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4.月は2個で正しい
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何か大きな邸宅っぽい建物の地下に連れてこられてしばらくのちーー時計はないので体感で数時間としか言えないがーー何がどうなったのかはわからないものの、急に待遇が改善した。
採寸したわけでもないのにサイズぴったりの着替えが用意されて、そのあと案内されたのは瀟洒な部屋だった。迎賓館の客間を思い出す。
高価そうでいて豪華すぎず、品の良い調度品がさりげなく並ぶ。家具の脚がライオンの足に似ている。
いるんだな、この世界にも猫足の動物が。
その部屋の奥、赤の布地に銀糸の刺繍が施されたソファの真ん中にちょこんと座らされた。
その後ろに、最初に俺を捕まえた騎士二人が立つ。後頭部にそこはかとなく視線を感じる。
どっちだ、右か左か。それとも両方か。
先ほど名前を聞いたが、6、7人の自己紹介を一気に受けたせいで、若干うろ覚えだ。
明るい場所で見てようやく判明したが、俺を最初に見つけた男の髪は茶色で、目の色は緑。
怖いくらいのイケメンの方はブロンドの髪に紫色の目だった。
紫の瞳なんて初めて見たが、顔の雰囲気に合っていてとても美しかった。
あと何がどうなっているのかわからないが、石壁に囲まれた狭い尋問室で何か水晶のような置物が目の前に置かれてからは、話が通じるようになった。
念話石といって、言葉が分からなくても意思疎通できる道具らしい。
もっとも、言葉が通じるようになってからのほうが俺のパニックは強まった。
結論から言って、何か壮大なドッキリ番組に巻き込まれたとかでない限り、ここは日本ではない。
どころか地球ですらない。
聞いたことのない常識、国名、政治情勢、そして極めつけは魔法の存在だ。
ここは魔法とやらが使える世界らしい。
まぁこの石にしたって、こんな便利なものがあったら英会話教室なんて絶滅してるはずなので、地球のものじゃないって説明にも頷ける。
ここは異世界。
俺は異世界に来てしまった。
月は二個で正しい。
カロイラスと名乗った取調官がその後もあれこれ聞いてきたが、だんだん説明がおっくうになって口を閉ざした。
そもそも身体が本調子ではないようで、頭の奥が常にだるい。ぼんやり霞がかかっていて、会話はできるけれど深く思考できない。二徹明けくらいの疲労感だ。
うとうとしては揺り起こされて、なんてことを繰り返していたら、なんだか突然、待遇が変わったのである。
落ち着かない気持ちで部屋をそっと見回していたら、右手の扉が開いて若い男が入ってきた。
緩く波打つ長い黒髪を背中あたりで一つにまとめた、これまた美青年。宝石のような蒼い目。
この世界の顔面偏差値、全体的に高すぎだろう。
白を基調としたボタンの多い複雑な服がとてもよく似合っている。明らかに身分が高そうだった。
「待たせたな、すまない」
よく通る声に空気がピリッと引き締まった。
部屋の中にいる彼らの様子からもやはり一番偉い人間らしいとわかる。
慌てて腰を上げようとしたものの、青年に「そのままでいい」と言われて、立ち上がる機会を失ってしまった。
挙措から貴族の風格が漂っている。通常の用法、そのままの意味で、彼は“別世界の人間”だ。
青年はテーブルをはさんで向かいのソファに座ると、ゆったり足を組んだ。
頭からつま先までじいっと観察されているのがわかってどうにも居心地が悪い。
「黒目黒髪か……」と独り言のように呟いてから、青年は口火を切った。
「私はこの離宮の責任者で、ナシルという。貴殿の名は?」
これまでの人生で感じたことのない威圧感に気圧されて、声が喉に引っ掛かった。
ナシルと名乗った青年が首をかしげて、隣に立っていた細身の男を見上げる。
「……通じているんだったな?」
「はい。そのはずです」
聞こえてる。
聞こえています。
深呼吸をして、改めて口を開いた。
「……早瀬亜希、といいます」
「はやせあき……」
よく女性みたいな名前だとからかわれたが、異世界ではまぁそんなこともないだろう。こちらの名付けの仕方がわからないので念のために説明を加えておいた。
「アキが名前で、ハヤセが姓です」
「アキ殿か……ここにいる者の名は聞いたか?」
聞きましたけど覚えてないです、とは言えずに頷いた。
「はい、そちらの方以外は」
ナシルさんの隣に立つ細身の男を見上げた。
「私はナシル殿下の補佐官をしております、オルクリーと申します」
軽く頭を下げる、洗練された所作がかっこいい。感心して間抜け面を晒しそうになったがなんとか気を引き締め直す。
「貴方には申し訳ないことをした。王宮のさらに奥のこのようなところに現れた不審者となればよほどの手練れだろうと警戒したのだ。手荒な真似をしてすまない。どうか許してほしい」
「許すもなにも不審者の自覚はありますし……いや、びっくりはしましたが」
謝罪は不要ですときっぱり言うと、ナシルさんはほっとしたように表情を緩めた。
悪い人ではないらしい。
まだ本当のところはわからないけれど。
「何度も言ってますし、信じてもらえないかもしれませんが、気づいたらここにいたんです。何かをしようとしていたわけじゃないんです」
「でしょうね、貴方が異世界人というのなら」
ナシルさんがあっさりと言い放った。
でしょうねって!めっちゃ身柄拘束されましたけど?話通ってませんでしたけど?
