59 / 178
第一章
命の軽さ【シャロン】
しおりを挟む
帰りの馬車はすごく静か。
父さんが黙り込むなんて珍しい。騒がしいのは好きではないけど、静かすぎるのも嫌うのに。
帰り際、陛下へのアドバイスが余計だったかな。
別にあれは陛下のためじゃない。こっち側に引き込む布石とでも言おうか。
私の知るアリアナ・ローズなら味方となる人物は自らの手で引き入れる。私はキッカケを作ったにすぎない。
「アリアナ様に親友と認められたから、あんなことを?一歩間違えれば不敬罪に問われてもおかしくはなかっただろ」
「陛下はそこまでバカじゃない。自分の秘密を握ってる私をみすみす殺さないわ。私の死後、暴露されるかもしれないのに」
「シャロン。お前って子は……よくやった!!これで何があっても陛下が敵に回ることはない」
うちの親もアリー信者である。アリーの不利となる要因は私達が刈り取る。それで汚名を着せられても気にしない。
結果としてアリーが救われるなら、それは……とても安い対価。
たかが伯爵家の命なんて、あってないようなもの。それなら全てをアリーを捧げる。
父さんがここまで信頼を寄せるのは、失敗するはずだった事業を成功へと導いてくれたである。
失敗したところで一家全員で首をくくるわけでもなく、せいぜい社交界で後ろ指を指され笑われるだけ。
放っておいてもアリーには得も損もないのに、一生懸命考えて救ってくれた。
あの頃の私達は特別でも何でもない、ただの友達だった。
なぜアリーが助けてくれたのかはわからない。この先も聞くつもりもない。
だってそうでしょう?
大人顔負けの知識を持つアリーは、大量の資料を読み漁り、最善の策を見出した。
それは下心なんかなくて、アリーが力になりたいと思って、自らの意志でやってくれたこと。
打算でしか繋がれない貴族がほとんどなのに、アリーは利益よりも私達の地位と信用を守ってくれた。
そうでなければ父さんがあんなにも心を開くわけがない。
伯爵家当主として、人を見る目は腐っていない。
人の忠誠心とは、いつどんな風に芽生えるものかわからない。
「質問の答えだけど。覚えてる?私が誘拐された日のこと。アリーが泣いたの。何事にも動じない完璧な侯爵令嬢がよ」
だから決めた。
本当は弱くて寂しがり屋のアリーのためなら私は……。
暗部を私的に使うことはない。万が一のために切り札としてカードを手中に収めている。そのカードを使うことがないことを願う。
カードのほとんどは、その家を破滅させるには充分すぎる効果を発揮してくれる。
中からコンコンと合図を送ると馬車は結界に包まれた。張った瞬間は何回体験しても慣れない。
不快ではないけれど耳の奥がふわんってなる。
音消しの結界は聞かれては困る会話をするときに使う。あまり高度なものでもないし、練習と努力次第で誰でも使えると言う。
「王宮内で起きた第一王子襲撃事件の実行犯を探して」
私を迎えに来た男は百の顔を持つと豪語する。
どんな無理難題を頼んでも悩むことなく引き受け三日以内に成果を上げる。
「全ては我が主君の仰せのままに」
最も実力があるのが御者のふりをして私の行く先々に着いてくる暗部のリーダー、クロニア・フォルト。私はクローンと呼んでる。
何を言っても聞く耳を持たず心が折れかけたこともあった。
ポジティブという表現は間違っている。クローンは自分を罵倒するだけの言葉だとしても、私の声を聞くだけで癒しとなり疲れさえも吹っ飛ぶなんて頭のおかしなことを真顔で言ってしまう。
ある日、耐えきれずに「クローンはどうしてそんなに気持ち悪いの?」と素で聞いてしまった。もちろん返答はなかった。
私の好みを完璧に把握されるのは諦めた。私の命令に従うくせに私欲が混ざると笑顔で聞き流すだけになる。
そんなクローンがついには心を読む読心術を身に付けてしまった。解雇するか悩みはしたけど、目の届く範囲にいてくれないと胃がキリキリして痛かった。
「時にお嬢様。そろそろ俺もアカデミーに潜入してもいいですか。近くにいないと不安なもので」
「来たら許さないから」
「仮に行ったとしても教師がいち生徒を贔屓するわけにはいかんだろ」
「生徒として行きますよ?」
クローンは二十八歳のおじさんであるけど、性別も年齢も種族さえも変えられる。
学生になるなんて朝飯前。知識も申し分ないからSクラスに割り振られる。
そうなると唯一の休息の場所でも顔を合わせることになる。地獄だよ、それ。
家の中でもストーキング紛いなこともされて苛立ってるのに、日中も傍にいると考えるだけでゾッとする。
私に自由はなくなり常に視界のどこかにクローンを捉えてしまう。
気がおかしくなるどころじゃない。精神的に参る。
頼りになる利点だけでアカデミーまでついて来られたくない。
