雨を降らす男

アズ

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 大友は模試の結果を鞄にくしゃくしゃに詰め、暗澹あんたんな気持ちを紛らわすかのように近くのゲーセンへと逃げ込んだ。
 手前に両替機やクレーンゲームがあり、今流行なアニメフィギュアが並んでいる。
 それらもスルーして奥へ進むと、まだ外が明るい時間帯であるにも関わらず、スーツを着たおっさん二人が「死ね! 死ね! 死ね!」と連呼していた。
 二人組がしていたのはゾンビゲームだった。画面に向かって銃を撃ちまくる姿はまるで、日頃のストレスを発散しているかのようで、ふと笑えてしまう。
 サラリーマンと思われる二人は年齢差があり、まるで上司とその部下のようだ。
 その二人が仲良くゾンビゲームをしているのだから微笑ましい。だが、こんな場所で大人が堂々とサボっていいものか。
 所詮赤の他人だ。そんな二人の背中も通り過ぎて、更にその奥にあるレースゲームで時間を潰した。
 黒色の長財布から小銭を取り出し入れると、画面には沢山ある格好いいスポーツカーが並んだ。
 どの車も男なら一度は乗ってみたいと興味をそそられるが、そんな高級車を買って走る自分を想像出来なかった。そもそもそんな高級車、自分には釣り合わない。
 むしゃくしゃした気持ちを晴らすように深く呼吸をした後、アクセルペダルを深く踏み込んだ。
 スピードを飛ばし、何周かしたところで、自分の順位は二位まで上り詰めていた。
 前方には自分の前を走るケツが見えていた。
 あともう少しで追い抜けそうだが、残り一周を過ぎあまり距離が残されていなかった俺は、焦ってアクセルを気持ち強く踏んでいた。
 気づいたらガードレールに激突しスピンする自分の車があった。
 ハンドルを叩き、悔しさと怒りをぶつけた。
 なにもかもが向いていないとあまりの自分の不器用さに心底腹が立った。
 一つでも器用なところがあったらと思う。例えばスポーツや料理、勉強とはいかなくても、それぐらい一つは自分にあってもよかった。それだけでクラスの中では人気者になれただろう。
 だが、なにをしても駄目だった。特技もなく運動神経もそこそこな自分は適当に選んだ卓球部も一回戦勝てるぐらいで二回戦はだいたい負け。せっかくの休みも義務感で部活動の練習をサボることなく汗を流したところで強くはなれなかった。
 どれぐらい遊んだだろうか。小銭が無くなり、札だけになると遊ぶのをやめた。
 せっかくの札を両替機で小銭にする気にもなれなかった。
 あのサラリーマンの二人組はもういなくなっていた。
 俺も随分遊んだし、ゲーセンから出ようとした。
 そこに、見覚えのある顔がゲーセンに入ってきた。スーツ姿でお腹の辺りが膨らんだその男は、自分が通う塾の講師だった。
 塾の講師は時折、自分達の塾生がサボっていないか見回りをしていた。
 俺は急いでその場から逃げるようにプリクラの中に隠れた。
 塾がそこまでやるのかと思うが、お巡り化した先生に捕まりでもしたら、塾まで連れ戻され長ったらしいお説教を聞かされることになる。
 暫く隠れてから、もういなくなった頃合いをみて、プリクラから出ると目の前に不満そうな顔をした女子高生二人組が立っていた。
「ねぇ、ここ男子立ち入り禁止」
 注意された俺は黙って小走りにその場から立ち去った。



