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その後
「……もうそろそろ、かな?」
ハンスと住むために引っ越した広い部屋で、窓から空の色を見て呟く。彼の帰宅までに間に合わないとまずい。俺は手にしていた編みかけのレースを机に置くと、小走りに洗面所へと向かう。一人で準備するのももう何度目だろう。分からないくらいしてる気がする。ほんのり羞恥心が湧き上がってくるけど、それ以上にこの後に起こることへの期待で体の奥がじんと痺れた。
――俺がハンスを捨てて童貞相手と付き合う気だ、という噂がたったと聞いたのは、結局ぐちゃぐちゃになるまで抱かれた後だった。何度も奥を突かれながら『相手の名前を言え』と問いただされて、快感で痺れた頭でハンスだけが好きだと何度も説明して、ようやく落ち着いて話を聞いてもらって……それで誤解は解けたけれどあれこれ心配だと言われて一緒に住むことになったのだ。
ハンスは童貞じゃなくてむしろ今まで付き合った相手は多いタイプで、そのせいで自分が童貞疑惑をかけられているなんて思いもしなかったらしい。
……たしかに童貞っぽくはなかったな。あの日も、元カレたちには触れられたこともない結腸をゴリゴリ責められてもうやだって悲鳴を上げても許してもらえなくて、でも気持ちよくておかしくなりそうだった。それからも彼に暇さえあれば手を出されているけど、毎回凄すぎる快感に狂わされている。でもそれも嫌じゃなくって……。
そんなことを思い出すと薄っすらと顔が赤くなってしまう。それを首を横に振って散らして、準備を終えて洗面所の扉を開く。すると同時に玄関ががちゃりと鈍い音を立てて開かれた。
「ただいま~」
「あ、ハンス、おかえりなさいっ!」
のんびりとした足取りでハンスが部屋へと入ってくる。ゆったりとした靴音。でも一足が大きいせいかすぐに俺のところまで辿り着く。騎士団の制服をコートの下に隠した彼は、洗面所の前で立ったままの俺をぎゅっと抱きしめた。
「アオ、いい子にしてた?」
「ん、」
うん、という前に顎をすくいあげられてキスされる。分厚い舌がべろりと唇を舐めて、遠慮なんてなく口を割り拓かれる。くちゅくちゅと音がでるほど口の中をかき回され、唾液を飲み込まされて、ようやく口が離された。おかえりのキスにしては濃厚すぎるそれに足元がふらつく。それを見越していたかのように体を抱えられた。
「ね、浮気しないで、いい子で待ってた?」
ちゅ、ちゅ、とまだ頬や額に唇を落としながら、ハンスが尋ねてくる。口調は軽くふざけているようだけど、細められた瞳は真剣な色が見え隠れしていて、俺はそのことにぞくりとしたものが体に走るのを感じた。嫉妬深い恋人を怒らせるのは良くないけど、体は彼から齎される快感を思い出してしまって、じくじくとした熱が灯りそうだった。
「アオ? 返事は?」
「う、ん……」
重ねて尋ねられて、俺は頷くとその場でズボンを脱ぐ。そっと彼の胸を押して距離を取ると、くるりと彼に背を向けて壁に胸をあずけるように寄りかかる。尻を突き出して尻たぶをつかむと、羞恥心に体を震わせながらくぱぁ♡とそこを開いた。
「俺が浮気してないか、確認して……♡」
ハンスが唾を飲む音が聞こえる。刺さりそうなほど熱い視線が、晒された後孔にそそがれる。今夜も酷いことされちゃいそうだな……♡と思いながら、俺はこっそりと微笑んだ。
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