〜異世界自衛官〜戦闘経験ゼロですが、89小銃で無双します!!

木天蓼

文字の大きさ
74 / 84
五章 魔法使いは幻想と共に

やるべき事は

しおりを挟む
 ~~一年前。冬。演習場にて~~

 寒空の下、星の灯りを反射する雪の白に足跡を残し歩く。一つ、また一つ歩を進めるごとに刺すような冷たさが足の指先からゾワリと這い登り、俺の背中に冷や汗を流させる。
 その冷たさがまた一つ、肉体から体温を奪っていき遂に思考までも凍らせる。

「由紀……。俺、この任務が終わったら結婚するんだ……」

「へぇ~、ハネムーンは画面の向こう側かな?」

 軽口で返されると俺は黙ってしまった。
 出来る事なら、この寒さから逃れられるならば、画面の向こう側の二次元の世界に行っても良いかもしれない。

「そしたら電子の歌姫の曲を一生聴けるな」

「その前に念仏を聴くことになるけどね」

 ザクザクと雪を踏み固め、俺の戦闘靴は由紀の履く防寒靴と見かけだけは同じ色合いになった。

「ねぇ、ハジメ。前変わるよ、その靴じゃ雪を踏み固めるのも大変でしょ?」

 もはや俺の靴は乾いた部位が一つも無いほど濡れ、皮膚は当然凍てつき、雪の冷たさが骨の髄まで染み込んでいた。それでも俺は前を譲らない。

「いいって。もう、着く」

 俺は目の前にある枯れ草と雪の塊に手を伸ばし何かを探る。すると厚手の手袋越しにあるモノが触れ、動かすとチャリンっと鳴った金属製の物体がある。それをゆっくりと下へ引っ張った。

「……あ、パイセン。お疲れ様でーす。お茶作っときましたよ!」

 ファスナーを降ろされ、左右に開かれた枯れ草の壁。その中では暖色の光を放つストーブに手をかざし、厚手の服を着込んだ西野が呑気に茶を啜っていた。

「お前、偽装するの頑張り過ぎだろ。一瞬分かんなかったぞ?」

 雪と枯れ草により偽装された分隊用の天幕。敵からの発見を防ぐ為に施された装飾は味方である俺の目までも欺いていた。

「ハジメ、早く入ってよ。中に入ってから武器装具点検しようよ……」

 後ろの由紀にせっつかれ、俺は身を屈めて中へ入る。
 銃の脚を立て地面に置くとすぐさま身体中の装具を手で確認する。

「弾倉、銃剣、水筒、携帯円匙、異常無し。やる気、勇気、元気、無し」

「ハジメさ、私の防護マスクちゃんとあるか見てよ」

 由紀は身体の左側に装着している防護マスクの入れ物を指差す。俺はかじかんだ手で入れ物の蓋を開けると驚きの声を出す。

「由紀っ!? 防護マスクの目ガラスが割れてるぞ!」

「はいはい、また嘘ついた。異常無しね」

 由紀はつまらなそうに言葉を返すと地面に置いた銃の点検に入る。弾倉を外し薬室から訓練用の空砲を抜き出すとそれを抜いたばかりの弾倉にこめ直した。

「やっぱ嘘って分かる?」

「そりゃもちろん。ハジメと私は何年の付き合いだと思ってんの?」

 防寒用に布で口元を覆っているので表情の全ては伺えないが、一本の線のように細くなった目を見るに苦笑いでは無く本心から笑っているようだ。

「親の顔よりお前の顔を見てるかもな?」

「なにそれ?」

 軽い口調で答え、淡々と装具と防寒着を外していく。休憩するにはこれらの物は邪魔だ。

「まぁまぁ、由紀先輩にパイセンもイチャついてないで暖かくしてくださいよ。ほら、熱々の紅茶淹れましたよ!」

 差し出された紙コップを持つと、指先から熱が流れ込んでくる。その熱は雪の中でかじかんだ手に血を送り、一口啜れば全身がにわかに温まる。

「ふぅ、生き返るぜ~」

 俺は地面に置かれた各人の荷物を掻き分け、熱を吐き出すストーブの前に座る。

「……おい。ハジメ。そこに座ると俺に熱が来ないだろ……」

「……タケさん大丈夫ですか?」

 後ろからの声に驚く事無く振り向くと、そこには厚手の毛布に身を包み、顔だけを外に出したタケさんがいた。強面の表情を曇らせているが、見る人が見れば怒りが振り切れているようにも見え、弱っているはずなのに威圧感は衰えていない。

