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北の場合 後
「彼女さんの許しが出たので、彼氏にしてもらえますか?」
「……うん、いいよ。さっき、食の好みの話出たけど本当だなって思った。あれ、でもいいのかな? 森村のこと、大好きまで思ってない」
「はっきりいうのが北さんらしいですね……僕、頑張ります」
気を取り直して食事を再開する。
「温め直す?」
「まだ温かいですよ。このままでおいしいです」
嬉しそうに笑う北の顔をみて、熱々出せとか言う男もいたんだろうなと思う。
だけど、もうそんなことは起こらない。
「僕、カルボナーラは得意なんです。今度作りますね」
「意外にもクリーム系? 楽しみにしてる」
デザートに、北の姉が作ったというプリンを食べる。
ほろ苦くて少し固めでしっかりと卵の味がした。
二人で片づけをした後、布団を取りこむと言うのでベランダへ向かう。
片隅の鉢植えに目が止まる。
「もしかしてさっきのミックスリーフってそれですか?」
「うん、そう。種撒くだけだし。トマトもあと少しで終わりかな」
「へぇ……すごい。マメですね。ますます好きです」
「随分振りきれたね……いや、私もツンツンしてた入社当時より今の森村のほうがわかりやすくて好きだけど。……あぁ、これがツンデレか」
「いえ、違います」
布団を運んだ後、さっきみなちゃんに渡されたもの分けて下さいと言った。
予想通り、ミントのタブレットが、小皿に数粒のっていて、ちゃんととっておくところがまたかわいい。
北の口に二つほど放り込んで、森村も同じだけ口に含む。
指先に触れた唇が柔らかい。
「……二人ともニンニク食べてるから今さらじゃないか?」
「気持ちの問題です。初めてですし」
森村が合わせるだけのキスをした。
「まじで童貞じゃないよね? 入社当時付き合ってる子いたよね?」
「それは確かめてくださいって言いました」
「まじか……」
どっちかわからん、と北が呟いた。
「ゴム持ってる? うちにないよ」
「僕の服、乾いたら買ってきます」
「二人で行こうよ。この辺案内する」
森村の半乾きのボクサーパンツにアイロンをかけて、無理やり外出の準備を整える。
大きめのスーパーで避妊具以外に森村の下着やスウェット、食材を買って家に戻った。
二人ともニンニクを気にしていたし、二人きりになりたかったから。
***
「いや、まじで、どっち?」
そんなに気になりますか、と森村が笑う。
「きれいなお尻ですね」
「恥ずかしいんだけど」
裸になって抱きしめられた後、ひたすら尻を撫でまわされる。
時々唇を合わせ舌を絡める。
「北さん、僕にさわって」
じゃあ、私も尻を、とさわさわと撫でる。
くすぐったそうに動いた後、森村の剛直の形がわかるほどぴったりと隙間なく抱き合った。
「今すぐ挿れたいです」
「……よし、こい」
「いや、無理でしょ。……え、無理矢理とか好きですか?」
「全然」
ベッドに横たわると、もうちょっと触らせてください、と森村が尻を撫でる。
またか、と思っていたらがぶりと食べられるような口づけをする。
唾液を流し込まれるが、深く舌を絡ませているからか思うように喉が動かない。
森村相手に緊張しているのかも。
意識してしまい、ぎこちなく腰に腕を伸ばした。
北の鼻から抜けるような声が出る。
唇を舌で舐められ、顎に口づけ、そのまま首筋を辿る。
強く吸い上げられ、ちくりと痛む。
「やっ……だめっ……」
見えるところにつけないで、と潤んだ目で見上げた。
「ごめんなさい、しばらく隠れるもの着てください」
鎖骨に噛みつき舐めた後は強く吸いつく。
「もり、むらっ」
「……かわいいです」
尻を揉んでいた手を前にまわし、脚のあわいを撫でる。
