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4章 偏食お嬢さんと、血液を作るご飯
第3話 嫌いなもんひとつでも克服出来るんなら儲けもんだろう
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翌日、出勤して来たカロムは、朝食の後、何やら二つ折りの紙片を差し出した。
「昨日、ここから帰った後にマリナの家に行って、偏食、と言うか好き嫌いを聞いてみたんだ。そしたらまぁ出て来る出て来る」
カロムの呆れた様な苦笑を前に、首を傾げながら紙片を開いて見ると、浅葱には読めないが、多くの文字が数行に渡って記されていた。
「ご免カロム、僕まだ字が読めない」
「ああ、そうだったな」
カロムは浅葱からまた紙片を受け取ると、その内容を読み上げる。
「ええと、大好きって食い物は特に無いが、嫌いなものは動物の肉。これは脂が嫌なんだそうだ。あ、植物性のオイルなら大丈夫だとよ。魚は大丈夫、烏賊、蛸、甲殻類も大丈夫、貝類は全部駄目。卵もあんまり好きじゃ無い。野菜は、駄目なのが人参、ピーマン、グリンピース、ほうれん草、茄子、牛蒡、紫きゃべつ、カリフラワー……」
「待って待って待って」
浅葱はついカロムを遮ってしまう。
「多く無い!?」
「多いよな。まだあるぜ。これでどうやって料理決めるか。いやぁ、マリナのお袋さんも毎日の飯の支度に困ってた」
「好き嫌いとかって、子どもの時に少しでも親御さんに矯正されたりしないの? ピーマンなんかは僕の世界では子どもの嫌いな野菜の代表格だけど、親はどうにか工夫して食べさせようとしたりするし、そこで駄目でも大人になったら食べられる様になる事も多いと思うんだけど」
「この世界でもピーマン苦手な子どもは多いぜ。俺も小さい頃は苦手だった。でもいつの間にか食べられる様になってたな。味覚が変わったんだな」
「年齢で変わるよね。好みとか変わって来るし。そっか、マリナさんはそういうのが無かったって事なのかな」
「聞いてみたら、子どもの時に嫌いだったもの、特に野菜は、今でも口にしようともしてないんだそうだ。絶対に美味しい筈が無いって。だから食わず嫌いな可能性もある」
「だったら、駄目なものの中で、癖の少ないものを、それだと判らない様にするのが良いかも。それと食べられるものの組み合わせ。それで駄目だったら、もう食べられるものだけでレシピを作るしか無いね」
「何か想像以上に面倒な事になっちまったなぁ。悪いなアサギ、こんな厄介な事頼んじまって」
カロムは申し訳無さげな表情になって、小さく頭を下げた。
「大丈夫だよ。寧ろこういう時こそ、料理人の腕の見せ所だよ。今日も買い物一緒に行って良い?」
「ああ、勿論だぜ。頼むな」
「うん」
料理をする事は勿論好きだが、こうした事を考えるのもとても楽しい。浅葱は微笑んだ。
さて、夕飯で早速試作である。
まずは玉葱とにんにく。それぞれ微塵切りにして、オリーブオイルとバターで透明になるまで炒め、粗熱を取っておく。
続けてほうれん草。根元の赤い部分に特に栄養が多いので、根だけをぎりぎりのところで切り落とす。
鍋にたっぷり沸かした湯に砂糖をひとつまみ入れ、ほうれん草を根元の方から入れる。時間差で葉の部分も沈めて。
茹だったら水に晒す。水はすぐに温くなるので、冷たさが保てる様になるまで水を換えてしっかりと灰汁を流す。
水気を絞ったほうれん草を微塵切りにする。出来るだけ細かく。それを炒めた玉葱、にんにくと一緒に乳鉢に入れ、ペースト状になる様に潰して行く。
それをオリーブオイルで伸ばし、塩と胡椒で味を整えておく。
