【完結】今更、好きだと言われても困ります……不仲な幼馴染が夫になりまして!

Rohdea

文字の大きさ
8 / 27

閑話 ヨーゼフ&シシリー

しおりを挟む


「フハッ……フハハ」

  オリヴィアとカルランブル侯爵令息ヒューズ。
  夫婦となった二人が出ていった後、私は笑いが止まらなかった。

「もーう、ふふふ、殿ったら笑い過ぎですよ~。まぁ、気持ちは分かりますけど~」
「シシリー」

  笑いが抑えられない私を見て、シシリーが苦笑いしながら言う。

「ハッハッハ、だって仕方ないだろう?  まさか、オリヴィアの結婚相手がヒューズアイツだとは!  こんな愉快な事が起きているのに笑わずにはいられん」
「悪趣味ですね~」
「人の事言えるのか?  ……それは、お互い様だろう?」
「……」

  ふふふ、とシシリーは笑う。

「いいから、貴様は私の言う通りにしていればいいんだ!」
「はい、はぁ~い、分かってますよぉ~」
「……その喋り方!  二人の時はやめろと言ったはずだが?」
「あはは!  そうでしたぁ~。ごめんなさぁい、ヨーゼフ様!」
「!!」

  全く分かってはいないではないか!!
  と、言うよりも貴様、それはわざとだろう!!
  そう怒鳴りたくなる気持ちをどうにか抑える。

  (今、シシリーこの女を怒らせるのは得策ではないからな)

「まだまだ、貴様には私の役に立ってもらわねばならん」
「ふふ、ありがとうございまーす」

  (本当に調子のいい女だ……)

  だが、まだまだ私のこれからの為に必要な女だからな、仕方がない。目をつぶってやろう。

「ふふふ。それで?  私は次は何をすればいいのかしら?」
「そうだな……いや、少し様子を見るか」
「え~仕掛けないんですかぁ?」

  シシリーはつまらなそうだ。だが、今日の事で絶対にあの男ヒューズに警戒されただろうからな。
  暫くの間はオリヴィアに接触を図ろうにもきっと上手くはいくまい。

「オリヴィアの結婚相手があの男ヒューズ意外の男だったらな。色々動いてもらう所だったんだが」
「あらあら、ふふふ。王子様なのに、とーーっても悪い顔しているわね」
「うるさい」
「まぁ、いいわ。私は楽しいもの」

  シシリーがニタリとした笑みを浮かべる。

「あ、でも~そんな悠長な事をしていて、大丈夫なんですかぁ~?」
「大丈夫、とは?」

  今度はニヤニヤした笑いを浮かべている。
  本当にとんでもない女だな……利用価値は高いが。

「あっちは、もう夫婦なんですよ?  ふ・う・ふ!」

  その言い方。イラッとする。

「やたらと強調してくるな」
「だって、婚約者ではなく夫婦ですよ?  つまり夜の方だって……」

  バンッ

「きゃあっ!?  もーう、いきなり何しているんですか!   机を叩くなんてビックリするじゃないですか!」
「貴様が余計な事を言うからだろう!」
「え~?  余計なんかじゃないですよ~、たとえ不仲でも夫婦なんだから案外、夜は……」

  あぁ、本当に耳障りな事を平気で口にする女だ!!
  ふざけるな!

「馬鹿め!  それが無理だろうから私はこの状況を愉快だと言っているんだぞ?」
「ええ~?」
「シシリー。お前も今日のあの二人の様子を見て分かっただろう?  結婚はしたもののあれは白い結婚だ!」

  私に婚約破棄を突きつけられたオリヴィアが、あんなすぐに結婚したと聞いた時は驚き焦ったものだが……
  相手があの男ヒューズと知って安心した。そして、無性に楽しくなった。
  そうしてオリヴィアを呼び出して確認してみれば案の定……フッ。

「あの二人が上手くいく事は決して無い」
「きゃは!  断言しちゃうんですね~」
「当然だ。は完璧だからな」

  そう口にしながら思い出す。
  5年前……私はヒューズアイツに……

「本当に純粋で馬鹿な男だったよ。余程、オリヴィアの事が好きだったのだろう。すっかりこの私に騙されてな!」

  友人の振りをして近付いた。
  ヒューズの恋の相談に親身に乗り応援をする振りをした。そして……

「やっぱり悪趣味ですね~」
「あぁ、あの時のヒューズの無様で憐れな姿!  今、思い出しても最高に笑えるさ」

  あんなに愉快な事は今まで生きていて無かった。
  どうせ、今もオリヴィアの神経を逆撫でする様な事ばかりしているに違いない。

「だからあの二人が!」
「最低王子~」
「貴様が言うな!  シシリーもこの状況を楽しんでいるだろう?」
「そうですけどぉ~」


  クックック、ハッハッハ!
  あぁ、愉快だ!  暫くは楽しませてもらおうではないか!


