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毎日通っているはずなのに、今夜はまるで別の駅のようだった。店は全てシャッターを下ろし、ガス灯を模した街灯だけが静かに円形の広場を照らしている。電車から下りた人々が束の間の雑踏を作り、やがてまた、広場は静かになった。
田村がスイカをぶら下げて歩いている。もう一つは千怜のリュックの中だ。
最後の夏は、スイカを丸ごと買うことが出来なかった。いつ呼び出しを受けてもいいように、冷蔵庫のストックは最低限にしていたからだ。裕太はスイカが好物だったが、もう、スイカなど食べられなくなっていた。千怜もスイカは大好きだったが、あの夏はスイカを食べたいとは思わなかった。
千怜は慌てて深呼吸をした。
「千怜さん?」
「よそ様のお家に泊るって、なんだか緊張しますね」
「すぐによそ様じゃなくなるよ」
今は田村の笑顔だけを見なければ。千怜も笑顔で応えた。
旧式の玄関灯がぽかり、と闇に浮かんでいる。足元は真っ暗だった。千怜は田村の背中だけを見て門をくぐった。
「さあ、入って」
「お邪魔します」
ドアを閉め、荷物を下ろすと、田村が抱きしめてキスをした。シトラスコロンの香りが微かにした。
案内されたのは客用の寝室だった。十分な広さのある寝室に、セミダブルのベッド、鏡台、ライティングビューローが置いてある。クローゼットは造り付けだ。クリーニングに出したと思われるサラサラのシーツで皺ひとつないベッドメーキングがなされていた。加えて、静かなエアコンが作り出す快適な室温。田村家の寝室はまるでホテルのようだ。
「シャワー、浴びてくる。千怜さんは?」
「私も浴びます。お先にどうぞ」
ここまで歩いてくるうちに、また汗をかいている。一緒に、と言われなくてよかった。千怜は自分の二の腕を子細に観察した。汗臭く、あざが出来ている。アドレナリンの放出がおさまったらしく、身体のあちらこちらが痛んだ。田村に応えられるだろうか。思案していると、ノックをする音がした。
ドアを開けると、きちんとパジャマを着た田村が立っていた。
「次、どうぞ」
「ありがとう」
そのまま寝室で待っているのかと思ったら、田村は一緒に階段を下りてきた。
「居間で待ってるから」
水回りはリフォームした、と以前話していたが、風呂場はごく普通のユニットバスだった。ただし、やたらと広くてシャワーが天井にもついている。
千怜は物珍し気に周囲を見回した。解放感があると田村は思ったのだろうが、洗面所との区切りがすべて透明で、どうにも落ち着かない。
洗面所と廊下のドアがきちんと閉まっていることをもう一度確認してから、千怜は裸になった。
ガラスの引き戸の正面には大きな姿見がついている。自分の素裸を明るい照明のもとで隈なく見ることなど、めったにない。それどころか、自分の身体を意識することなど、ここしばらくなかったのだ。バストとヒップは相変わらず小さいが、この半年で大分張りを取り戻している。腹はもともと出ていない。まあ、こんなものだろう。問題は、身体のあちらこちらにどす黒いあざができていることだった。身体のチェックはそのくらいにして、千怜はシャワーを浴びることにした。
折角だから、天井のシャワーを使った。切り替えボタンを押すと、打たせ湯のような水流から霧のようなミストまで無段階に変化する。アパートのシャワーとは大違いだ。シャワーを堪能していた千怜は我に返った。現実から逃避するのは、まだ覚悟を決めていないからだ。今は呑気にシャワーを浴びている時ではない。千怜は慌てて風呂から上がった。
「シャワーの使い方、分かった?」
「ええ。広くて気持ちのいいバスルームですね」
シースルーの間仕切りについては不問に付すことにした。
「傷の手当てをしないと。こっちにきて」
千怜は言われた通り、田村の側に座った。
「薬、お借りします」
「う、うん。これがいいと思うよ」
