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大聖堂の挙式から場所を移した王城の大広間は久しぶりの慶事に盛り上がりをみせていた。
しかし、その盛況の中でフォーク候爵の気分は殊の外冴えないのであった。
数日前に王城から齎された通達とマリアンヌから届いた叱責の手紙は、フォーク候爵の理解が追いつかず飲み込めないままフォーク候爵の胸の内で澱のように留まっていた。
更なる困惑は、昨日王城から宰相の名代として役人が我が家を訪れ、副侍女長であるオルテガ嬢を数時間取り調べて行ったと家令から報告された事であった。
そして直後、オルテガ嬢は職を辞して出て行ったと言うではないか。
ガルシュ辺境伯の息女と見合い話が齎されてからこちら、何かがおかしい。
不可解、不可解と思いながらこの場に至ってしまったフォーク候爵であった。
先ほど、社交界の慣例を袖にして辺境伯らが候爵家らより後に呼び込まれると通達があった。
困惑の渦中にいるフォーク候爵自身は然程気にしなかったが、候爵夫人と子供らは不満を口にし六候爵家の順番でも争った。
結果、候爵家の中で最後に入場することになったが特段気分が良いことでもない。
大広間に入って程なく辺境伯らが呼ばれ、ガルシュ辺境伯も入ってきた。
久しぶりに見るサイモン・ガルシュは相変わらず隆々と逞しく、頭髪の後退も白髪化も無く若々しい。
ただ、入場に際して明らかに周囲がざわついた。
ふと、例の通達がよぎる。
「謂れなき...噂。ガルシュ家の名誉...」
その答えか、答えの一部なのか?
周囲から更に驚きの声が上がった。
「ガルシュ家のお嬢様に傷跡なんてないじゃないの!」
「醜い傷跡があるって噂は嘘だったんだな」
「美しいご令嬢じゃないか!」
フォーク候爵もガルシュ家の息女に目を向けた。
どういうことだ?
ニコラスは息女と面会した日に確かに傷があったと言っていた。
いや、会う前からナターシャが「傷物令嬢」と散々罵っていた。
どういう事だ...思考が纏まらない。
フォーク候爵の隣では夫人が、ナターシャの方が可愛いだの、あのドレスは流行りじゃないだのヤイのヤイの五月蝿い。
あぁ本当に五月蝿い!
ナターシャを見れば、サイモン殿の息女を睨んで「何で?」と憤慨している。
さらにニコラスを見れば、同じくサイモン殿の息女を見つめて「嘘だ..嘘だ」と呆然である。
何で?じゃない!嘘だなんて言うな!
件の令嬢の顔に傷跡が無いのであれば、見合い話を断った前提が狂ってくるではないか。
そもそもナターシャ!どうしてそんな誤解をしたのだ!?
全く状況が掴めない候爵は、マリアンヌに手紙の事も含めて真相を聞くしか無いと思った。
しかし、その盛況の中でフォーク候爵の気分は殊の外冴えないのであった。
数日前に王城から齎された通達とマリアンヌから届いた叱責の手紙は、フォーク候爵の理解が追いつかず飲み込めないままフォーク候爵の胸の内で澱のように留まっていた。
更なる困惑は、昨日王城から宰相の名代として役人が我が家を訪れ、副侍女長であるオルテガ嬢を数時間取り調べて行ったと家令から報告された事であった。
そして直後、オルテガ嬢は職を辞して出て行ったと言うではないか。
ガルシュ辺境伯の息女と見合い話が齎されてからこちら、何かがおかしい。
不可解、不可解と思いながらこの場に至ってしまったフォーク候爵であった。
先ほど、社交界の慣例を袖にして辺境伯らが候爵家らより後に呼び込まれると通達があった。
困惑の渦中にいるフォーク候爵自身は然程気にしなかったが、候爵夫人と子供らは不満を口にし六候爵家の順番でも争った。
結果、候爵家の中で最後に入場することになったが特段気分が良いことでもない。
大広間に入って程なく辺境伯らが呼ばれ、ガルシュ辺境伯も入ってきた。
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ただ、入場に際して明らかに周囲がざわついた。
ふと、例の通達がよぎる。
「謂れなき...噂。ガルシュ家の名誉...」
その答えか、答えの一部なのか?
周囲から更に驚きの声が上がった。
「ガルシュ家のお嬢様に傷跡なんてないじゃないの!」
「醜い傷跡があるって噂は嘘だったんだな」
「美しいご令嬢じゃないか!」
フォーク候爵もガルシュ家の息女に目を向けた。
どういうことだ?
ニコラスは息女と面会した日に確かに傷があったと言っていた。
いや、会う前からナターシャが「傷物令嬢」と散々罵っていた。
どういう事だ...思考が纏まらない。
フォーク候爵の隣では夫人が、ナターシャの方が可愛いだの、あのドレスは流行りじゃないだのヤイのヤイの五月蝿い。
あぁ本当に五月蝿い!
ナターシャを見れば、サイモン殿の息女を睨んで「何で?」と憤慨している。
さらにニコラスを見れば、同じくサイモン殿の息女を見つめて「嘘だ..嘘だ」と呆然である。
何で?じゃない!嘘だなんて言うな!
件の令嬢の顔に傷跡が無いのであれば、見合い話を断った前提が狂ってくるではないか。
そもそもナターシャ!どうしてそんな誤解をしたのだ!?
全く状況が掴めない候爵は、マリアンヌに手紙の事も含めて真相を聞くしか無いと思った。
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