 俺は座る位置を少しずらすと、タケさんの姿がストーブに照らされ暗い天幕内に浮かび上がる。

「動いてればいいんだが、与えられた任務が歩哨ってのはいただけね……ん?」

 ブルリと身体を震わせタケさんはさらに毛布に包まったのだが、何かに気付いたのか聞き耳を立てる。

『……M2、M2。こちらHQ。感明送れ』

 ストーブの熱風が俺の身体を充分に暖めた頃、床に置いていた無線機から声が流れる。

「HQ。M2。感良し感送れ」

 毛布から手を伸ばし無線機のマイクを口元に近づけると、タケさんは最低限の言葉で応答する。

『あー……M2。HQ。M2の感明良し。事後の任務を通達する』

 無線機越しに聞こえてくる声に俺は黙って聞く。由紀も西野も茶を啜りながら耳を傾けている。

『M2の事後の任務。仮設敵の陣地偵察。敵車両、戦車』

 一度無線の通話が切れる。そして再び雑音と共に流れる。

『障害の位置ならびに側防火器を発見せよ。了解か送れ』

 マイクを持ったままのタケさんは嬉しそうでありながら、どこか複雑そうな顔でマイクを握りしめる。

「M2了解。事後の行動にかかる」


 ―――――


「だから米は大事だって言ってんじゃん!」

 茶碗に山盛りに乗せた米を完食し、デザートにとカットオレンジを口に運びながら俺はルチアに力説する。
 ルチアは俺が食べたモノと同じ魚のフライを咀嚼し、口の端から飛び出た魚の骨を皿に擦りつけている。

「分かるか? そのまま食べて良し、おにぎりにして持ち運んでも良し、茶漬けにしても良し、なんなら風邪ひいたときに粥にしても良い」

「ふ~ん」

 熱を持って息巻く俺に対し、ルチアは冷めた様子でパンにバターを塗る。焼き立てだからかだろうか、断面に塗られたバターの油は滑らかにすべり、表面に光沢を持たせる。

「どっちも同じじゃない? パンもお米もさ? どっちも主食でしょ?」

 確かにルチアの言う通りだ。パン派米派あるにせよどちらも大切なご飯には変わりない。
 しかし、それでも俺は米を食いたかったのだ。俺の中に流れる日本人の血が米を求めていたのだ。

「クソ、ジェリコはどこだ? 元日本人のアイツなら分かるだろ!」

「ジェリコ殿は散歩に行かれてますぞ」

「肝心な時にいねぇなアイツは! 全くもう……」

 パンを口に運ぶバルジの言葉に俺はため息を吐き出してしまう。この場で米を食べているのは俺一人。周りで食事を摂っている他の宿泊客もほとんどがパンを食べている。圧倒的に少数派の俺は少し居心地が悪い。

「覗き魔変態の意見はもういい。それよりも今日の行動を確認しましょうか?」

 俺を蔑んだ目で一瞥してからリーファは話の流れを切る。
 皿に盛られた料理を綺麗に平らげ、使用したナイフとフォークもきちんと丁寧に皿に置くと口元を布で拭う。それだけの所作なのだが育ちの良さを感じさせる一挙一動である。俺に制裁の手刀を振り下ろした人物とは同じに思えない。

「まずは、ひ……。……お嬢様の学園への入学ですね」

「ふぬ??」

 場の視線が一斉にプリシラの元へと集まる。だが、当の本人は食後のフルーツに舌鼓を打っている最中であり、隣に座ったファムと二人だけの会話を楽しんでいた所為もあってか話を聞いておらず、なんとも抜けた返事をする。

