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4月7日
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訓練3日目。
朝、起きることは出来たものの休めた気がしなかった。
それから、朝食の時間帯。噂がたまたま耳に入ったのだが、昨日運ばれたあの男は亡くなったらしい。
誰から聞いた情報なのか、情報の正確性は気になるところだが、所詮噂話だと考えることにした。
本日の訓練は一日使って近くの山へ登山となる。
その山事態はそれ程難易度が高いわけではなく、昔はよく登山客がいたらしい。
上級者でなくても登れる山とのことだが、目的は班で行動し、チームワークを深めるというのが今日の目標になる。
各班は四つある登山ルートにわかれ、9時スタートで一斉に始まる。タイムが測られ、ほとんどの班は一位を目指し登山を急いだ。
一方で、アニムス班の班長は一位は目指さないと最初に皆に言った。
「タイムは気にするが、順位を気にしてチームワークが乱れては、今日の目的にそぐわない。皆のいけるペースで行こう」
それにピズマは不満そうだった。彼が班長ならやはり一位を目指しそうだなと心の中で思ったからだ。
各班、それぞれが山頂を目指す中で、基地の報では見張りの兵士が空に何かを感じ首を傾げた。
「ん?」
見張り台は、北の方角に位置する基地の港だ。そこには島へ向かう戦艦がとまっている。
その上空に黒い何かが飛んだのが見えたのだ。
最初鳥かなにかと思って気にしないでいようとしているところ、基地の上空から赤いレーザー、3本線が基地に当たった。数秒後、その施設はいきなり火を吹き、爆発音と共に建物は砕け散り、次々と破壊の連鎖が始まる。
遅い警報が鳴り響き、山で訓練を続けていた兵士達にもそれは届いた。
「おい、班長! 基地の方から警報だぞ!」とピズマ。
「直ちに訓練を中断。基地へ向かうぞ」
班長の判断で、皆が返事をし急いで下山に向かった。
「まさか、基地が襲撃されているんじゃないだろうな」
不吉なことをグルトンは言った。だが、あり得ない話しではない。忘れてはならないのは、この基地は最前線から近い場所にあるということだ。
だが、一方で島で戦っている最前線はどうなっているというのか。
想像するのも怖くなる。
だが、それよりも気になることがグルトンにはあった。
ほとんどは山で訓練に出ている。まさに、基地は手薄状態というわけだが、タイミングが良すぎるのではないかと。
まさか、予期していたのか?
それは昨日運ばれた負傷兵と関係があるのか。
先に基地に辿り着いた班は目の前にある燃える基地の光景をただ眺めることしか出来なかった。
遠くで、まだ銃声が聞こえ戦いが続いているようだが、目の前の炎がそれを邪魔して近づくことさえ出来ないでいた。
遅れて幾つかの班も到着したが、似たよに唖然とし驚愕した。
敵と戦う為に志願し訓練していた矢先に、全てを失った。
この出来事は速報され、都市部だけに留まらず全世界に衝撃が走った。
タルター島の防衛ラインを突破され、北部基地は壊滅。
◇◆◇◆◇
エルスキア支部の負傷兵を更に南の街へ移す為、大移動が行われていた。
「車が全く足りんぞ」
兵士達も基地を放棄し、ギルドで負傷兵を抱えながら南へ目指し協力していたが、ほぼゴーストタウンとなった街では、大移動の為の移動手段は最早鉄道以外にない。
駅には大勢が集まっており、沢山の人が最後の列車に入ろうとした。
「ここがほとんど錆びた街で良かった」
そう話すのはギルドマスターだった。ソフィーは黙って聞いていた。
「錆びていなければ、全員は乗らなかっただろう。そう言えば、アサイは基地襲撃時は基地におらず助かったそうだ。運が良かった」
そんなアサイ達は列車の最後尾に乗車していた。ギルドマスターが言うようにギリギリなんとか全員が乗ることができた。
列車が動き出し、街を去っていこうとした。
それは即ち、北部をすてることを意味した。
人類は、魔王軍におされているのだ。