「貴方が現れたところにこれが落ちていたそうだ。見覚えはあるか?」
テーブルにことりと置かれたのは一筋の溝が入った、銀色の薄い金属片。
あっちの世界で、俺が最後に見たもの。
「これ……拾ったんです。いや、拾おうとしてそれに触れたら、急に目の前が明るくなって、めまいがして、気づいたらここにいました」
「そうだったのか」
「それは何か重要な、意味のあるものなんですか?」
俺の質問にナシルさんが笑う。
「重要というか……まぁ王家の失われた宝剣の欠片でな」
「宝剣……どうしてわかるんですか?」
「説明するのは難しいんだが。簡単に言うと、失われて久しい鍛冶技術が使われていて、独特の魔力をまとっているために見る人が見ればそれとわかる。もっとも、ここでそれがわかるのは私くらいだろうな」
そんなものがなぜ日本の、東京都心の、歩道に落ちてるの?
罠か何かですか?
「この国の、異世界の宝剣の一部が、なぜ日本……私の世界に?」
「わからない。でもとにかく、話を聞く限りあなたはこの剣に呼ばれた、この世界の客人で間違いない」
「客……」
正直何の説明にもなってない。
呼んだってなんだ。客ってなんだ。俺と何の関係がある?俺の落ち度ではなく、こちらの問題ってことなのか?
頭に血が上りそうになって、膝の上でこぶしを握り締めた。
「私は……何も知りませんし、これ以上話せることもないんです。私は一刻も早く元の世界に帰りたい。それだけです。その手立てはあるんでしょうか?」
「おそらく。しかし異世界の方がこちらに来られるのは500年ぶり、この宝剣が見つかるのは2000年ぶりなので、いろいろ調べなおさなければ確かなことは言えない」
「500年……」
気の遠くなるような昔だ。
でもいたのか、俺以外にも。
その人はどうなったのだろう。口ぶりからすると、元いた世界へ帰ったのだろうか。
「この剣は意思を持っているわけではないんだが、元の形に戻りたがっているようでね。欠片同士引きあってる。これには途方もない魔力が込められているから、たまに世界を繋ぐようなこともする。これが呼んだのなら、同じように帰すことも可能だろう。すぐにというわけにはいかないが」
「帰る方法があるということですか?」
ナシルさんが力強く肯く。
「あぁ」
「そうですか」
うっかり泣きたくなってしまった。
わりと平常心だし冷静でいようと思ったけど、無理だ。
知らない世界は怖い。
本当はずっと不安だった。
帰りたかった。
「帰れるのか……」
ほっとしたら緊張の糸が切れて、どっと疲れが押し寄せてきた。頭の奥を引っ張られるような感覚。
「アキ殿?」
気遣わしげなナシルさんの言葉に大丈夫ですと言おうとしたのに、声にならなかった。強烈な睡魔に襲われて視界がゆがむ。
あ、だめだ、意識を保っていられない。
息を吸って眠気を誤魔化そうとしたが、まぶたが重くなる。
「すいません、俺、ちょっとーー」
だめ、なんで、ナシルさんの話も終わってないのに……
ぐらついた身体を、誰かが支えてくれた感触を最後に、俺は意識を手放した。
採寸したわけでもないのにサイズぴったりの着替えが用意されて、そのあと案内されたのは瀟洒な部屋だった。迎賓館の客間を思い出す。
高価そうでいて豪華すぎず、品の良い調度品がさりげなく並ぶ。家具の脚がライオンの足に似ている。
いるんだな、この世界にも猫足の動物が。
その部屋の奥、赤の布地に銀糸の刺繍が施されたソファの真ん中にちょこんと座らされた。
その後ろに、最初に俺を捕まえた騎士二人が立つ。後頭部にそこはかとなく視線を感じる。
どっちだ、右か左か。それとも両方か。
先ほど名前を聞いたが、6、7人の自己紹介を一気に受けたせいで、若干うろ覚えだ。
明るい場所で見てようやく判明したが、俺を最初に見つけた男の髪は茶色で、目の色は緑。
怖いくらいのイケメンの方はブロンドの髪に紫色の目だった。
紫の瞳なんて初めて見たが、顔の雰囲気に合っていてとても美しかった。
