1 / 2
前編
しおりを挟む
――0日目。
知らないところへ連れて来られた。
ナナシではなく、ゼロと呼ばれるようになった。
『いい子』にしていたら家に帰してくれると言われた。別に帰してくれなくていいと言った。すると女がニタリと笑った。
多分、俺と似ていると思った。骨と皮みたいな女だった。
――3日目。
ここでは毎日、食べ物をくれることがわかった。
今日は1つのパンをくれた。固かったけど、一生懸命噛んだからお腹がいっぱいになった。でも、相変わらず何も見えない部屋だから、手探りで食べるのは大変だった。
――7日目。
今日は水浴びをさせてもらえた。
雪が降る中、家の外にあった井戸での水浴びは、凍えるようだったけど嬉しかった。水浴びの時に、水も飲んだ。身体がさっぱりして、最高の一日だった。
――8日目。
風邪を引いてしまった。
使えないヤツだ、と女に殴られた。でも俺は慣れているから平気だった。それに、悪いのは風邪を引いてしまった俺だと思った。いつもどおり、ごめんなさい、と謝った。
――30日目。
少し前に、風邪が治った。
毎日1つパンをもらえる俺は、自分の身体が変わってきたような気がした。手の甲に見えていた骨が、あまり見えなくなってきた。俺を見た女が、これはとんだ拾い物だ、と言った。何故か今日から、スープがもらえるようになった。
――45日目。
今日俺は、びっくりした。
白い固形の何かを渡され、綺麗になるまで帰ってくるな、と言われた。言いつけどおり白い固形の何かを使って身体を洗ってみた。泡が出たからビックリした。魔法だと思った。井戸から帰ってきた俺を見た女がニタリと笑って、想像以上だ、と言った。
――46日目。
ゼロ、と呼ばれた。
どこかの店へ連れて行かれた。
女みたいな髪を短く整えてもらった。次の店では、上等な服をあつらえてもらった。ごわごわしていない、穴も空いていない、とびきり綺麗な服だった。昨日綺麗に洗った身体はいい匂いがするし、最高の1日だった。
――47日目。
檻の中に入れられた。
女が雇った男が、ゴロゴロ檻を引いて歩いた。どこかの町へ着いた俺は、たくさんの人間に囲まれた。女に、笑え、と小声で言われた。上手くいったら今日はご馳走だと言われた。笑い方がわからなかったけど、それらしくしてみた。周りを囲む人間から、何かを投げられた。投げられるたび、女は笑った。上手くいったみたいだ。今日のパンは、柔らかかった。
――200日目。
1つ賢くなった。
ゼロ、と部屋の外から呼ばれたの日は髪を整える日で、その次の日は檻の中に入る日だ。何回か繰り返すうちに、俺は学んで、賢くなった。今日は名前を呼ばれたから、髪を整える日だった。陽の光の下で見た女は、別人のようだった。骨と皮ではなくなっていた。でも、ニタリと笑うところは変わらなかった。
――201日目。
また1つ賢くなった。
俺は、檻の中に入る理由を知った。俺はどうやら、見せ物だったらしい。赤い瞳が、モンスターのようだと誰かが言った。その時初めて自分が赤い瞳だと知った。なぜだかとっても惨めになった。俺は、笑うのをやめた。途端に、観客がいなくなった。家に帰ると、暗い部屋の中でしこたま殴られた。次は容赦しないぞ、と言われた。今日、初めて食べ物をもらえなかった。
――250日目。
俺は更に賢くなった。
ゼロ、と昨日呼ばれて外に出たから、今日は見せ物になる日のはずだ。やっぱり雇われの男がいて、やっぱり俺は檻の中へ入った。たくさんの観客に囲まれた。女に笑え、と言われた途端、なぜか自然と顔が動いたのがわかった。周りの観客が、何かをたくさん投げてきた。上手くいったみたいだ。帰りの道で女によくやった、と褒められた。今日のパンはとびきり柔らかかった。
――××××日目。
俺は、賢くなくなった。
もう、何日目かわからなくなった。この頃から、俺の世界の「色」がなくなった。俺にわかるのは「闇」の色と全ての世界の「灰」の色だけ。部屋の中なのか、井戸の前なのか、何色のパンなのか、なにもわからなくなった。でもそんなのもどうでもよかった。女も雇われの男もでっぷりと太っていた。