次に出したのは、鮪の切り身。それを1センチ程の厚さのステーキ状にカットする。塩と胡椒をして、小麦粉を薄くはたいておく。
にんにくは薄切りにしておいて。
フライパンを温めてオリーブオイルを引き、にんにくをじんわり炒めて香りを出す。そこにマグロと縦に8等分した玉葱を置く。
鮪は身が崩れない様に動かさない様に焼いて行く。鮪の側面の色が変わって来たらターナーで返し、もう片面も焼く。
焼き上がったら皿に移し、鮪にほうれん草で作ったものを掛けたら。
鮪のステーキ、ほうれん草ソースの完成である。
「これは、お肉ですカピか?」
「ううん、鮪だよ」
「鮪なのですカピか? お肉に見えますカピ」
「表面に小麦粉を振ってあるからかな。鉄分の多い鮪に、これも鉄分の多いほうれん草のソースを掛けてね。血液増強メニューだよ」
「凄いよな。これで貧血が治るって言うんだからなぁ」
「完全じゃ無いけどね。ほうれん草が苦手だって言うから、それと判らない様にソースにしたんだ」
「成る程なのですカピ」
「じゃあ早速食おうぜ。楽しみだ」
神に感謝を捧げ、「いただきます」をし、フォークとナイフを手にする。
まずは鮪から。小麦粉を塗してあるので、表面はカリッとしている。そしてそれに包まれた鮪はしっとりと焼き上がっていた。
本当なら、中身は生のまま仕上げたかったところだ。だがこの国には肉類を生食する習慣が無い。なので中までしっかりと火を通した。
それでも絶妙な火加減でぱさつきは無い。
ほうれん草のソースをたっぷりと付けて、口へ。
うん、やはりしっとりと、そしてふっくらと仕上がっていた。少し癖のある鮪の赤身、それに玉葱とバターのお陰でまろやかなほうれん草のソースが良く合っている。
添えてある玉葱も良い焦げ目で香ばしく焼き上がっている。甘みもしっかりと引き出されていて、勿論ソースとも合う。
「これは旨いな! しかしいつも思うが、ほうれん草って茹でるだけであの渋みが無くなるんだな」
「ほうれん草は灰汁があるからね。それが渋みの原因だよ。水溶性だから、茹でたら抜けるんだよ」
「初めてアサギさんが調理をしたほうれん草を食べた時には吃驚したのですカピ。これもとても美味しいですカピ!」
「だな。玉葱のお陰か青臭さも全くないし、鮪とも良く合う。これならマリナも喜んでくれるんじゃ無いか?」
「だと嬉しいなぁ。ほうれん草を使ってるって事は、マリナさんには内緒にね。美味しいって言ってくれたらネタバラシだよ」
「それで灰汁の抜き方を教えてな。それで嫌いなもんひとつでも克服出来るんなら儲けもんだろう」
「そうですカピね。やっぱり嫌いなものは少ない方が良いと、僕は思いますカピ」
「僕もそう思うよ。嫌いなものが多かったら、食事を楽しむのが難しくなるだろうからね。やっぱり色々なものを美味しく食べて欲しいと思うよ」
「俺もそれは思うぜ。まずはこのほうれん草からだな」
「本当は、豚のレバを使いたいところなんだけど、この村には無いよねぇ」
「あるぞ」
「あるの?」
「牛も牧場があるだろ? 豚も多くは無いが育ててる牧場があるぜ。ちなみに鶏もな」
「そうなんだ。牛みたいに、他の村から買っているものより高いものなの?」
「そうだな。だからまだうちでは買った事無いな。今度祝い事でもあった時にな」
「じゃあ豚のレバ、手に入るかな」
「大丈夫だと思うぜ。近い内に牧場行ってみるか?」
「うん、ありがとう」
「しかし、マリナは牛も豚も鶏も駄目だぜ? どうするつもりだ?」
「うん、駄目な理由は脂だよね。レバには脂が殆ど無いから、巧く調理出来たら大丈夫だと思うんだよね。ただレバは食べ過ぎると余り身体に良く無いから、加減がいるけどね」
「そうなのか。けど、牛のレバじゃ駄目なのか?」
