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ドケチな説得
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私たちはドーピング脳筋お嬢様のエリカ・ド・ハデーナを仲間に加え、3人パーティーになっていた。
仲間が増えれば、当然、依頼の成功率が向上し、難しい依頼にも挑戦しやすくなる。良いことずくめである。
しかし、目下の問題は私のお母さんのことである。
ケンジくんにあんなことを頼んで、私をギルドから遠ざけようとしていたのだ。
これを解決しなければ、晴れ晴れとした気持ちで依頼に臨むことは出来なかった。
私はお母さんの目が気になりつつ、いつもの習慣でギルドに顔を出していた。
とりあえず、簡単な依頼でもないかと掲示板を覗いてみる。
掲示板の前に立っているド派手な金髪が目に入った。私は気怠げに挨拶する。
「おはよ~エリカ~。」
「おはようございます!」
朝から声がデカい…。でも元気そうでなによりだった。怪我も治ったみたいだし。
「なにしてんの?」
「いえ、何か手頃な依頼は
ないかと思いまして…。」
考えていることは同じだったようだ。
しかし、これといって目を引く物はなかった。
私が腕を組んでうーん…と唸っていると。
「説得しましょう…!
モッタのお母様…!」
「ふぇっ!?」
急な提案に私は間抜けな声を出してしまった。
「わたくしは…貴族のしがらみに
嫌気が差して、家族に黙って
家を抜け出し、ここまで
来てしまいました…。」
「だから、モッタには
同じ気持ちになって
欲しくなくて…。」
エリカもなんか複雑な事情を抱えてるのか。私はあんまり気乗りしなかったが、エリカを連れて家に行ってみることにした…。
タムロスの郊外。そこに私の家はちょこんとあった。裕福ではないので小さな家だが。
「エリカ、ここが私んち。」
「…え?」
エリカは何か信じられない物を見るような目で私の家をジロジロ見ている。
「なんですかこの
小さくて四角い箱は?」
「あァッ!?」
言っちまったなこの金持ち野郎…。
私はキレる寸前というかもうキレていた。
世間知らずだかなんだか知らねぇが人様の家を箱だと…?許せねぇ…ここで分からせねぇといけねぇようだなァ…?
「あ、モッタとエリカ…。」
私が一人でブチギレていると、そこにケンジくんが現れた。私の家に用事があるようだった。
私はとりあえずさっきのことは忘れ、ケンジくんに尋ねた。
「うちになんか用?」
「あ…あぁ…。」
言いにくそうにするケンジくんに私は詰め寄る。
「ケンジくん、もう秘密は無しだよ?」
「う…。実は、モッタのお母さんを
説得しようと思って来たんだ…。」
ケンジくんと私たちは同じ目的で、私の家を訪れていた。
「では、3人で説得しましょう…!」
「えぇ…?」
大丈夫かな…と思いながら、私たちは家に上がった。
「あら、モッタ。
そちらの方は…?」
私のお母さんはケンジくんとは当然面識があったが、エリカとは初対面だった。
「あ…エリカ・ド・ハデーナと
申します…!」
「わたくしはモッタさんに
非常にお世話になりまして…。」
カチコチになって挨拶をするエリカ。世間知らずと言いつつ、こういう場面で緊張するタイプの女の子なのであった。
可愛いところあるじゃんと思いながら私はニヤニヤ彼女を見つめている。…箱の件は絶対許さないが。
「あらまぁ!モッタに女の子の
お友達なんて珍しい!
しかもこんな可愛らしい子で!」
お母さんのテンションがぶち上がっていた。友達が少ない私のことをずっと心配していたようだった…。
「さぁさぁ、上がって上がって!
ほらほらケンジくんも!」
「は、はい!
お邪魔します…!」
ケンジくんも緊張していた。そりゃそうだ。私のお母さんがケンジくんに余計なことを頼んだせいで、あんな騒動になってしまったのだ。
気まずくなるのは当然である。
私たちは家の中央にある小さなテーブルを囲んで正座していた。小さい家なので、3人で座るともう圧迫感が凄かった…。
お母さんがキッチンから何やらおぼんに乗せて運んできた。
「ごめんなさいね。
大したお構いも出来なくて。」
「あっ。いえいえ…!
気にしないでください…!」
テーブルにはコップが3つ並べられた。
緊張で喉が乾いたのか、ケンジくんが自分の一番近くに置かれているコップを手にした。
「……え?」
ケンジくんは驚愕していた。
何故ならコップの中には何も入っていなかったのである。
いやいや…まさかそんな訳はないとテーブルに置かれたコップを全部見回す。
しかし、いくら見ても、全てのコップには何も入っていない…。
いや、よく目を凝らしてみると…。
コップのずっと下の方に液体が僅かに入っている…。
空ではなかったのだ…。一応は…。
ケンジくんはコップを手に取ってしまったので、それをグイッと飲み干した。舌にちょこんと水が触れただけであった…。
「いやぁ…!おいしいなぁ!