「あ!停めて。買い物あるの忘れてた」
「お供致します」
「そしたら誰が父さんを送るのよ」
「すぐ代わりを呼びます」
「クローンが帰るのよ。今すぐに」
クローンの過保護は度を越している。両親でさえ買い物に出掛けるときは見送ってくれるのに。
こうなった原因は私が誘拐されてから。人一倍責任を感じたクローンはそれ以来、陰ながら見守るようになった。
私の「大丈夫」を信用しなくなった。
クロニア・フォルトを信じなくなった。
「あの日の誘拐のことも調べてくれる」
「シャロン?」
「もしかしたら私達はとんでもない思い違いをしているのかもしれない」
侯爵と伯爵。お金になるのは侯爵家。それなのにアリーには目もくれず私を連れ去った。すぐ隣にアリーもいたのに。
目撃者であるアリーの口封じもせず、まして連れ去ることもなかった。
これは私の推測にすぎない。
犯人は本当はアリーを攫いたかった。
ではなぜ間違えたのか。
あの日、私達は互いの髪飾りを交換していた。
犯人が顔ではなく髪飾りを特徴として覚えていたとしたら?
──それだけではない。
平民を毛嫌いする第二王子の馬車を目にした。
私達は平民の下町にいたのに。
年間行事の平民への奉仕活動にさえ、何かと理由をつけて行かない第二王子がいたなんて怪しい。
見間違いじゃないのは確か。
窓から外を伺う第二王子をハッキリ見たのだから。
だからもし、もしも……誘拐を企てたのが第二王子で、偶然を装い物語の王子様のようにアリーを助け出していたら恋に落ちていたかも。
完璧な人間ほど、運命に弱かったりする。
犯人の自害も引っかかった。大金を手に入れれば豪遊の日々が待っているのに乾杯したワインに毒を入れるなんて。
犯人が死ぬことまでがシナリオだとしたら第二王子はどこまでもクズ野郎。
アリーを泣かせ傷つけた罪は重い。
「勘違いをされたくないから言うけど」
馬車を降りたタイミングでクローンは腕を引いて息が交わるほど顔を近づけてきた。
薄い紫の瞳はいつもどんなときも私から逸れたことはない。映さない日なんてないんだ。
父さんの殺気に気付いているくせに距離を取らないどころか額をコツンと当てたきた。
いつの間にか結界が二重に張られている。目眩しの結界のおかげで外からは何も見えない。
男女の関係を持つならあの二人も結界を作れる人を仲間にしておくべきだった。ま、それでもクローンにかかれば証拠の映像なんて撮り放題だけど。
「俺がアリアナお嬢様を気にかけるのはお嬢様の命令だからだ。俺の命も時間も全てシャロンお嬢様のためだけに存在する」
「それはありがとう。今すぐどいて。邪魔よ」
「優先すべきはお嬢様だけだ。それだけは忘れないでくれ」
ハッキリと断言されると私も困るんだけど。
アリーと私の命が危機に晒される場面では私を助ける。
私がどれだけ命令しても、躊躇いなくアリーを切り捨ててしまう。
その行為で私に恨まれるとしても。
クローンにとって私の命より守るべきものはない。
「それと父さん。見つけたよ。彼女の指を切らせた薄汚い貴族を」
「その犯人はどうするつもりだ」
「今はまだ動く時期じゃない。大丈夫。同じ痛みは味合わせるから」
貧しくも懸命に生きる子供から奪った普通の未来。その代償は安っぽい謝罪だけでは済まない。
父さんが黙り込むなんて珍しい。騒がしいのは好きではないけど、静かすぎるのも嫌うのに。
帰り際、陛下へのアドバイスが余計だったかな。
別にあれは陛下のためじゃない。こっち側に引き込む布石とでも言おうか。
私の知るアリアナ・ローズなら味方となる人物は自らの手で引き入れる。私はキッカケを作ったにすぎない。
「アリアナ様に親友と認められたから、あんなことを?一歩間違えれば不敬罪に問われてもおかしくはなかっただろ」
「陛下はそこまでバカじゃない。自分の秘密を握ってる私をみすみす殺さないわ。私の死後、暴露されるかもしれないのに」
「シャロン。お前って子は……よくやった!!これで何があっても陛下が敵に回ることはない」
うちの親もアリー信者である。アリーの不利となる要因は私達が刈り取る。それで汚名を着せられても気にしない。
結果としてアリーが救われるなら、それは……とても安い対価。
たかが伯爵家の命なんて、あってないようなもの。それなら全てをアリーを捧げる。
父さんがここまで信頼を寄せるのは、失敗するはずだった事業を成功へと導いてくれたである。
失敗したところで一家全員で首をくくるわけでもなく、せいぜい社交界で後ろ指を指され笑われるだけ。
放っておいてもアリーには得も損もないのに、一生懸命考えて救ってくれた。
あの頃の私達は特別でも何でもない、ただの友達だった。
なぜアリーが助けてくれたのかはわからない。この先も聞くつもりもない。
だってそうでしょう?