――××××日目。
俺は、壊れてしまったらしい。
笑えと言われたから笑ったのに、笑っていないと言われてしまった。女から、使えない、使えない、と言って殴られた。でも、痛くなかったからどうでもよかった。もう、なんでもよかった。そこからしばらく、食べ物がなくなった。でも、別に平気だった。この部屋に来る前は、食べ物なんて毎日もらえなかったから。
――××××日目。
何故だか部屋の外が騒がしかった。
部屋の鍵が開けられて、俺は久しぶりに外に出た。女はどこかへ行っていたみたいだった。目深にフードを被る女の近くに、見たこともない、子どもが2人いた。歳のくらいが俺と同じくらいの男の子と、小さな女の子だった。とても綺麗な顔をしていた。今日から、俺の部屋の住人が増えた。
――××××日目。
頭がとても痛かった。
たくさんたくさん、話しかけられた。
「なぁ、君も攫われてきたんだろ?」
「ここ、どこか知ってるか?」
「なんで部屋が真っ暗なんだ」
俺は全部、わからない、と答えた。女の子は一言も喋らなかった。
――××××日目。
ゼロ、イチ、ニ、と呼ばれた。
みんな揃って部屋を出た。俺だけ髪を整えに行った。イチもニも、まだ必要ないと言われていた。
ゼロは名前ではなかったことを知った。ただの番号だった。もしかしたら、ナナシも名前じゃなかったのかもしれないと思った。もう、何も感じなくなったはずなのに、胸のあたりがちくんとした気がした。そういえば、昨日頭が痛かったことを思い出した。
――××××日目。
見せ物の日だった。
みんなで檻の中に入った。そういえば昨日、イチもニも新しい服をあつらえに行かなかった。でも今は多分綺麗そうな服を着ているのだと思った。俺は「色」がわからないからよくわからなかった。観客に囲まれた。笑えているかはわからなかったけど、観客がたくさん何かを投げていたから上手くいったんだと思った。檻の中から、イチは女を睨んで、ニは泣いていた。家に帰ると、イチは反抗的だと女にしこたま殴られた。ニはたくさん泣いていた。俺は頭が痛かった。
――××××日目。
頭が割れそうなほど痛かった。
イチがニに話しかけるのを聞くたびに頭が痛かった。
「◯◯◯、お兄ちゃんが着いてるからな」
「◯◯◯、こわくないぞ、大丈夫だ」
ニは、泣いて答えなかった。俺はイチに質問された。
「君、本当の名前は?」
俺は何も言えなかった。ナナシは名前ではなかったのだと、もうわかっていたからだった。
――××××日目。
朝からニが泣いていた。
ニはこの部屋に来てから一言も喋っていなかった。イチはニにずっと話しかけていた。いつもどおり、ドアの小窓がパカンと開いて、パンが3つ、投げ入れられた。ニのお腹が、ぐうっと鳴った。お腹が空いているんだろうと思った。イチもぐうっとお腹を鳴らした。俺は自分のパンを半分にちぎって、イチとニに半分ずつあげた。
「ありがとう、ジェロにいちゃん」
初めてニが言葉を喋った。すごく幼い声だった。多分ゼロの「ゼ」が難しくて言えないんだと思った。俺はなぜだか、涙がポロッとこぼれた。
――0日目。
今日は、とても顔が疲れた。
イチとニとたくさん喋ったからだ。たくさん喋って、イチが「ゴーセツ」でニが「フブキ」だと知った。ゴーセツからまた、俺の本当の名前はなんだ、と質問された。「ジェロがいい」と俺は答えた。ゴーセツは一言、「そうか」と言った。
今日から俺は、生まれ変わった。
俺の名前は、ジェロになった。
知らないところへ連れて来られた。
ナナシではなく、ゼロと呼ばれるようになった。
『いい子』にしていたら家に帰してくれると言われた。別に帰してくれなくていいと言った。すると女がニタリと笑った。
多分、俺と似ていると思った。骨と皮みたいな女だった。
――3日目。
ここでは毎日、食べ物をくれることがわかった。
