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番外編
酒に酔う奥さんと、嫁に酔う旦那さん②
料理が苦手なはずの彼女が、ケーキを作ってくれた。テーブルいっぱいに豪華な夕食を用意してくれた。自分を、労ってくれた。
それだけで、この上なく幸せで、弛む頬を止められなかったのに。
酔っているのはわかっているけれど、愛しい妻に乗っかられているこの状況。
これが夢ではないことを、切実に願う。
過去に何度も夢見ただけに、デジャヴ感が否めない。
頼む、夢なら、覚めないでくれ。
******
彼女が酔っていることに気付いたのは、三本目のワインが空いた頃だった。
倉木の家から貰ってきたというそのワインはあまりにも舌触りがよく、義父の所持品であったに違いない。
こんなにいいものを頂いたならお礼をしないと、と言えば、くすねてきたから大丈夫~!お礼の必要なし!ととても楽しそうに笑っていた。
そこから義父がいかに、彼女の言うところの「アホ」なのかを熱弁し、突然泣き出したりもした。
かと思えば、焦る俺をよそに今度は上原さんのことをにっこり笑いながら話し出す。
妻は、完全に酔っていた。
酔った彼女を見たのは初めてで、次々に変わる表情がとてもかわいかった。
ずいぶん強いんだなと感心していたけれど、顔には出ずに酔うタイプだったらしい。
もっと見ていたいという気持ちもあるけれど、そろそろ止めた方がいいかもしれない。
今まで食べたなかで一番うまいガトーショコラをフォークで崩しながら、いつ彼女から酒を取り上げようかと考えていた矢先。
事件は起こった。とても幸せな事件が。
「うー、さすがに飲みすぎたぁ……」
頭に手をやりながら、彼女がダイニングテーブルに突っ伏す。
「片付けはやっておくから、ソファーに横になったら?」
「いえいえっ!そのままにしておいてくださーい!あしたやりますからっ」
やたら陽気な口調。だけどよたよたと危ない足取りで、ソファーの方へ歩いていく。
自主的に止めてくれてよかった、と胸を撫で下ろし、コップに水を注いで彼女に手渡した。
「あっ、ありがとー」
コップ半分ほどの水を一気に飲んだ後で、彼女はイルカの枕を抱えてソファーに横になった。
イルカの枕に顔を埋めて頬ずりをする桜なんて、酔っていなければ絶対に見られない。
「んー…、とーやさんの匂いがするぅ……。いーい香りー…」
幸せそうに、しかも上目遣いでそんなことを言われたら当然の如く顔が熱くなってしまう。
「赤くなってるー!かわいー!とーやさん!こっち、こっちすわってっ」
バンバンバンとソファーを叩き、自分の頭の横に座れと、彼女が催促をする。
非常に困る、正直すぎる自分の顔色が。
腕で顔を押さえながら、言われた通りそこに腰を落ち着ける。すると、擦りよるように彼女が近づいてくる。
「へへー、やっぱ本物がいちばんいい匂いっ」
頭を俺の膝に乗せて、細い腕を腰に巻き付けてくる。
小さい子供のような仕草がかわいくて、だけど馬鹿みたいに心臓が跳ねた。
こんな風に甘えられるのは、初めてだった。
うるさい心臓に落ち着け、と心の中でごちてから彼女の頭を撫でる。
気持ち良さそうに大きな瞳を細めて、とろけるような笑みを向けてくれるからたまらない。
「あー……、この角度からの首筋もいいねぇー」
言葉に、詰まってしまった。
「どうしてそんなに綺麗なの?」
「い、いや、別に綺麗じゃ、」
「綺麗だよーぅ!!全体的に!胸元と首筋が特に!!」
