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消えた弟
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そんな予感はしていた。弟が高卒で働き始めてから一年半が過ぎた母の誕生日に彼女が出来たと報告したのだ。どこで知り合ったのかその話しを聞いた時は不思議に思った。まさかマッチングアプリを使って出会いを求めていたなんて想像がつかなかった。きっかけは今も分からない。なにせ一年ちょっとしか続かなかったからだ。弟が言うには彼女の方に問題があったと言うのだ。私や家族はそれを聞いていたが鵜呑みにはしなかった。それは弟からの一方的な主観の入った主張だったからだ。
別れたなら別れたで弟の人生。自分には関係ない。弟の人格をたてに一線を画していた家族はたいして問題視しなかった。
弟は今回の件で一人の自由な時間を楽しむようになった。もう、彼女はいいや、そんな独身貴族のような台詞を吐いたが、祖父は孫がみたいと結婚しない私達に結婚を迫った。
「男なら城を持って子どもをもたないとダメだよ、やっぱり」と言う。その台詞は正月の酒がだいぶ入った頃に本音が出ていた。
気持ちは分からなくもない。だが、仕事の多忙さ故にあまり乗り気にはなれなかった。
勿論、婚期が遅ければ遅いほど自分が歳をとった時子どもは高校生になってしまう、それは大変だぞというのは大人達の経験則からの助言だということは理解しているつもりだ。
だが、それは結婚を前提とした場合であり、弟はもう結婚は頭にはなかった。
ただ、前の彼女が上手くいかないだけでそこまで懲り懲りになるなんて、いったいどんな別れ方をしたのか、聞きたい気持ち半分に私はそっとしておく選択をした。
それが間違いだったのかもしれない。
弟が彼女と別れて一年、元彼女は妊娠していた。それを聞かされたのは更に一年以上後のことで既に子どもは生まれていた。弟は俺の子どもじゃないと言い張った。元彼女は浮気をし別の男と一緒にいた。それを知り元彼女に問い詰め、そのまま口論となり、愛想が尽きた弟が彼女を振ったのだと。
「検査をしなきゃ俺は認めないからな!」
検査っていったって費用はどれくらいかかるのか分からないが、安くはない筈だ。最初これだけを聞いた時、お金の面で揉めそうな雰囲気がして家族は心配していた。
だが、予想と違って女性は弟から何か金銭的な要求をしたわけではなかった。ただ、自分の子どもだと教えたかったのだ。父親になれないにしても。弟はそれを認めようとはしなかった。
金銭的な要求はなく、元彼女もそれから弟へ連絡をしてくるようなことはなかった。
家族は一安心したが、自分だけは違った。
気になるのはそれが自分の子どもだという可能性がゼロではないのに、何故弟はそれを突き放すように否定したのか。普通気にはならないのか。検査費用を工面してでも確かめたいと思うものだろう。もし、自分の子どもなら情が沸かないのか。関係ないのか。
私にはどうも家族と弟と違ってその子どもは弟の血が流れているのではないのか、そういう考えがよぎるのだ。
とはいえ、それを弟に言うことはしなかった。弟はこの話しを蒸し返されたくはないだろう。どうせなら忘れたい出来事。弟にとって前の男が忘れられない元彼女に嫉妬したり、怒りを覚えたりして、とにかく元彼女が許せないのだ。だから終わったことにしておきたいのだ。
その弟の思い通りは3年続いた。そして、その次の年、弟は失踪した。
「失踪って行方不明になる年齢じゃないだろ」
兄である高橋真司は同じ大学卒業の宮沢代吉に相談していた。その宮沢は何をそんなに心配しているのか? と眉をひそめた。私も母親から電話で心配された時は同じ反応をしたものだ。
「ただ弟は職場にはずっと来ていないんだ。それに車は自宅に置いたままなんだ」
