始まりの順序

春廼舎 明

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 のんびり散歩がてら休日の高層ビルの林立するオフィス街にやってきた。土日は休日の会社が多いが飲食店は営業しており穴場なのだ。半地下で周囲を人工水路で囲まれているおかげか、ビル風が吹き涼しいこの広場は、私が学生の頃からよく利用するお気に入りのところだった。

「よくこんなところ知ってるな。」
「学生の頃からよく来ていたから。昔はね、あそこにアイスクリーム屋さんが入っててね、毎週土曜日に、午前で授業が終わる友達と一緒に食べにきてたの。」

 広場のフリースペースでテーブルと椅子があり、のんびりできる。スーツを着て資料を抱えている人たちは大抵MLMの上と下、カジュアルな装いの若いのは連れてこられちゃった状況把握ができていない子たちだ。

「冬も?」
「冬は授業の構成変わっちゃったから、来てないですね。冬はちょっと寒そうです。あ、でも夜はライトアップが綺麗ですよ。」
「じゃあ、冬はあったかい格好でそれ見に来よう。」
「え?」

 当たり前のように言われた、数ヶ月、半年後の予定。ドキッと胸が鳴る、ぐっと締め付けられ痛む。

「返事は?」
「はい。……ええ!?」
「なんだよ、昨日から何度も言ってるだろ。」
「うん……」
「どうしたら真面目な気持ちだって、真剣なんだって信じてくれる?」

 あ、これは私がヤツと付き合っていたとき感じていたことと全く同じだ。
 何度言っても信じてくれない、何度言っても伝わらない。ヤツの妄想シナリオに沿わない限り私の声は届かない。
 痛いほど、竜一さんの言葉に込められた気持ちがわかる。
 怒っていないのに怒った?怒ってるでしょ?と延々しつこく続け、最終的に怒らせるまで続ける、あの嫌がらせと同じ。
 それと同じだ。類は友を呼ぶ、私も同類だ、それは嫌だ。
 じゃあ、どうしたらいい? 私はこの人とどうなりたいの?

「…わからない……っ…」

 口を開いた瞬間、言葉と一緒に嗚咽がこみ上げて来て、涙が落ちた。泣く要素が思い当たらずビックリする。パチクリとまばたきをするとポロポロと涙が溢れる。え? なんで? っと口を開くと、意思とは関係なくひーんと泣き声が漏れる。感情と動作と表情が一致しない。
 慌ててカバンからタオルハンカチを出して顔に乗せる。かすかに竜一さんのびっくりした顔が視界の端に映るが、歯を食いしばって声を上げないよう堪えた。背中をポンポンと叩いていた手が頭を撫でる。私の鞄を取り上げると、テーブルに置き声をかけられる。

「ここ伏せて、ちょっと待ってて」

 何をするつもりかわからないけどとりあえず言われた通り、カバンを枕にして突っ伏した。
 すぐ近くのテーブルにいたMLMの勧誘攻撃は相変わらず続いている。今時まだ騙される人っているのだろうか。受験勉強しかしてこなかった世間知らずな子供たちは騙されてしまうのだろうか。

 人の近づく気配がする。顔の横にキンと冷えたカップをくっつけられる。

「翠、コーヒー、飲む? 目、冷やす?」

 ありがたく受け取り、目を冷やす。今日はマスカラをしていないのでメイクが剥がれ落ちることはないだろう。しばらくして、視界が開け、呼吸が落ち着く。竜一さんはコーヒーと一緒に買って来たサンドウィッチを頬張っている。差し出されたサンドウィッチは、クロワッサンだかデニッシュ生地で油っぽく小さな一切れでいっぱいいっぱいだった。

「それだけでいいの?」
「油っぽくて、せっかく買って来ていただいたのに、ごめんなさい。」
「じゃあ、残り食べるよ。」
「はい、どうぞ。ありがとうございます。」

 ぼんやりと、竜一さんが食べ終えるのを眺め、後ろでMLMの人たちが金持ち父さんがどうとか、権利収入が云々とか言っているのが聞こえてくるのをなんとはなしに聞いていた。