「あー、プリシラちゃんは学園に通うんだっけ? いいな~、羨ましい~」

 幼い子が二人でリンゴを半分こにして仲良く食べてる姿は微笑ましいことこの上ない。この任務が初対面であり、容赦無い毒舌家のファムと、背伸びして偉ぶるプリシラの組み合わせ。大人の俺からすれば喧嘩になり兼ねないと思っていたのだが、二人は歳が近い事もあってかこの数日の旅の間に一気に仲良くなった。

 子供は友達を作るのが上手だというのは異世界でも同じらしい。

「むぅ……のう、リーファ? ファムも学園に通わせられないのか?」

「うぐっ、え……っと、それはですね……」

 ファムに羨ましがられ、得意気になるかと思いきやプリシラは寂しそうな顔を出す。
 それは当然だ。この旅は時間にしてみれば十数日だが、移動中はもちろんのこと寝食や朝のお通じまで二人はほぼ一緒にいたのだ。
 プリシラの本来の護衛であり世話をしていたバルジとリーファは、それぞれが空からの護衛と御者を担当していたので必然的にプリシラは初対面の俺達と一緒になる。当然、決して優しいとは言えない人相の俺と飄々とした態度のジェリコとが相手ではプリシラは生意気な態度をしつつもどこか警戒してしまう。
 女であるルチアが相手をしていればまだ良かったのだが、持ち回りで馬による警戒をしていた以上、相手をしていられない時間がある。
 どうしたものかと悩んでいたが、そこで出てきたのがファムだ。同じ年代の目線のファム、はプリシラにとってはとっつきやすい相手だったのだろう。初めこそは警戒していたが、お互いの裏表の無い態度に心を許すのには半日も要らなかった。

 二人は文字通り常に一緒にいたのだ。それがここにきて離れ離れにならなければならない事実にプリシラは寂しさを隠せなかった。

「えっと……その、えっと……」

 プリシラの年相応な純粋的感情に、リーファは先程から言葉を詰まらせる。

 無論、プリシラの我儘わがままは聞けない。
 いくら国の王族とはいえども鶴の一声で変えられるほど制度ルールは甘くは無い。そもそも、彼女一人を入学させるだけでも相当な根回しが必要だった筈だ。
 王であり父親でもあるディリーテの考えは俺には分からないが、賢王の名の通りの深い思慮がある事だろう。でなければ一粒種の娘を同じ国とはいえ離れた地に送る訳が無い。

 それだけの手間をかけているのだ。では、そうしましょう仰せのままに。の言葉で新たに一名入学させるのはこの場にいる人間の権限では出来ないのだ。

「リーファ、ダメか……?」

「えっとですね。えーっと……」

 壊れた機械のように同じ文言を繰り返すリーファは困り果てていた。
 彼女は当然プリシラの願いは叶えられないのは分かっているのだが、同時に望みを叶えてあげたいとも思っているのだろう。
 護衛として任務と規律を守るか、親しい間柄として我儘を聞いてあげるか。頼られて嬉しいような、無理難題を言われて困ったような、複雑な顔でリーファはしどろもどろに言葉を濁す。

「プリシラお嬢様。そこまで」

 機先を制する鋭い声。しかしその中に、ある種の情愛が込められた鋭く低い声。その声の発信元は今しがた食後の茶を飲み干したバルジであった。

「これから貴女は一人の生徒として生きていくのです」

 バルジは使用した茶器をテーブルの端に寄せ、食堂の従業員が取りやすいように取っ手を外に向ける。
 空いた手を組み合わせ顎に乗せると髭がしなりと形を変えた。ただそれだけの動きをしただけなのだが、なんともさま・・になる。

「我儘を言うのも結構。我慢するのも結構。されども、自らの発言には責任を持ち、出来る事と出来ない事を知るのが大事なのです」

「うぅ……」

 決して威圧している訳では無い。だが、否定の言葉を使う事は許されない雰囲気を作るのに、充分な言葉の強さがあった。

「分かった……」

 プリシラはすっかりと縮こまり、小さくなった肩をそっと落とした。

「プリシラちゃーん! ファムは別に気にしてないよ~。だってファムは勉強嫌いだもん!」

「はは、そっかぁ……」

 何故か自慢気に言うファムにプリシラは子供らしくない乾いた笑いを出すしか無かった。

「ま、まぁまぁ二人共! 同じ学園に入らなくても二人が友達なのは変わらないだろ?」

 落ち込むプリシラを励まそうと俺は努めて明るい調子で声をかける。

「当たり前でしょ。ハジメェは何言ってんの?」

「そうじゃ。妾とファムは離れていても親友じゃ。何を言ってるのだお主は?」

 返ってきたのは正直な感想だった。

(くっ、この餓鬼共……)