「まぁ……だとしたらおかしいか」
「ただ、車じゃないんだとしたら事故はないと思うんだよ。となるとどこへ行ったのか……」
宮沢は腕を組んで一緒に考え込んだ。
2人の背は175センチぐらい、背格好は同じくらい中肉中背。宮沢の方はスーツ姿に黒髪ショート、黒縁のメガネをかけ、整えられた口髭を生やしている。ユニクロの感動ジャケットに感動パンツ、白シャツの組み合わせ。
対する高橋はサラリーマンで今日は土曜日ということもあって私服姿だった。
「弟さんも君も実家から出て一人暮らしだっけ?」
「そう。でも、県内だよ。市が隣というだけで」
「それじゃ普段は遠くへは行かないのか」
「釣りとドライブぐらいしか知らないけど。ただその釣り仲間と車仲間は弟を知らないらしい」
「それじゃ本当に誰も知らないんだ?」
「そう」
かといって何か困っていることがあったとかそんな話しはなかった。ただ、家族に話しをしていないことがなければの話しだ。誰にだって秘密はある。家族にさえ秘密をしていることだって。弟の話しが全てではない。それは弟の中に閉ざされたままだ。
高橋が何故宮沢にこんな悩みの相談をしたかというと、彼は昔から閉ざされた潜在を読み解くに才能があった。彼曰く、普段目がいくのは顕在意識というもので、それより深い場所に存在するのが潜在意識というものらしい。例えば本屋の心理学コーナーに必ずといっていい程あるアドラー心理学の本は潜在意識に着目している。
最初、私は潜在意識と言われた時はあまりよく分からなかった。だが、それはヒントになる時がある。
彼はそうやって人のトラブルを解決し、いつしか大学内では探偵と呼ばれるようになった。
いちよう注釈すると事件を解決したなんてアニメやドラマのような話しではない。
それに私は今も弟が無事で事故や事件に巻き込まれて消えたとは思っていない。
ただ、宮沢にとって悩みどころは大学の知り合いではなく、全く接点がなかった私の弟だということ。そして、家族である私でも弟の普段をあまり知らない。知ったのは車好きで釣り好きだということくらい。
「いなくなってどれくらい?」
「二週間くらいになる。流石に仕事先に何もいわず二週間もいなくなるのはない」
「確かに」
だが、だからといって心当たりがあるわけではない。あいつのトラブルなんて昔の女くらいにしか知らない。
「探偵ならなんか推理でどうにかならないか?」
「俺は探偵じゃないし第一勝手にお前達がそう言ってただけであんなものが推理なわけないよ」
「でも当てたじゃん」
「結果的にだよ。悪いけど今回は無理。本当に分からない。釣り仲間とか共通の仲間にも一切喋ってないんじゃ、そっち関係じゃなさそうだけど」
「そこをなんとか頼むよ」
「まずな、仕事場に来ないとか車が置いたままだとか、その時点で弟さんは明らかに日常の習慣的な行為とは違うということだ。その点で普段の日常を追うより、どこから違うのか、その分岐点ときっかけは何かを知らなきゃ分からない。それで、正確には分かるのか?」
「いなくなる前の金曜日はいつも通り出勤していた。土日は分からない。出勤してないのは月曜日からだ」
「土日は仕事が休みなのか?」
「ああ」
「なら、土日に何かあったかもな」
「土日は友達とは会っていないのは分かってる。多分調べたら車がいつからあるのかも分かると思う」
「そうだな。まず、そこからじゃないのか? 正直、警察案件だと思うけど警察は?」
「警察には言ってあるけどあれから連絡はまだ」
「そう……」
「車がいつからあるのか分かったらラインで連絡するよ」
「分かった。一つ聞いていい?」
「いいよ。なに?」
「弟さんは羽目を外すことはあるの?」
「否定は出来ないかな。でも、無断欠勤するような奴ではない」
「そうなんだ。分かった」
