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妹の婚約、兄の結婚
私が殿下を好きという誤解は解けた。
必死に説明しなくても、全く好きではなかったと伝えればアッサリと信じてくれた。
箝口令を敷かれたわけでもなく、婚約は王命であったことを明かす。
友達はみんな、どこか納得した風だった。
私と殿下ではあまり釣り合っていなかったと本音が語られる。
私が、ではなく、殿下が。
身分だけが偉くて、私のパートナーとしてはかなり劣っていたと。
努力はしないし、王子としての役割を一つも果たしていない。
せめて殿下が歳下だったなら、私と比べられることはなかっただろう。
そんな殿下と私の婚約。私が殿下の顔が好きで、お父様に無理を言って婚約者の座を手に入れたと思う人は少なくなかった。
確かに殿下って顔は良い。黙っていれば目の保養。
口を開けば残念な人になるため、可能ならずっと喋らないほうがいい。
私はギルのほうがカッコ良いと思うけど。
「お父様とギルが?」
私が寄り道をしていた間にギルが連れ去られて……訪ねて来ていた。
どんな話をしていたのかまではリザも知らなくて、応接室から不穏な空気が漂っていたとか。
フランクが同席していたみたいだけど、何をしていたか教えてはくれない。
雇い主の娘だろうと、話した内容を喋らない口の固さは信頼の元。
「ギルラック様と婚約されたというのは本当ですか」
「仮よ仮。殿下があまりにも鬱陶しい……復縁を迫ってきて困っていたから」
やり直さないと言っているにも関わらず、私の声なんて聞こていない。
「大丈夫ですよ、お嬢様。ここには私達しかいませんから、本音を語っても」
リザの言う通りだ。
部屋の外で聞き耳を立てて、殿下に密告するような使用人がいたら、とっくの昔にお父様に排除されている。
「二日連続で花を持って来るとかありえないよね」
「王子の肩書きがあっても許される行為ではありません。ハッキリ言って気持ち悪いです」
ここにはいない殿下を見ては、ゴミを見るかのような目をしていた。
外ではきちんとしてるし、殿下にさえバレなければ問題はない。
殿下があんな人だと知って一番ガッカリしているのは国王陛下夫妻。リカルド殿下はお二人に似て賢いのに、なぜ殿下だけが残念なのか。
頭を悩ませてるだろうな。きっと。
国をまとめる王族としてもお父様を敵に回したくないだろうから、殿下には大人しくしてもらいたいだろう。
浮気相手、今は新たな婚約者とイチャつくのは自由だけど、私達を巻き込む筋合いなどない。
「お嬢様。使用人も含めて全員に旦那様から大切なお話があるとのことです」
このタイミングならギルとの婚約のことでしょうね。
そういうときは決まって夕食後。となると、いつもより早めに食べることになるから、今から行けば時間としては良い。
食堂にはお父様達が揃っていて私が最後。
一言、遅れたことを謝って席につく。
「私の都合で時間が早まっただけだ。アンが謝ることはない。それに、呼びに行かせなかった私の落ち度でもある」
お父様は私に甘すぎる。
大切な話があるときは早めに食事を摂るのは暗黙のルールみたいなもので、人を寄越さなくていいと言ったのは私。
王族を黙らせるほどの威厳を持ち合わせているのに、私には発揮されないなんて。親バカが過ぎるよ。
普段の夕食と違って軽いアッサリめのメニューで、すぐに食べ終えた。
食後の紅茶をフランクが淹れてくれた直後、使用人が一斉に集まってきた。
「もう既に知っている者もいるとは思うが、アンがギルラック・ノルスタンと婚約した」
お父様が静かに告げると、冷たい風が吹き抜ける。
殿下のときもそうだったけど、私が婚約しても誰も喜んでくれない。両手を上げて喜ばれても困るけど。
「勘違いするな。あくまでも偽装だ。生きる価値のないクズが、アンとの復縁を諦めるまでの」
名前なんて出ていないのに殿下のことだとわかり、私を助けるための婚約であると理解した。さっきまでの冷たい空気はなく、歓迎ムードに。
具体的な内容の話し合いも終わり、誓約書まで作ったとなれば使用人は胸を撫で下ろす。
ギルは昔からよく出入りしていたし、仲の良い友達だよ?そんなに警戒したり、ましてや邪険に扱う必要はない。
婚約期間は卒業までの約二年。明日から毎日、ギルと登校するのか。仲の良さをアピールするには、それぐらいしないとね。
流石の殿下も、婚約者がいる私とやり直したいと、言うはずはないと信じたいけど。