 世の中には勝組とか負組とかいう言い方があるらしい。自分で納得し選んできた勝ち取ってきた人生なのに負けとか言われるのが我慢ならない。
 結婚し子供を持つことが最上と思っている人たちに、負け組扱いされ憐れまれる。価値観が違うだけだから、そう言わないで欲しいと言ったところで、上から目線で憐れまれるか、負け犬の遠吠えと思われるかだから、それが面倒臭くて私も何も言わない。肉親ですら私は少数派だと知らないのかもしれない。一時期までは熱心に私に結婚し子供を持つことが幸せだ、みたいなことを言い見合いの話を持って来ていたが、姉が文字通り命からがら夫から実家に逃げ帰って来て以降、何も言われなくなった。その義兄と姉は学生時代から6~7年ほどの付き合いを経た恋愛結婚で、相手のことをよく知っていて結ばれたはずなのにそんな悲惨な結末だった。

 乗り込んだタクシーで考え込んだ。隣に座る竜一さんが行き先を告げる、どこにいくとかなんで隣に乗っているとか気にも留めず、私はただ回顧と自己分析に集中した。

 笑飛ばせなくなっていったのは勝組と言われる人たちの持っている何かを、一部でも羨ましいと思う心がほんの少しでもあると気がついたからだった。
 きっかけは、一人で生きていく事に備え、貯金の計画や住まいの選択をし始めた矢先、恋人が出来た事だった。それがヤツだった。
 歳が歳だ、最後の恋にしたい。多分、この恋が終わったら、私はもう恋はできないだろう、そう思っていた。

 そして、その恋が終わった。
 でも無情にも時はどんどん流れていく。

 いつも通り、働き、寝に帰り、たまにカフェで時間を潰す。何も考えたくなくてスマホゲームにハマるが、ユーザ間で競わせ課金させようとする運営のやり口が見え見えで嫌になってやめる。…やることがなくなる。
 時は流れ続ける。

 もう、どうか私を放っておいて。心静かに、平穏に暮らしたい。

 価値観が違うだけ、と今までは笑ってやりすごしてこられていたものも、さすがに長年積もり積もったあまりのしつこさと、忙しさからくる疲れに、ストレスに、睡眠不足に、余裕がなくなった。
 そういう事を言う人じゃないことも知っていたのに、そういうつもりで言ったわけではないだろうし、そう取られるとは思わなかっただろう、ほんの些細な言葉に私は激昂した。その瞬間、この人は悪くない、でも怒りをぶつけたい、そんなことしちゃダメだとせめぎ合い、自分の精神が平常じゃないと気がついた。

 一日、体調不良として有休を使って寝た。その翌日以降普通に働こうと思ったのに、ダメだった。羨ましい妬ましい、いや冷静に考えれば手に入れても面倒臭い、だから今こうしてるのに。でも人肌が恋しいただ温もりを感じたい。ペットを飼う? 抱きしめられ話を聞いてもらいながら頭を撫でてもらいたい。そばにいて、私を見てもらいたい、でも実際そんな人がいたら癒されるどころか落ち着かない。自分の都合だけで振り回すのは恋人じゃない。なら体だけの関係の相手を探す? いや、無理だ。一度体を許せば、私は情が湧いてしまうタチだと知っている。でも始めから割り切っていたらどうだろう? 何事も経験してみなければわからない。自分にとっていい人かよくない人かのセンサーは都合のよいことに今の所ハズレなし。
 っていうか、そもそもこの年齢の女を相手にしてもらえるって、その前提がおかしい。ストレスや寝不足時に深酒は良くないのは知っているが、深酒できるほど私は飲めない。全く飲めない。とりあえず、今までの私がしたことがなかったことをして、現状をどうにかしてみる? 思い切って、バーの扉を開けた。

「翠、もうすぐ着くよ」

 ハッと気がつくと、景色は見慣れぬ住宅街。竜一さんが運転手に声をかけ、車が停まる。支払いを済ませ荷物を持ち、外に出る。
 足元からむわっとしたアスファルトの照り返し熱が立ち上がる、炎天下の真昼、正午から少し過ぎた一番暑い時間帯。ここどこ?