それから数時間後の15時頃、宮沢にラインで日曜日から車があるということを伝えた。既読になったのは夕方。宮沢からはありがとうという返事ともう一つ、早く見つかるといいね、という言葉が送られてきた。まるで彼はハッキリとは口にしないが弟が何かに巻き込まれているんじゃないかと疑う、なにか不吉な予感のような含みを滲ませている気がした。
確かに無断欠勤しない弟が連絡もしないどころか連絡すらずっととれないのは非常識というより心配が勝る。それは分かっている。でも、弟のことだから多分大丈夫な筈だ。心配はしているけど。
弟は最初は喧嘩も弱く泣き虫だった。鼻水を垂らし苺が大好きだった弟は思春期をむかえる中学生頃から可愛さがなくなり、家にいることも少なくなった。二十代にはおっさんみたいに車好き酒好き煙草は吸う、釣り仲間やドライブ仲間ができて、自分の好きなことを好きなように生きていた。努力とか見せるタイプではないというわけではなく、努力が嫌いなんだろうと勉強嫌いから感じていたし、実際自由奔放な生活をしていた。なにかあるとしたらその性格からかもしれない。だとしてもそれはきっと社会全体で見たら些細なことだろう。
だから、弟が妊娠させ別れたあの一件は私の知らない弟の部分でいつまでも衝撃として残っていた。
弟も当たり前だがもうその話しをしてこない。
家族はあの一件を忘れたのだ。いや、忘れることにしたのだ。
無責任、非常、クソ男、客観的にみたらそう捉えるだろうし、家族なら尚更おかしいと思ったらおかしいと言うべきだったのかもしれない。
とにかく、あれは終わったことだがどこかで金銭的な例えば教育費とか、そういったことになるのではないのかと、そんな予感はしていた。
そもそも、弟はどこまで自覚をしていたのか。自分の子どもではないと。
私は生まれたあの子は弟の子どもではないかと弟を裏切るようだが相手の元彼女を信じていた。
恐らくこの話しは家族をバラバラにする爆弾のような嫌な予感がした。
そう、嫌な予感は言葉にすると現実になるかもしれない。そんなオカルトじみた迷信を信じている。
だが、言葉にしなくても嫌な予感というのは当たってしまう。
弟ともう会っても関わってもいないと思っていた元彼女の最初の彼氏、つまり弟が不倫をしていると言った相手の男と弟が土曜日の昼に会っていたと知ったのは失踪して約三週間が経とうとする頃、警察からの一報でだった。
別れたなら別れたで弟の人生。自分には関係ない。弟の人格をたてに一線を画していた家族はたいして問題視しなかった。
弟は今回の件で一人の自由な時間を楽しむようになった。もう、彼女はいいや、そんな独身貴族のような台詞を吐いたが、祖父は孫がみたいと結婚しない私達に結婚を迫った。
「男なら城を持って子どもをもたないとダメだよ、やっぱり」と言う。その台詞は正月の酒がだいぶ入った頃に本音が出ていた。
気持ちは分からなくもない。だが、仕事の多忙さ故にあまり乗り気にはなれなかった。
勿論、婚期が遅ければ遅いほど自分が歳をとった時子どもは高校生になってしまう、それは大変だぞというのは大人達の経験則からの助言だということは理解しているつもりだ。
だが、それは結婚を前提とした場合であり、弟はもう結婚は頭にはなかった。
ただ、前の彼女が上手くいかないだけでそこまで懲り懲りになるなんて、いったいどんな別れ方をしたのか、聞きたい気持ち半分に私はそっとしておく選択をした。
それが間違いだったのかもしれない。
弟が彼女と別れて一年、元彼女は妊娠していた。それを聞かされたのは更に一年以上後のことで既に子どもは生まれていた。弟は俺の子どもじゃないと言い張った。元彼女は浮気をし別の男と一緒にいた。それを知り元彼女に問い詰め、そのまま口論となり、愛想が尽きた弟が彼女を振ったのだと。
「検査をしなきゃ俺は認めないからな!」
検査っていったって費用はどれくらいかかるのか分からないが、安くはない筈だ。最初これだけを聞いた時、お金の面で揉めそうな雰囲気がして家族は心配していた。