 やる事もなくなり、俺は重い足取りで仕方なく家に向かった。
 父親とは離婚した母親は一人で三人の面倒を見ていた。その母親の苦労は分かっているつもりだし、キツキツの中で塾に通わせてくれることに感謝しなきゃいけないことは頭の中では分かっているつもりだった。
 だが、母の期待通りにいかなかった俺は真っ直ぐに家に帰る気になれなかった。
 志望校はそこまで目標が高いわけではないが、地元のそこそこ偏差値のある公立だった。
 だが、その判定はあまりよろしいものではなく、このままいけばそれより偏差値の低い私立大を考えなければならなかった。
 自分には優れた長男や長女がいるわけでもなく、先に生まれたというだけの必然的に長男になった自分は他の家の子の長男長女に比べれば劣っていた。
 母の知り合いの三人兄弟の長男はちゃっかりと名の知れた大企業に就職し、結婚までしている。見事に成功しまくった人生を俺が同じように歩めるわけがなかった。せめて、志望校に合格ぐらいしなきゃならないのに、勉強は不得意で大嫌いだった俺はスポーツで上手くいくのと同じくらいに困難だった。
 そんな弱音を言えば、努力が足らない、気合いが足りないと周りから言われてしまうだろう。
 だが、目指したい将来の夢すらない俺にとってはまずそこから皆と出遅れていた。
 小学生の頃は特に考えもせずに言えた将来の夢が今では一つも思い描けなかった。
 いや、全くないわけではなかった。なれるのなら、作家という道に憧れていた。しかし、作家への道は宝くじを当選させるより難しかった。
 沢山ある応募作の中から自分が選ばれるにはそれなりの文才が求められた。
 だが、稚拙な文章しか書けない俺は圧倒的に語彙力が不足していた。
 書き始めて分かることは、頭の中にあるイメージをどうやって言葉にするのか。文章を書く度に、いちいち壁にぶち当たった。
 最近は携帯からでも小説を簡単に投稿できるようになり、恥ずかしながらも初めて書いた自作を一度はネット上に投稿してみたが、結果は散々だった。
 ネット小説でも沢山ある作品の中に大勢の人が目に止まるということはなく、新しいく投稿しても、次々に他の作品が更新され、あっという間に自分の作品は埋もれ消えていった。
 それを見て、あゝこれが現実なのかと思った。
 久しぶりにそれを思い出して、ずっと前に投稿した作品が今どうなっているか確認すると、相変わらず変化もなく閲覧もゼロ、お気に入り登録もゼロのままだった。
 見なきゃよかったと後悔して、ようやく目の前の玄関を見た。
 アパートの一階でいちいち階段を登り降りする面倒がいらない部屋の玄関を開け中に入り、狭い玄関で靴を脱ぐと行儀悪く足で揃え奥へと進んだ。
 手前からトイレ、風呂場、リビングになる。
 リビングには部屋のサイズを考えずに置かれた大きなテーブルがあって、結果部屋がより狭く感じた。
 こんなデカいテーブルなんて売り払ってしまうか、処分して新たに買ってしまった方がいいと思うのだが、それをいちいち親に提案するのも面倒に感じてしまい今までそのまま黙っていた。いつか、こんなテーブルが消えてスッキリしていればと都合のいい理想を思うだけだった。
 親が台所から現れ待っていましたと言わんばかりに「遅かったわね、なに寄り道していたの」と言ってきた。
「お帰り」は小学生の頃までで、中学生以降は嫌味しか聞かない。
 まるで、真っ直ぐ帰らなかったお父さんがお母さんに嫌味を言われるように。
「それで結果はどうだったの?」
 ほら来たと来るのが分かっていたのに、帰る道中に無難な答えを考えてこなかったのは、自分の母親相手に誤魔化しが通用しないと分かっていたからだった。だからと言って反抗期のように無視して自分の部屋に戻ろうもんなら、母親はその後についていって部屋にまで来て答えが出るまでしつこく訊いてくる。それはまるで、不倫を疑われた父親が「どうなのよ」と問い詰められ、答えるまで逃さないかのように。
 だから、俺は「次は頑張る」と答えた。
「悪かったの? どうなの?」
 何故、今の答えで納得しないんだ。苛立ちながらも「そうだよ」と子供っぽく答えた。
「反抗期の中学生みたい」とそのままを言って台所に母親は戻った。
 いちいち一言、二言、言わないと気が済まないのかと不機嫌になりながら自分の部屋に戻った。
 だが、部屋に戻って自分の勉強机の椅子に座ってから思ったのは、大学に進学するにしろ、俺はいつまで親に甘えていいのだろうと今頃になって真剣に考えてみた。
 だってそうだろ、大学へ進学するにあたって実家暮らしをやめる人だっているだろう。一様、志望校は実家からでも通える距離にはあるが、実家にいつまでもいると周囲は小馬鹿にしたような目で見てくるのではないのか。
 大人が自立するのは当たり前だし、それが実家から出ることなのだ。
 高校生までがギリギリ子どもなら、高校を卒業した時点で親としても早く自立してもらいた筈だ。高校を卒業した子どもがいつまでたっても実家暮らしでいるのをあまり良い印象を持たない。むしろ、実家暮らしで自立出来ない大人がテレビではみっともない姿として、しかも警察密着系番組の犯罪者と同じようにモザイクをかけられているのを見ると、自分がそうならないようにしないといけないと危機的に感じる。
 やる事は以外と多い。勉強、引っ越し、家事、アルバイト。
 そもそも、俺はどんな大人になりたいのか?
 沢山のなりたくない大人像、理想の大人像が脳内で想像される中で、自分の像というのを真剣に考えたことがなかった。
 多分、なりたい目標が見つからないから、自分の像も鮮明にならないんだろう。