 不意にぐいっと手を引っ張られ、建物の入り口の日陰に連れて行かれる。

「あー、あっつい。翠そんなところでぼーっとしてたら蒸し焼きになるぞ。」

 廊下を通り、エレベーターの前に来る。

「竜一さん、ここは…」
「俺の部屋、来るって言ったろ?」

 竜一さんの住まいの建物はリノベーション物件で、築年数は半世紀ほどの年季が入っているらしいけれど外観も内装も水道管からガス管から刷新したのでほぼ新築と同じでとても綺麗だった。屋上緑地化がなされ、ベランダにはゴーヤの緑のカーテンが施されていた。窓には簾。最上階は真夏は暑いのかと思ったら、そうでもないんだと感心した。むしろ風の通りが悪い、自分の部屋より涼しいかも。

「竜一さん、引っ越して来たばかりですか?」
「いや、ものがないってよく言われる。家電が少ないんだよな。冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機くらい?あとパソコン」

 通された部屋は言われた通り、ものが少ない。広々とした間取りもあって、私の部屋では狭くて置けない憧れのソファがあった。
 懐かしの麦茶を出され、ソファに座り部屋を眺めているとシャワーを浴び着替えて来た竜一さんが目の前にくる。Tシャツにハーフパンツ思い切りラフな格好。そんな格好をすると、ますます若く見える。ずるい。

「ごめん、俺だけサッパリして来ちゃった。翠もシャワー浴びる?」
「私は汗かいてないですから大丈夫です。着替え、ありませんし。」
「そ、じゃあ昨日着てたの、洗濯しちゃうから出して。今ならすぐ乾くだろ。」
「え!」
「あ、下着は手洗い? それならそれだけは、任せる。」
「はあ…」

 結局洗面所を借りて、手洗いし、タオルで軽く水切りをし、ランドリーハンガーにタオルで目隠しをしベランダに干す。
 ベランダから戻ってくると、竜一さんが麦茶を二人分注いでくれる。目の前で麦茶をゴクゴク飲むのを見守る。フーッと一息つくと改めて目を見据えられる。

「広場で泣いた理由は?」
「…ヤツと同じことしてるって気がつきました。何度言っても伝わらない。自分の思い通りでない言葉は聞き入れない。でも私はそうありたくはない。」
「うん」
「また、冬になったら誘ってください。」
「いいの!?」
「もし、その時も竜一さんが変わらずに私を誘いたいと思っていてくださるなら。」

 あれ? これじゃやっぱり、信じてない? 信じられないから言い続けてほしいわけじゃない。信じていたいからずっと言っていてほしい、何度でも聞きたい。
 そういうことか。

「誘うよ、何度でも。一度や二度断られて諦めるくらいなら、心変わりするくらいならとっくに翠のこと諦めてる。俺、結構気は長い方だと思うよ?」
「そうですね、だからこうしていられるんですね。竜一さん、私あの晩がああいうことするの初めてだって信じてくれます?」
「知ってるよ、言ったろ、そうでなきゃとっくに違う関係になってる。翠にここまで惚れてない。」

 しばしの間お互いの目を覗き込む。いっときの熱に浮かされているわけでも、嘘や偽りの影は見えない。竜一さんが不意にフッと目を細め、柔らかい表情で言う。

「翠、俺が一晩の女を抱くように翠を抱いたわけじゃないってどうしたら信じてくれる? 翠は一夜限りの男に抱かれるようなことする女じゃないってどうしたら信じてくれる?って聞く。お互いを疑ってたら、そこからどこにも行けない。」
「うん、だから体から始まる恋は、お互い疑心暗鬼になって続かない、上手くいかないって言う。」
「でも、翠は信じていないわけでもなく疑いたいわけでもない。だから何度でも言ってほしいと言う。俺はそれで良いと思う。俺も何度でも言いたいから。」

 体から始まらなくても、結局信じない奴は信じない。同じことだ。どこから始まってもどう付き合っていくか、たったそれだけのこと。
 フッと詰めていた息をつく。竜一さんがそっと手を取る。

「どう始まるかは関係ない、どう付き合っていくかだろ。」 

 まただ、頭の中の考えを読まれたように言葉を継げられる。
 そうか、この人は私と思考回路が似ているんだ。考え方が似ているんだ。だから先読みされたようなセリフを言われるんだ。
 私はこの人のことを始めからなぜか信じられた。そして私の勘は今の所100%で、この勘が働いた時はそれを信じようと決めたはずだ。なら私のとる行動はもう決まっている。

 そっと自分の手を握る竜一さんの手にもう片手を重ね、微笑む。

 願わくは、これが本当の最後の恋となりますように。


   
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