「ありがとう」
自分で軟膏を塗っていると、田村が遠慮がちに言った。
「背中は? 薬、塗るよ」
「そういえばちょっと痛いかも」
背を向けて潔く上着を脱ぐと、田村が一瞬たじろぐのが分かった。
痛みを感じないよう、細心の注意を払っているのが背中越しにも分かる。田村の手の動きは、カットをしているときと同じように繊細だった。
「ありがとう」
振り返って礼をいうと、田村が顔をしかめていた。
「なんだってまた、こんなになるまで」
「面白いから、ですかね。今日は初めての試合形式だったから。熱くなりすぎました」
「殴り合いが好きなの?」
「まさか。相手と本気で向き合うのがいいんです」
「それを好きっていうんだよ」
「それなら私、田村さんのこと、好きです、とても」
軟膏を塗っていた田村の手が止まった。
「やっと武装解除だ」
背中に田村の唇が触れるのが分かった。
「寝室に行こうか」
田村が手をとった。
田村のパジャマはシルクでさらさらとした手触りが心地いい。千怜が着ているのは洗いざらしの綿のパジャマだ。こんなことになると分かっていれば、それなりの準備はしたのだが、あいにくパジャマしか持っていない。おまけに今夜はあざだらけだ。田村に申し訳なく思いながらベッドに入った。
田村が、手の甲のあざにキスをした。
「今夜はゆっくり眠って」
「でも」
「痛みが引いたら、ね」
天井を見たまま、田村はぽつり、ぽつりと話しはじめた。
入学式、卒業式、といった学業の節目が父親に会う日だった。お祝いを口実に、父親の千野が田村親子に会いたがったからだ。
「高校を卒業する時に、どちらの籍に入るか選ぶことになって。父は入り婿でね。一応、僕が千野の家に入ってもいいという許可はもらったそうだけど」
「美佐緒さんは何も言わなかったんですか」
「うん。自分で決めろってさ。会ったこともない親戚に囲まれて暮らすなんて息が詰まるよ。それに」
ここで田村は一息おいた。田村はごく自然にそういうことが出来るのだ。
「サロンを開いたから、千怜さんに逢えた」
「私も。田村さんに会うことができました」
「正巳って呼んで」
千怜は頷いた。
千怜は肌に触れる田村の唇に神経を集中させた。
何度も寝返りを打っているうちに、部屋が明るくなっていた。傍らの田村はすやすやと寝息をたてている。サイドテーブルの置時計を見ると、五時半だった。田村と初めて一緒に寝たというのに、体内時計は平日モードのままらしい。
いつもなら、目が覚めると簡単な身支度をして、茜里を起こさないよう、夜のうちに出来なかった家事を片付けて、新聞にざっと目を通す。客と当たり障りのない雑談をするためには予備知識が必要なのだ。
千怜はそっとベッドから抜け出した。階下に下りて、目につく限りの全ての窓を開けると、土と緑の香りがどっと部屋に流れこんできた。深呼吸をすると身体が少しずつ目覚めてくるのが分かる。そのまま上がり間口に腰かけて、足をぶらぶらさせていると、人の気配がした。
「こんなところにいた! おはよう、千怜さん」
「おはよう、正巳さん。気持ちのいい朝ですね」
まだ馴染みのない呼び方だが、最初は仕方がない。段々と馴染むだろう。
着替えをすませて台所に行くと、田村が冷蔵庫を開けたまま、考え込んでいた。
「どうしたんですか」
「やっぱり、外に食べに行こう」
「朝から? 冷蔵庫、ちょっと見せてください」
田村が場所を開けた。
「なんとかなりそうですよ。正巳さんはコーヒー、お願いします」
牛乳はある。卵が一つ。硬くなったサンドイッチ用パンがあったからフレンチトーストにした。ツナ缶が棚に転がっていたので、くたびれたレタスとピクルスを加えてサラダの出来上がりだ。昨日買ったスイカも、もちろんテーブルに出した。
「やあ、ちゃんと朝ご飯ができてる!」
「このピクルス、美佐緒さんが?」
「そう。二人で作ったんだ」
「おいしい!」
「教わった通りに作ったんだよ。僕にも料理、教えてくれる?」
「ええ、喜んで」
裕太に教わった料理を田村に教える、と思うと不思議な気がした。
「あとで買い物に行かない? ここの案内もしたいし」
「いいですね」
スイカを食べていると、携帯電話が鳴った。茜里からだ.。
田村がスイカをぶら下げて歩いている。もう一つは千怜のリュックの中だ。
最後の夏は、スイカを丸ごと買うことが出来なかった。いつ呼び出しを受けてもいいように、冷蔵庫のストックは最低限にしていたからだ。裕太はスイカが好物だったが、もう、スイカなど食べられなくなっていた。千怜もスイカは大好きだったが、あの夏はスイカを食べたいとは思わなかった。
千怜は慌てて深呼吸をした。
「千怜さん?」
「よそ様のお家に泊るって、なんだか緊張しますね」
「すぐによそ様じゃなくなるよ」
今は田村の笑顔だけを見なければ。千怜も笑顔で応えた。
旧式の玄関灯がぽかり、と闇に浮かんでいる。足元は真っ暗だった。千怜は田村の背中だけを見て門をくぐった。
「さあ、入って」
「お邪魔します」
ドアを閉め、荷物を下ろすと、田村が抱きしめてキスをした。シトラスコロンの香りが微かにした。
案内されたのは客用の寝室だった。十分な広さのある寝室に、セミダブルのベッド、鏡台、ライティングビューローが置いてある。クローゼットは造り付けだ。クリーニングに出したと思われるサラサラのシーツで皺ひとつないベッドメーキングがなされていた。加えて、静かなエアコンが作り出す快適な室温。田村家の寝室はまるでホテルのようだ。
「シャワー、浴びてくる。千怜さんは?」
「私も浴びます。お先にどうぞ」
ここまで歩いてくるうちに、また汗をかいている。一緒に、と言われなくてよかった。千怜は自分の二の腕を子細に観察した。汗臭く、あざが出来ている。アドレナリンの放出がおさまったらしく、身体のあちらこちらが痛んだ。田村に応えられるだろうか。思案していると、ノックをする音がした。
ドアを開けると、きちんとパジャマを着た田村が立っていた。
「次、どうぞ」
「ありがとう」
そのまま寝室で待っているのかと思ったら、田村は一緒に階段を下りてきた。
「居間で待ってるから」
水回りはリフォームした、と以前話していたが、風呂場はごく普通のユニットバスだった。ただし、やたらと広くてシャワーが天井にもついている。
千怜は物珍し気に周囲を見回した。解放感があると田村は思ったのだろうが、洗面所との区切りがすべて透明で、どうにも落ち着かない。
洗面所と廊下のドアがきちんと閉まっていることをもう一度確認してから、千怜は裸になった。
ガラスの引き戸の正面には大きな姿見がついている。自分の素裸を明るい照明のもとで隈なく見ることなど、めったにない。それどころか、自分の身体を意識することなど、ここしばらくなかったのだ。バストとヒップは相変わらず小さいが、この半年で大分張りを取り戻している。腹はもともと出ていない。まあ、こんなものだろう。問題は、身体のあちらこちらにどす黒いあざができていることだった。身体のチェックはそのくらいにして、千怜はシャワーを浴びることにした。
折角だから、天井のシャワーを使った。切り替えボタンを押すと、打たせ湯のような水流から霧のようなミストまで無段階に変化する。アパートのシャワーとは大違いだ。シャワーを堪能していた千怜は我に返った。現実から逃避するのは、まだ覚悟を決めていないからだ。今は呑気にシャワーを浴びている時ではない。千怜は慌てて風呂から上がった。
「シャワーの使い方、分かった?」
「ええ。広くて気持ちのいいバスルームですね」
シースルーの間仕切りについては不問に付すことにした。
「傷の手当てをしないと。こっちにきて」
千怜は言われた通り、田村の側に座った。
「薬、お借りします」
「う、うん。これがいいと思うよ」
「ありがとう」
自分で軟膏を塗っていると、田村が遠慮がちに言った。
「背中は? 薬、塗るよ」
「そういえばちょっと痛いかも」
背を向けて潔く上着を脱ぐと、田村が一瞬たじろぐのが分かった。
痛みを感じないよう、細心の注意を払っているのが背中越しにも分かる。田村の手の動きは、カットをしているときと同じように繊細だった。
「ありがとう」
振り返って礼をいうと、田村が顔をしかめていた。
「なんだってまた、こんなになるまで」
「面白いから、ですかね。今日は初めての試合形式だったから。熱くなりすぎました」
「殴り合いが好きなの?」
「まさか。相手と本気で向き合うのがいいんです」
「それを好きっていうんだよ」
「それなら私、田村さんのこと、好きです、とても」
軟膏を塗っていた田村の手が止まった。
「やっと武装解除だ」
背中に田村の唇が触れるのが分かった。
「寝室に行こうか」
田村が手をとった。
田村のパジャマはシルクでさらさらとした手触りが心地いい。千怜が着ているのは洗いざらしの綿のパジャマだ。こんなことになると分かっていれば、それなりの準備はしたのだが、あいにくパジャマしか持っていない。おまけに今夜はあざだらけだ。田村に申し訳なく思いながらベッドに入った。
田村が、手の甲のあざにキスをした。
「今夜はゆっくり眠って」
「でも」
「痛みが引いたら、ね」
天井を見たまま、田村はぽつり、ぽつりと話しはじめた。
入学式、卒業式、といった学業の節目が父親に会う日だった。お祝いを口実に、父親の千野が田村親子に会いたがったからだ。
「高校を卒業する時に、どちらの籍に入るか選ぶことになって。父は入り婿でね。一応、僕が千野の家に入ってもいいという許可はもらったそうだけど」
「美佐緒さんは何も言わなかったんですか」
「うん。自分で決めろってさ。会ったこともない親戚に囲まれて暮らすなんて息が詰まるよ。それに」
ここで田村は一息おいた。田村はごく自然にそういうことが出来るのだ。
「サロンを開いたから、千怜さんに逢えた」
「私も。田村さんに会うことができました」
「正巳って呼んで」
千怜は頷いた。
千怜は肌に触れる田村の唇に神経を集中させた。
何度も寝返りを打っているうちに、部屋が明るくなっていた。傍らの田村はすやすやと寝息をたてている。サイドテーブルの置時計を見ると、五時半だった。田村と初めて一緒に寝たというのに、体内時計は平日モードのままらしい。
いつもなら、目が覚めると簡単な身支度をして、茜里を起こさないよう、夜のうちに出来なかった家事を片付けて、新聞にざっと目を通す。客と当たり障りのない雑談をするためには予備知識が必要なのだ。
千怜はそっとベッドから抜け出した。階下に下りて、目につく限りの全ての窓を開けると、土と緑の香りがどっと部屋に流れこんできた。深呼吸をすると身体が少しずつ目覚めてくるのが分かる。そのまま上がり間口に腰かけて、足をぶらぶらさせていると、人の気配がした。
「こんなところにいた! おはよう、千怜さん」
「おはよう、正巳さん。気持ちのいい朝ですね」
まだ馴染みのない呼び方だが、最初は仕方がない。段々と馴染むだろう。
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「どうしたんですか」
「やっぱり、外に食べに行こう」
「朝から? 冷蔵庫、ちょっと見せてください」
田村が場所を開けた。
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「やあ、ちゃんと朝ご飯ができてる!」
「このピクルス、美佐緒さんが?」
「そう。二人で作ったんだ」
「おいしい!」
「教わった通りに作ったんだよ。僕にも料理、教えてくれる?」
「ええ、喜んで」
裕太に教わった料理を田村に教える、と思うと不思議な気がした。
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