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第1章 まだ見ぬ世界へ想いを馳せる君へ

1-20 『見習い錬金術士ミミリの冒険の記録 1錬成目』

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【弾けるピギーウルフのミートパイ(試作品) 火力(??)】
 モンスター用に作ったミートパイだよ。焼き加減をレアにするのがポイント。まだ【弾けたがりの爆弾】を投げたことがないから火力は比較できなかったなぁ。それまでは試作品扱いかな。
 ・ピギーウルフの肉 ×3
 ・メシュメルの実(中身) ×2
 ・小麦粉 ×1
 ・【ミール液】 ×1
 ・【火薬草の結晶】 ×1
 ・【弾けたがりの爆弾】のカケラ 適量

【ピギーウルフのミートパイ 体力回復(小)】
 私たちが食べる用にしっかりと焼いたパイだよ。食べ応えのある肉!肉!のパイ。【弾けるピギーウルフのミートパイ】を作った後に、なんだか私も食べたくなって作ってみちゃった!……私は美味しいと思うのに、うさみもゼラくんもあんまり食べたがらないの。なんでだろう。
 ・ピギーウルフの肉 ×3
 ・メシュメルの実(中身) ×2
 ・小麦粉 ×1
 ・【ミール液】 ×1(ひと匙)
 ・【火薬草の結晶】 ×1

【びっくりアップルパイ (サプライズパーティー用)】
 錬成の過程でたまたまできちゃった副産物みたいなものだよ。攻撃することを目的に使ったアイテムではないから火力とかはないんだけど、とにかく音がすごいの。あと煤だらけになるからお掃除が大変かな。誰かをビックリさせたい時には使えそうだけど、私は二度と作らないなぁ。アップルパイは美味しく食べたいもん。
 ・皮を剥いたリンゴ ×2
 ・メシュメルの実(中身) ×3
 ・小麦粉 ×1
 ・【ミール液】 ×1(ひと匙)
 ・【火薬草の結晶】 ×1
 ・【弾けたがりの爆弾】のカケラ ×1(米粒サイズ)

 ●ピギーウルフ
 怒らせなければまるで子豚みたいな見た目らしいよ。私は怒ってるところしか見たことないから狼の姿しか知らないなぁ。とにかく素早くて首を狙って襲ってこようとするから気をつけてね。
 《ドロップアイテム》
 ・ピギーウルフの肉
 ・ピギーウルフの毛

 ●メリーさん
 見た目は羊なんだけど、メェ~じゃなくてメリィ~って鳴くよ。口から身体を溶かしちゃう酸を吹き出して攻撃してくるの。気の済むまで酸を吐いたら、自分で毛を置いていってくれるよ。たぶんだけど、メリーさんって命名した人、おじさんなんじゃないかな。なんとなく。
 《ドロップアイテム》
 ・メリーさんの毛

 ●睡眠(スリープ)蝶(フライ)の幼虫
 黄緑色の幼虫だよ。蛹になって羽化すると蝶になるみたい。針みたいな鋭い体毛には猛毒があるから近づかないようにしてね。口からは木綿の糸を吐き出すよ。蝶だと採れるアイテムも変わってくるのかなぁ。
 《ドロップアイテム》
 ・睡眠(スリープ)蝶(フライ)の幼虫の毒針
 ・誘眠(ゆうみん)材の素
 ・木綿の糸

 ☆今回の採集作業の感想☆
 初めて錬成アイテムを使ってモンスターを討伐してみたよ。自分が作ったアイテムを使って闘うのって、すごくすごく楽しかった!もっともっとアイテムを錬成したいなって思ったし、もっともっと闘ってみたいなって思ったよ。

 あとね、討伐してみて改めて思ったんだけど、アルヒもうさみもやっぱりすごく強かったんだなぁって。

 あと、一生懸命闘うゼラくん、すごいなって思ったよ。
 ……しっぽマニアなところはどうかと思ったけど。

 そして、今回の採集作業で一番感じたことはね。

 ゼラくんがメリーさんと闘ってる時、何も出来なかったことが歯痒かったんだ。傷ついていくのに、何もできなかった。私が素早く動けたり、役立てる錬成アイテムがあったなら、自分だけ安全なところにいながら、仲間が傷ついていくのをただ見ているっていうのじゃなかったと思うの。
 私を守るために、うさみが側にいるようにって、アルヒがそう采配してくれたのわかってるから。
 うさみにもすごく、辛い思いをさせちゃった。

 だからこそ、私もゼラくんに負けないように、もっと頑張らなきゃなって思ったよ!みんなの足を引っ張らないようになりたいな。

 この本には、私が冒険で気づいたことや、錬成アイテムのレシピ、モンスターのことなどを記していくよ。感想なんかも書いちゃったから、なんだか雑記みたいな感じだけど。

 誰かに読んでもらうかもって思いながら書くのってちょっと恥ずかしいけど、私みたいに冒険を始めたいと思っている人がこの本を手にして、少しでも勇気を出してもらえたらって、そう思うの。

 私の冒険の記録が、貴方のお役に立てますように。

 著者:見習い錬金術士 ミミリ
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