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第77話 とりあえず秘密で
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カールさん達に手伝ってもらい、山のようなお弁当にデザートも付けて、ネコ用のおやつ、猫じゃらし、ネコケア用品多数お持ち込みで、満面の笑みのナナミ。
「ナナミ、状況わかってる? 遠足じゃないんだよ 」
「もちろん、分かってるわよ、しっかりお籠りしてるから大丈夫! さあ、行きましょう、カイル」
絶対わかってないだろう、こいつは! 追手をごまかすために疑似? 仮死状態になるんでしょう、満面の笑みで向かうところじゃないよね。
「はははっ、まあ、いいじゃねえか、これぐらいでもよ、このお嬢ちゃんはフレイアとはずいぶん性格が違うよな、これで色気がありゃあ、いい女なんだが、そっちは期待出来ねえけどな」
言ってる側からナナミの後ろ回し蹴りが、カシムの後頭部を狙うが容易く片手で弾かれる。そのまま流れるように襟首を掴み、引き寄せて三角締めが決まった。
……決まりはしたのだが、苦しそう、というより嬉しそう? 顔に当たってる胸の感触を楽しんでる?
微妙な表情のカイルの視線の先、にやけたカシムと眼が合い、締める腕に力が加わり一気に顔色が悪くなったカシムが、ナナミの腕をバシバシ叩いている。
「おまっ、苦し、放せ」
「締めてんだから苦しいのは当たり前でしょう?
何をにやけた顔してたのよ、この変態!」
「ぐえええっ、マジで死ぬ、死んじゃうから、放せ」
「うえええっ、げほっ、ごほっ、たくっ、狂暴な女だな、でも、これなら顔が似てるだけでお前を聖女だと思う奴はいないかもしんないから、それはそれでいいのかもな、体つきも違うし」
ジロジロと無遠慮に上から下まで見回す視線に、ナナミの眼が細くなる。
「俺が来るまでの間にも鍛えてたんだろう、一日中歌ったり、祈ったりしてるだけの奴じゃあ、そんだけ動けねーよ、あいつらみんな、ポヨンポヨンな体してやがるからな、良く頑張ったな」
ワシワシと、ナナミの頭を撫で、ポンポンと軽く叩いた。
「もしかして、今のって、褒めてくれたの?」
「思いっきり、褒めてんだろうが! なめてんのか」
「褒めるの下手くそすぎ 笑えるー」
「んだと、こらあ!」
「もう、行きましょうか」 …付き合い切れないから。
カイルの言葉で姫子とシノブも立ちあがり四つ足を踏ん張って背筋を伸ばすと、大きな欠伸をして歩き出したので、その後をついていく。
無事に仮想空間へと入り、楽しそうにお弁当やネコグッズを広げていくナナミ。
「ねえねえ、ここで二週間お籠りしてたら迎えに来てくれるんでしょう、無事にフレイアの痕跡が消えるといいんだけどね、最近は、フレイアの気配っていうのかな、前よりも強く感じるんだ、カシムが来てからは特に強くなった気がするの」
「あの人も、良くわからいよな、悪い人では無いと思うけど、なんか底がみえないっていうかさ」
「うんうん、わかる、わかる、フレイアが教えてくれたんだけどね、カシムは陛下と血が繋がってるんだって、異母兄なんだけど隠してるみたいだから、皆には内緒ね」
「ああ、迂闊に話せることじゃないしな」
「ふうーん、そんなに驚かないんだね、もっとびっくりするかと思ったのにつまんないの」
「前に噂で聞いたことがあるからな、優秀すぎて争いの種になる前に王位継承権を返上したってさ、多分貴族だったらある程度知ってるんじゃないかな、この街の人に言いふらす必要は無いけど、極秘って程の隠しごとじゃないと思うよ。あんな風に口が悪いのも多分ワザとだし」
「へえー、意外と情報通なんだ、カイルもやっぱりお貴族様なんだね」
「お前達のおかげでな!」
「そっかー、感謝していいんだよ」
「してねーし、それを言うならナナミのほうが貴族としては、格上の大貴族だろ」
「そうだねー、自覚は無いんだけど、この先どうなるのかな、私はもうこのままでもいいし、フレイアもここの生活気に入ってるみたいだけどさ」
「ま、今考えてもしょうがないだろ、追手がこないようにするほうが大事だよ」
「だね、命狙われるのは嫌だから、目の前の任務に集中するよ」
それから少しして、カイルは仮想空間を出て、ミハル達の元に戻って行った。
「ナナミ、状況わかってる? 遠足じゃないんだよ 」
「もちろん、分かってるわよ、しっかりお籠りしてるから大丈夫! さあ、行きましょう、カイル」
絶対わかってないだろう、こいつは! 追手をごまかすために疑似? 仮死状態になるんでしょう、満面の笑みで向かうところじゃないよね。
「はははっ、まあ、いいじゃねえか、これぐらいでもよ、このお嬢ちゃんはフレイアとはずいぶん性格が違うよな、これで色気がありゃあ、いい女なんだが、そっちは期待出来ねえけどな」
言ってる側からナナミの後ろ回し蹴りが、カシムの後頭部を狙うが容易く片手で弾かれる。そのまま流れるように襟首を掴み、引き寄せて三角締めが決まった。
……決まりはしたのだが、苦しそう、というより嬉しそう? 顔に当たってる胸の感触を楽しんでる?
