2 / 2
後編
しおりを挟む
――25日目。
俺はだんだん、賢くなっている。
暗い部屋の中、ゴーセツはたくさんのことを教えてくれる。食べ物は、パンと水、スープだけではないらしい。噛めば口いっぱいに広がる「肉」というものは、我を忘れてむしゃぶりつくくらい、それはそれは、おいしいそうだ。俺はグウ、とお腹が鳴った。何故だか少し、恥ずかしい。
――30日目。
「ゼロ、イチ、ニ、早くしろ」
女はフブキに鎖をつけて、ブルンブルンと「肉」を揺らして外を歩く。「これでお前は逃げられないだろ」、とゴーセツにニタリと笑って言う女。初めて俺は、苛立ちを覚える。
――31日目。
俺たちは、檻の中に入っている。
相変わらず泣き続けるフブキと、女を睨み続けるゴーセツに、女も雇われの男も苛立ちが止まらない。俺だけでも上手くやらないと、と思った俺は、檻の中でひたすらに愛想を振りまいている。――上手くいったはずなのに。たくさん「金」は降ったのに。女はたくさん、2人を殴る。「顔は商品だからな」と言いながら殴る女の二の腕は、ブルンブルンと揺れていた。俺の中には、女に対する激しい感情がある。
――32日目。
暗闇の中。
俺たちは作戦を立てている。この小さな暗闇の世界から、逃げ出すための、作戦を。
「ジェロ、フブキと君は僕が守るよ」
「じゃあ、ゴーセツのことは、俺が守る」
今日はなんだか静かなフブキの身体がとても冷たい気がする。そういえば、今日はドアの小窓が開かない。
――120日目。
俺たちは、檻の中に入っている。
俺だけでなく、ゴーセツもフブキもニコニコ愛想を振りまいて、笑え、と言われなくても楽しそうに笑ってみせる。『いい子』になれば、女は油断するはずだ。フブキの鎖を外させて、俺たちが揃って逃げ出すために。
「もう少しだ、もう少し」
ゴーセツはフブキに繰り返し話す。フブキもコクンと頷いている。
――222日目。
「ゼロ、イチ、ニ、早く来い」
まだ鎖は外れない。
フブキはもう、限界なんだ。今日も身体が冷たいんだ。最近フブキは笑いもしない。
「ゴーセツ、俺が何とか、2人を逃がす」
「ジェロ、きっともう少しだ。大人しくしていれば、きっと」
ニタリと笑う女を見るたび、俺はどうにかなりそうだ。フブキは今も、冷たいというのに。
――223日目。
ブチン、と切れた音がする。
檻に入る直前で、フブキの鎖がブチンと切られる。ゴーセツと、俺は顔を見合わせ密かに頷く。雇われの男がゴロゴロ檻を引いていく。いつもどおりに笑って見せる。いつもどおりに「金」も降る。チャンスはいつ訪れるかわからない。
「二、出ろ」
いつもどおりのはずなのに、フブキだけ呼ばれてなにかがおかしい。しかもまだ周りには、こんなに観客がいるというのに。檻の外には帽子を深く被った人間が立っている。
「売るんだよ。『いい子』にしてれば『いいこと』があるとでも思ったのか」
女はニヤリと、俺たちに笑う。
――ブチン、と切れた音がする。
「お前は、なんなんだ、一体、何様のつもりなんだ」
「なんだ、ゼロ。いやに反抗的じゃあないか」
俺は、檻が開いたタイミングでゴーセツと一緒に外に出た。そして、凍えるようなフブキの手をひき身体を支える。
でも、女は動じなかった。俺たちはわからなかったけど、女にはわかっていたんだ。
――走って逃げる、計画だった。
フブキの鎖が切られて、檻の外へ逃げ出す機会があった日に。それがまさに、今だというのに。
走り方が、わからない。立ち上がっただけで、目眩もする。気づけば俺の手と足は、また骨と皮のようになっていた。
「大人を出し抜こうなんて、甘いんだよ。モンスターみたいな見た目の分際で。おい、やっちまいな。今日は別の『見せ物』をしよう」
雇われの男が、俺に手をかけようとしたその時、俺の手を握りしめている――フブキの小さな手が、凍てつくように、冷たくなった――。
「ギャアアアアアアア!」
「ジェロにいちゃんを苦しめようとするヤツなんか、凍ってしまえばいい」
フブキの身体から飛び出た冷たいナニカは、雇われの男を一瞬にして凍らせた。
「……覚醒した」
ゴーセツは、フブキを見てつぶやいた。
そして俺は、気がついた。
ゴーセツが言う「もう少し」とは、フブキの力が目覚めるまでの、話をしていたんだと。
「ギャアアアアアアア! こっち来るな、モンスターめ!」
女が何を言っているのか、俺は全くわからなかった。ブルンブルンと「肉」を揺らし、みすぼらしく逃げるその後ろ姿のほうが、よっぽど浅ましい、化け物のようじゃないか。そして、その「肉」を見てどんな味がするのかずっと前から考えていた俺は、もっともっと、化け物だ。
――ビュウウウウ!
