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第25話 アジト
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碧と姫路の、ツーブレイブスの協力関係は出来たものの、じゃあこれからどうしようかと言う事になった。
「皆さん。せっかくこんな東の果てまで参りましたので、昔レジスタンスたちが籠っていた所に行ってみません事? 籠っていたという事は、なんらかのメリットがあったと思いますので……」
含みのある笑みを浮かべながら、メルリアがそう提案した。
「……お前、なに企んでやがる?」姫路が釘をさす。
「あらー、姫路様ぁ。もういい加減信用して下さいよー。
決して悪い様には致しませんから」
「姫路殿。私もメルリア殿の意見に賛成だ。
レジスタンスが籠っていた様なところなら、碧の魔法訓練にも使えそうだ」
マジもそう言うので、皆でそのアジト跡を目指す事にした。
馬車は通れないため集落に預け、徒歩で原生林に踏み込んでいったが、メルリアはそんなに迷う様子もなく、一定方向を目指して先頭を進んでいく。
(やっぱ。場所知ってやがんな……)
姫路はそう思ったが、そこに一体何があるのか……ちょっと興味が沸いた。
途中、野宿をしながら進み、三日位で大きな遺跡が現れた。
「ふあー。目的地、ここですかー」
ずっとミューをおぶっていたジルベルリが、はあっとため息をついた。
周りを見渡して、姫路が言う。
「確かにかなり大きな遺跡だが、欠けた柱ばかりじゃねえか。
これじゃ雨も凌げねえ。テントでも張るのか?」
「ちょっと待って下さいねー」
メルリアが、そう言いながら背負っていたバッグから、なにか三角錐の石の様なものを取り出し、きょろきょろとあたりを見渡し始めた。
「あー。あれだあれだー」そう言いながら、メルリアは欠けた石柱の一本に近づき、その柱に入ったヒビの間に、手にもった三角錐を差し込んだ。
カチッと音がしたが、別に、隠し扉が現れたりはしなかった。
「あー、ごめん。これ、手動なんだわ……マジさん。手伝って下さいな」
メルリアとマジが二人掛かりで、その石柱の足元の石に手をかけると、果たしてその石が動き、小さな隠し通路が現れた。
「おお。これが旧レジスタンスの隠れ家?」マジが感嘆する。
「ふふーん。まあ、さっさと中に入りましょう!」
メルリアが、指先に魔力で光の玉を作り、それを頼りに、みなで隠し通路に入った。
「ねえ。これすごくない? まさかこんなに広いとは……」
通路を降りきったところで、碧が驚きの声をあげる。
「確かにこれは……サッカーでも出来そうじゃねえか……」姫路も驚いている。
「ここは、上の神殿の地下の間で、大昔にここで祭事をやってたんではないかと言われているわ。上はあんな感じでほとんど風化しちゃってるけど、まあ下はこの通り。よっぽど当時の施工が良かったのね。
十分明るいとは言えないけど、ちゃんと明り取りもあるし……」
メルリアが説明する。
「確かに、これなら当面潜んで対魔王特訓するには問題ない広さだが……
敵に入口抑えられたら、袋のネズミじゃねえか。
それに、水や食料はどうすんだ?」
「さっすが姫路様。戦い慣れしていらしゃいますね。
レジスタンスも、最後は入口を抑えられ、全員魔王の腹に収まりました。
でも……モルモルちゃん。
あなたのレーダーで、どのくらいまで敵が近づいたら判る?」
「はいお姉様……そうですね。人間でもエルフでも、まあ徒歩一日圏内なら……。
魔族だったらもう少し遠くてもわかります」
「おお。モルモル、お前すごいな! 兄ちゃん、ちょっと見直しちゃったよ」
「えへん! お兄ちゃん、あとで三回戦ね」
「それで、水と食料はこっち」
メルリアについて行くと、奥にも部屋があり、そこにはびっしりと、保存の利く食料や燃料などが積み上げられ、井戸も作られていた。
「これは、お父様が、いつか魔王に対抗する日が来る事を想定されて、以前からひそかに準備していたものです」
「なるほど。メルリア、お前、これの事知ってて……疑って悪かったな」
姫路は素直にメルリアに詫びた。
