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幼馴染を好きだったのは昔です〈シンデレラの日記念〉 ②
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*タイガ視点
幼馴染のやっちゃんは俺のことがずっと好きだ。
母親がそうだっていつも言うし、俺もそう思う。
だって俺が誰かとつき合ったり、別れたりするたびにチラチラ見てくる。
やっちゃんママも言うんだ。
「うちの子、反抗期だからね。素直になれないのよ。本当はタイちゃんのこと大好きなのよ。今はあんな態度しか取れないけどね。覚えていてね。本当は大好きなのよ」
「うん。わかってるよ、やっちゃんママ。やっちゃんが素直になるまで待つよ」
「タイちゃんはいい男だから、モテるのはわかるのよー! やっちゃんのこと、最終的にもらってくれればいいのよ。男の子だもんね。あの子ったら色気のいの字もない子でねぇー、本当困るわ」
やっちゃんママはそう言うけど、本当はやっちゃんはモテる。地味だけどよく見るとキレイな顔だし、性格も優しいし、さりげなく気がきく。
普段学校ではあまり笑わないから、キツく見えるけど、あの笑顔は他の男には見せたくない。
最終的に結婚するのはやっちゃんだと思っているし、今は俺もつい、付き合って欲しいって言われたら頷いてしまうんだけど。
俺の母ちゃんはほどほどにしなさいって言うけど、やっちゃんママは俺がモテるから仕方ないって言ってくれる。
俺も告白されなかったらつき合わないはずだ。
初体験は中2の時にひとつ上の先輩と。
彼女はいたけど、その子に合わせて唇をくっつけるだけのキスなんて物足りないと思っていた俺に、先輩から誘ってきた。
一度だけ。
男は経験豊富なほうがモテるって、私なら教えてあげられるって、誘われたけど先輩もハジメテだった。
多分処女を捨てたかったんだと思う。
彼女もいたし、それきりでこれは浮気じゃないからカウントしない。
ふーん、こんなもんかって思った。
気持ちいいけど、のめり込む感じじゃない。
高校生になってからはいろんな子とつき合ったし、いろんな子とヤるのも楽しかったし、男としての幅も広がったと思う。
初めてでも痛がる子と平気な子がいて、反応もそれぞれ違った。
やっちゃんとはどんな感じかなって想像したし、その時はものすごく興奮した。
背格好が似ている女の子だと、バックの時は相手がやっちゃんのような気がしてきて、名前を呼びそうになって困ったこともある。
これだけこなせば、経験のないやっちゃんにも嫌な思いはさせないと思う。
最終的にはやっちゃんを嫁にするわけだし。
やっちゃんは相変わらず男っ気なくて、英語討論部なんて訳のわからない部活に入っていた。
「それ、おもしろいの?」
「おもしろいよ。ためになるし」
高校は別の棟だったから、見かけて話しかけるといつも嫌そうな顔をする。
俺がモテるから幼馴染という立場だと、嫉妬されるから、やっちゃんはそういう態度をとるしかないってわかってる。
悪いなと思いつつ、やっちゃんの本心を想像すると可愛く思えた。
俺が本当の姿を知ってればいいし、学校で俺のセフレって噂が上がった時は否定しないでいた。
その方が男が寄りつかなくなって都合がいいから。
「身近にいるからいいんだよな、元々俺達幼馴染だし」
不真面目な陸上部員の俺は、やっちゃんの部活がない日を狙って時々一緒に帰った。
いつも英語の参考書を手にしていたし、一緒にいるのは女の子ばかり。
浮気もしないし、容認してくれるし、こんなにいい女いないと思う。
「居心地いいんだよなぁ、本当」
今さら好きって言わなくてもわかってるだろ。
女の子はみんな可愛いし、刺激的で楽しいけどやっぱりやっちゃんが1番なんだ。
「幼馴染だしね」
ほら、やっちゃんもわかってる。
そこには変わらない愛があるんだ。
大学は別々だし、距離も離れる。
けど、やっちゃんの兄ちゃんと暮らすわけだし男を寄りつかせるとは思えない。