  そして、もちろん最後に……
  全てを手に入れるのは────この私だ!!
  
  
 
しおりを挟む
感想 201

あなたにおすすめの小説

白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません

鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。 「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」 そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。 ——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。 「最近、おまえが気になるんだ」 「もっと夫婦としての時間を持たないか?」 今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。 愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。 わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。 政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ “白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!

何も決めなかった王国は、静かに席を失う』

ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、 表には立たず、裏で国を支えてきた公爵令嬢ネフェリア。 だが―― 彼女が追い出されたのは、嫉妬でも陰謀でもなかった。 ただ一つ、「決める役割」を、国が彼女一人に押しつけていたからだ。 婚約破棄の後、ネフェリアを失った王国は変わろうとする。 制度を整え、会議を重ね、慎重に、正しく―― けれどその“正しさ”は、何一つ決断を生まなかった。 一方、帝国は違った。 完璧ではなくとも、期限内に返事をする。 責任を分け、判断を止めない。 その差は、やがて「呼ばれない会議」「残らない席」「知らされない決定」となって現れる。 王国は滅びない。 だが、何も決めない国は、静かに舞台の外へ追いやられていく。 ――そして迎える、最後の選択。 これは、 剣も魔法も振るわない“静かなざまぁ”。 何も決めなかった過去に、国そのものが向き合う物語。

拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様

オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。

お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~

柚木ゆず
恋愛
 今日は私が、ラファオール伯爵家に嫁ぐ日。ついにハーオット子爵邸を出られる時が訪れましたので、これまで隠していたことをお伝えします。  お姉様たちは私を苦しめるために、私が苦手にしていたクロード様と政略結婚をさせましたよね?  ですがそれは大きな間違いで、私はずっとクロード様のことが――

記憶喪失の婚約者は私を侍女だと思ってる

きまま
恋愛
王家に仕える名門ラングフォード家の令嬢セレナは王太子サフィルと婚約を結んだばかりだった。 穏やかで優しい彼との未来を疑いもしなかった。 ——あの日までは。 突如として王都を揺るがした 「王太子サフィル、重傷」の報せ。 駆けつけた医務室でセレナを待っていたのは、彼女を“知らない”婚約者の姿だった。 ※本作品は別サイトにて掲載中です

殿下、私以外の誰かを愛してください。

八雲
恋愛
公爵令嬢ラブリーは、第一王子クロードを誰よりも愛していました。しかし、自分の愛が重すぎて殿下の負担になっている(と勘違いした)彼女は、愛する殿下を自由にするため、あえて「悪役令嬢」として振る舞い、円満に婚約破棄されるという前代未聞の計画を立てる。協力者として男爵令嬢ミリーを「ヒロイン役」に任命し、準備は整った。

お飾りの私と怖そうな隣国の王子様

mahiro
恋愛
お飾りの婚約者だった。 だって、私とあの人が出会う前からあの人には好きな人がいた。 その人は隣国の王女様で、昔から二人はお互いを思い合っているように見えた。 「エディス、今すぐ婚約を破棄してくれ」 そう言ってきた王子様は真剣そのもので、拒否は許さないと目がそう訴えていた。 いつかこの日が来るとは思っていた。 思い合っている二人が両思いになる日が来ればいつの日か、と。 思いが叶った彼に祝いの言葉と、破棄を受け入れるような発言をしたけれど、もう私には用はないと彼は一切私を見ることなどなく、部屋を出て行ってしまった。

愛しい人を手に入れるまでの、とある伯爵令息の話

ひとみん
恋愛
ペルソン伯爵令息レナードは、評判の悪い公爵令嬢メーガン・ティラーと婚約せざるおえなくなる。 だがその一年後、彼女の方から声高に婚約破棄を言い渡された。 理由は彼が「ドケチだから」と。 ようやく本当に愛する人を迎えに行けると、喜びを隠し切れないレナードと彼らを取り巻く人たちのお話。 流行りの婚約破棄ものを書きたくて挑戦。広いお心で読んでいただけたらと思います。 16話完結です。 ゆるゆるご都合主義ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。 なろう様、カクヨム様にも投稿してます。

処理中です...