今日は1つのパンをくれた。固かったけど、一生懸命噛んだからお腹がいっぱいになった。でも、相変わらず何も見えない部屋だから、手探りで食べるのは大変だった。
――7日目。
今日は水浴びをさせてもらえた。
雪が降る中、家の外にあった井戸での水浴びは、凍えるようだったけど嬉しかった。水浴びの時に、水も飲んだ。身体がさっぱりして、最高の一日だった。
――8日目。
風邪を引いてしまった。
使えないヤツだ、と女に殴られた。でも俺は慣れているから平気だった。それに、悪いのは風邪を引いてしまった俺だと思った。いつもどおり、ごめんなさい、と謝った。
――30日目。
少し前に、風邪が治った。
毎日1つパンをもらえる俺は、自分の身体が変わってきたような気がした。手の甲に見えていた骨が、あまり見えなくなってきた。俺を見た女が、これはとんだ拾い物だ、と言った。何故か今日から、スープがもらえるようになった。
――45日目。
今日俺は、びっくりした。
白い固形の何かを渡され、綺麗になるまで帰ってくるな、と言われた。言いつけどおり白い固形の何かを使って身体を洗ってみた。泡が出たからビックリした。魔法だと思った。井戸から帰ってきた俺を見た女がニタリと笑って、想像以上だ、と言った。
――46日目。
ゼロ、と呼ばれた。
どこかの店へ連れて行かれた。
女みたいな髪を短く整えてもらった。次の店では、上等な服をあつらえてもらった。ごわごわしていない、穴も空いていない、とびきり綺麗な服だった。昨日綺麗に洗った身体はいい匂いがするし、最高の1日だった。
――47日目。
檻の中に入れられた。
女が雇った男が、ゴロゴロ檻を引いて歩いた。どこかの町へ着いた俺は、たくさんの人間に囲まれた。女に、笑え、と小声で言われた。上手くいったら今日はご馳走だと言われた。笑い方がわからなかったけど、それらしくしてみた。周りを囲む人間から、何かを投げられた。投げられるたび、女は笑った。上手くいったみたいだ。今日のパンは、柔らかかった。
――200日目。
1つ賢くなった。
ゼロ、と部屋の外から呼ばれたの日は髪を整える日で、その次の日は檻の中に入る日だ。何回か繰り返すうちに、俺は学んで、賢くなった。今日は名前を呼ばれたから、髪を整える日だった。陽の光の下で見た女は、別人のようだった。骨と皮ではなくなっていた。でも、ニタリと笑うところは変わらなかった。
――201日目。
また1つ賢くなった。
俺は、檻の中に入る理由を知った。俺はどうやら、見せ物だったらしい。赤い瞳が、モンスターのようだと誰かが言った。その時初めて自分が赤い瞳だと知った。なぜだかとっても惨めになった。俺は、笑うのをやめた。途端に、観客がいなくなった。家に帰ると、暗い部屋の中でしこたま殴られた。次は容赦しないぞ、と言われた。今日、初めて食べ物をもらえなかった。
――250日目。
俺は更に賢くなった。
ゼロ、と昨日呼ばれて外に出たから、今日は見せ物になる日のはずだ。やっぱり雇われの男がいて、やっぱり俺は檻の中へ入った。たくさんの観客に囲まれた。女に笑え、と言われた途端、なぜか自然と顔が動いたのがわかった。周りの観客が、何かをたくさん投げてきた。上手くいったみたいだ。帰りの道で女によくやった、と褒められた。今日のパンはとびきり柔らかかった。
――××××日目。
俺は、賢くなくなった。
もう、何日目かわからなくなった。この頃から、俺の世界の「色」がなくなった。俺にわかるのは「闇」の色と全ての世界の「灰」の色だけ。部屋の中なのか、井戸の前なのか、何色のパンなのか、なにもわからなくなった。でもそんなのもどうでもよかった。女も雇われの男もでっぷりと太っていた。
――××××日目。
俺は、壊れてしまったらしい。
笑えと言われたから笑ったのに、笑っていないと言われてしまった。女から、使えない、使えない、と言って殴られた。でも、痛くなかったからどうでもよかった。もう、なんでもよかった。そこからしばらく、食べ物がなくなった。でも、別に平気だった。この部屋に来る前は、食べ物なんて毎日もらえなかったから。