――――ビュウウウウ!
――――――ビュウウウウ!
どこからともなく、冷たい風が吹いてくる。
それだけでなく、あたり一面が――一瞬にして冷たい雪で覆われた。
逃げまどう観客は、突如現れた雪の壁に困惑し、逃げ場を無くして、もつれ合いながら雪の壁を登ろうとしている。
……なんて、浅ましいんだ。
俺は、笑いが込み上げる。
閉じ込められた俺たちを見せ物にして、笑っていた人間たちのほうが、よっぽど化け物みたいじゃあないか。
「やっと見つけた。可愛い坊やたち」
――すると、空から、1人の女が降りてきた。
悠然と空を飛ぶその姿から、女神様だと、俺は思った。
「お母ちゃん!」
「フブキが覚醒してくれたおかげで見つけられたよ。ゴーセツも、よくフブキを守ってくれたね」
「はい」
お母ちゃん、と呼ばれた女神様に駆け寄って抱きつくフブキ。ゴーセツも遅れて女神様に寄り添った。
ゴーセツは、俺のほうを指差した。
女神様は俺を見てニコリと少し、微笑んだ。
「あぁ、つらかっただろう」
と言って、女神様は愛おしそうに2人を抱きしめた。女神様は、フブキとゴーセツを頭のてっぺんから足の先までゆっくり見た後、抑えきれない感情を、凍てつく吹雪に変えて、恨めしい声を上げた。
「お前たち、許さない……」
俺と同じ、女神様の赤い瞳も、長くゆらりと舞い上がる髪も、燃え上がるようだった。
――赤。
暗闇と、灰色みたいな俺の世界に、鮮烈に映える、女神様の、赤。
唐突に、「赤」の色が戻ってきた。
――そして、雪で覆われたこの世界も、一瞬にして、赤に染まった。たくさんの、悲鳴、とともに。
――しんしん、しんしん。
雪が降る。
あたり一面、真っ赤だった雪の世界は、降り積もる雪によって、また、灰色の世界になった。
「ジェロにいちゃん、助けてくれてありがとう」
「ジェロ、今まで俺たちが生きてこれたのはお前のおかげだ」
「いや、俺は何もしてない。……救われたのは、俺のほうだ」
女神様は優しく俺に微笑んだ。
「ジェロとやら、聞けば坊やたちが大層世話になったらしいな。お礼にわらわができることなら、なんでもしよう。ジェロ、そなたの願いはなんじゃ」
……俺、俺は……、俺の願いは……
「俺は、モンスターになりたい。人間は、汚く、浅ましい化け物だ。俺の目は赤いらしいから、俺もモンスターになれるだろうか」
俺の答えに、女神様は口元を手で押さえてクスリと笑った。その姿を見て、モンスターになりたい、と俺は思う。
「わらわの坊やたちは、人間に憧れて人里に降りて行ったというのに。生きるということは、なかなか思いどおりにいかないものよの」
女神様は両手を広げ、雪で埋められた赤い世界の赤いナニカ――灰の世界に映える、輝く赤い霧のようなものを両の手のひらに集めて、俺の顔に向かって、ふうっと息でふきとばしてきた。
顔ではなく、俺の両目に向けられた赤い霧。視界を真っ赤に染めながら、目を通じて、俺の身体に入ってくる。
――熱い
――――冷たい
――――――痛い
――痛い
雪の絨毯を転がり回り、身をよじって苦しんだ。
――次第に意識が遠のいていく――。
……ジェロ、人間たちの生命を吸ったお前は、人間たちの数の分だけ、寿命が延びた。これからそなたは、どう生きる……?
――目を開けると、女神様もゴーセツも、そしてフブキも。忽然といなくなっていた。
俺はそうして、1人になった。
――0日目。
俺は再び、生まれ変わった。
――サクッ、サクッ!
