守護霊が横暴な死神だったが、好みの顔すぎて困る

第一話 守護霊が横暴な死神だったが、好みの顔すぎて困る

プロローグ

病室で女性がベッドに横たわっていた。女性は小さい女の子の頭を優しく撫でながら言う。


「私の可愛い結奈ユイナ……私はいつでもあなたのことを護るからね」

　母親そっくりの赤茶色の髪を女の子は揺らしながら泣いていた。まん丸な目は真っ赤になっており、涙で溢れていた。その数日後に女性は亡くなった。葬式で女の子が涙を堪えながら母親の亡骸を見ていた。父親は女の子に「泣くのを我慢しなくてもいいんだよ」と伝えたが、女の子は父親に言った。

「ううん、お母さんが約束してくれたの。ずっとゆいなのことを護ってくれるって……それってずっとそばにいるってことだよね」

　父親はその言葉を聞いて涙をこぼしながら、女の子を抱きしめた。父親は「母親が動くことも話すこともずっとそばにいることも出来ない」と女の子に伝えることが出来なかった。