大人顔負けの知識を持つアリーは、大量の資料を読み漁り、最善の策を見出した。
それは下心なんかなくて、アリーが力になりたいと思って、自らの意志でやってくれたこと。
打算でしか繋がれない貴族がほとんどなのに、アリーは利益よりも私達の地位と信用を守ってくれた。
そうでなければ父さんがあんなにも心を開くわけがない。
伯爵家当主として、人を見る目は腐っていない。
人の忠誠心とは、いつどんな風に芽生えるものかわからない。
「質問の答えだけど。覚えてる?私が誘拐された日のこと。アリーが泣いたの。何事にも動じない完璧な侯爵令嬢がよ」
だから決めた。
本当は弱くて寂しがり屋のアリーのためなら私は……。
暗部を私的に使うことはない。万が一のために切り札としてカードを手中に収めている。そのカードを使うことがないことを願う。
カードのほとんどは、その家を破滅させるには充分すぎる効果を発揮してくれる。
中からコンコンと合図を送ると馬車は結界に包まれた。張った瞬間は何回体験しても慣れない。
不快ではないけれど耳の奥がふわんってなる。
音消しの結界は聞かれては困る会話をするときに使う。あまり高度なものでもないし、練習と努力次第で誰でも使えると言う。
「王宮内で起きた第一王子襲撃事件の実行犯を探して」
私を迎えに来た男は百の顔を持つと豪語する。
どんな無理難題を頼んでも悩むことなく引き受け三日以内に成果を上げる。
「全ては我が主君の仰せのままに」
最も実力があるのが御者のふりをして私の行く先々に着いてくる暗部のリーダー、クロニア・フォルト。私はクローンと呼んでる。
何を言っても聞く耳を持たず心が折れかけたこともあった。
ポジティブという表現は間違っている。クローンは自分を罵倒するだけの言葉だとしても、私の声を聞くだけで癒しとなり疲れさえも吹っ飛ぶなんて頭のおかしなことを真顔で言ってしまう。
ある日、耐えきれずに「クローンはどうしてそんなに気持ち悪いの?」と素で聞いてしまった。もちろん返答はなかった。
私の好みを完璧に把握されるのは諦めた。私の命令に従うくせに私欲が混ざると笑顔で聞き流すだけになる。
そんなクローンがついには心を読む読心術を身に付けてしまった。解雇するか悩みはしたけど、目の届く範囲にいてくれないと胃がキリキリして痛かった。
「時にお嬢様。そろそろ俺もアカデミーに潜入してもいいですか。近くにいないと不安なもので」
「来たら許さないから」
「仮に行ったとしても教師がいち生徒を贔屓するわけにはいかんだろ」
「生徒として行きますよ?」
クローンは二十八歳のおじさんであるけど、性別も年齢も種族さえも変えられる。
学生になるなんて朝飯前。知識も申し分ないからSクラスに割り振られる。
そうなると唯一の休息の場所でも顔を合わせることになる。地獄だよ、それ。
家の中でもストーキング紛いなこともされて苛立ってるのに、日中も傍にいると考えるだけでゾッとする。
私に自由はなくなり常に視界のどこかにクローンを捉えてしまう。
気がおかしくなるどころじゃない。精神的に参る。
頼りになる利点だけでアカデミーまでついて来られたくない。
「あ!停めて。買い物あるの忘れてた」
「お供致します」
「そしたら誰が父さんを送るのよ」
「すぐ代わりを呼びます」
「クローンが帰るのよ。今すぐに」
クローンの過保護は度を越している。両親でさえ買い物に出掛けるときは見送ってくれるのに。
こうなった原因は私が誘拐されてから。人一倍責任を感じたクローンはそれ以来、陰ながら見守るようになった。
私の「大丈夫」を信用しなくなった。
クロニア・フォルトを信じなくなった。
「あの日の誘拐のことも調べてくれる」
「シャロン?」
「もしかしたら私達はとんでもない思い違いをしているのかもしれない」
侯爵と伯爵。お金になるのは侯爵家。それなのにアリーには目もくれず私を連れ去った。すぐ隣にアリーもいたのに。
目撃者であるアリーの口封じもせず、まして連れ去ることもなかった。
これは私の推測にすぎない。
犯人は本当はアリーを攫いたかった。
ではなぜ間違えたのか。
あの日、私達は互いの髪飾りを交換していた。
犯人が顔ではなく髪飾りを特徴として覚えていたとしたら?