とろけるような笑みのままそう言って、彼女の手が鎖骨を撫でてくる。
胸元の大きく開いた服を彼女が好むのは知っていたし、俺の肌質を気に入ってくれているも分かっていた。
けど、首筋のラインなんて自分でも把握していないコアな部分を見ていたなんて、知らなかった。
この体を与えてくれた両親に心の中で激しく感謝した。
「さわりづらい」
拗ねたように呟いた後、よいしょ、という掛け声とともに彼女が起き上がる。
そのまま俺の膝の上を跨いで座るから、見たこともない恍惚とした笑みを浮かべる彼女と、至近距離で視線がぶつかる。
「触っていーい?」
かわいらしく首を傾げてそんなことを言われて、断るわけがない。断る理由もない。むしろお願いしますと頭を下げたいくらいだ。
首を縦に振って了承の返事をすれば、腹のあたりから指先がゆっくりとのぼってくる。
首筋を何度か往復した後で、小さな手が胸元を滑る。
鎖骨のラインを確かめるように動いたあと、うっとりしながら彼女が言った。
「はーぁ、たまんなーい……」
そうして首筋に、温かい感触。
ちゅ、ちゅ、と何度も吸い付くように唇がそこに押し当てられている。
瞬間的に眩暈がした。
胸元で遊んでいた小さな手は気付けば再び腰のあたりに舞い戻っていて、こともあろうか服の中へ滑り込んでくる。直に感じる熱い体温が、その動きが、やけに艶めかしくて身体が震える。
「すべすべ、気持ちいー…」
首筋に口をつけたまま、彼女が囁いた。
熱い舌が、悪戯に首筋を這う。
「……っ!」
ちっとも身体に力が入らないのに、感覚だけはやたらと研ぎ澄まされていた。
止まない手付きに、舌先に、翻弄されて息が上がる。
もう一度、幸せすぎて眩暈がした。
無理矢理でもなければ、促したわけでもない。
彼女が自分の意志で俺の膝に乗って、首筋を舐めている。
かつてないほどの興奮が体を駆け巡った。
まるで、夢を見ているようだ。
欲しくて欲しくて、おかしくなりそうな程に好きで、ようやく心をくれた愛しい彼女が、自分を欲している。
歓喜に沸く、その様を今この瞬間に体感していた。
彼女の甘い香りが、熱い体温が、体中を走る痺れが、これが現実の出来事だと実感させてくれる。
腰を直撃するような快感が何度も襲ってくる。
「ん…、とう、や…」
甘い響きが危険すぎる。
下半身が、張り詰めすぎて痛い。
だけどその危険な響きを何度でも聞きたい。
名前を呼ばれることで、満たされたものがさらに溢れていく。
「さく、ら。もっと、呼んで」
「燈哉…」
「は……っ、もっ、と」
「燈哉、…とうや、」
気付いた時には、彼女を押し倒していた。
レースの襟がついた淡い水色のシフォンシャツ。ボタンをひとつずつ外す余裕もなかった。
ボタンをとばしてしまったかもしれないし、生地を破いてしまったかもしれない。キャミソールをたくし上げるのももどかしく、焦燥ばかりが募る。
そうしてようやく現れた白い膨らみと胸の先を、しゃぶりつくように貪った。
「あっ、ぁ、んぁあ…っ!」
そこにねっとりと舌を這わせたまま、短いスカートを捲り上げる。
膝上まであるグレーの靴下を脱がすこともしないまま、ショーツの紐を解いて、彼女の秘所に指をねじ込んだ。
「ああ…ッ!」
吐息混じりの甘い喘ぎに、下半身が馬鹿みたいに反応する。
指を増やして、彼女の声がもっと高くなる場所を擦れば、熱くうねるような内壁が指を締めつけてくる。
ゆるゆると動く彼女の腰つきにどうしようもなく煽られた。
指を入れたまま、自分の体を起こす。