「牛よりも豚の方が鉄分が多いんだよ。だから同じ量を食べるのなら、豚の方が効率が良いんだ」
「成る程な。じゃあ明日にでも豚の牧場に電話してみるな」
「ありがとう。よろしくね」
これでまた献立が広がりそうである。勿論鉄分増強メニューも。
「昨日、ここから帰った後にマリナの家に行って、偏食、と言うか好き嫌いを聞いてみたんだ。そしたらまぁ出て来る出て来る」
カロムの呆れた様な苦笑を前に、首を傾げながら紙片を開いて見ると、浅葱には読めないが、多くの文字が数行に渡って記されていた。
「ご免カロム、僕まだ字が読めない」
「ああ、そうだったな」
カロムは浅葱からまた紙片を受け取ると、その内容を読み上げる。
「ええと、大好きって食い物は特に無いが、嫌いなものは動物の肉。これは脂が嫌なんだそうだ。あ、植物性のオイルなら大丈夫だとよ。魚は大丈夫、烏賊、蛸、甲殻類も大丈夫、貝類は全部駄目。卵もあんまり好きじゃ無い。野菜は、駄目なのが人参、ピーマン、グリンピース、ほうれん草、茄子、牛蒡、紫きゃべつ、カリフラワー……」
「待って待って待って」
浅葱はついカロムを遮ってしまう。
「多く無い!?」
「多いよな。まだあるぜ。これでどうやって料理決めるか。いやぁ、マリナのお袋さんも毎日の飯の支度に困ってた」
「好き嫌いとかって、子どもの時に少しでも親御さんに矯正されたりしないの? ピーマンなんかは僕の世界では子どもの嫌いな野菜の代表格だけど、親はどうにか工夫して食べさせようとしたりするし、そこで駄目でも大人になったら食べられる様になる事も多いと思うんだけど」
「この世界でもピーマン苦手な子どもは多いぜ。俺も小さい頃は苦手だった。でもいつの間にか食べられる様になってたな。味覚が変わったんだな」
「年齢で変わるよね。好みとか変わって来るし。そっか、マリナさんはそういうのが無かったって事なのかな」
「聞いてみたら、子どもの時に嫌いだったもの、特に野菜は、今でも口にしようともしてないんだそうだ。絶対に美味しい筈が無いって。だから食わず嫌いな可能性もある」
「だったら、駄目なものの中で、癖の少ないものを、それだと判らない様にするのが良いかも。それと食べられるものの組み合わせ。それで駄目だったら、もう食べられるものだけでレシピを作るしか無いね」
「何か想像以上に面倒な事になっちまったなぁ。悪いなアサギ、こんな厄介な事頼んじまって」
カロムは申し訳無さげな表情になって、小さく頭を下げた。
「大丈夫だよ。寧ろこういう時こそ、料理人の腕の見せ所だよ。今日も買い物一緒に行って良い?」
「ああ、勿論だぜ。頼むな」
「うん」
料理をする事は勿論好きだが、こうした事を考えるのもとても楽しい。浅葱は微笑んだ。
さて、夕飯で早速試作である。
まずは玉葱とにんにく。それぞれ微塵切りにして、オリーブオイルとバターで透明になるまで炒め、粗熱を取っておく。
続けてほうれん草。根元の赤い部分に特に栄養が多いので、根だけをぎりぎりのところで切り落とす。
鍋にたっぷり沸かした湯に砂糖をひとつまみ入れ、ほうれん草を根元の方から入れる。時間差で葉の部分も沈めて。
茹だったら水に晒す。水はすぐに温くなるので、冷たさが保てる様になるまで水を換えてしっかりと灰汁を流す。
水気を絞ったほうれん草を微塵切りにする。出来るだけ細かく。それを炒めた玉葱、にんにくと一緒に乳鉢に入れ、ペースト状になる様に潰して行く。
それをオリーブオイルで伸ばし、塩と胡椒で味を整えておく。
次に出したのは、鮪の切り身。それを1センチ程の厚さのステーキ状にカットする。塩と胡椒をして、小麦粉を薄くはたいておく。
にんにくは薄切りにしておいて。