だから、大学を卒業してやっちゃんが戻ってきたら俺はプロポーズするんだ。
それまでに指輪が買えるくらいお金を貯めなきゃ。
幼馴染のやっちゃんは俺のことがずっと好きだ。
母親がそうだっていつも言うし、俺もそう思う。
だって俺が誰かとつき合ったり、別れたりするたびにチラチラ見てくる。
やっちゃんママも言うんだ。
「うちの子、反抗期だからね。素直になれないのよ。本当はタイちゃんのこと大好きなのよ。今はあんな態度しか取れないけどね。覚えていてね。本当は大好きなのよ」
「うん。わかってるよ、やっちゃんママ。やっちゃんが素直になるまで待つよ」
「タイちゃんはいい男だから、モテるのはわかるのよー! やっちゃんのこと、最終的にもらってくれればいいのよ。男の子だもんね。あの子ったら色気のいの字もない子でねぇー、本当困るわ」
やっちゃんママはそう言うけど、本当はやっちゃんはモテる。地味だけどよく見るとキレイな顔だし、性格も優しいし、さりげなく気がきく。
普段学校ではあまり笑わないから、キツく見えるけど、あの笑顔は他の男には見せたくない。
最終的に結婚するのはやっちゃんだと思っているし、今は俺もつい、付き合って欲しいって言われたら頷いてしまうんだけど。
俺の母ちゃんはほどほどにしなさいって言うけど、やっちゃんママは俺がモテるから仕方ないって言ってくれる。
俺も告白されなかったらつき合わないはずだ。
初体験は中2の時にひとつ上の先輩と。
彼女はいたけど、その子に合わせて唇をくっつけるだけのキスなんて物足りないと思っていた俺に、先輩から誘ってきた。
一度だけ。
男は経験豊富なほうがモテるって、私なら教えてあげられるって、誘われたけど先輩もハジメテだった。
多分処女を捨てたかったんだと思う。
彼女もいたし、それきりでこれは浮気じゃないからカウントしない。
ふーん、こんなもんかって思った。
気持ちいいけど、のめり込む感じじゃない。
高校生になってからはいろんな子とつき合ったし、いろんな子とヤるのも楽しかったし、男としての幅も広がったと思う。
初めてでも痛がる子と平気な子がいて、反応もそれぞれ違った。
やっちゃんとはどんな感じかなって想像したし、その時はものすごく興奮した。
背格好が似ている女の子だと、バックの時は相手がやっちゃんのような気がしてきて、名前を呼びそうになって困ったこともある。
これだけこなせば、経験のないやっちゃんにも嫌な思いはさせないと思う。
最終的にはやっちゃんを嫁にするわけだし。
やっちゃんは相変わらず男っ気なくて、英語討論部なんて訳のわからない部活に入っていた。
「それ、おもしろいの?」
「おもしろいよ。ためになるし」
高校は別の棟だったから、見かけて話しかけるといつも嫌そうな顔をする。
俺がモテるから幼馴染という立場だと、嫉妬されるから、やっちゃんはそういう態度をとるしかないってわかってる。
悪いなと思いつつ、やっちゃんの本心を想像すると可愛く思えた。
俺が本当の姿を知ってればいいし、学校で俺のセフレって噂が上がった時は否定しないでいた。
その方が男が寄りつかなくなって都合がいいから。
「身近にいるからいいんだよな、元々俺達幼馴染だし」
不真面目な陸上部員の俺は、やっちゃんの部活がない日を狙って時々一緒に帰った。
いつも英語の参考書を手にしていたし、一緒にいるのは女の子ばかり。
浮気もしないし、容認してくれるし、こんなにいい女いないと思う。
「居心地いいんだよなぁ、本当」
今さら好きって言わなくてもわかってるだろ。
女の子はみんな可愛いし、刺激的で楽しいけどやっぱりやっちゃんが1番なんだ。
「幼馴染だしね」
ほら、やっちゃんもわかってる。
そこには変わらない愛があるんだ。
大学は別々だし、距離も離れる。
けど、やっちゃんの兄ちゃんと暮らすわけだし男を寄りつかせるとは思えない。
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