もう片方の手で彼女の足を限界まで広げて、唇を寄せる。そして思い切り、蕾を吸い上げた。
「やっ…ぁ!ぁんっ、ああぁ…っ」
舌を蕾に押し付けて、頭を左右に振る。
泣いてるような喘ぎが耳に届いて、余計に興奮した。
蕾を剥いてぐちゃぐちゃに舐め上げた。
「ああッ!ふ、ぁ、んっ、んんっ、あぁあ!!」
指がぐっしょりと濡れていく。
早く中に入りたい。
でも、もっと感じて欲しい。
甘美な感覚全てが、たまらない。
喘ぎながらよがって、切なげに眉を寄せる彼女はあまりに美しく、妖艶だった。
彼女が感じている。
俺の指で、俺の舌で。
何度交わってもこの幸福感に慣れることはない。
「んっあぁぁ!だめ、ぇ…ッ、とうや、っあああぁ!」
内壁が激しい収縮を繰り返す。
その締め付けをたっぷり堪能してから指を引き抜いた。
ブラウスははだけたまま、キャミソールは捲りあげられたまま、スカートも履いたままで、ショーツは紐が片方解けたまま。
かわいらしい洋服が、いやらしく乱れている。それを、決して綺麗なだけではない感情で眺める。自分が歪んでいるのは、もうずいぶん前からわかっていた。
愛しい彼女がこうして乱れるのは、夫である自分の前でだけ。
盲愛、偏愛、溺愛。この感情はそれらの全てに当てはまる。狂おしいほどに愛しい。彼女の愛を得るためになら、どんな滑稽にでも踊れるほどに。
ボトムの前だけを寛げて、昂ぶりを取り出す。顔の前で交差している彼女の腕を、頭の横に押さえ付けた。痛いほどに疼いているそれを彼女の中に突き立てる。ぐぷ、と、濡れた音がした。
「っ、あァんっ!!」
「…っ!」
ソファーがぐらつく程に、激しく腰を振った。
逃げるようにずり上がっていく彼女の腰を押さえて、この上なく激しく突き上げる。
彼女の中はとても熱く、狭い。内壁がしぼり取るように蠢いて射精感を誘う。
縋るように伸びてきた腕を自分の首に回す。興奮も幸福感も快感も、際限なく増していく。
「はっ…ぁん!あっ、とう、やぁっ!んあぁッ…!」
喘ぎの中に自分の名が混ざるその瞬間が、たまらない。
「あっ、ん…ッ、とうや、とうやぁ…!すき、ッ、ぁああ!!」
好き、という言葉で、高まっていた全てのものが弾け飛んだ。頭が真っ白になった。
腰を押し付けて彼女の中に白濁を注ぎ、強く強く抱き締める。
大きく息を吐いて、繋がったまま彼女を起こし、膝に乗せた。
小さく漏れた喘ぎに、早々にそこが硬くなる。興奮がちっとも冷めない。
肩で息をしている彼女は、頬も唇も赤く染まっていた。潤んだ大きな瞳も、柔らかな黒髪も白い肌も。
深いキスをすれば、柔らかく絡まる舌も、唇をはなしたあとの嬉しそうな微笑みも。
全てが、愛しい。
「桜、愛してるよ」
「ん…わたしも。大好き…愛してるよ、燈哉さん」
沸き上がるのは、陶酔感にも似た喜びだ。
もう一度唇を合わせて、幸せを分かち合った。
小さく腰を揺らせば、彼女が戦慄く。彼女を乗せたまま仰向けに倒れて、腕で細い腰を掴む。
「…動いて」
欲を乗せて囁けば、彼女は真っ赤になって唇を噛んだ。
下から焦らすように腰を動かす。親指で蕾に刺激を送って、彼女の腰が動き出すのを待つ。
「っ、ぁ…ん、ず、るい…!」
「ほら、動いて」
「あっ、んぁ…っ、はっ、ぁ、ん、んんッ!」
「そう、上手だね」
かわいい顔を羞恥と快感に染めて、彼女がこちらを見下ろしてくる。
腰を振りながら、うっとりと俺の胸元に手を這わせてくる。
こんな絶景、夢でも見たことがない。