雪が降り積もるこの灰色の世界を、ゆっくりゆっくり、踏み固めるように、歩いていく。
俺の名前は、ジェロ。
モンスターを目指して、長い時を、生きていく。
俺はだんだん、賢くなっている。
暗い部屋の中、ゴーセツはたくさんのことを教えてくれる。食べ物は、パンと水、スープだけではないらしい。噛めば口いっぱいに広がる「肉」というものは、我を忘れてむしゃぶりつくくらい、それはそれは、おいしいそうだ。俺はグウ、とお腹が鳴った。何故だか少し、恥ずかしい。
――30日目。
「ゼロ、イチ、ニ、早くしろ」
女はフブキに鎖をつけて、ブルンブルンと「肉」を揺らして外を歩く。「これでお前は逃げられないだろ」、とゴーセツにニタリと笑って言う女。初めて俺は、苛立ちを覚える。
――31日目。
俺たちは、檻の中に入っている。
相変わらず泣き続けるフブキと、女を睨み続けるゴーセツに、女も雇われの男も苛立ちが止まらない。俺だけでも上手くやらないと、と思った俺は、檻の中でひたすらに愛想を振りまいている。――上手くいったはずなのに。たくさん「金」は降ったのに。女はたくさん、2人を殴る。「顔は商品だからな」と言いながら殴る女の二の腕は、ブルンブルンと揺れていた。俺の中には、女に対する激しい感情がある。
――32日目。
暗闇の中。
俺たちは作戦を立てている。この小さな暗闇の世界から、逃げ出すための、作戦を。
「ジェロ、フブキと君は僕が守るよ」
「じゃあ、ゴーセツのことは、俺が守る」
今日はなんだか静かなフブキの身体がとても冷たい気がする。そういえば、今日はドアの小窓が開かない。
――120日目。
俺たちは、檻の中に入っている。
俺だけでなく、ゴーセツもフブキもニコニコ愛想を振りまいて、笑え、と言われなくても楽しそうに笑ってみせる。『いい子』になれば、女は油断するはずだ。フブキの鎖を外させて、俺たちが揃って逃げ出すために。
「もう少しだ、もう少し」
ゴーセツはフブキに繰り返し話す。フブキもコクンと頷いている。
――222日目。
「ゼロ、イチ、ニ、早く来い」
まだ鎖は外れない。
フブキはもう、限界なんだ。今日も身体が冷たいんだ。最近フブキは笑いもしない。
「ゴーセツ、俺が何とか、2人を逃がす」
「ジェロ、きっともう少しだ。大人しくしていれば、きっと」
ニタリと笑う女を見るたび、俺はどうにかなりそうだ。フブキは今も、冷たいというのに。
――223日目。
ブチン、と切れた音がする。
檻に入る直前で、フブキの鎖がブチンと切られる。ゴーセツと、俺は顔を見合わせ密かに頷く。雇われの男がゴロゴロ檻を引いていく。いつもどおりに笑って見せる。いつもどおりに「金」も降る。チャンスはいつ訪れるかわからない。
「二、出ろ」
いつもどおりのはずなのに、フブキだけ呼ばれてなにかがおかしい。しかもまだ周りには、こんなに観客がいるというのに。檻の外には帽子を深く被った人間が立っている。
「売るんだよ。『いい子』にしてれば『いいこと』があるとでも思ったのか」
女はニヤリと、俺たちに笑う。
――ブチン、と切れた音がする。
「お前は、なんなんだ、一体、何様のつもりなんだ」
「なんだ、ゼロ。いやに反抗的じゃあないか」
俺は、檻が開いたタイミングでゴーセツと一緒に外に出た。そして、凍えるようなフブキの手をひき身体を支える。
でも、女は動じなかった。俺たちはわからなかったけど、女にはわかっていたんだ。
――走って逃げる、計画だった。
フブキの鎖が切られて、檻の外へ逃げ出す機会があった日に。それがまさに、今だというのに。
走り方が、わからない。立ち上がっただけで、目眩もする。気づけば俺の手と足は、また骨と皮のようになっていた。
「大人を出し抜こうなんて、甘いんだよ。モンスターみたいな見た目の分際で。おい、やっちまいな。今日は別の『見せ物』をしよう」
雇われの男が、俺に手をかけようとしたその時、俺の手を握りしめている――フブキの小さな手が、凍てつくように、冷たくなった――。
「ギャアアアアアアア!」
「ジェロにいちゃんを苦しめようとするヤツなんか、凍ってしまえばいい」
フブキの身体から飛び出た冷たいナニカは、雇われの男を一瞬にして凍らせた。
「……覚醒した」
ゴーセツは、フブキを見てつぶやいた。
そして俺は、気がついた。
ゴーセツが言う「もう少し」とは、フブキの力が目覚めるまでの、話をしていたんだと。
「ギャアアアアアアア! こっち来るな、モンスターめ!」
女が何を言っているのか、俺は全くわからなかった。ブルンブルンと「肉」を揺らし、みすぼらしく逃げるその後ろ姿のほうが、よっぽど浅ましい、化け物のようじゃないか。そして、その「肉」を見てどんな味がするのかずっと前から考えていた俺は、もっともっと、化け物だ。
――ビュウウウウ!