だが、予想と違って女性は弟から何か金銭的な要求をしたわけではなかった。ただ、自分の子どもだと教えたかったのだ。父親になれないにしても。弟はそれを認めようとはしなかった。
金銭的な要求はなく、元彼女もそれから弟へ連絡をしてくるようなことはなかった。
家族は一安心したが、自分だけは違った。
気になるのはそれが自分の子どもだという可能性がゼロではないのに、何故弟はそれを突き放すように否定したのか。普通気にはならないのか。検査費用を工面してでも確かめたいと思うものだろう。もし、自分の子どもなら情が沸かないのか。関係ないのか。
私にはどうも家族と弟と違ってその子どもは弟の血が流れているのではないのか、そういう考えがよぎるのだ。
とはいえ、それを弟に言うことはしなかった。弟はこの話しを蒸し返されたくはないだろう。どうせなら忘れたい出来事。弟にとって前の男が忘れられない元彼女に嫉妬したり、怒りを覚えたりして、とにかく元彼女が許せないのだ。だから終わったことにしておきたいのだ。
その弟の思い通りは3年続いた。そして、その次の年、弟は失踪した。
「失踪って行方不明になる年齢じゃないだろ」
兄である高橋真司は同じ大学卒業の宮沢代吉に相談していた。その宮沢は何をそんなに心配しているのか? と眉をひそめた。私も母親から電話で心配された時は同じ反応をしたものだ。
「ただ弟は職場にはずっと来ていないんだ。それに車は自宅に置いたままなんだ」
「まぁ……だとしたらおかしいか」
「ただ、車じゃないんだとしたら事故はないと思うんだよ。となるとどこへ行ったのか……」
宮沢は腕を組んで一緒に考え込んだ。
2人の背は175センチぐらい、背格好は同じくらい中肉中背。宮沢の方はスーツ姿に黒髪ショート、黒縁のメガネをかけ、整えられた口髭を生やしている。ユニクロの感動ジャケットに感動パンツ、白シャツの組み合わせ。
対する高橋はサラリーマンで今日は土曜日ということもあって私服姿だった。
「弟さんも君も実家から出て一人暮らしだっけ?」
「そう。でも、県内だよ。市が隣というだけで」
「それじゃ普段は遠くへは行かないのか」
「釣りとドライブぐらいしか知らないけど。ただその釣り仲間と車仲間は弟を知らないらしい」
「それじゃ本当に誰も知らないんだ?」
「そう」
かといって何か困っていることがあったとかそんな話しはなかった。ただ、家族に話しをしていないことがなければの話しだ。誰にだって秘密はある。家族にさえ秘密をしていることだって。弟の話しが全てではない。それは弟の中に閉ざされたままだ。
高橋が何故宮沢にこんな悩みの相談をしたかというと、彼は昔から閉ざされた潜在を読み解くに才能があった。彼曰く、普段目がいくのは顕在意識というもので、それより深い場所に存在するのが潜在意識というものらしい。例えば本屋の心理学コーナーに必ずといっていい程あるアドラー心理学の本は潜在意識に着目している。
最初、私は潜在意識と言われた時はあまりよく分からなかった。だが、それはヒントになる時がある。
彼はそうやって人のトラブルを解決し、いつしか大学内では探偵と呼ばれるようになった。
いちよう注釈すると事件を解決したなんてアニメやドラマのような話しではない。
それに私は今も弟が無事で事故や事件に巻き込まれて消えたとは思っていない。
ただ、宮沢にとって悩みどころは大学の知り合いではなく、全く接点がなかった私の弟だということ。そして、家族である私でも弟の普段をあまり知らない。知ったのは車好きで釣り好きだということくらい。
「いなくなってどれくらい?」
「二週間くらいになる。流石に仕事先に何もいわず二週間もいなくなるのはない」
「確かに」
だが、だからといって心当たりがあるわけではない。あいつのトラブルなんて昔の女くらいにしか知らない。
「探偵ならなんか推理でどうにかならないか?」
