ポップンロール

はやしまさひろ

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 俺たち五人はそりゃあ仲良しだ。けれど、当時はまだ全てを曝け出してはいなかった。子供の頃って、そういうのが恥ずかしかったりするもんだ。保育園の頃には特に意識はしなかったが、家族や自分の将来のことなんて話したりはしなかったし、例えしていたとしても、お互いにそんな意識も記憶もなく、ただなんとなく言葉にしているだけで、そこに意味なんてなかった。保育園児なんてまだ、自分が世界の中心だと無意識に感じるお子様だ。なんて言うと、ちょっとばかり言い過ぎになる。大人になっても無意識で自分を世界の中心だと感じている輩は多い。俺たち五人はまだ、そんなお子様だったんだ。
 小学生になると、そんなお子様度合いは減っていくが、代わりに本音を晒すのが恥ずかしくなる。仲良しの俺たちの間にだって、意識的に秘密を作るようになるんだ。家族のこともそうだし、自分自身のことについても同様だ。俺は特に、そんな傾向が強かった。学校で家族のことを話したことは少ない。将来の夢や、好きな女の子のことさえ話さなかった。まだ自分が世界の中心だと感じている連中は相変わらずだったが、俺たち五人の中に、そんな奴は一人もいなかった。と言っても、本音を全て隠して仲良くしていたわけではなく、自分勝手な本音は無闇に表に出さなかったってだけのことだ。
 中学生になると、その傾向はさらに強くなっていく。俺たちは、それぞれの友達を作り、五人で会うのは登下校時や休みの日くらいだった。学校で顔を合わしても、挨拶程度だ。特に俺は、ケイコとカナエとの距離を遠くしていた。好きとか嫌いとかは関係がなく、異性とは距離を置きたくなる年頃だったってわけだよ。
 しかし、ケンジだけは少し様子が違っていた。ケンジは決して夢見がちなお子様ではなかったが、本音を隠すこともなかった。無闇矢鱈に夢を語らずとも、自分に対しての信念を持っていた。当然、自分が世界の中心じゃないことは理解している。そのせいか、少し大人びている面もある。ケンジは全てを楽しむことのできる男なんだ。ケンジといると、俺はなにをしていても楽しくなれる。
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