常に常識外れの斜め上の発想をする人だからな。油断は禁物。
自分の気を引きたいがために近くにいたギルと婚約したと思っているかもしれない。
絶対思うよね。殿下だもん。
「何度も婚約者が代わるのは体裁が悪いかもしれないが、そんなことでアンを下に見るような男と結婚させるつもりはない」
「そうよアン。必ずしも結婚する必要なんてないんだから」
娘が一生独身でいいと言う親はこの二人ぐらいだ。
普通、貴族の親はなるべく良い条件の相手に嫁がせようとする。利が多い家門とか。
リードハルム家の場合、誰と結婚しても大した利益はない。故に、お兄様は恋愛結婚を望んでいる。
学園で席が隣になったことをキッカケに、お兄様はメーディ侯爵令嬢に恋をした。
澄み切った空の色のような美しい瑠璃色の髪。若葉色の瞳は柔らかい人柄をイメージさせる。
目は少しつり上がっていてクールな印象もあり、凛とした立ち振る舞いで、堂々と胸を張って発言する姿とは逆に、笑った顔はとても可愛らしい。
お兄様はお父様と同じく黒髪に琥珀色の瞳。顔立ちもよく似ている。眉間に皺が寄ったときなんて瓜二つ。
無表情でいると怒っているように見えるため、近寄り難いイメージはあるけど、笑顔が意外と可愛い。そこもお父様と同じ。
お母様は若い頃のお父様を見ているみたいと笑っていた。
三度に渡る告白の末、メーディ様との付き合いが始まり、お父様から婚約が認められ、あとは結婚のみ。
メーディ様が義姉になるのを楽しみにしているのに未だ婚約状態のまま。
私が学園に入学したことにより、家庭環境が変わるとストレスを感じるかもと配慮してくれているのはわかっている。
それでも!私はずっと待っていた。
初めて挨拶に来てくれたあの日から、メーディ様をお義姉様と呼ぶ日を。
「私はともかく。お兄様はどうなのですか。私のことを気遣ってくれることは嬉しいのですが、あまりメーディ様をお待たせするのは良くないですよ」
家族が増えるのは大歓迎。今からでも結婚して欲しいぐらい。
そのことを伝えると、私が進級した年に式を挙げるように両家で準備を進めていた。
「そのことなんだが」
お兄様の目が無意識に泳ぎ始めるのは大抵、嫌な知らせのとき。
「延期になった」
ポツリと呟くようかに発せられた言葉は衝撃だった。
お父様とお母様も初耳だったらしく驚きが隠せていない。
これはもう本当に私よりお兄様の話をするべきでは。
「アン。ごめん!」
立ち上がったお兄様は勢いよく頭を下げた。
私がメーディ様を好いているように、メーディ様も私を気に入ってくれている。
「メーディも早くアンと家族になりたいと言ってくれていたんだが、その……」
声が段々と小さくなっていく。
顔を上げて私が目が合う。でも、すぐに逸らす。
まさかお兄様が結婚出来ないのは私のせい?
思い当たる節は一つ。お父様達も察してか、何も言わない。
「アンがあの無能なや奴に一欠片も好意を抱いてないことはメーディも承知しているが、婚約破棄をして、すぐに結婚するというのは……。本当にすまない」
「お兄様は悪くありません。悪いのは自分勝手な殿下なのですから。それで、いつまで延期予定なのですか?」
「卒業する二年後だ」
女性の婚期は二十歳から二十三歳まで。私の卒業を待っていたら過ぎてしまう。
婚約者がいようとも、周りからは結婚が出来ないような問題があると思われる。私のせいでメーディ様の女性としての価値に傷をつけてしまった。
嫁ぎ先に婚約破棄された人がいたとしても、結婚を延期する必要はない。一~二週間は伸びても二年は長すぎる。
相手が殿下ではなく貴族なら、こうはならなかったのかも。
──メーディ様にお詫びの手紙を書かなくては。
せめて殿下が一つ上の学年だったのなら、延期は一年だけだった。
「お前達のことを考えず、アンを解放するためにさっさと手続きを終えた私の責任だ」
「違います!メーディも、あんな無能がアンの夫となることは心底嫌がっていました!破棄して当然です!!」
「メーディには明日、私から謝罪するわ」
「母上。メーディはあまり気を遣わないで欲しいと言っていました」
「でも……」
「俺と結婚出来るなら二年でも十年でも待ってくれるとも。ですから、その……」
稀に見る相思相愛っぷり。メーディ様の言伝を伝えただけなのに、思い出しただけで頭から湯気が出る。
周りからの評価など気にすることなく、いつか迎える幸せな未来に胸を踊らせていた。
