お持ち帰りされた私に一途な恋

能登原あめ

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episode  南×川上 





 南は会議室Bで壁ドンされていた。
 これ、キュンじゃない。
 何この圧迫感。近すぎて怖い。

 四名程度で打ち合わせする時の小さな会議室に、川上に引きずり込まれたのはつい先程のこと。
 社内では内緒にしている関係だから、ここに長居はできない。
 そして、今日の川上はだいぶ怒っている。
 昨日のことで。

「誤解するようなことは何もないよ」
「……そう?」

 にっこりと笑顔を見せるが目が笑ってない。

「えっと……まず、浮気じゃない」
「そう、じゃあなんで一緒にいたの?」






 まず待ち合わせだってしてない。
 駅に向かう途中で呼び止められだけ。

「南さん、ちょっとだけいいですか?」

 彼はちょっと彼女を驚かせたいからアドバイスが欲しいと言うのだ。
 あの子に彼氏ができたとも聞いてないのに、どゆこと?ってなって興奮のあまり一杯呑んだ。
 訊けばつき合い始めたのはごく最近、手のひらで転がされていると言う。
 まぁ仕方ないよね、察しがいいから、先回りして尽くして歴代彼氏をダメにしてきたと聞くからね。

「甘え下手をデロ甘に甘やかしてみたら? がんばれよ~、森村!」
「……具体案下さいよ」

 なんて話しながら後輩の肩を叩いてあの子の幸せを祈ってた。
 今年の新入社員の中で一番人気のイケメンにベタ惚れされるなんて、あの子やるなぁ、と。
 とにかく二人の恋バナに浮かれてどこかネジが緩む……どころか抜けていた。

 会社の最寄駅のカフェバーの、窓際の席で呑んだら誰かに見られるかもしれないこととか。
 たまたま見られたのが、同期たちだったのもまずくて、同期のSNSグループで付き合ってるの?とか違う、ただの後輩、とかのやりとりをした。
 川上は絡んでこなかったし、分かってくれたか気にしてないと思って連絡しなかったのもいけなかった。
 普通の彼女ならもう少しフォローするもの、なんだろうね。
 
 翌日金曜の朝、川上とすれ違った時はいつも通り挨拶したけど、午前の就業時間が終わった後……つまり今さっき捕まったのだ。



「今からランチに出るから、夜に詳しく話させて。かわりになんでもしてあげる」
「……そう。わかった、

 ちょっと考えてから頷いた川上は最後には楽しそうな表情で去っていった。
 あれ、まずかったかな。
 マッサージくらいじゃすまないかも。
 今夜から週末は川上の家に泊まりに行くことになっているから、ちゃんと説明すれば大丈夫だよね、と南は思った。







「南サンは……迂闊だよね」

 なんでもしてあげる、なんて俺以外に使わないでよと言いながら、やわらかな布で目隠しをする。
 
「えっと、まず説明させて?」
「うん? それは後でいいよ? 先になんでもしてよ?」

 部屋に上がるなりこれ?
 目隠しを外すタイミングを逃した。
 なんでもなんて良心のある人にしか使えないんだね。

「あのー、お腹も空いてるし、その……そういうことするならシャワー浴びたい」
「ちょっとだけ我慢して? はい、口開けて」

 太いストローのようなものが口に当たり、吸うように言われた。
 
「とりあえず、ゼリー飲料ね。……途中でへばらないようにカロリーチャージしてね」

 川上が中身を押し出してグレープフルーツ味のそれを一パック飲み干すと唇が重ねられた。

「……見えないって怖い」
「ん。だからその分感じて」
「え、なんか余計に怖い……一思いにやっちゃって」

 川上が笑いをこらえる。

「いいの? 痛いことするかもしれないのに」

 そう言いながら服を脱がし始めた。
 こんな日に限って前開きのブラウスだ。
 かぶりものだったらさりげなく目隠しも外せたのに。
 川上がプチプチとボタンをはずしていく。