「そんな……姫路様……もし恩に着ていただけるのでしたら、私を是非今宵……」
「あー、それは遠慮しとくわ」
「皆さん。せっかくこんな東の果てまで参りましたので、昔レジスタンスたちが籠っていた所に行ってみません事? 籠っていたという事は、なんらかのメリットがあったと思いますので……」
含みのある笑みを浮かべながら、メルリアがそう提案した。
「……お前、なに企んでやがる?」姫路が釘をさす。
「あらー、姫路様ぁ。もういい加減信用して下さいよー。
決して悪い様には致しませんから」
「姫路殿。私もメルリア殿の意見に賛成だ。
レジスタンスが籠っていた様なところなら、碧の魔法訓練にも使えそうだ」
マジもそう言うので、皆でそのアジト跡を目指す事にした。
馬車は通れないため集落に預け、徒歩で原生林に踏み込んでいったが、メルリアはそんなに迷う様子もなく、一定方向を目指して先頭を進んでいく。
(やっぱ。場所知ってやがんな……)
姫路はそう思ったが、そこに一体何があるのか……ちょっと興味が沸いた。
途中、野宿をしながら進み、三日位で大きな遺跡が現れた。
「ふあー。目的地、ここですかー」
ずっとミューをおぶっていたジルベルリが、はあっとため息をついた。
周りを見渡して、姫路が言う。
「確かにかなり大きな遺跡だが、欠けた柱ばかりじゃねえか。
これじゃ雨も凌げねえ。テントでも張るのか?」
「ちょっと待って下さいねー」
メルリアが、そう言いながら背負っていたバッグから、なにか三角錐の石の様なものを取り出し、きょろきょろとあたりを見渡し始めた。
「あー。あれだあれだー」そう言いながら、メルリアは欠けた石柱の一本に近づき、その柱に入ったヒビの間に、手にもった三角錐を差し込んだ。
カチッと音がしたが、別に、隠し扉が現れたりはしなかった。
「あー、ごめん。これ、手動なんだわ……マジさん。手伝って下さいな」
メルリアとマジが二人掛かりで、その石柱の足元の石に手をかけると、果たしてその石が動き、小さな隠し通路が現れた。
「おお。これが旧レジスタンスの隠れ家?」マジが感嘆する。
「ふふーん。まあ、さっさと中に入りましょう!」
メルリアが、指先に魔力で光の玉を作り、それを頼りに、みなで隠し通路に入った。
「ねえ。これすごくない? まさかこんなに広いとは……」
通路を降りきったところで、碧が驚きの声をあげる。
「確かにこれは……サッカーでも出来そうじゃねえか……」姫路も驚いている。
「ここは、上の神殿の地下の間で、大昔にここで祭事をやってたんではないかと言われているわ。上はあんな感じでほとんど風化しちゃってるけど、まあ下はこの通り。よっぽど当時の施工が良かったのね。
十分明るいとは言えないけど、ちゃんと明り取りもあるし……」
メルリアが説明する。
「確かに、これなら当面潜んで対魔王特訓するには問題ない広さだが……
敵に入口抑えられたら、袋のネズミじゃねえか。
それに、水や食料はどうすんだ?」
「さっすが姫路様。戦い慣れしていらしゃいますね。
レジスタンスも、最後は入口を抑えられ、全員魔王の腹に収まりました。
でも……モルモルちゃん。
あなたのレーダーで、どのくらいまで敵が近づいたら判る?」
「はいお姉様……そうですね。人間でもエルフでも、まあ徒歩一日圏内なら……。
魔族だったらもう少し遠くてもわかります」
「おお。モルモル、お前すごいな! 兄ちゃん、ちょっと見直しちゃったよ」
「えへん! お兄ちゃん、あとで三回戦ね」
「それで、水と食料はこっち」
メルリアについて行くと、奥にも部屋があり、そこにはびっしりと、保存の利く食料や燃料などが積み上げられ、井戸も作られていた。
「これは、お父様が、いつか魔王に対抗する日が来る事を想定されて、以前からひそかに準備していたものです」
「なるほど。メルリア、お前、これの事知ってて……疑って悪かったな」
姫路は素直にメルリアに詫びた。
「そんな……姫路様……もし恩に着ていただけるのでしたら、私を是非今宵……」
「あー、それは遠慮しとくわ」
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