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どうしてこんな話しにまで発展してしまったのだろう。私は困惑していた。
言われた通り、学校の帰りに寺に寄った私は、太郎のお父さんと会った。太郎のお父さんは優しそうな顔をしており、それを見てちょっとだけそれまでの緊張から抜けるようにホッとした。
私は太郎のお父さんの前で普段しない正座をして話しを聞いた。
「太郎からは話しを聞きました。佳代子さんですよね?」
「はい」
「それで、あなたが見たという赤いリボンについて、先に説明をしたいと思います」
あれがなんなのか分かると言うのか!?
「あれはリボンというより、赤い線です。しかし、佳代子さんにはそれがリボンに見えたわけです。あれの正体は魂です」
「魂?」
「いわゆる霊です。しかし、赤いのは実は珍しい。いや、ないわけではないのですが、大抵一般人からは青い炎ですとか青系をイメージするでしょ?」
「あ、はい」
「しかし、たまに赤いのもあります。佳代子さんが見たのはそちらでしょう。赤い霊は珍しい分、大抵が強い霊です。そして、確かにこの町にはその赤い霊がいます。その赤い霊は丁度この町をぐるぐると覆っているのです」
「えっと、それは何故ですか?」
「あくまでも結果的にそう見えているだけで、赤い霊の目的はこの町から出ることにあります。しかしながら、町へ出ることが叶わないでいるのです。いわゆる、地縛霊というものです」
「地縛霊……」
聞いたことぐらいは流石にあった。しかし、あれが…… 。
「その霊があなたを見つけて、あなたならこの町を出ることができるのではないかと見たようです。そして今、それはあなたに取り憑いています」
「え!? どうしたらいいですか」
「先程も言いましたが、これは強い霊です。簡単に取り除くのは不可能。しかも、他の霊まであなたに集まっている」
「それじゃ、私には沢山の霊がついているんですか!?」
自分の周りをキョロキョロと見渡しても、なにも見えないが。
「ええ、いますよ。沢山」
「どうにかして下さい」
「あなたに直ぐに危険が及ぶというわけではありませんからまずは落ち着いて下さい。さて、あなたに取り憑いている霊ですが、まずその霊は深くあなたの中へ侵入を果たしています」
「果たしている?」
「はい。ですから、もしかしたら既に夢の中で出会っているかもしれませんよ、その赤い霊の正体と。もし、そうでしたらむしろ、その夢を見続けて下さい。なにか、地縛霊となった原因が分かるかもしれません。それが解ければ、地縛霊から解放され、普通の青系に戻るでしょう。そうなれば、私でも成仏は可能になるかと」
つまり、こういうことだ。あの、怖い夢を何度も見ろと。そして、夢の中で霊と会話してヒントを探せ。
私にはハードルが高すぎる。
「他に方法はないんでしょうか? 私、こんなことになったの初めてなんですが、原因とかあったんでしょうか」
「あったかもしれませんね。まず、あなたはよそから来た。しかし、それだけが理由ではないでしょう。ただ、その理由がなんなのかは私にも分かりません」
「そうですか……」
つまり、引っ越しさえなければ、私は平和でやっていけたということだ。ますます父が憎い。
「ああ、それともう一つ言っておかなければならないことがあります。あなたは色んな霊も呼び込んでしまっているようですから、言ってしまえばあなたの歩く道はまるで百鬼夜行そのもの。特に夜の外出は出来るだけ避けて下さい。周りにまで影響を及ぼすかもしれません」
言われた通り、学校の帰りに寺に寄った私は、太郎のお父さんと会った。太郎のお父さんは優しそうな顔をしており、それを見てちょっとだけそれまでの緊張から抜けるようにホッとした。
私は太郎のお父さんの前で普段しない正座をして話しを聞いた。
「太郎からは話しを聞きました。佳代子さんですよね?」
「はい」
「それで、あなたが見たという赤いリボンについて、先に説明をしたいと思います」
あれがなんなのか分かると言うのか!?
「あれはリボンというより、赤い線です。しかし、佳代子さんにはそれがリボンに見えたわけです。あれの正体は魂です」
「魂?」
「いわゆる霊です。しかし、赤いのは実は珍しい。いや、ないわけではないのですが、大抵一般人からは青い炎ですとか青系をイメージするでしょ?」
「あ、はい」
「しかし、たまに赤いのもあります。佳代子さんが見たのはそちらでしょう。赤い霊は珍しい分、大抵が強い霊です。そして、確かにこの町にはその赤い霊がいます。その赤い霊は丁度この町をぐるぐると覆っているのです」
「えっと、それは何故ですか?」
「あくまでも結果的にそう見えているだけで、赤い霊の目的はこの町から出ることにあります。しかしながら、町へ出ることが叶わないでいるのです。いわゆる、地縛霊というものです」
「地縛霊……」
聞いたことぐらいは流石にあった。しかし、あれが…… 。
「その霊があなたを見つけて、あなたならこの町を出ることができるのではないかと見たようです。そして今、それはあなたに取り憑いています」
「え!? どうしたらいいですか」
「先程も言いましたが、これは強い霊です。簡単に取り除くのは不可能。しかも、他の霊まであなたに集まっている」
「それじゃ、私には沢山の霊がついているんですか!?」
自分の周りをキョロキョロと見渡しても、なにも見えないが。
「ええ、いますよ。沢山」
「どうにかして下さい」
「あなたに直ぐに危険が及ぶというわけではありませんからまずは落ち着いて下さい。さて、あなたに取り憑いている霊ですが、まずその霊は深くあなたの中へ侵入を果たしています」
「果たしている?」
「はい。ですから、もしかしたら既に夢の中で出会っているかもしれませんよ、その赤い霊の正体と。もし、そうでしたらむしろ、その夢を見続けて下さい。なにか、地縛霊となった原因が分かるかもしれません。それが解ければ、地縛霊から解放され、普通の青系に戻るでしょう。そうなれば、私でも成仏は可能になるかと」
つまり、こういうことだ。あの、怖い夢を何度も見ろと。そして、夢の中で霊と会話してヒントを探せ。
私にはハードルが高すぎる。
「他に方法はないんでしょうか? 私、こんなことになったの初めてなんですが、原因とかあったんでしょうか」
「あったかもしれませんね。まず、あなたはよそから来た。しかし、それだけが理由ではないでしょう。ただ、その理由がなんなのかは私にも分かりません」
「そうですか……」
つまり、引っ越しさえなければ、私は平和でやっていけたということだ。ますます父が憎い。
「ああ、それともう一つ言っておかなければならないことがあります。あなたは色んな霊も呼び込んでしまっているようですから、言ってしまえばあなたの歩く道はまるで百鬼夜行そのもの。特に夜の外出は出来るだけ避けて下さい。周りにまで影響を及ぼすかもしれません」
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