フライパンを温めてオリーブオイルを引き、にんにくをじんわり炒めて香りを出す。そこにマグロと縦に8等分した玉葱を置く。
鮪は身が崩れない様に動かさない様に焼いて行く。鮪の側面の色が変わって来たらターナーで返し、もう片面も焼く。
焼き上がったら皿に移し、鮪にほうれん草で作ったものを掛けたら。
鮪のステーキ、ほうれん草ソースの完成である。
「これは、お肉ですカピか?」
「ううん、鮪だよ」
「鮪なのですカピか? お肉に見えますカピ」
「表面に小麦粉を振ってあるからかな。鉄分の多い鮪に、これも鉄分の多いほうれん草のソースを掛けてね。血液増強メニューだよ」
「凄いよな。これで貧血が治るって言うんだからなぁ」
「完全じゃ無いけどね。ほうれん草が苦手だって言うから、それと判らない様にソースにしたんだ」
「成る程なのですカピ」
「じゃあ早速食おうぜ。楽しみだ」
神に感謝を捧げ、「いただきます」をし、フォークとナイフを手にする。
まずは鮪から。小麦粉を塗してあるので、表面はカリッとしている。そしてそれに包まれた鮪はしっとりと焼き上がっていた。
本当なら、中身は生のまま仕上げたかったところだ。だがこの国には肉類を生食する習慣が無い。なので中までしっかりと火を通した。
それでも絶妙な火加減でぱさつきは無い。
ほうれん草のソースをたっぷりと付けて、口へ。
うん、やはりしっとりと、そしてふっくらと仕上がっていた。少し癖のある鮪の赤身、それに玉葱とバターのお陰でまろやかなほうれん草のソースが良く合っている。
添えてある玉葱も良い焦げ目で香ばしく焼き上がっている。甘みもしっかりと引き出されていて、勿論ソースとも合う。
「これは旨いな! しかしいつも思うが、ほうれん草って茹でるだけであの渋みが無くなるんだな」
「ほうれん草は灰汁があるからね。それが渋みの原因だよ。水溶性だから、茹でたら抜けるんだよ」
「初めてアサギさんが調理をしたほうれん草を食べた時には吃驚したのですカピ。これもとても美味しいですカピ!」
「だな。玉葱のお陰か青臭さも全くないし、鮪とも良く合う。これならマリナも喜んでくれるんじゃ無いか?」
「だと嬉しいなぁ。ほうれん草を使ってるって事は、マリナさんには内緒にね。美味しいって言ってくれたらネタバラシだよ」
「それで灰汁の抜き方を教えてな。それで嫌いなもんひとつでも克服出来るんなら儲けもんだろう」
「そうですカピね。やっぱり嫌いなものは少ない方が良いと、僕は思いますカピ」
「僕もそう思うよ。嫌いなものが多かったら、食事を楽しむのが難しくなるだろうからね。やっぱり色々なものを美味しく食べて欲しいと思うよ」
「俺もそれは思うぜ。まずはこのほうれん草からだな」
「本当は、豚のレバを使いたいところなんだけど、この村には無いよねぇ」
「あるぞ」
「あるの?」
「牛も牧場があるだろ? 豚も多くは無いが育ててる牧場があるぜ。ちなみに鶏もな」
「そうなんだ。牛みたいに、他の村から買っているものより高いものなの?」
「そうだな。だからまだうちでは買った事無いな。今度祝い事でもあった時にな」
「じゃあ豚のレバ、手に入るかな」
「大丈夫だと思うぜ。近い内に牧場行ってみるか?」
「うん、ありがとう」
「しかし、マリナは牛も豚も鶏も駄目だぜ? どうするつもりだ?」
「うん、駄目な理由は脂だよね。レバには脂が殆ど無いから、巧く調理出来たら大丈夫だと思うんだよね。ただレバは食べ過ぎると余り身体に良く無いから、加減がいるけどね」
「そうなのか。けど、牛のレバじゃ駄目なのか?」
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