あはははは…!」
ケンジくんが今摂取した水分の何十倍もの冷や汗をかいている…。
そう…。私のお母さんは私を超えるほどの超ドケチなのである…。
さすがの私でもここまでやらない…。我が母親ながら恐ろしい人間だと、恐怖におののいた…。
ケンジくんが笑い終えるのを見届けると、エリカが身を乗り出した。
「モッタのお母様…!」
エリカは真剣な眼差しで私のお母さんを見る。
「モッタさんのギルドでの
活動を、お許しいただけ
ないでしょうか…?」
お母さんも真剣な眼差しでエリカを見つめていた。
「俺からもお願いします…!」
ケンジくんがグッと頭を下げた。
「確かに…危険なことはいろいろ
あります…!で、ですが、
俺がモッタさんを守ります…!」
「完璧に守れるように、もっともっと
強くなります…!今は、俺より
モッタの方が強いんですけど…。」
「今、わたくしがここにいるのは、
モッタさんが助けてくださった
おかげなんです…!」
「モッタさんは強い人です…!
だから…その…!」
ケンジくんとエリカは必死で私のことをフォローしてくれていた…。温かい気持ちになって私は泣けてきてしまった…。
「もういいです…。」
お母さんがピシッと言い放つ。
空気が凍る…。私たちに緊張が走った…。
「…ごめんなさい。」
「お母さん…?」
私は急に謝ったお母さんを心配して見つめる…。
「私ずっと後悔していたの…。
ケンジくんにずいぶんと
無茶なことを言ってしまったと…。」
「い…いえ…。そんな…。」
「モッタのお父さんが
いなくなったことは
知っているかしら…?」
「は、はい…。」
説得するには事情を知っていないといけないと思い、私はエリカにお父さんのことを話していた…。
冒険者をしていて行方不明になってしまったお父さんのことを…。
「だからずっと心配だったの…。
モッタもいなくなって…。
私一人になってしまうんじゃ
ないかって…。」
「でも!あなたたちが一緒なら
心配ないって!そう思った!」
「モッタのお父さんは
一人で冒険していたから…。」
お母さんは一瞬俯いて悲しそうな顔をしたが、すぐに私たちの方に笑顔を向けた。
「ケンジくんとエリカちゃんは、
モッタにはもったいないくらい
良い子で…!お母さん、本当に
嬉しいわ…!」
照れ臭そうにする2人と、そんな2人と友達になれたことは、凄いことなんだと私は噛み締めた…。
「でも、くれぐれも気を付けてね!」
「ありがとう!お母さん!」
私たちは笑い合っていた。
これからもきっと、大変なことがいろいろあるかもしれないけど、私たちなら大丈夫…!そう思えたのだった。
仲間が増えれば、当然、依頼の成功率が向上し、難しい依頼にも挑戦しやすくなる。良いことずくめである。
しかし、目下の問題は私のお母さんのことである。
ケンジくんにあんなことを頼んで、私をギルドから遠ざけようとしていたのだ。
これを解決しなければ、晴れ晴れとした気持ちで依頼に臨むことは出来なかった。
私はお母さんの目が気になりつつ、いつもの習慣でギルドに顔を出していた。
とりあえず、簡単な依頼でもないかと掲示板を覗いてみる。
掲示板の前に立っているド派手な金髪が目に入った。私は気怠げに挨拶する。
「おはよ~エリカ~。」
「おはようございます!」
朝から声がデカい…。でも元気そうでなによりだった。怪我も治ったみたいだし。
「なにしてんの?」
「いえ、何か手頃な依頼は
ないかと思いまして…。」
考えていることは同じだったようだ。
しかし、これといって目を引く物はなかった。
私が腕を組んでうーん…と唸っていると。
「説得しましょう…!
モッタのお母様…!」
「ふぇっ!?」
急な提案に私は間抜けな声を出してしまった。
「わたくしは…貴族のしがらみに
嫌気が差して、家族に黙って
家を抜け出し、ここまで
来てしまいました…。」
「だから、モッタには
同じ気持ちになって
欲しくなくて…。」
エリカもなんか複雑な事情を抱えてるのか。私はあんまり気乗りしなかったが、エリカを連れて家に行ってみることにした…。
タムロスの郊外。そこに私の家はちょこんとあった。裕福ではないので小さな家だが。
「エリカ、ここが私んち。」
「…え?」
エリカは何か信じられない物を見るような目で私の家をジロジロ見ている。
「なんですかこの
小さくて四角い箱は?」
「あァッ!?」
言っちまったなこの金持ち野郎…。
私はキレる寸前というかもうキレていた。
世間知らずだかなんだか知らねぇが人様の家を箱だと…?許せねぇ…ここで分からせねぇといけねぇようだなァ…?