 ふと、部屋にある本棚の方を見た。棚の上の段二つは自分の棚スペースで小説が置かれ、下は兄弟達のスペースで漫画が置かれてあった。
 参考書のような教養本がその棚に全くなく、ファンタジーやラノベがほとんどだった。
 ラノベは流行りの異世界ものが多く、どれも異世界に飛び出して現実逃避した主人公達がチートを得て大活躍するなんとも夢みたいな物語で、それにハマってしまうのは単純に物語が楽しいからではなく、そんな世界に自分が憧れていたから、似たようなジャンルが棚に集まってしまったのだろうと自己分析してみた。
 確かに、個性が全くない小説はいくら読んでもつまらないだろうし、いくらリアルに書かれてもリアルがそもそも退屈だったりする。それを何時間もかけて読むよりかはスカッとしたジャンルで息抜きしたい気持ちになる。
 小説に求められるのは日頃の息抜きで読む物語なんだろう。
 だから、自分をついつい投影してしまう俺の作品は人気が出なく、つまらないものになってしまうんだろう。いや、自分がつまらない人間だから作品もつまらなくなるんだろう。
 今思えば、人に話せるような面白い体験をしてきたわけではない。
 恋もなければ、スリルもない。ダラダラと過ごした自分だ。
 偏差値の低い学生が東大を目指し合格した話しなら面白い私小説になっただろうが、事実は小説よりも奇なりは自分にはどうも当てはまらなかった。
 小説のような面白い人生を送ったことがない自分のことより、他人を取材して書いた方が面白い小説になるだろうし、むしろあえて人ではない動物を視点にした小説も面白そうだが、そもそもそんな想像力豊かな人間でもない。
 だから、夢も冷めた話しになる。
 自分は赤い自転車に跨り、必死に自転車を漕いでいる。だが、自転車は一切進まない。それは、自家発電するかのように自転車は器具に固定されてあったからだ。しかし、それで電気を発電しているわけではない。生み出しているのは雨だ。どういう理屈かは分からないが、必死に漕いでいると雨が降るのだ。その近くには広大な畑がある。ここは農場で、自転車を漕いで雨を降らし、農作物を育てるというものだ。だが、そう簡単には雨を降らすことは出来ない。だから、沢山の労働者がいて、自転車を一緒に漕いでいるのだ。そうすると、徐々に雨が降り始め、広大な畑の作物が育つのだ。しかし、水をやり過ぎると作物は逆に腐ってしまう。だから、農場のオーナーが「よし、いいぞ」と言うまで自転車を漕がなければならない。夢の中だから出来ることだろうが、感覚としては神奈川から東京へ向かっている気分だ。
 なんでこんなに足がパンパンでクタクタになるまで働かなければならないのか。まさに、重労働だ。
 だが、自分が見ている夢だと考えると、それはまるで自分の未来の暗示ではないかとさえ思ってしまう。現実の自分も将来肉体労働に就くことになると。
 ヒヤッとさせる夢だが、正夢という言葉があるぐらいだから可能性がないわけではないというのがこれまた嫌な話しだ。
 自転車を漕いでいる時、空を見上げると人が宙に浮いているのだ。
 それも何人もだ。彼らはなにをしているわけでもなく、ただ浮いているのだ。
 そのまま宇宙までいってしまうんじゃないかと思う。
 あの世界での宇宙がどんなか分からないが、現実で想像するにそれは死を意味するのではないかと思う。
 オーナーは俺に言った。
「働かない奴はあゝなる。あゝなりたくなきゃ働くことだ」
 まるで、脅迫だ。
 だから、自転車を漕ぎ続けるわけだが、もし、自分が体調不良で働けなくなったらどうなるのだろうか?
 この世界に休みはないようだし、そうなれば宙に浮いている人達みたいになるってことだろうか。
 だが、現実世界でも働かなければ「死」というのは実在する。例えば、最悪の環境でも働き続ける発展途上国の子供達とかだ。
 雨が降らなければ作物は育たない。オーナーにとって雨を降らす必要があり、労働者はそれに応えなければならない。利益の為に働くブラック企業を想像してしまう。
 ふと、自分の嗅覚が敏感になった。
 鼻から甘い煮物のような香りがする。
 我に返った自分は時計を見てそれから急いで鞄から宿題を取り出す。その後で勉強もしなければならない。
 今日勉強するのは苦手とする生物だ。
 志望校は文系だが、だからといって高校の生物がパスされるわけではない。生物が苦手だと自覚したのは中学生の辺りからだ。植物の話しになった時、あゝダメだ、自分には向いていないと思った。その直感は今でも当たっている。
 ミトコンドリアの話しとか正直大人になって何の役に立つのか? 仕事でも知らなくていい内容ばかりで、しかし、周囲は常識でしょ? みたいな知っていて当たり前の顔をしてくる。だから、恥じない為にもよく分からない生物を勉強するのだが、覚えることが沢山あり過ぎて頭が痛くなった。多分、勉強したくないと躰が反応しているのだろう。それはもうアレルギー症状だ。
 勿論、そんなアレルギー反応はこの世にはないのだが、そんなに勉強が嫌いならわざわざ大学にまで行かなくても高卒で就職を目指せばいい。実際、自分の学校でも就職組は存在する。
 だが、先生は言うのだ。
「就職は簡単じゃないぞ! 進学しろ! 進学!!」
 実際、高卒の就職は厳しかった。地元の就職口がないわけではないが、他校の生徒と僅かな定員を競うのだ。かなり苦戦している子の話しもよく訊く。
 それに、勉強大好き過ぎて大学目指す人はいないだろう。いても少数の筈だ。
 俺も嫌いなものが好きになることがないと諦め頑張るしかないと言い聞かせながら教科書を開いた。