──お兄様とメーディ様こそ、真実の愛と呼ぶに相応しい。
必死に説明しなくても、全く好きではなかったと伝えればアッサリと信じてくれた。
箝口令を敷かれたわけでもなく、婚約は王命であったことを明かす。
友達はみんな、どこか納得した風だった。
私と殿下ではあまり釣り合っていなかったと本音が語られる。
私が、ではなく、殿下が。
身分だけが偉くて、私のパートナーとしてはかなり劣っていたと。
努力はしないし、王子としての役割を一つも果たしていない。
せめて殿下が歳下だったなら、私と比べられることはなかっただろう。
そんな殿下と私の婚約。私が殿下の顔が好きで、お父様に無理を言って婚約者の座を手に入れたと思う人は少なくなかった。
確かに殿下って顔は良い。黙っていれば目の保養。
口を開けば残念な人になるため、可能ならずっと喋らないほうがいい。
私はギルのほうがカッコ良いと思うけど。
「お父様とギルが?」
私が寄り道をしていた間にギルが連れ去られて……訪ねて来ていた。
どんな話をしていたのかまではリザも知らなくて、応接室から不穏な空気が漂っていたとか。
フランクが同席していたみたいだけど、何をしていたか教えてはくれない。
雇い主の娘だろうと、話した内容を喋らない口の固さは信頼の元。
「ギルラック様と婚約されたというのは本当ですか」
「仮よ仮。殿下があまりにも鬱陶しい……復縁を迫ってきて困っていたから」
やり直さないと言っているにも関わらず、私の声なんて聞こていない。
「大丈夫ですよ、お嬢様。ここには私達しかいませんから、本音を語っても」
リザの言う通りだ。
部屋の外で聞き耳を立てて、殿下に密告するような使用人がいたら、とっくの昔にお父様に排除されている。
「二日連続で花を持って来るとかありえないよね」
「王子の肩書きがあっても許される行為ではありません。ハッキリ言って気持ち悪いです」
ここにはいない殿下を見ては、ゴミを見るかのような目をしていた。
外ではきちんとしてるし、殿下にさえバレなければ問題はない。
殿下があんな人だと知って一番ガッカリしているのは国王陛下夫妻。リカルド殿下はお二人に似て賢いのに、なぜ殿下だけが残念なのか。
頭を悩ませてるだろうな。きっと。
国をまとめる王族としてもお父様を敵に回したくないだろうから、殿下には大人しくしてもらいたいだろう。
浮気相手、今は新たな婚約者とイチャつくのは自由だけど、私達を巻き込む筋合いなどない。
「お嬢様。使用人も含めて全員に旦那様から大切なお話があるとのことです」
このタイミングならギルとの婚約のことでしょうね。
そういうときは決まって夕食後。となると、いつもより早めに食べることになるから、今から行けば時間としては良い。
食堂にはお父様達が揃っていて私が最後。
一言、遅れたことを謝って席につく。
「私の都合で時間が早まっただけだ。アンが謝ることはない。それに、呼びに行かせなかった私の落ち度でもある」
お父様は私に甘すぎる。
大切な話があるときは早めに食事を摂るのは暗黙のルールみたいなもので、人を寄越さなくていいと言ったのは私。
王族を黙らせるほどの威厳を持ち合わせているのに、私には発揮されないなんて。親バカが過ぎるよ。
普段の夕食と違って軽いアッサリめのメニューで、すぐに食べ終えた。
食後の紅茶をフランクが淹れてくれた直後、使用人が一斉に集まってきた。
「もう既に知っている者もいるとは思うが、アンがギルラック・ノルスタンと婚約した」
お父様が静かに告げると、冷たい風が吹き抜ける。
殿下のときもそうだったけど、私が婚約しても誰も喜んでくれない。両手を上げて喜ばれても困るけど。
「勘違いするな。あくまでも偽装だ。生きる価値のないクズが、アンとの復縁を諦めるまでの」
名前なんて出ていないのに殿下のことだとわかり、私を助けるための婚約であると理解した。さっきまでの冷たい空気はなく、歓迎ムードに。
具体的な内容の話し合いも終わり、誓約書まで作ったとなれば使用人は胸を撫で下ろす。
ギルは昔からよく出入りしていたし、仲の良い友達だよ?そんなに警戒したり、ましてや邪険に扱う必要はない。
婚約期間は卒業までの約二年。明日から毎日、ギルと登校するのか。仲の良さをアピールするには、それぐらいしないとね。
流石の殿下も、婚約者がいる私とやり直したいと、言うはずはないと信じたいけど。
常に常識外れの斜め上の発想をする人だからな。油断は禁物。
自分の気を引きたいがために近くにいたギルと婚約したと思っているかもしれない。