「あ、モッタとエリカ…。」
私が一人でブチギレていると、そこにケンジくんが現れた。私の家に用事があるようだった。
私はとりあえずさっきのことは忘れ、ケンジくんに尋ねた。
「うちになんか用?」
「あ…あぁ…。」
言いにくそうにするケンジくんに私は詰め寄る。
「ケンジくん、もう秘密は無しだよ?」
「う…。実は、モッタのお母さんを
説得しようと思って来たんだ…。」
ケンジくんと私たちは同じ目的で、私の家を訪れていた。
「では、3人で説得しましょう…!」
「えぇ…?」
大丈夫かな…と思いながら、私たちは家に上がった。
「あら、モッタ。
そちらの方は…?」
私のお母さんはケンジくんとは当然面識があったが、エリカとは初対面だった。
「あ…エリカ・ド・ハデーナと
申します…!」
「わたくしはモッタさんに
非常にお世話になりまして…。」
カチコチになって挨拶をするエリカ。世間知らずと言いつつ、こういう場面で緊張するタイプの女の子なのであった。
可愛いところあるじゃんと思いながら私はニヤニヤ彼女を見つめている。…箱の件は絶対許さないが。
「あらまぁ!モッタに女の子の
お友達なんて珍しい!
しかもこんな可愛らしい子で!」
お母さんのテンションがぶち上がっていた。友達が少ない私のことをずっと心配していたようだった…。
「さぁさぁ、上がって上がって!
ほらほらケンジくんも!」
「は、はい!
お邪魔します…!」
ケンジくんも緊張していた。そりゃそうだ。私のお母さんがケンジくんに余計なことを頼んだせいで、あんな騒動になってしまったのだ。
気まずくなるのは当然である。
私たちは家の中央にある小さなテーブルを囲んで正座していた。小さい家なので、3人で座るともう圧迫感が凄かった…。
お母さんがキッチンから何やらおぼんに乗せて運んできた。
「ごめんなさいね。
大したお構いも出来なくて。」
「あっ。いえいえ…!
気にしないでください…!」
テーブルにはコップが3つ並べられた。
緊張で喉が乾いたのか、ケンジくんが自分の一番近くに置かれているコップを手にした。
「……え?」
ケンジくんは驚愕していた。
何故ならコップの中には何も入っていなかったのである。
いやいや…まさかそんな訳はないとテーブルに置かれたコップを全部見回す。
しかし、いくら見ても、全てのコップには何も入っていない…。
いや、よく目を凝らしてみると…。
コップのずっと下の方に液体が僅かに入っている…。
空ではなかったのだ…。一応は…。
ケンジくんはコップを手に取ってしまったので、それをグイッと飲み干した。舌にちょこんと水が触れただけであった…。
「いやぁ…!おいしいなぁ!
あはははは…!」
ケンジくんが今摂取した水分の何十倍もの冷や汗をかいている…。
そう…。私のお母さんは私を超えるほどの超ドケチなのである…。
さすがの私でもここまでやらない…。我が母親ながら恐ろしい人間だと、恐怖におののいた…。
ケンジくんが笑い終えるのを見届けると、エリカが身を乗り出した。
「モッタのお母様…!」
エリカは真剣な眼差しで私のお母さんを見る。
「モッタさんのギルドでの
活動を、お許しいただけ
ないでしょうか…?」
お母さんも真剣な眼差しでエリカを見つめていた。
「俺からもお願いします…!」
ケンジくんがグッと頭を下げた。
「確かに…危険なことはいろいろ
あります…!で、ですが、
俺がモッタさんを守ります…!」
「完璧に守れるように、もっともっと
強くなります…!今は、俺より
モッタの方が強いんですけど…。」
「今、わたくしがここにいるのは、
モッタさんが助けてくださった
おかげなんです…!」
「モッタさんは強い人です…!
だから…その…!」
ケンジくんとエリカは必死で私のことをフォローしてくれていた…。温かい気持ちになって私は泣けてきてしまった…。
「もういいです…。」
お母さんがピシッと言い放つ。
空気が凍る…。私たちに緊張が走った…。
「…ごめんなさい。」
「お母さん…?」
私は急に謝ったお母さんを心配して見つめる…。
「私ずっと後悔していたの…。
ケンジくんにずいぶんと
無茶なことを言ってしまったと…。」
「い…いえ…。そんな…。」
「モッタのお父さんが
いなくなったことは
知っているかしら…?」
「は、はい…。」
説得するには事情を知っていないといけないと思い、私はエリカにお父さんのことを話していた…。
冒険者をしていて行方不明になってしまったお父さんのことを…。
「だからずっと心配だったの…。
モッタもいなくなって…。
私一人になってしまうんじゃ
ないかって…。」
「でも!あなたたちが一緒なら
心配ないって!そう思った!」
「モッタのお父さんは
一人で冒険していたから…。」
お母さんは一瞬俯いて悲しそうな顔をしたが、すぐに私たちの方に笑顔を向けた。
「ケンジくんとエリカちゃんは、
モッタにはもったいないくらい
良い子で…!お母さん、本当に
嬉しいわ…!」
照れ臭そうにする2人と、そんな2人と友達になれたことは、凄いことなんだと私は噛み締めた…。
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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