あと何がどうなっているのかわからないが、石壁に囲まれた狭い尋問室で何か水晶のような置物が目の前に置かれてからは、話が通じるようになった。
念話石といって、言葉が分からなくても意思疎通できる道具らしい。
もっとも、言葉が通じるようになってからのほうが俺のパニックは強まった。
結論から言って、何か壮大なドッキリ番組に巻き込まれたとかでない限り、ここは日本ではない。
どころか地球ですらない。
聞いたことのない常識、国名、政治情勢、そして極めつけは魔法の存在だ。
ここは魔法とやらが使える世界らしい。
まぁこの石にしたって、こんな便利なものがあったら英会話教室なんて絶滅してるはずなので、地球のものじゃないって説明にも頷ける。
ここは異世界。
俺は異世界に来てしまった。
月は二個で正しい。
カロイラスと名乗った取調官がその後もあれこれ聞いてきたが、だんだん説明がおっくうになって口を閉ざした。
そもそも身体が本調子ではないようで、頭の奥が常にだるい。ぼんやり霞がかかっていて、会話はできるけれど深く思考できない。二徹明けくらいの疲労感だ。
うとうとしては揺り起こされて、なんてことを繰り返していたら、なんだか突然、待遇が変わったのである。
落ち着かない気持ちで部屋をそっと見回していたら、右手の扉が開いて若い男が入ってきた。
緩く波打つ長い黒髪を背中あたりで一つにまとめた、これまた美青年。宝石のような蒼い目。
この世界の顔面偏差値、全体的に高すぎだろう。
白を基調としたボタンの多い複雑な服がとてもよく似合っている。明らかに身分が高そうだった。
「待たせたな、すまない」
よく通る声に空気がピリッと引き締まった。
部屋の中にいる彼らの様子からもやはり一番偉い人間らしいとわかる。
慌てて腰を上げようとしたものの、青年に「そのままでいい」と言われて、立ち上がる機会を失ってしまった。
挙措から貴族の風格が漂っている。通常の用法、そのままの意味で、彼は“別世界の人間”だ。
青年はテーブルをはさんで向かいのソファに座ると、ゆったり足を組んだ。
頭からつま先までじいっと観察されているのがわかってどうにも居心地が悪い。
「黒目黒髪か……」と独り言のように呟いてから、青年は口火を切った。
「私はこの離宮の責任者で、ナシルという。貴殿の名は?」
これまでの人生で感じたことのない威圧感に気圧されて、声が喉に引っ掛かった。
ナシルと名乗った青年が首をかしげて、隣に立っていた細身の男を見上げる。
「……通じているんだったな?」
「はい。そのはずです」
聞こえてる。
聞こえています。
深呼吸をして、改めて口を開いた。
「……早瀬亜希、といいます」
「はやせあき……」
よく女性みたいな名前だとからかわれたが、異世界ではまぁそんなこともないだろう。こちらの名付けの仕方がわからないので念のために説明を加えておいた。
「アキが名前で、ハヤセが姓です」
「アキ殿か……ここにいる者の名は聞いたか?」
聞きましたけど覚えてないです、とは言えずに頷いた。
「はい、そちらの方以外は」
ナシルさんの隣に立つ細身の男を見上げた。
「私はナシル殿下の補佐官をしております、オルクリーと申します」
軽く頭を下げる、洗練された所作がかっこいい。感心して間抜け面を晒しそうになったがなんとか気を引き締め直す。
「貴方には申し訳ないことをした。王宮のさらに奥のこのようなところに現れた不審者となればよほどの手練れだろうと警戒したのだ。手荒な真似をしてすまない。どうか許してほしい」
「許すもなにも不審者の自覚はありますし……いや、びっくりはしましたが」
謝罪は不要ですときっぱり言うと、ナシルさんはほっとしたように表情を緩めた。
悪い人ではないらしい。
まだ本当のところはわからないけれど。
「何度も言ってますし、信じてもらえないかもしれませんが、気づいたらここにいたんです。何かをしようとしていたわけじゃないんです」
「でしょうね、貴方が異世界人というのなら」
ナシルさんがあっさりと言い放った。
でしょうねって!めっちゃ身柄拘束されましたけど?話通ってませんでしたけど?