 思わずテーブルの下で握り拳を作ってしまったが、声には出さず我慢する。自分が子供相手にキレるような人間では無く、判別をわきまえた大人である事に感謝しなければ。

「では、私とプリシテ……。プリシラお嬢様は学園に向かいます。バルジ様はどうしますか?」

「私も向かいます。学園には古い知人もいるので挨拶をしなければ。学園に行くのは先方の都合もありますので我ら三人だけで良いでしょう」

 すっかりと柔和な顔に戻ったバルジは好々爺と言う言葉が当てはまりそうだ。テーブルの上に置かれた手は組み合うことなく、手のひらを下にして座している。

「ねーねー、そしたら今日は自由行動でいいの?」

 ファムの声に一同は視線を互いに送る。

 幻想調査隊による護衛任務はほとんど完了したようなモノだ。
 危険と思われた魔法都市までの道程さえ超えてしまえば、あとは特にやることが無い。都市内であればバルジとリーファという元々の護衛が姫につきっきりで側にいることができるのだ。都市内の治安は俺には分からないが、これほどの大都市であれば警察機構も機能しているだろうし、もし暴漢に襲われてもリーファの手にかかれば容易く撃退出来る。

 つまり、俺達はもはや護衛などする必要はあまり無く、もう一つの任務である異世界から来た者を探す任務に専念出来るのだ。
 それにはこの魔法都市の事を知らなければならない。ならば、やる事は当然一つだ。

「自由行動だな。俺もこの街は面白そうだから見て回りたいし!」

 任務を達成するには息抜きも必要だ。それにこれはただの息抜きという訳でもない。
 この街の事を知れば知るほど、この街にいる筈の異世界人を見つける事が容易くなる。理由は無いが、俺にはそんな気がしていた。

「あ。それじゃあハジメ? ちょっと私、頼みたい事あるんだけど……」

 今の今までデザートのオレンジを食べ続けていたルチアは、黄色になった自分の指をペロペロと舐めながら俺を指名する。

「なんだ?」

 ルチアは自分の指を猫のように舐めきり、テーブルに置かれたおしぼりで手を綺麗に拭き上げる。

「私とデートしてよ」

「ひゅいッ!?」

「なにぃッ!?」

 突然の発言に俺とリーファはほぼ同時に奇声を上げる。
 なんて事も無いように言ったルチアの言葉は、俺の不意を突くのに充分であった。
 そして……ルチアの義理の姉であるリーファが、俺に対して敵意を向けさせるにも充分な言葉でもあったのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

陸上自衛隊 異世界作戦団

EPIC
ファンタジー
 その世界は、日本は。  とある新技術の研究中の暴走から、異世界に接続してしまった。  その異世界は魔法魔力が存在し、そして様々な異種族が住まい栄える幻想的な世界。しかし同時に動乱渦巻く不安定な世界であった。  日本はそれに嫌が応にも巻き込まれ、ついには予防防衛及び人道支援の観点から自衛隊の派遣を決断。  此度は、そのために編成された〝外域作戦団〟の。  そしてその内の一隊を押しつけられることとなった、自衛官兼研究者の。    その戦いを描く――  自衛隊もの、異世界ミリタリーもの……――の皮を被った、超常テクノロジーVS最強異世界魔法種族のトンデモ決戦。  ぶっ飛びまくりの話です。真面目な戦争戦闘話を期待してはいけない。  最初は自衛隊VS異世界軍隊でコンクエストをする想定だったけど、悪癖が多分に漏れた。  自衛隊名称ですが半分IF組織。  オグラ博士……これはもはや神話だ……!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...