合わせるように自分も腰を動かせば、真っ白な膨らみが卑猥に揺れる。
幸せに酔いしれながら、彼女を揺らし続けた。
それだけで、この上なく幸せで、弛む頬を止められなかったのに。
酔っているのはわかっているけれど、愛しい妻に乗っかられているこの状況。
これが夢ではないことを、切実に願う。
過去に何度も夢見ただけに、デジャヴ感が否めない。
頼む、夢なら、覚めないでくれ。
******
彼女が酔っていることに気付いたのは、三本目のワインが空いた頃だった。
倉木の家から貰ってきたというそのワインはあまりにも舌触りがよく、義父の所持品であったに違いない。
こんなにいいものを頂いたならお礼をしないと、と言えば、くすねてきたから大丈夫~!お礼の必要なし!ととても楽しそうに笑っていた。
そこから義父がいかに、彼女の言うところの「アホ」なのかを熱弁し、突然泣き出したりもした。
かと思えば、焦る俺をよそに今度は上原さんのことをにっこり笑いながら話し出す。
妻は、完全に酔っていた。
酔った彼女を見たのは初めてで、次々に変わる表情がとてもかわいかった。
ずいぶん強いんだなと感心していたけれど、顔には出ずに酔うタイプだったらしい。
もっと見ていたいという気持ちもあるけれど、そろそろ止めた方がいいかもしれない。
今まで食べたなかで一番うまいガトーショコラをフォークで崩しながら、いつ彼女から酒を取り上げようかと考えていた矢先。
事件は起こった。とても幸せな事件が。
「うー、さすがに飲みすぎたぁ……」
頭に手をやりながら、彼女がダイニングテーブルに突っ伏す。
「片付けはやっておくから、ソファーに横になったら?」
「いえいえっ!そのままにしておいてくださーい!あしたやりますからっ」
やたら陽気な口調。だけどよたよたと危ない足取りで、ソファーの方へ歩いていく。
自主的に止めてくれてよかった、と胸を撫で下ろし、コップに水を注いで彼女に手渡した。
「あっ、ありがとー」
コップ半分ほどの水を一気に飲んだ後で、彼女はイルカの枕を抱えてソファーに横になった。
イルカの枕に顔を埋めて頬ずりをする桜なんて、酔っていなければ絶対に見られない。
「んー…、とーやさんの匂いがするぅ……。いーい香りー…」
幸せそうに、しかも上目遣いでそんなことを言われたら当然の如く顔が熱くなってしまう。
「赤くなってるー!かわいー!とーやさん!こっち、こっちすわってっ」
バンバンバンとソファーを叩き、自分の頭の横に座れと、彼女が催促をする。
非常に困る、正直すぎる自分の顔色が。
腕で顔を押さえながら、言われた通りそこに腰を落ち着ける。すると、擦りよるように彼女が近づいてくる。
「へへー、やっぱ本物がいちばんいい匂いっ」
頭を俺の膝に乗せて、細い腕を腰に巻き付けてくる。
小さい子供のような仕草がかわいくて、だけど馬鹿みたいに心臓が跳ねた。
こんな風に甘えられるのは、初めてだった。
うるさい心臓に落ち着け、と心の中でごちてから彼女の頭を撫でる。
気持ち良さそうに大きな瞳を細めて、とろけるような笑みを向けてくれるからたまらない。
「あー……、この角度からの首筋もいいねぇー」
言葉に、詰まってしまった。
「どうしてそんなに綺麗なの?」
「い、いや、別に綺麗じゃ、」
「綺麗だよーぅ!!全体的に!胸元と首筋が特に!!」
とろけるような笑みのままそう言って、彼女の手が鎖骨を撫でてくる。
胸元の大きく開いた服を彼女が好むのは知っていたし、俺の肌質を気に入ってくれているも分かっていた。