――××××日目。
何故だか部屋の外が騒がしかった。
部屋の鍵が開けられて、俺は久しぶりに外に出た。女はどこかへ行っていたみたいだった。目深にフードを被る女の近くに、見たこともない、子どもが2人いた。歳のくらいが俺と同じくらいの男の子と、小さな女の子だった。とても綺麗な顔をしていた。今日から、俺の部屋の住人が増えた。
――××××日目。
頭がとても痛かった。
たくさんたくさん、話しかけられた。
「なぁ、君も攫われてきたんだろ?」
「ここ、どこか知ってるか?」
「なんで部屋が真っ暗なんだ」
俺は全部、わからない、と答えた。女の子は一言も喋らなかった。
――××××日目。
ゼロ、イチ、ニ、と呼ばれた。
みんな揃って部屋を出た。俺だけ髪を整えに行った。イチもニも、まだ必要ないと言われていた。
ゼロは名前ではなかったことを知った。ただの番号だった。もしかしたら、ナナシも名前じゃなかったのかもしれないと思った。もう、何も感じなくなったはずなのに、胸のあたりがちくんとした気がした。そういえば、昨日頭が痛かったことを思い出した。
――××××日目。
見せ物の日だった。
みんなで檻の中に入った。そういえば昨日、イチもニも新しい服をあつらえに行かなかった。でも今は多分綺麗そうな服を着ているのだと思った。俺は「色」がわからないからよくわからなかった。観客に囲まれた。笑えているかはわからなかったけど、観客がたくさん何かを投げていたから上手くいったんだと思った。檻の中から、イチは女を睨んで、ニは泣いていた。家に帰ると、イチは反抗的だと女にしこたま殴られた。ニはたくさん泣いていた。俺は頭が痛かった。
――××××日目。
頭が割れそうなほど痛かった。
イチがニに話しかけるのを聞くたびに頭が痛かった。
「◯◯◯、お兄ちゃんが着いてるからな」
「◯◯◯、こわくないぞ、大丈夫だ」
ニは、泣いて答えなかった。俺はイチに質問された。
「君、本当の名前は?」
俺は何も言えなかった。ナナシは名前ではなかったのだと、もうわかっていたからだった。
――××××日目。
朝からニが泣いていた。
ニはこの部屋に来てから一言も喋っていなかった。イチはニにずっと話しかけていた。いつもどおり、ドアの小窓がパカンと開いて、パンが3つ、投げ入れられた。ニのお腹が、ぐうっと鳴った。お腹が空いているんだろうと思った。イチもぐうっとお腹を鳴らした。俺は自分のパンを半分にちぎって、イチとニに半分ずつあげた。
「ありがとう、ジェロにいちゃん」
初めてニが言葉を喋った。すごく幼い声だった。多分ゼロの「ゼ」が難しくて言えないんだと思った。俺はなぜだか、涙がポロッとこぼれた。
――0日目。
今日は、とても顔が疲れた。
イチとニとたくさん喋ったからだ。たくさん喋って、イチが「ゴーセツ」でニが「フブキ」だと知った。ゴーセツからまた、俺の本当の名前はなんだ、と質問された。「ジェロがいい」と俺は答えた。ゴーセツは一言、「そうか」と言った。
今日から俺は、生まれ変わった。
俺の名前は、ジェロになった。
0
あなたにおすすめの小説
消息不明になった姉の財産を管理しろと言われたけど意味がわかりません
紫楼
ファンタジー
母に先立たれ、木造アパートで一人暮らして大学生の俺。
なぁんにも良い事ないなってくらいの地味な暮らしをしている。
さて、大学に向かうかって玄関開けたら、秘書って感じのスーツ姿のお姉さんが立っていた。
そこから俺の不思議な日々が始まる。
姉ちゃん・・・、あんた一体何者なんだ。
なんちゃってファンタジー、現実世界の法や常識は無視しちゃってます。
十年くらい前から頭にあったおバカ設定なので昇華させてください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる