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#153 診療所の完成
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夜営業の仕込みが始まる前に、壱は裏庭に出た。
昨日芽吹いたばかりの米の苗を見る。まだまだ短いが、青々と空に向かって懸命に伸びている。
田植えが出来る様になるまでまだ掛かりそうだが、その時が楽しみである。
夜営業が落ち着いた頃、マユリが壱たちを呼びに来る。
「あ、あの、の、ノルドさんが、こ、来られてます」
壱とサユリ、茂造は厨房をカリルたちに任せてフロアに出る。
ノルドは壱たちを見ると立ち上がり、深々と頭を下げた。
「お忙しいところ申し訳ありません。実は今日の改装で診療所が完成しましたので、そのご報告に。この度は本当にありがとうございました」
ノルドは言うと、また大きく頭を下げた。
「おお、そりゃあ良かったのう。ああじゃがの、儂らは何もしておらんぞい。頭を上げておくれの」
「いえ、店長さんたちが私を受け入れてくださったので、こうしてこの村で診療所が開けます。ありがとうございます」
「本当に礼を言われる様な事は何もないぞい。まま、とりあえず座ろうかの」
茂造は穏やかに言うと、ノルドの前に掛ける。サユリは速やかにテーブルの上に。壱とノルドは譲り合いながら、結局は壱が先に座る事になった。
「早速なのですが、村の方々の健康診断を始めようかと思います。日付や時間は皆さまにご希望をお伺いしようと思っているのですが、各所を回らせていただいても大丈夫でしょうか」
「それは構わんが、手間じゃないかのう、取り纏めも含めての。そうじゃのう……」
茂造は顎に手を添えて、考える仕草。
「うむ、儂が各所ごとの時間割の様なものを作るからの。それを村人に埋めて貰うと良いかのう。それじゃとお前さんの手間も省けるじゃろ? 村人の手間ものう。確か前に言ったかのう、相談してくれと」
するとノルドは慌てた様な表情を浮かべる。
「確かにそう仰っていただきました。それは本当にとても助かりますけども、やはり店長さんにそんな手間をお掛けしてしまう訳には」
「いやいや、そんな手間でも無いからの。儂は各所の仕事内容なんかを把握しておるからの、比較的身体が空く時間帯も解っておる。その方が早くて良いじゃろ」
「そうするが良いカピ。どちらにしても、お前には各所に行って貰う事になるカピ。だからこれぐらいは甘えるカピよ」
サユリにまでそう言われ、ノルドは散々迷った後、テーブルにぶつけそうな勢いで頭を下げた。
「では、甘えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」
「うんうん」
茂造は満足げに頷き、サユリも鼻を鳴らした。
「明日の休憩時間に作るからの、夜営業の時でも取りに来ると良いぞい。で、壱よ、各所を回る時に、ノルドに付き添ってくれの」
「解った」
壱が快諾して頷くと、ノルドはまた頭を下げた。
「本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。イチくんもお忙しいのに申し訳無い。よろしくお願いしますね」
「大丈夫ですよ。明後日の朝から回りましょうか。じいちゃん、それで良いかな。朝の苗の水遣りだけはやってから行きたいけど」
「そうじゃの。そうしてくれの。よろしく頼むぞい」
「本当にありがとうございます」
ノルドはまた丁寧に頭を下げた。
昨日芽吹いたばかりの米の苗を見る。まだまだ短いが、青々と空に向かって懸命に伸びている。
田植えが出来る様になるまでまだ掛かりそうだが、その時が楽しみである。
夜営業が落ち着いた頃、マユリが壱たちを呼びに来る。
「あ、あの、の、ノルドさんが、こ、来られてます」
壱とサユリ、茂造は厨房をカリルたちに任せてフロアに出る。
ノルドは壱たちを見ると立ち上がり、深々と頭を下げた。
「お忙しいところ申し訳ありません。実は今日の改装で診療所が完成しましたので、そのご報告に。この度は本当にありがとうございました」
ノルドは言うと、また大きく頭を下げた。
「おお、そりゃあ良かったのう。ああじゃがの、儂らは何もしておらんぞい。頭を上げておくれの」
「いえ、店長さんたちが私を受け入れてくださったので、こうしてこの村で診療所が開けます。ありがとうございます」
「本当に礼を言われる様な事は何もないぞい。まま、とりあえず座ろうかの」
茂造は穏やかに言うと、ノルドの前に掛ける。サユリは速やかにテーブルの上に。壱とノルドは譲り合いながら、結局は壱が先に座る事になった。
「早速なのですが、村の方々の健康診断を始めようかと思います。日付や時間は皆さまにご希望をお伺いしようと思っているのですが、各所を回らせていただいても大丈夫でしょうか」
「それは構わんが、手間じゃないかのう、取り纏めも含めての。そうじゃのう……」
茂造は顎に手を添えて、考える仕草。
「うむ、儂が各所ごとの時間割の様なものを作るからの。それを村人に埋めて貰うと良いかのう。それじゃとお前さんの手間も省けるじゃろ? 村人の手間ものう。確か前に言ったかのう、相談してくれと」
するとノルドは慌てた様な表情を浮かべる。
「確かにそう仰っていただきました。それは本当にとても助かりますけども、やはり店長さんにそんな手間をお掛けしてしまう訳には」
「いやいや、そんな手間でも無いからの。儂は各所の仕事内容なんかを把握しておるからの、比較的身体が空く時間帯も解っておる。その方が早くて良いじゃろ」
「そうするが良いカピ。どちらにしても、お前には各所に行って貰う事になるカピ。だからこれぐらいは甘えるカピよ」
サユリにまでそう言われ、ノルドは散々迷った後、テーブルにぶつけそうな勢いで頭を下げた。
「では、甘えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」
「うんうん」
茂造は満足げに頷き、サユリも鼻を鳴らした。
「明日の休憩時間に作るからの、夜営業の時でも取りに来ると良いぞい。で、壱よ、各所を回る時に、ノルドに付き添ってくれの」
「解った」
壱が快諾して頷くと、ノルドはまた頭を下げた。
「本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。イチくんもお忙しいのに申し訳無い。よろしくお願いしますね」
「大丈夫ですよ。明後日の朝から回りましょうか。じいちゃん、それで良いかな。朝の苗の水遣りだけはやってから行きたいけど」
「そうじゃの。そうしてくれの。よろしく頼むぞい」
「本当にありがとうございます」
ノルドはまた丁寧に頭を下げた。
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