絶対思うよね。殿下だもん。
「何度も婚約者が代わるのは体裁が悪いかもしれないが、そんなことでアンを下に見るような男と結婚させるつもりはない」
「そうよアン。必ずしも結婚する必要なんてないんだから」
娘が一生独身でいいと言う親はこの二人ぐらいだ。
普通、貴族の親はなるべく良い条件の相手に嫁がせようとする。利が多い家門とか。
リードハルム家の場合、誰と結婚しても大した利益はない。故に、お兄様は恋愛結婚を望んでいる。
学園で席が隣になったことをキッカケに、お兄様はメーディ侯爵令嬢に恋をした。
澄み切った空の色のような美しい瑠璃色の髪。若葉色の瞳は柔らかい人柄をイメージさせる。
目は少しつり上がっていてクールな印象もあり、凛とした立ち振る舞いで、堂々と胸を張って発言する姿とは逆に、笑った顔はとても可愛らしい。
お兄様はお父様と同じく黒髪に琥珀色の瞳。顔立ちもよく似ている。眉間に皺が寄ったときなんて瓜二つ。
無表情でいると怒っているように見えるため、近寄り難いイメージはあるけど、笑顔が意外と可愛い。そこもお父様と同じ。
お母様は若い頃のお父様を見ているみたいと笑っていた。
三度に渡る告白の末、メーディ様との付き合いが始まり、お父様から婚約が認められ、あとは結婚のみ。
メーディ様が義姉になるのを楽しみにしているのに未だ婚約状態のまま。
私が学園に入学したことにより、家庭環境が変わるとストレスを感じるかもと配慮してくれているのはわかっている。
それでも!私はずっと待っていた。
初めて挨拶に来てくれたあの日から、メーディ様をお義姉様と呼ぶ日を。
「私はともかく。お兄様はどうなのですか。私のことを気遣ってくれることは嬉しいのですが、あまりメーディ様をお待たせするのは良くないですよ」
家族が増えるのは大歓迎。今からでも結婚して欲しいぐらい。
そのことを伝えると、私が進級した年に式を挙げるように両家で準備を進めていた。
「そのことなんだが」
お兄様の目が無意識に泳ぎ始めるのは大抵、嫌な知らせのとき。
「延期になった」
ポツリと呟くようかに発せられた言葉は衝撃だった。
お父様とお母様も初耳だったらしく驚きが隠せていない。
これはもう本当に私よりお兄様の話をするべきでは。
「アン。ごめん!」
立ち上がったお兄様は勢いよく頭を下げた。
私がメーディ様を好いているように、メーディ様も私を気に入ってくれている。
「メーディも早くアンと家族になりたいと言ってくれていたんだが、その……」
声が段々と小さくなっていく。
顔を上げて私が目が合う。でも、すぐに逸らす。
まさかお兄様が結婚出来ないのは私のせい?
思い当たる節は一つ。お父様達も察してか、何も言わない。
「アンがあの無能なや奴に一欠片も好意を抱いてないことはメーディも承知しているが、婚約破棄をして、すぐに結婚するというのは……。本当にすまない」
「お兄様は悪くありません。悪いのは自分勝手な殿下なのですから。それで、いつまで延期予定なのですか?」
「卒業する二年後だ」
女性の婚期は二十歳から二十三歳まで。私の卒業を待っていたら過ぎてしまう。
婚約者がいようとも、周りからは結婚が出来ないような問題があると思われる。私のせいでメーディ様の女性としての価値に傷をつけてしまった。
嫁ぎ先に婚約破棄された人がいたとしても、結婚を延期する必要はない。一~二週間は伸びても二年は長すぎる。
相手が殿下ではなく貴族なら、こうはならなかったのかも。
──メーディ様にお詫びの手紙を書かなくては。
せめて殿下が一つ上の学年だったのなら、延期は一年だけだった。
「お前達のことを考えず、アンを解放するためにさっさと手続きを終えた私の責任だ」
「違います!メーディも、あんな無能がアンの夫となることは心底嫌がっていました!破棄して当然です!!」
「メーディには明日、私から謝罪するわ」
「母上。メーディはあまり気を遣わないで欲しいと言っていました」
「でも……」
「俺と結婚出来るなら二年でも十年でも待ってくれるとも。ですから、その……」
稀に見る相思相愛っぷり。メーディ様の言伝を伝えただけなのに、思い出しただけで頭から湯気が出る。
周りからの評価など気にすることなく、いつか迎える幸せな未来に胸を踊らせていた。
──お兄様とメーディ様こそ、真実の愛と呼ぶに相応しい。
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