「私が本当に嫌なことし」

 ないでしょ、と言い終わらないうちにがぶりと胸に噛みつかれた。

「……っ!」

 ぬるりと舌が這う。
 
「さぁ、どうかな? 昨日も今朝も教えてくれなかったから……拗ねてる」

 拗ねてる!
 怒ってる訳じゃなくて、拗ねていたんだ。
 どんな顔で言ったのか見たいのに。

「ごめんね! 帰りがけに後輩の社内恋愛の相談されたの、つき合い始めたばかりみたいで」
「俺たちだって、まだ一月も経ってない。それに相談と思ってるのは南だけじゃない? 口説かれなかった?」
「そんなわけない! もう二人はつき合ってるから。今度そのカップルと飲もうよ?」
「うん、そうだね、それもいいかな。….じゃあ、こっちに集中して」

 スカートがするっと脱がされると、下着とパンストを一緒に下ろされた。

「ちょっと、恥ずかしい!」
「パンストに穴開けてよかった? そしたらパンツずらして舐めたり指入れたり」

 そのままちんこ挿れてもよかった?と耳元でささやく。

「やだっ」
「そう言うと思った」

 笑いを含んだ声と息が耳にかかりくすぐったい。
 足首に下着とパンストをぶら下げたまま縦抱きで運ばれてベッドの上に投げ出される。
 するっと取りのぞかれたと思ったら開かれた脚のあわいを川上が指でなぞった。
 その後温かい息がかかり、足の付け根を強く吸い上げられた。

「お風呂入ってないから、やだっ」
「なんでもしてくれるんでしょ? 南の濃ゆい匂いがしていつもより興奮する。俺はこのままが好きだけど。ほんと、いつもより……膨張率が一割、いや二割増しかも……」

 それに濡れてるのは目隠しのせい?それともパンスト破って挿れられるの想像した?と声をかけられた。
 この状況に泣きそうになって顔を歪める。
 川上が襞を丁寧に舌で嬲り、蜜口に指を挿れて南が反応するところばかり狙って動かす。

「やだっ、お風呂、入りたいぃー、……も、だめっ……ぁああっ」
「もうちょっと……」

 指をくにくにと動かしてあれ?と言う。
 川上の指が固い場所に当たる。
 
「南、今排卵期? 子宮下がってるね」
「そう、かも……?」

 指を抜いた川上が嬉しそうに言ってビニールのパッケージを破る音が聞こえた。

「ゴムつけたからね。……南と順番守って付き合いたいんだ」
 
 そう言うと、今度は南の陰核を親指で撫でながら内壁を刺激した。
 そうされると指を締めつけてしまいあっさり絶頂してしまう。

「あぁーーっ……」

 すぐさま剛直を押し込まれ、先ほど触れた子宮口にとんっと当てられた。
 
「……っあ!……それ、やだ……」
「南が怖がらないように、そっとする」

 ぐりっと硬いものに当たる感触にびくんと身体が揺れる。
 川上は目隠しを外して瞳を潤ませた南に優しく笑った。
 その顔を撫で目元をぬぐう。

「……もう許してくれる?」
「うん。かわいいから許す……」
「本当に何でもないからね」
「わかった、次はないよ」

 耳元に唇を寄せて囁いた。

「好きだよ……なんでもしてもらうのは、二人がイくまででいいよ」
 
 それを聞いてふっと力を抜いたところで剛直が子宮口をぐりぐり押す。
 南から小さく甘い声が上がる。

「よかった……イっていいよ」
「私……川上が……好き、になったよ……」
「……っ!……危な……イきそうだった….はぁ。このタイミングで……そういうこと、言うと、さ。終わりたくないし、終われないっ」

 川上は動きを止めると顎に力を込めて低い声で唸るように言って、ゆっくりと息を吐いた。
 それからあらためて陰核に触れながら子宮口めがけて抽挿してくる。
 頭がぼんやりするし、いつもよりかすれた声をあげながら川上をみつめた。
 
「んんっ……これ、いつ、も、と….ちが……、いいっ……」
「……っ……かわいい……」

 達して収縮する内壁の動きに苦しそうな表情を顔に浮かべつつも、揺さぶり続ける。

「ずっと……こうしてたい、な」
「かわ、かみぃ……むりぃ……」

 絶頂から降りられず、意味のない声しか出なくなる。

「もう、男と二人で、飲んじゃ……だめだよ?」
「ん、かわ、かみ……だけ、だからっ」
「今日も……かわいい」

 川上が欲望を吐き出すまでしばらく揺さぶられることになった。
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