「貴方が現れたところにこれが落ちていたそうだ。見覚えはあるか?」
テーブルにことりと置かれたのは一筋の溝が入った、銀色の薄い金属片。
あっちの世界で、俺が最後に見たもの。
「これ……拾ったんです。いや、拾おうとしてそれに触れたら、急に目の前が明るくなって、めまいがして、気づいたらここにいました」
「そうだったのか」
「それは何か重要な、意味のあるものなんですか?」
俺の質問にナシルさんが笑う。
「重要というか……まぁ王家の失われた宝剣の欠片でな」
「宝剣……どうしてわかるんですか?」
「説明するのは難しいんだが。簡単に言うと、失われて久しい鍛冶技術が使われていて、独特の魔力をまとっているために見る人が見ればそれとわかる。もっとも、ここでそれがわかるのは私くらいだろうな」
そんなものがなぜ日本の、東京都心の、歩道に落ちてるの?
罠か何かですか?
「この国の、異世界の宝剣の一部が、なぜ日本……私の世界に?」
「わからない。でもとにかく、話を聞く限りあなたはこの剣に呼ばれた、この世界の客人で間違いない」
「客……」
正直何の説明にもなってない。
呼んだってなんだ。客ってなんだ。俺と何の関係がある?俺の落ち度ではなく、こちらの問題ってことなのか?
頭に血が上りそうになって、膝の上でこぶしを握り締めた。
「私は……何も知りませんし、これ以上話せることもないんです。私は一刻も早く元の世界に帰りたい。それだけです。その手立てはあるんでしょうか?」
「おそらく。しかし異世界の方がこちらに来られるのは500年ぶり、この宝剣が見つかるのは2000年ぶりなので、いろいろ調べなおさなければ確かなことは言えない」
「500年……」
気の遠くなるような昔だ。
でもいたのか、俺以外にも。
その人はどうなったのだろう。口ぶりからすると、元いた世界へ帰ったのだろうか。
「この剣は意思を持っているわけではないんだが、元の形に戻りたがっているようでね。欠片同士引きあってる。これには途方もない魔力が込められているから、たまに世界を繋ぐようなこともする。これが呼んだのなら、同じように帰すことも可能だろう。すぐにというわけにはいかないが」
「帰る方法があるということですか?」
ナシルさんが力強く肯く。
「あぁ」
「そうですか」
うっかり泣きたくなってしまった。
わりと平常心だし冷静でいようと思ったけど、無理だ。
知らない世界は怖い。
本当はずっと不安だった。
帰りたかった。
「帰れるのか……」
ほっとしたら緊張の糸が切れて、どっと疲れが押し寄せてきた。頭の奥を引っ張られるような感覚。
「アキ殿?」
気遣わしげなナシルさんの言葉に大丈夫ですと言おうとしたのに、声にならなかった。強烈な睡魔に襲われて視界がゆがむ。
あ、だめだ、意識を保っていられない。
息を吸って眠気を誤魔化そうとしたが、まぶたが重くなる。
「すいません、俺、ちょっとーー」
だめ、なんで、ナシルさんの話も終わってないのに……
ぐらついた身体を、誰かが支えてくれた感触を最後に、俺は意識を手放した。
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