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第一章
門を超えて
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「とてもいい天気ですね」
「そう…ですね」
「風も心地良いですし」
「そう…ですね」
「コトネ様?気分が優れないのですか?」
「いえ。神官長が突然訪ねて来ては、散歩に行こうと連れ去られたので疲れてるだけです」
アーサー様から“計画”とやらを聞こうとした矢先、神官長が現れ私を連れ去っ…連れ出した。
庭園を歩いていると、同じく散歩していた友愛とその侍女と遭遇。
日傘差してもらってる。人をフル活用してるな。この世界には日焼け止めがないから焼かない方法は室内にこもるか日傘を差すかの二択。
「お久しぶりですミハイル様。何度かお手紙を差し上げているのですが、一向に返事がなくて心配していたんです。体調を崩されているのではないなと」
友愛は自分自身に酔っている。恥をかかされた相手にも慈悲の心を忘れない自分に。
名前で呼ぶなと言われたのに呼べる勇気。
薄々感じてはいていたけど友愛の頭ってお花畑なのかな?
そりゃさ。友愛のことが好きな男性からしてみれば嬉しいことかもしれないけど、神官長は目に見えて嫌っている。むしろ立場を弁えたほうが好感度上がりそう。
「コトネ様は甘いものはお好きですか?」
無視すると思った。それでとばっちりくるの私なんだけど。
キラキラした笑顔で返事を待たれると答えないわけにはいかない。
好きだと言えば次に来るときは持参すると約束を取り付けた。
「いくら神官長様と言えど聖女様を蔑ろにするなど許されませんよ!」
「偽物の、ですよ。侍女殿」
私と彼女達への温度差。見事に顔を使い分けてる。
この人も役者になれるな。主演級の実力。
「それと友愛殿。これが最後です。私のことは神官長とお呼び下さい。それが出来ないなら二度と視界に入らないで頂きたい。不愉快なので。行きましょうコトネ様」
よ……容赦ない。
完膚なきまでにフラれ拒絶したのは神官長が初めて。
プライドが粉々に粉砕してなきゃいいけど。
神官長は先程の出来事などなかったかのように会話を途切れさせない。テンポが良くて私が答えやすい内容ばかり。
神に仕える神官が人間相手にスムーズに会話している。
違和感ではないけど、不思議な感じだ。
「私の顔に何かついてますか?」
「女性慣れしてて驚いてます」
「不快でしたか?女性と話すのは不慣れなもので勉強したのですが」
「そうなんですか!?」
「コトネ様に不自由をして欲しくなかったもので」
神官長も紳士だ。人の好き嫌いがハッキリしているけど。
「コトネ様はこの国でどこが一番良いと思いましたか。下町にはもっと良い人がいるので、気に入ってもらえると思います」
「実は私。王宮の外に出たことがなくて」
「一度も?」
「はい」
「それでは今から行きましょう」
「無理ですよ!許可されていないのに」
「コトネ様は勘違いをしてらっしゃいます。愛し子で聖女の貴女様に命令出来る者は存在しません」
「だとしても勝手に出るのは」
「私に無理強いされたと言えばいい」
強引なのに苦じゃない。
眩しい笑顔で手を引かれる。
門兵は戸惑いながらも通してくれた。
「そう…ですね」
「風も心地良いですし」
「そう…ですね」
「コトネ様?気分が優れないのですか?」
「いえ。神官長が突然訪ねて来ては、散歩に行こうと連れ去られたので疲れてるだけです」
アーサー様から“計画”とやらを聞こうとした矢先、神官長が現れ私を連れ去っ…連れ出した。
庭園を歩いていると、同じく散歩していた友愛とその侍女と遭遇。
日傘差してもらってる。人をフル活用してるな。この世界には日焼け止めがないから焼かない方法は室内にこもるか日傘を差すかの二択。
「お久しぶりですミハイル様。何度かお手紙を差し上げているのですが、一向に返事がなくて心配していたんです。体調を崩されているのではないなと」
友愛は自分自身に酔っている。恥をかかされた相手にも慈悲の心を忘れない自分に。
名前で呼ぶなと言われたのに呼べる勇気。
薄々感じてはいていたけど友愛の頭ってお花畑なのかな?
そりゃさ。友愛のことが好きな男性からしてみれば嬉しいことかもしれないけど、神官長は目に見えて嫌っている。むしろ立場を弁えたほうが好感度上がりそう。
「コトネ様は甘いものはお好きですか?」
無視すると思った。それでとばっちりくるの私なんだけど。
キラキラした笑顔で返事を待たれると答えないわけにはいかない。
好きだと言えば次に来るときは持参すると約束を取り付けた。
「いくら神官長様と言えど聖女様を蔑ろにするなど許されませんよ!」
「偽物の、ですよ。侍女殿」
私と彼女達への温度差。見事に顔を使い分けてる。
この人も役者になれるな。主演級の実力。
「それと友愛殿。これが最後です。私のことは神官長とお呼び下さい。それが出来ないなら二度と視界に入らないで頂きたい。不愉快なので。行きましょうコトネ様」
よ……容赦ない。
完膚なきまでにフラれ拒絶したのは神官長が初めて。
プライドが粉々に粉砕してなきゃいいけど。
神官長は先程の出来事などなかったかのように会話を途切れさせない。テンポが良くて私が答えやすい内容ばかり。
神に仕える神官が人間相手にスムーズに会話している。
違和感ではないけど、不思議な感じだ。
「私の顔に何かついてますか?」
「女性慣れしてて驚いてます」
「不快でしたか?女性と話すのは不慣れなもので勉強したのですが」
「そうなんですか!?」
「コトネ様に不自由をして欲しくなかったもので」
神官長も紳士だ。人の好き嫌いがハッキリしているけど。
「コトネ様はこの国でどこが一番良いと思いましたか。下町にはもっと良い人がいるので、気に入ってもらえると思います」
「実は私。王宮の外に出たことがなくて」
「一度も?」
「はい」
「それでは今から行きましょう」
「無理ですよ!許可されていないのに」
「コトネ様は勘違いをしてらっしゃいます。愛し子で聖女の貴女様に命令出来る者は存在しません」
「だとしても勝手に出るのは」
「私に無理強いされたと言えばいい」
強引なのに苦じゃない。
眩しい笑顔で手を引かれる。
門兵は戸惑いながらも通してくれた。
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