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グウゾウ壱
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明はここ最近で一番の緊張に襲われていた。異常に伸ばした背筋を緩めることはできないし、肩にも強い力が入り、明日以降筋肉痛に苛まれるだろうと予測できる。瞼すら自分の思う通りにならず、ギンギンになった視線を目の前の相手にに送り付けることになっている。
「久しぶり、本宮」
目の前の存在から親しげに声を掛けられる久斗が信じられず、頭の中は混乱するが、身体が言うことを聞かず、目はかっぴらいたままで、身体も動かない。だって自分たちの前で椅子に座って微笑んでいるのは、明でも知っている有名人…いや、芸能人…アイドルなのだ。内心で、何でこんな奴と天下のアイドルグループSJK49の3代目キャプテン立川史織が知り合いなんだよっっとツッコミを入れているが、現実では史織の芸能人オーラにやられて、何も言葉を発せず黙り込んでいる。一方で、久斗は史織と旧知の仲らしく、明の緊張なんて微塵も気にせずに、話を進め始めた。
「立川、お前本当にヤバい案件紹介してくれたな」
「えー?」
久斗は史織に委縮しないどころか、少し不機嫌気味に文句を言い始めた。
「箱。何かわかってだろ」
「もちろん。私にわからないことはないよ。わかってる癖に」
しかし、久斗の不機嫌さも意に介さず、史織はクスクスと笑って見せた。
「お前が知ってることを話せ。依頼者にウチを紹介したんだから、それくらい道理だろ」
久斗のこの言葉でやっと、今日久斗が明に合わせようとした、葛城ミオをシノノメ探偵社へと導いた【魔女】が立川史織なのだと気づいた。全く勘の悪いことだと思うが、極度の緊張状態にあったのだ、しょうがないと自分に言い聞かせる。
「わかることって言ってもね。私じゃ解決が厳しそうだったから本宮のところに投げたんだよ?」
「お前が解決できないって、基本的に能力的な問題じゃないだろ。やる気があるか、ないか」
「私の職業知ってる? アイドルなの~しかもキャプテンなの~紅白歌手なの~」
「知らない。芸能人興味ない」
「ふーん、そっちの子は興味ありそうだけどね? ハロー」
突然史織が明の方に視線を向け、ニコニコと手を振ってきた。完全に油断していた明は、史織の笑顔の破壊力に思わず赤面する。黒髪がツヤツヤ光って天使の輪みたいになっているし、何だかいい匂いがする気もする。
「えっと…あ…ずっと前からテレビで拝見してます」
赤面したまま、小さく頭を下げると、史織はさらにうれしそうに笑ってくれた。すると明はさらに赤面する。そうしていると痺れを切らしたのか、久斗が明の脇腹を抓ってきた。
「イタッ何すんだよ」
「お前が鼻の舌伸ばしてるからだよ、馬鹿」
そのまま久斗に鼻を摘ままれて、ぐりぐりされる。
「ねぇちょっといちゃつかないでよ。話聞きに来たんじゃないの?」
史織の言葉で明はハッと我に返り、さっきとは違う気持ちで赤面した。
「話す気があるなら、はやく話せ」
「はいはい。一番知りたいのは箱の材料?」
「ああ」
「幸いなことに、あれは花田可緒じゃないよ。ノロイノハコには違いないけど、サイズも小さいしね。まぁ許容範囲かなって感じ。今の本宮ならギリ祓えるんじゃない?」
「祓えるけど、祓ったらしばらく活動できなさそうだから、とりあえず知り合いの結界師に封印してもらおうと思ってる」
「まあそれが妥当かもね」
「俺たちの目的は、あの箱を作った奴をどうにかすることじゃない。花田可緒の救出だ。それが依頼だからな」
「……だからシノノメ探偵社に紹介しちゃうんだよね。依頼の本質見失わないとこ大好き」
史織が独り言みたいに呟いた。
「私ができることは何でもするよ。でも、立場上業界での案件はほとんど動けないの。だから頼りにしてる。シノノメ探偵社」
「久しぶり、本宮」
目の前の存在から親しげに声を掛けられる久斗が信じられず、頭の中は混乱するが、身体が言うことを聞かず、目はかっぴらいたままで、身体も動かない。だって自分たちの前で椅子に座って微笑んでいるのは、明でも知っている有名人…いや、芸能人…アイドルなのだ。内心で、何でこんな奴と天下のアイドルグループSJK49の3代目キャプテン立川史織が知り合いなんだよっっとツッコミを入れているが、現実では史織の芸能人オーラにやられて、何も言葉を発せず黙り込んでいる。一方で、久斗は史織と旧知の仲らしく、明の緊張なんて微塵も気にせずに、話を進め始めた。
「立川、お前本当にヤバい案件紹介してくれたな」
「えー?」
久斗は史織に委縮しないどころか、少し不機嫌気味に文句を言い始めた。
「箱。何かわかってだろ」
「もちろん。私にわからないことはないよ。わかってる癖に」
しかし、久斗の不機嫌さも意に介さず、史織はクスクスと笑って見せた。
「お前が知ってることを話せ。依頼者にウチを紹介したんだから、それくらい道理だろ」
久斗のこの言葉でやっと、今日久斗が明に合わせようとした、葛城ミオをシノノメ探偵社へと導いた【魔女】が立川史織なのだと気づいた。全く勘の悪いことだと思うが、極度の緊張状態にあったのだ、しょうがないと自分に言い聞かせる。
「わかることって言ってもね。私じゃ解決が厳しそうだったから本宮のところに投げたんだよ?」
「お前が解決できないって、基本的に能力的な問題じゃないだろ。やる気があるか、ないか」
「私の職業知ってる? アイドルなの~しかもキャプテンなの~紅白歌手なの~」
「知らない。芸能人興味ない」
「ふーん、そっちの子は興味ありそうだけどね? ハロー」
突然史織が明の方に視線を向け、ニコニコと手を振ってきた。完全に油断していた明は、史織の笑顔の破壊力に思わず赤面する。黒髪がツヤツヤ光って天使の輪みたいになっているし、何だかいい匂いがする気もする。
「えっと…あ…ずっと前からテレビで拝見してます」
赤面したまま、小さく頭を下げると、史織はさらにうれしそうに笑ってくれた。すると明はさらに赤面する。そうしていると痺れを切らしたのか、久斗が明の脇腹を抓ってきた。
「イタッ何すんだよ」
「お前が鼻の舌伸ばしてるからだよ、馬鹿」
そのまま久斗に鼻を摘ままれて、ぐりぐりされる。
「ねぇちょっといちゃつかないでよ。話聞きに来たんじゃないの?」
史織の言葉で明はハッと我に返り、さっきとは違う気持ちで赤面した。
「話す気があるなら、はやく話せ」
「はいはい。一番知りたいのは箱の材料?」
「ああ」
「幸いなことに、あれは花田可緒じゃないよ。ノロイノハコには違いないけど、サイズも小さいしね。まぁ許容範囲かなって感じ。今の本宮ならギリ祓えるんじゃない?」
「祓えるけど、祓ったらしばらく活動できなさそうだから、とりあえず知り合いの結界師に封印してもらおうと思ってる」
「まあそれが妥当かもね」
「俺たちの目的は、あの箱を作った奴をどうにかすることじゃない。花田可緒の救出だ。それが依頼だからな」
「……だからシノノメ探偵社に紹介しちゃうんだよね。依頼の本質見失わないとこ大好き」
史織が独り言みたいに呟いた。
「私ができることは何でもするよ。でも、立場上業界での案件はほとんど動けないの。だから頼りにしてる。シノノメ探偵社」
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