――――ビュウウウウ!
――――――ビュウウウウ!
どこからともなく、冷たい風が吹いてくる。
それだけでなく、あたり一面が――一瞬にして冷たい雪で覆われた。
逃げまどう観客は、突如現れた雪の壁に困惑し、逃げ場を無くして、もつれ合いながら雪の壁を登ろうとしている。
……なんて、浅ましいんだ。
俺は、笑いが込み上げる。
閉じ込められた俺たちを見せ物にして、笑っていた人間たちのほうが、よっぽど化け物みたいじゃあないか。
「やっと見つけた。可愛い坊やたち」
――すると、空から、1人の女が降りてきた。
悠然と空を飛ぶその姿から、女神様だと、俺は思った。
「お母ちゃん!」
「フブキが覚醒してくれたおかげで見つけられたよ。ゴーセツも、よくフブキを守ってくれたね」
「はい」
お母ちゃん、と呼ばれた女神様に駆け寄って抱きつくフブキ。ゴーセツも遅れて女神様に寄り添った。
ゴーセツは、俺のほうを指差した。
女神様は俺を見てニコリと少し、微笑んだ。
「あぁ、つらかっただろう」
と言って、女神様は愛おしそうに2人を抱きしめた。女神様は、フブキとゴーセツを頭のてっぺんから足の先までゆっくり見た後、抑えきれない感情を、凍てつく吹雪に変えて、恨めしい声を上げた。
「お前たち、許さない……」
俺と同じ、女神様の赤い瞳も、長くゆらりと舞い上がる髪も、燃え上がるようだった。
――赤。
暗闇と、灰色みたいな俺の世界に、鮮烈に映える、女神様の、赤。
唐突に、「赤」の色が戻ってきた。
――そして、雪で覆われたこの世界も、一瞬にして、赤に染まった。たくさんの、悲鳴、とともに。
――しんしん、しんしん。
雪が降る。
あたり一面、真っ赤だった雪の世界は、降り積もる雪によって、また、灰色の世界になった。
「ジェロにいちゃん、助けてくれてありがとう」
「ジェロ、今まで俺たちが生きてこれたのはお前のおかげだ」
「いや、俺は何もしてない。……救われたのは、俺のほうだ」
女神様は優しく俺に微笑んだ。
「ジェロとやら、聞けば坊やたちが大層世話になったらしいな。お礼にわらわができることなら、なんでもしよう。ジェロ、そなたの願いはなんじゃ」
……俺、俺は……、俺の願いは……
「俺は、モンスターになりたい。人間は、汚く、浅ましい化け物だ。俺の目は赤いらしいから、俺もモンスターになれるだろうか」
俺の答えに、女神様は口元を手で押さえてクスリと笑った。その姿を見て、モンスターになりたい、と俺は思う。
「わらわの坊やたちは、人間に憧れて人里に降りて行ったというのに。生きるということは、なかなか思いどおりにいかないものよの」
女神様は両手を広げ、雪で埋められた赤い世界の赤いナニカ――灰の世界に映える、輝く赤い霧のようなものを両の手のひらに集めて、俺の顔に向かって、ふうっと息でふきとばしてきた。
顔ではなく、俺の両目に向けられた赤い霧。視界を真っ赤に染めながら、目を通じて、俺の身体に入ってくる。
――熱い
――――冷たい
――――――痛い
――痛い
雪の絨毯を転がり回り、身をよじって苦しんだ。
――次第に意識が遠のいていく――。
……ジェロ、人間たちの生命を吸ったお前は、人間たちの数の分だけ、寿命が延びた。これからそなたは、どう生きる……?
――目を開けると、女神様もゴーセツも、そしてフブキも。忽然といなくなっていた。
俺はそうして、1人になった。
――0日目。
俺は再び、生まれ変わった。
――サクッ、サクッ!
雪が降り積もるこの灰色の世界を、ゆっくりゆっくり、踏み固めるように、歩いていく。
俺の名前は、ジェロ。
モンスターを目指して、長い時を、生きていく。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
消息不明になった姉の財産を管理しろと言われたけど意味がわかりません
紫楼
ファンタジー
母に先立たれ、木造アパートで一人暮らして大学生の俺。
なぁんにも良い事ないなってくらいの地味な暮らしをしている。
さて、大学に向かうかって玄関開けたら、秘書って感じのスーツ姿のお姉さんが立っていた。
そこから俺の不思議な日々が始まる。
姉ちゃん・・・、あんた一体何者なんだ。
なんちゃってファンタジー、現実世界の法や常識は無視しちゃってます。
十年くらい前から頭にあったおバカ設定なので昇華させてください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる