仁川路朱鳥詩集

社会人(成人前)

潜水/台風の目へ

ヘッドフォンかけて無限へ向かう
手にはペンと楽譜の紙
それらは区切られ
また穴を開けられた救世主
あたしのための救世主

床に積み重なる自分を
毎日のように繰り返したら
カレンダーになる
日めくりを散らかすように
あたしは散らばって
これが世界を作るのだよ
7日でできたんだからね

スピーキングヘッド
霊性の叫びをコンピュータへ
移し変えて移し替えて
憑依していく
あたしを憑依させていく

これが毎日
これがカレンダー
ここにあるのがあたし

運命が徒歩で来る
日めくりが擦り切れた頃
毛布をも巻き込んで
憑依したあたしが
あたしを動かして

ヘッドフォンかけて海の中
思考の海
もはや二者も存在しない世界

あたしの肉を削ぎ取って
新しいあたしが作られる
処女懐胎 もしくは リンカーネーション
自分の肉で
バラバラになったあたしを
もう一度並べ直し
カレンダーは日記になり
日記は記憶になり
記録になって消えていく

運命が去る
誰か聴いてはくれないか
あたしを

きっと誰かはいる
いつだって誰かいるんだ
世界に
だからバベルの塔は立たなかった
だから台風は
あたしの部屋で渦を巻いて

だから台風は
あたしの中で回り続ける
理解されたい
台風がまだあたしの中では
暴れまわっているようだ

独りじゃない、
空虚な慰めの証明に
根拠になった低気圧に