「あのまま挿れていたら、お互い痛かったですよ?」
北に触れた指を口に含んで湿らせて、秘裂を撫でる。
「北さんの味、興奮しますね」
火照った北の顔を眺めながら、綺麗な顔に笑みをのせる。
(顔、キレイだなー。どうゆう顔してイくんだろ。見たい……)
「私にもさせて」
「……いえ、ちょっと待ってください」
「だって、森村も、舐めた」
「いや、ちょっと」
じゃあ、と北が森村の脚の方へ頭を向け剛直をにぎった。
かわりに下半身を森村の目の前に晒した。お互いが横向きに向かい合う。
「……んっ……き、たさんっ、……」
「童貞にはハードル高かったかな」
「興奮します。……恥ずかしくないですか?」
「少し。……でも、したかったし」
北がそっと腿を上げると、森村が遠慮なくあわいに触れ、指で開く。
陰核を撫でながら蜜口のまわりに指を這わせた。
ちらりと北を見ると森村をじっとみつめていた。
思わず欲が弾けそうになる。
すると剛直の根元をぎゅっと握られた。
「おい、待て、まだこれからだぞ、童貞」
「今さら童貞じゃないと言っても信じてもらえないでしょうね」
北の太腿に頭を挟まるようにして森村が陰核を舌で嬲った。
「んっ……はぁ……それ、すき……」
「……しごかないでくださいね」
念のため忠告してから柔らかくほぐれるまで舐め尽くす。
初めから指を二本蜜壺へ挿れるとぎゅうっと締めつけられた。
ゆっくり探っていると、いきなり剛直に湿った感触がして森村はぴくりと震えた。
「北さん……大人しくしていてください……残念な結果になります」
「それなら、今すぐ挿れて」
じっと目を見つめられて森村は起き上がった。
北が口で避妊具の袋を破り、慣れた手つきで取りつける。
「なんだか悔しいです……」
森村は北の上に乗り上げた。
「北さん、好きです」
北の太腿に手を添わせると迷いなく挿入する。
森村の余裕のない表情を見て、思わずきゅんとしてしまう。
(かわいい)
「北さん、締めつけないで……」
「いいよ、一度イって。もう一回できるでしょ?」
「でも……」
口に出せないけど、本当、かわいいと思う。
なんだろ、これ。
考えたくなくなって、抱きしめて欲しくなる。
「抱きしめて、キスして?」
見上げると、がばりと抱きついてきた。
表情がみえなくて惜しい。
とりあえず、体の内側の筋肉をしめる。
「……キス」
「北さんっ、……もぉ……」
唇を覆うように食まれる。
舌と連動するように腰を動かす。
ガンガン力まかせに突かれて気が遠くなった。
(あ、これ、誰かやだって言ってたな……でも慣れてない感じもかわいい。かわいい、これ、嫌いじゃない)
「もりむらぁ、いいっ、すきっ」
「……! 北さんっ、僕も、すきですっ」
二人の間に森村の手が伸ばされる。
陰核に触れられて体が跳ねた。
ぎゅっと引き込まれる感覚に森村が唸る。
「イって。もう一回、しよ」
北に締めつけられてあっけなく森村が欲望を放つと、北がまだ硬さを保っていた森村自身に新しい避妊具を被せる。
森村を仰向けに倒して受け入れた。
「若いっていいな、すごく」
腰を浮かせてゆっくり上下する。
もどかしさに森村が北の腰に手を添えた。
「私がイくまで、あと何回イケる?」
上から北が覗き込んでにっこりと艶やかに笑った。
「北さん男女逆転してます……」
「森村がかわいいのが悪い」
経験が少なくてすみません、片手で足りるんですと森村が暴露する。
ちょっと、これは想定外でしたと言う。
「一緒に経験値上げて行こうよ。森村とするのは好きだ」
「北さん、男前過ぎます」
森村が上半身を起こすと北を抱きしめて唇を合わせた。
「次は攻めさせてくださいね」
「できるなら」
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