けど、首筋のラインなんて自分でも把握していないコアな部分を見ていたなんて、知らなかった。
この体を与えてくれた両親に心の中で激しく感謝した。
「さわりづらい」
拗ねたように呟いた後、よいしょ、という掛け声とともに彼女が起き上がる。
そのまま俺の膝の上を跨いで座るから、見たこともない恍惚とした笑みを浮かべる彼女と、至近距離で視線がぶつかる。
「触っていーい?」
かわいらしく首を傾げてそんなことを言われて、断るわけがない。断る理由もない。むしろお願いしますと頭を下げたいくらいだ。
首を縦に振って了承の返事をすれば、腹のあたりから指先がゆっくりとのぼってくる。
首筋を何度か往復した後で、小さな手が胸元を滑る。
鎖骨のラインを確かめるように動いたあと、うっとりしながら彼女が言った。
「はーぁ、たまんなーい……」
そうして首筋に、温かい感触。
ちゅ、ちゅ、と何度も吸い付くように唇がそこに押し当てられている。
瞬間的に眩暈がした。
胸元で遊んでいた小さな手は気付けば再び腰のあたりに舞い戻っていて、こともあろうか服の中へ滑り込んでくる。直に感じる熱い体温が、その動きが、やけに艶めかしくて身体が震える。
「すべすべ、気持ちいー…」
首筋に口をつけたまま、彼女が囁いた。
熱い舌が、悪戯に首筋を這う。
「……っ!」
ちっとも身体に力が入らないのに、感覚だけはやたらと研ぎ澄まされていた。
止まない手付きに、舌先に、翻弄されて息が上がる。
もう一度、幸せすぎて眩暈がした。
無理矢理でもなければ、促したわけでもない。
彼女が自分の意志で俺の膝に乗って、首筋を舐めている。
かつてないほどの興奮が体を駆け巡った。
まるで、夢を見ているようだ。
欲しくて欲しくて、おかしくなりそうな程に好きで、ようやく心をくれた愛しい彼女が、自分を欲している。
歓喜に沸く、その様を今この瞬間に体感していた。
彼女の甘い香りが、熱い体温が、体中を走る痺れが、これが現実の出来事だと実感させてくれる。
腰を直撃するような快感が何度も襲ってくる。
「ん…、とう、や…」
甘い響きが危険すぎる。
下半身が、張り詰めすぎて痛い。
だけどその危険な響きを何度でも聞きたい。
名前を呼ばれることで、満たされたものがさらに溢れていく。
「さく、ら。もっと、呼んで」
「燈哉…」
「は……っ、もっ、と」
「燈哉、…とうや、」
気付いた時には、彼女を押し倒していた。
レースの襟がついた淡い水色のシフォンシャツ。ボタンをひとつずつ外す余裕もなかった。
ボタンをとばしてしまったかもしれないし、生地を破いてしまったかもしれない。キャミソールをたくし上げるのももどかしく、焦燥ばかりが募る。
そうしてようやく現れた白い膨らみと胸の先を、しゃぶりつくように貪った。
「あっ、ぁ、んぁあ…っ!」
そこにねっとりと舌を這わせたまま、短いスカートを捲り上げる。
膝上まであるグレーの靴下を脱がすこともしないまま、ショーツの紐を解いて、彼女の秘所に指をねじ込んだ。
「ああ…ッ!」
吐息混じりの甘い喘ぎに、下半身が馬鹿みたいに反応する。
指を増やして、彼女の声がもっと高くなる場所を擦れば、熱くうねるような内壁が指を締めつけてくる。
ゆるゆると動く彼女の腰つきにどうしようもなく煽られた。
指を入れたまま、自分の体を起こす。
もう片方の手で彼女の足を限界まで広げて、唇を寄せる。そして思い切り、蕾を吸い上げた。
「やっ…ぁ!ぁんっ、ああぁ…っ」
舌を蕾に押し付けて、頭を左右に振る。
泣いてるような喘ぎが耳に届いて、余計に興奮した。