「俺は探偵じゃないし第一勝手にお前達がそう言ってただけであんなものが推理なわけないよ」
「でも当てたじゃん」
「結果的にだよ。悪いけど今回は無理。本当に分からない。釣り仲間とか共通の仲間にも一切喋ってないんじゃ、そっち関係じゃなさそうだけど」
「そこをなんとか頼むよ」
「まずな、仕事場に来ないとか車が置いたままだとか、その時点で弟さんは明らかに日常の習慣的な行為とは違うということだ。その点で普段の日常を追うより、どこから違うのか、その分岐点ときっかけは何かを知らなきゃ分からない。それで、正確には分かるのか?」
「いなくなる前の金曜日はいつも通り出勤していた。土日は分からない。出勤してないのは月曜日からだ」
「土日は仕事が休みなのか?」
「ああ」
「なら、土日に何かあったかもな」
「土日は友達とは会っていないのは分かってる。多分調べたら車がいつからあるのかも分かると思う」
「そうだな。まず、そこからじゃないのか? 正直、警察案件だと思うけど警察は?」
「警察には言ってあるけどあれから連絡はまだ」
「そう……」
「車がいつからあるのか分かったらラインで連絡するよ」
「分かった。一つ聞いていい?」
「いいよ。なに?」
「弟さんは羽目を外すことはあるの?」
「否定は出来ないかな。でも、無断欠勤するような奴ではない」
「そうなんだ。分かった」
それから数時間後の15時頃、宮沢にラインで日曜日から車があるということを伝えた。既読になったのは夕方。宮沢からはありがとうという返事ともう一つ、早く見つかるといいね、という言葉が送られてきた。まるで彼はハッキリとは口にしないが弟が何かに巻き込まれているんじゃないかと疑う、なにか不吉な予感のような含みを滲ませている気がした。
確かに無断欠勤しない弟が連絡もしないどころか連絡すらずっととれないのは非常識というより心配が勝る。それは分かっている。でも、弟のことだから多分大丈夫な筈だ。心配はしているけど。
弟は最初は喧嘩も弱く泣き虫だった。鼻水を垂らし苺が大好きだった弟は思春期をむかえる中学生頃から可愛さがなくなり、家にいることも少なくなった。二十代にはおっさんみたいに車好き酒好き煙草は吸う、釣り仲間やドライブ仲間ができて、自分の好きなことを好きなように生きていた。努力とか見せるタイプではないというわけではなく、努力が嫌いなんだろうと勉強嫌いから感じていたし、実際自由奔放な生活をしていた。なにかあるとしたらその性格からかもしれない。だとしてもそれはきっと社会全体で見たら些細なことだろう。
だから、弟が妊娠させ別れたあの一件は私の知らない弟の部分でいつまでも衝撃として残っていた。
弟も当たり前だがもうその話しをしてこない。
家族はあの一件を忘れたのだ。いや、忘れることにしたのだ。
無責任、非常、クソ男、客観的にみたらそう捉えるだろうし、家族なら尚更おかしいと思ったらおかしいと言うべきだったのかもしれない。
とにかく、あれは終わったことだがどこかで金銭的な例えば教育費とか、そういったことになるのではないのかと、そんな予感はしていた。
そもそも、弟はどこまで自覚をしていたのか。自分の子どもではないと。
私は生まれたあの子は弟の子どもではないかと弟を裏切るようだが相手の元彼女を信じていた。
恐らくこの話しは家族をバラバラにする爆弾のような嫌な予感がした。
そう、嫌な予感は言葉にすると現実になるかもしれない。そんなオカルトじみた迷信を信じている。
だが、言葉にしなくても嫌な予感というのは当たってしまう。
弟ともう会っても関わってもいないと思っていた元彼女の最初の彼氏、つまり弟が不倫をしていると言った相手の男と弟が土曜日の昼に会っていたと知ったのは失踪して約三週間が経とうとする頃、警察からの一報でだった。
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