それは、私達の生活圏がどんどん侵略されていっていることと意味は同じだった。
朝、起きることは出来たものの休めた気がしなかった。
それから、朝食の時間帯。噂がたまたま耳に入ったのだが、昨日運ばれたあの男は亡くなったらしい。
誰から聞いた情報なのか、情報の正確性は気になるところだが、所詮噂話だと考えることにした。
本日の訓練は一日使って近くの山へ登山となる。
その山事態はそれ程難易度が高いわけではなく、昔はよく登山客がいたらしい。
上級者でなくても登れる山とのことだが、目的は班で行動し、チームワークを深めるというのが今日の目標になる。
各班は四つある登山ルートにわかれ、9時スタートで一斉に始まる。タイムが測られ、ほとんどの班は一位を目指し登山を急いだ。
一方で、アニムス班の班長は一位は目指さないと最初に皆に言った。
「タイムは気にするが、順位を気にしてチームワークが乱れては、今日の目的にそぐわない。皆のいけるペースで行こう」
それにピズマは不満そうだった。彼が班長ならやはり一位を目指しそうだなと心の中で思ったからだ。
各班、それぞれが山頂を目指す中で、基地の報では見張りの兵士が空に何かを感じ首を傾げた。
「ん?」
見張り台は、北の方角に位置する基地の港だ。そこには島へ向かう戦艦がとまっている。
その上空に黒い何かが飛んだのが見えたのだ。
最初鳥かなにかと思って気にしないでいようとしているところ、基地の上空から赤いレーザー、3本線が基地に当たった。数秒後、その施設はいきなり火を吹き、爆発音と共に建物は砕け散り、次々と破壊の連鎖が始まる。
遅い警報が鳴り響き、山で訓練を続けていた兵士達にもそれは届いた。
「おい、班長! 基地の方から警報だぞ!」とピズマ。
「直ちに訓練を中断。基地へ向かうぞ」
班長の判断で、皆が返事をし急いで下山に向かった。
「まさか、基地が襲撃されているんじゃないだろうな」
不吉なことをグルトンは言った。だが、あり得ない話しではない。忘れてはならないのは、この基地は最前線から近い場所にあるということだ。
だが、一方で島で戦っている最前線はどうなっているというのか。
想像するのも怖くなる。
だが、それよりも気になることがグルトンにはあった。
ほとんどは山で訓練に出ている。まさに、基地は手薄状態というわけだが、タイミングが良すぎるのではないかと。
まさか、予期していたのか?
それは昨日運ばれた負傷兵と関係があるのか。
先に基地に辿り着いた班は目の前にある燃える基地の光景をただ眺めることしか出来なかった。
遠くで、まだ銃声が聞こえ戦いが続いているようだが、目の前の炎がそれを邪魔して近づくことさえ出来ないでいた。
遅れて幾つかの班も到着したが、似たよに唖然とし驚愕した。
敵と戦う為に志願し訓練していた矢先に、全てを失った。
この出来事は速報され、都市部だけに留まらず全世界に衝撃が走った。
タルター島の防衛ラインを突破され、北部基地は壊滅。
◇◆◇◆◇
エルスキア支部の負傷兵を更に南の街へ移す為、大移動が行われていた。
「車が全く足りんぞ」
兵士達も基地を放棄し、ギルドで負傷兵を抱えながら南へ目指し協力していたが、ほぼゴーストタウンとなった街では、大移動の為の移動手段は最早鉄道以外にない。
駅には大勢が集まっており、沢山の人が最後の列車に入ろうとした。
「ここがほとんど錆びた街で良かった」
そう話すのはギルドマスターだった。ソフィーは黙って聞いていた。
「錆びていなければ、全員は乗らなかっただろう。そう言えば、アサイは基地襲撃時は基地におらず助かったそうだ。運が良かった」
そんなアサイ達は列車の最後尾に乗車していた。ギルドマスターが言うようにギリギリなんとか全員が乗ることができた。
列車が動き出し、街を去っていこうとした。
それは即ち、北部をすてることを意味した。
人類は、魔王軍におされているのだ。
それは、私達の生活圏がどんどん侵略されていっていることと意味は同じだった。
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