──それだけではない。
平民を毛嫌いする第二王子の馬車を目にした。
私達は平民の下町にいたのに。
年間行事の平民への奉仕活動にさえ、何かと理由をつけて行かない第二王子がいたなんて怪しい。
見間違いじゃないのは確か。
窓から外を伺う第二王子をハッキリ見たのだから。
だからもし、もしも……誘拐を企てたのが第二王子で、偶然を装い物語の王子様のようにアリーを助け出していたら恋に落ちていたかも。
完璧な人間ほど、運命に弱かったりする。
犯人の自害も引っかかった。大金を手に入れれば豪遊の日々が待っているのに乾杯したワインに毒を入れるなんて。
犯人が死ぬことまでがシナリオだとしたら第二王子はどこまでもクズ野郎。
アリーを泣かせ傷つけた罪は重い。
「勘違いをされたくないから言うけど」
馬車を降りたタイミングでクローンは腕を引いて息が交わるほど顔を近づけてきた。
薄い紫の瞳はいつもどんなときも私から逸れたことはない。映さない日なんてないんだ。
父さんの殺気に気付いているくせに距離を取らないどころか額をコツンと当てたきた。
いつの間にか結界が二重に張られている。目眩しの結界のおかげで外からは何も見えない。
男女の関係を持つならあの二人も結界を作れる人を仲間にしておくべきだった。ま、それでもクローンにかかれば証拠の映像なんて撮り放題だけど。
「俺がアリアナお嬢様を気にかけるのはお嬢様の命令だからだ。俺の命も時間も全てシャロンお嬢様のためだけに存在する」
「それはありがとう。今すぐどいて。邪魔よ」
「優先すべきはお嬢様だけだ。それだけは忘れないでくれ」
ハッキリと断言されると私も困るんだけど。
アリーと私の命が危機に晒される場面では私を助ける。
私がどれだけ命令しても、躊躇いなくアリーを切り捨ててしまう。
その行為で私に恨まれるとしても。
クローンにとって私の命より守るべきものはない。
「それと父さん。見つけたよ。彼女の指を切らせた薄汚い貴族を」
「その犯人はどうするつもりだ」
「今はまだ動く時期じゃない。大丈夫。同じ痛みは味合わせるから」
貧しくも懸命に生きる子供から奪った普通の未来。その代償は安っぽい謝罪だけでは済まない。
304
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~
桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜
★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました!
10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。
現在コミカライズも進行中です。
「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」
コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。
しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。
愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。
だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。
どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。
もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。
※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!)
独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。
※誤字脱字報告もありがとうございます!
こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】広間でドレスを脱ぎ捨てた公爵令嬢は優しい香りに包まれる【短編】
青波鳩子
恋愛
シャーリー・フォークナー公爵令嬢は、この国の第一王子であり婚約者であるゼブロン・メルレアンに呼び出されていた。
婚約破棄は皆の総意だと言われたシャーリーは、ゼブロンの友人たちの総意では受け入れられないと、王宮で働く者たちの意見を集めて欲しいと言う。
そんなことを言いだすシャーリーを小馬鹿にするゼブロンと取り巻きの生徒会役員たち。
それで納得してくれるのならと卒業パーティ会場から王宮へ向かう。
ゼブロンは自分が住まう王宮で集めた意見が自分と食い違っていることに茫然とする。
*別サイトにアップ済みで、加筆改稿しています。
*約2万字の短編です。
*完結しています。
*11月8日22時に1、2、3話、11月9日10時に4、5、最終話を投稿します。
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる