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学校のない日曜日、受験生だというのにお昼近くまで寝ていたことに衝撃と共にショックを受けた。
とりあえず洗面所に向かい、やるべき事をやってから服を着替え外に出た。
とりあえずお昼をとろうと、自転車に跨り近くにあるラーメン屋に向かうと、既に行列が出来ていた。この時間帯ではどこもそうかとラーメンは諦め、踵を返し途中にあるコンビニで弁当を買っていってから家でその弁当を食って勉強にとりかかった。
昨日は酷い悪夢だった。しかも、そいつは俺の貴重な時間まで奪っていった。
とにかく勉強しなければと歴史の教科書を開く。
歴史と言えば親がかなりショックを受けていたのが鎌倉幕府の1192年が今では1185年と変わっていることだった。歴史なんてそんなものだろうと思ったが、自分が勉強して覚えてきたことが、大人になったら変わっていたなんて訊くと確かにショックを受けるかもしれない。せっかく覚えてきたことが否定されるんだから。
だからといって勉強しないわけにもいかない。
歴史の勉強を一時間ぐらいしていると、玄関の扉が開いた音がした。
母親が帰ってきたようで、わざわざ自分の部屋まで来て勉強している様子を見てから台所へと向かい、スーパーから買ってきたものを冷蔵庫へと入れていった。
そんな生活音が入ると、手が止まる。
一度、なんでこんなに勉強が出来ないのか考えたことがある。その時は学校の先生がやる授業が悪いと先生のせいにした。実際、塾に通わなければ成績はもっと下がっていたと思う。だが、根本的な問題は結局自分なんだろう。いくらでも人のせいに出来るが、それは解決方法にはならなかった。
生活音が消えると、勉強を再開したが、直ぐにテレビの音が聞こえる。
「あああ!!」
もう嫌になって勉強セットを鞄に入れて部屋を出た。
ビックリした母親は「あんた、どこ行くの」と言ってきた。
いや、お前のせいだよと言いかけて寸前で留まり「図書館」と短く返して家を出た。
自転車に跨り図書館へと向かった俺は、ようやく静かな場所を手に入れ、そこで勉強に集中した。
◇◆◇◆◇
稀有な出来事が起こった。
あの夢が連日続いたのである。
昨日見た夢が地上から1メートルだったのに対し今度は5メートルになっていた。
高所恐怖症でなくても怖さを感じるだろうに、相変わらず自転車へは近づけないでいた。むしろ、昨日と比べ遠ざかっている。
そんな事ってあるのか!? と思ったが、そうこうしている間にも労働者達は集まり自転車に跨り始めた。
「ちょっと待ってくれ! 俺はまだです! 働きます! 働かせてください!!」
最後は必死に訴えたのに、オーナーは聞こえているのか、聞こえないフリをしているのか、俺なんか気にせずに仕事は時間通りに始まった。
自転車が一斉に漕ぎ始める。
すると、どっからか前に見た二人組のサラリーマンが現れた。しかも、二人とも銃を持っている。
上から何をする気だと思って眺めていると、その二人組は「死ね! 死ね! 死ね!」と言って、なんと労働者を撃ちまくった。
「なんだこれはあああ!!」
悲惨な惨劇を目の当たりにしているのに、何故か労働者は仲間が撃たれ倒れているのに、他は手を止めずに必死に自転車を漕ぎ続けている。
撃たれて倒れた人をどかし、あいた場所にそのサラリーマンは跨り漕ぎ始めた。
え? そういうシステムだったの!?
自分の頭の中で起こっていることなのに、全く想像がつかない。というより、こんなヤバいことを夢に見る自分ってどうなのか…… 。
結局、自分は今回も仕事が出来ず、仕事は終わってしまった。
「皆、お疲れ様」
オーナーはそう言ってから、何故か此方を見上げた。
それは不気味な笑みだった。
とりあえず洗面所に向かい、やるべき事をやってから服を着替え外に出た。
とりあえずお昼をとろうと、自転車に跨り近くにあるラーメン屋に向かうと、既に行列が出来ていた。この時間帯ではどこもそうかとラーメンは諦め、踵を返し途中にあるコンビニで弁当を買っていってから家でその弁当を食って勉強にとりかかった。
昨日は酷い悪夢だった。しかも、そいつは俺の貴重な時間まで奪っていった。
とにかく勉強しなければと歴史の教科書を開く。
歴史と言えば親がかなりショックを受けていたのが鎌倉幕府の1192年が今では1185年と変わっていることだった。歴史なんてそんなものだろうと思ったが、自分が勉強して覚えてきたことが、大人になったら変わっていたなんて訊くと確かにショックを受けるかもしれない。せっかく覚えてきたことが否定されるんだから。
だからといって勉強しないわけにもいかない。
歴史の勉強を一時間ぐらいしていると、玄関の扉が開いた音がした。
母親が帰ってきたようで、わざわざ自分の部屋まで来て勉強している様子を見てから台所へと向かい、スーパーから買ってきたものを冷蔵庫へと入れていった。
そんな生活音が入ると、手が止まる。
一度、なんでこんなに勉強が出来ないのか考えたことがある。その時は学校の先生がやる授業が悪いと先生のせいにした。実際、塾に通わなければ成績はもっと下がっていたと思う。だが、根本的な問題は結局自分なんだろう。いくらでも人のせいに出来るが、それは解決方法にはならなかった。
生活音が消えると、勉強を再開したが、直ぐにテレビの音が聞こえる。
「あああ!!」
もう嫌になって勉強セットを鞄に入れて部屋を出た。
ビックリした母親は「あんた、どこ行くの」と言ってきた。
いや、お前のせいだよと言いかけて寸前で留まり「図書館」と短く返して家を出た。
自転車に跨り図書館へと向かった俺は、ようやく静かな場所を手に入れ、そこで勉強に集中した。
◇◆◇◆◇
稀有な出来事が起こった。
あの夢が連日続いたのである。
昨日見た夢が地上から1メートルだったのに対し今度は5メートルになっていた。
高所恐怖症でなくても怖さを感じるだろうに、相変わらず自転車へは近づけないでいた。むしろ、昨日と比べ遠ざかっている。
そんな事ってあるのか!? と思ったが、そうこうしている間にも労働者達は集まり自転車に跨り始めた。
「ちょっと待ってくれ! 俺はまだです! 働きます! 働かせてください!!」
最後は必死に訴えたのに、オーナーは聞こえているのか、聞こえないフリをしているのか、俺なんか気にせずに仕事は時間通りに始まった。
自転車が一斉に漕ぎ始める。
すると、どっからか前に見た二人組のサラリーマンが現れた。しかも、二人とも銃を持っている。
上から何をする気だと思って眺めていると、その二人組は「死ね! 死ね! 死ね!」と言って、なんと労働者を撃ちまくった。
「なんだこれはあああ!!」
悲惨な惨劇を目の当たりにしているのに、何故か労働者は仲間が撃たれ倒れているのに、他は手を止めずに必死に自転車を漕ぎ続けている。
撃たれて倒れた人をどかし、あいた場所にそのサラリーマンは跨り漕ぎ始めた。
え? そういうシステムだったの!?
自分の頭の中で起こっていることなのに、全く想像がつかない。というより、こんなヤバいことを夢に見る自分ってどうなのか…… 。
結局、自分は今回も仕事が出来ず、仕事は終わってしまった。
「皆、お疲れ様」
オーナーはそう言ってから、何故か此方を見上げた。
それは不気味な笑みだった。
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