微妙な表情のカイルの視線の先、にやけたカシムと眼が合い、締める腕に力が加わり一気に顔色が悪くなったカシムが、ナナミの腕をバシバシ叩いている。
「おまっ、苦し、放せ」
「締めてんだから苦しいのは当たり前でしょう?
何をにやけた顔してたのよ、この変態!」
「ぐえええっ、マジで死ぬ、死んじゃうから、放せ」
「うえええっ、げほっ、ごほっ、たくっ、狂暴な女だな、でも、これなら顔が似てるだけでお前を聖女だと思う奴はいないかもしんないから、それはそれでいいのかもな、体つきも違うし」
ジロジロと無遠慮に上から下まで見回す視線に、ナナミの眼が細くなる。
「俺が来るまでの間にも鍛えてたんだろう、一日中歌ったり、祈ったりしてるだけの奴じゃあ、そんだけ動けねーよ、あいつらみんな、ポヨンポヨンな体してやがるからな、良く頑張ったな」
ワシワシと、ナナミの頭を撫で、ポンポンと軽く叩いた。
「もしかして、今のって、褒めてくれたの?」
「思いっきり、褒めてんだろうが! なめてんのか」
「褒めるの下手くそすぎ 笑えるー」
「んだと、こらあ!」
「もう、行きましょうか」 …付き合い切れないから。
カイルの言葉で姫子とシノブも立ちあがり四つ足を踏ん張って背筋を伸ばすと、大きな欠伸をして歩き出したので、その後をついていく。
無事に仮想空間へと入り、楽しそうにお弁当やネコグッズを広げていくナナミ。
「ねえねえ、ここで二週間お籠りしてたら迎えに来てくれるんでしょう、無事にフレイアの痕跡が消えるといいんだけどね、最近は、フレイアの気配っていうのかな、前よりも強く感じるんだ、カシムが来てからは特に強くなった気がするの」
「あの人も、良くわからいよな、悪い人では無いと思うけど、なんか底がみえないっていうかさ」
「うんうん、わかる、わかる、フレイアが教えてくれたんだけどね、カシムは陛下と血が繋がってるんだって、異母兄なんだけど隠してるみたいだから、皆には内緒ね」
「ああ、迂闊に話せることじゃないしな」
「ふうーん、そんなに驚かないんだね、もっとびっくりするかと思ったのにつまんないの」
「前に噂で聞いたことがあるからな、優秀すぎて争いの種になる前に王位継承権を返上したってさ、多分貴族だったらある程度知ってるんじゃないかな、この街の人に言いふらす必要は無いけど、極秘って程の隠しごとじゃないと思うよ。あんな風に口が悪いのも多分ワザとだし」
「へえー、意外と情報通なんだ、カイルもやっぱりお貴族様なんだね」
「お前達のおかげでな!」
「そっかー、感謝していいんだよ」
「してねーし、それを言うならナナミのほうが貴族としては、格上の大貴族だろ」
「そうだねー、自覚は無いんだけど、この先どうなるのかな、私はもうこのままでもいいし、フレイアもここの生活気に入ってるみたいだけどさ」
「ま、今考えてもしょうがないだろ、追手がこないようにするほうが大事だよ」
「だね、命狙われるのは嫌だから、目の前の任務に集中するよ」
それから少しして、カイルは仮想空間を出て、ミハル達の元に戻って行った。
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