグラスを落としそうになった。
「マスター、菜々ちゃん具合い悪そうなんだけど」
 宇佐美くんがマスターに声をかける。
「本当だ。菜々ちゃん、顔真っ赤だよ。今日はお客さんも少ないし、もう上がりな」
「俺、駅まで送ってくよ」
「悪いねー。よろしく頼むわー」
 恥ずかしさに震える私を置いて、話が纏まってしまった。
 正直まともに働ける気がしないので、マスターには悪いけど、このまま帰らせて貰おう。
 
 
 そして気が付くと、私は宇佐美くんとラブホテルにいた。
「菜々ちゃん、いくらなんでもチョロ過ぎない?」
「だって、宇佐美くんが話があるって」
「他の男とは、こう言う所に来ちゃダメだよ」
 子供に諭すように言われて、私は少しムッとした。
「どう言う所か分かってるし、他の人となんて、来るわけないでしょ」
「ホント、菜々ちゃんって可愛い」
 宇佐美くんはそう言いながら、私を押し倒してきた。
「待って、話は?」
「どう言う所か分かってるなら、続きしよう」
「やっぱり、宇佐美くんも覚えてるの?」
「逃さないって、言っただろ」
 口を塞がれ、胸を揉まれ、私の身体は一気に熱を帯びる。
「んっ……ふっ……んんっ……あっ……」
 余りの昂りに、私は目に涙を浮かべて首を振る。
 なんで、こんなに感じちゃうの?
「どうかした?」
 宇佐美くんは服の下から手を差し込み、あっという間にブラジャーのホックを外すと、乳首をクイッと摘んだ。
「ああんっ」
 身体が仰け反り、勝手に声が出る。
「はっ……あっ……待って……あんっ……おか、しいのっ……」
 何でこんなに感じちゃうんだろう。これでは、精神世界と変わらない。
「うん、俺も反応が良過ぎて心配してる。他の男にも、ちょっと触られただけで許しちゃいそう」
「あっ……んっ……そんな、こと……しないっ……」
「ダメだよ。俺以外に触らせちゃ」
 宇佐美くんはそう言うと、下着の中に手を差し入れた。
「こっちももう、トロトロ」
 割れ目をなぞられて、クチュクチュといやらしい音がする。
「やあっ……あんっ……ああっ……違う……」
 私は自分の身体の反応についていけず、ひたすら首を振り続ける。
「人間、一度タガが外れると、元には戻れないんじゃないかな。俺は菜々ちゃんが可愛くて嬉しい」
 宇佐美くんがなだめるように、優しく言ってくれるけど、手は動いたままだ。
 
「ああっ……だめっ……んんっ……お風呂、あうっ……入ってから……」
「いいの?」
 こんな事をしておきながら、宇佐美くんが驚いた顔をして聞いてきた。
「恋人に……んっ……して、くれたんじゃ……ああんっ……ないの?」
「なかった事にされると思ってた」
 嬉しそうに笑いながら私を見つめて、宇佐美くんはそっとキスをしてきた。
「好きだ、菜々」
「私も、好き」
 何度も何度もキスをして、舌を絡ませ合うと、また宇佐美くんの手があちこちに伸びてきた。
「お風呂が先」
 私が押し退けると、少し残念そうな顔をしたけど、すぐに瞳をギラつかせた。
「先ずはお風呂で、だ」
 合算して二桁目指そうと言うと、宇佐美くんは私を引っ張るようにしてお風呂に向かった。
 最後のあれは、結局何回してたんだっけ?宇佐美くんはあと何回やるつもりなんだろう。
 私は身震いしながら、宇佐美くんの後を追った。
 
 こうして私達の冒険は終わり、そして長い夜が始まった。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

ちね
2021.07.14 ちね

肉食系、草食系は反日ヘイト日本人差別語です

ウンコを食べる某整形民族が作った日本人差別語

解除

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~

花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。  だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。  エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。  そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。 「やっと、あなたに復讐できる」 歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。  彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。 過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。 ※ムーンライトノベルにも掲載しております。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。