仁川路朱鳥詩集

高3前半

原罪

あなたが好きです、
と迫る女を退けて机へ向かう。
その最中にさえ、
何度も既存価値観に汚染されかけていた、
私の脳髄を一切れ取って、
思考を排除していく。

その中でインクがふと垂れた。
模様は言葉となっていた「あなたが好きです」

抱きしめろ　自身を抱きしめろ　抱きしめろ
愛し尽くせ　自身を愛し尽くせ　愛し尽くせ
愛せ愛せ愛せ　抱け抱け抱け
あなたはあなたを抱きしめろ　あなたはあなたを愛せ
愛せ愛せ愛し尽くせ　法律をも越えた頂─

その原罪から　逃れた者を　知ることは　できない。