◇◆◇◆◇



 夕飯を食べ終わると俺は財布を持って外に出掛けた。
 目の前は道路で、それを挟んだ向かいにはスタジオ(写真)がある。近くにコンビニやスーパーはなく、アパートの横にある駐輪場で自分の赤い自転車を見つけると鍵を開けそれに跨がると、そこから喫茶店へと向かった。
 食後なのに何故? と思われるかもしれないが、それは勉強がはかどらなかったからだ。
 勉強に集中するには環境をがらっと変えるという方法をとった。それ以外に解決方法が思いつかなかったからだ。
 喫茶店までは自宅から約十分ぐらいだった。
 喫茶店に入ると、かなり人がいた。
 本当なら、勉強机に座った瞬間に勉強スイッチが切り替わればいいのだが、そうはならなかった。ぼーっとしてしまうのだ。
 だから、学校や図書館、喫茶店みたいに環境を大きく変える必要があった。
 喫茶店ぐらいのBGMなら気にならずに勉強に専念できた。
 自分は普段から音楽を聴きながらの勉強が出来なかった。歌詞のない落ち着いたクラシック音楽ならいいんだろうけれども、そのような曲はスマホには入っていなかった。
 喫茶店には色んな客層がいる。だが、ほとんどは若くて女性の割合が高かった。女子同士、学生、サラリーマン……色々な人達がいる中でふと気づいたのはたまたま今日だけなのかもしれないが、カップルらしい姿は見当たらなかった。
 というより、何度か来ているがあまりカップル率は少ない気がする。
 そんなどうでもいい事に気を取られ、ハッと我に返った俺は今度こそ勉強に集中した。



◇◆◇◆◇



 その日の夢は珍しいことが起こった。前回見た夢の続きが現れたのだ。
 しかも、今回は足が地についていなかった。
「え?」
 嫌な予感しかしなかった。
 地面から自分の位置まで約1メートルぐらい空間がある。
 俺は足をぶらぶらとさせるが、どうやったら地面に足をつけられるのか全く分からなかった。
 自分の真下には自分が漕ぐ筈だった自転車があるのに、全然届かない。
 空を見上げると、自分より遥かに高い位置に浮遊している人達が同じく足をバタつかせている。
 もう一度下を見ると、もう既に他の人達は自転車を漕ぎ始めていた。
「え、ちょっと!?」
 働かなきゃ。オーナーの言葉を思い返し、必死に自転車に向かいたいのに、全然地上に近づくことが出来なかった。
 そうこうしているうちに、横にある広大な畑にパラパラと雨が降り始めた。
「そんなぁぁ!!」
 悲鳴のような叫びをしても状況は変わらず、遂にはオーナーが「よし、そこまで! 皆、ご苦労」と言った。
「嘘だろ……」
 オーナーの言葉で皆は仕事を終え、散開さんかいしていった。
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