蕾を剥いてぐちゃぐちゃに舐め上げた。
「ああッ!ふ、ぁ、んっ、んんっ、あぁあ!!」
指がぐっしょりと濡れていく。
早く中に入りたい。
でも、もっと感じて欲しい。
甘美な感覚全てが、たまらない。
喘ぎながらよがって、切なげに眉を寄せる彼女はあまりに美しく、妖艶だった。
彼女が感じている。
俺の指で、俺の舌で。
何度交わってもこの幸福感に慣れることはない。
「んっあぁぁ!だめ、ぇ…ッ、とうや、っあああぁ!」
内壁が激しい収縮を繰り返す。
その締め付けをたっぷり堪能してから指を引き抜いた。
ブラウスははだけたまま、キャミソールは捲りあげられたまま、スカートも履いたままで、ショーツは紐が片方解けたまま。
かわいらしい洋服が、いやらしく乱れている。それを、決して綺麗なだけではない感情で眺める。自分が歪んでいるのは、もうずいぶん前からわかっていた。
愛しい彼女がこうして乱れるのは、夫である自分の前でだけ。
盲愛、偏愛、溺愛。この感情はそれらの全てに当てはまる。狂おしいほどに愛しい。彼女の愛を得るためになら、どんな滑稽にでも踊れるほどに。
ボトムの前だけを寛げて、昂ぶりを取り出す。顔の前で交差している彼女の腕を、頭の横に押さえ付けた。痛いほどに疼いているそれを彼女の中に突き立てる。ぐぷ、と、濡れた音がした。
「っ、あァんっ!!」
「…っ!」
ソファーがぐらつく程に、激しく腰を振った。
逃げるようにずり上がっていく彼女の腰を押さえて、この上なく激しく突き上げる。
彼女の中はとても熱く、狭い。内壁がしぼり取るように蠢いて射精感を誘う。
縋るように伸びてきた腕を自分の首に回す。興奮も幸福感も快感も、際限なく増していく。
「はっ…ぁん!あっ、とう、やぁっ!んあぁッ…!」
喘ぎの中に自分の名が混ざるその瞬間が、たまらない。
「あっ、ん…ッ、とうや、とうやぁ…!すき、ッ、ぁああ!!」
好き、という言葉で、高まっていた全てのものが弾け飛んだ。頭が真っ白になった。
腰を押し付けて彼女の中に白濁を注ぎ、強く強く抱き締める。
大きく息を吐いて、繋がったまま彼女を起こし、膝に乗せた。
小さく漏れた喘ぎに、早々にそこが硬くなる。興奮がちっとも冷めない。
肩で息をしている彼女は、頬も唇も赤く染まっていた。潤んだ大きな瞳も、柔らかな黒髪も白い肌も。
深いキスをすれば、柔らかく絡まる舌も、唇をはなしたあとの嬉しそうな微笑みも。
全てが、愛しい。
「桜、愛してるよ」
「ん…わたしも。大好き…愛してるよ、燈哉さん」
沸き上がるのは、陶酔感にも似た喜びだ。
もう一度唇を合わせて、幸せを分かち合った。
小さく腰を揺らせば、彼女が戦慄く。彼女を乗せたまま仰向けに倒れて、腕で細い腰を掴む。
「…動いて」
欲を乗せて囁けば、彼女は真っ赤になって唇を噛んだ。
下から焦らすように腰を動かす。親指で蕾に刺激を送って、彼女の腰が動き出すのを待つ。
「っ、ぁ…ん、ず、るい…!」
「ほら、動いて」
「あっ、んぁ…っ、はっ、ぁ、ん、んんッ!」
「そう、上手だね」
かわいい顔を羞恥と快感に染めて、彼女がこちらを見下ろしてくる。
腰を振りながら、うっとりと俺の胸元に手を這わせてくる。
こんな絶景、夢でも見たことがない。
合わせるように自分も腰を動かせば、真っ白な膨らみが卑猥に揺れる。
幸せに酔いしれながら、彼女を揺らし続けた。
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