仁川路朱鳥詩集

社会人(成人)

クァーラヒムトの啓示

あざなえる　わたしの罪と
あざなえる　告示の掲示板
天使の名を借りた縄は
わたしを戒めなかった

カムビヒウにはあんなにも
死体が散りばめられていて
神殿の宝玉がごとく
血が撒き散らされていて、
砂漠の街、
死者の安寧の神が、
クァーラヒムトは冷たく
わたしを見下ろしていた

というのもおそらく
わたしの、
曲解かもしれない、

サボテンだけが全てを識る、
しかして水は与えられず
持っている分では足りないと
訴えかけているのを見た、
わたしは与えた、
謁見したのだ、
ヘルパクラアトのようで、
もしくはヌイトのような
燃える青い火の目を持った
男、いえ神格、
その名は、クァーラヒムト

涜神者に与える恩恵は
Toxicでいいだろう、
神を忘れた人間は
何をしでかすかわからない、と

きっと、わたしたちよりも
二分心の時代に戻りたい、
と願う神は多い、
しかし、神は不完全である、
宇宙の細胞のようなわたしたちが
創った原形質には、不具合がある、
それでも、すがったほうがいいのか、
プログラマーが神社を作るように、
マスコットが奉られるように、

クァーラヒムトは閉口し
神殿の空へ向かうだけ、
それならばわたしも帰る
ごはんのことを考えて歩く

この街の教えを借りるならば
「すべて、世界の意志のままに」。