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「その奥さんがご主人の浮気を許している理由。そこには奇妙な夫婦愛があった」
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私には、年の離れた友人夫婦がいる。
すでに還暦は過ぎているが、仲睦(なかむつ)まじく、私たち夫婦の前でも手を握り合ったり、時にはキスすることもある。
いたずら心から、奥さんと二人の折、妻が「週に何回くらいしてるんですか?」と直截的な質問をしたことがあった。奥さんは、笑いながら、「たくさん愛してくれるの」と答えたそうだ。具体的な回数が知りたかったが、それ以上は聞けなかった。
私は、友人夫婦の共通の知人から、ご主人には、大勢の浮気相手がいることも聞いていた。それは事実で、何人かは私も知っていた。それでも、奥さんを満足させていることを、私はある意味、尊敬していた。
しかし、自らに照らし合わせると、妻は絶対私を許すはずがなかった。
ある日、機会があって、妻が奥さんに聞いた。
「旦那さんの浮気をなぜ許しているんですか?」と。
奥さんは、当たり前のように、「分からないでしょうね。私とあの人とは離れられない関係なの」と。それから長い身の上話が続いたそうだ。
《奥さんの話を要約すると、次のようになる。
昔、奥さんは地方の名士の家に生まれたが、親に反発して家出、たまたま知り合った男にヤクザに売られ、日本海沿いの温泉街で買春をさせられていた。
自殺さえ考えていた折に、たまたま現在のご主人と出会い、その絶望的な状況から救い出してくれた。当時、刃傷沙汰(にんじょうざた)になり、ご主人は背中をナイフで刺されていた。
結局は金銭で話をつけることになったが、そこまでして助けた奥さんを束縛したわけではない。「確かな男を見つけて家庭を持て」と告げたそうだ》
「それ以来、私は主人とは離れられないの」。
この夫婦にとってセックスなど、ささいな出来事に過ぎなかったのだ。
そういえば、一緒に温泉に入った際、ご主人の背中に大きな傷あった。その傷の謂れを尋ねた際、「ヤクザに刺された」と聞いていた。冗談だろうと、その時は笑って済ませたが、改めてご主人を見ると、小さな体躯(たいく)が、何倍にも大きく感じられた。
すでに還暦は過ぎているが、仲睦(なかむつ)まじく、私たち夫婦の前でも手を握り合ったり、時にはキスすることもある。
いたずら心から、奥さんと二人の折、妻が「週に何回くらいしてるんですか?」と直截的な質問をしたことがあった。奥さんは、笑いながら、「たくさん愛してくれるの」と答えたそうだ。具体的な回数が知りたかったが、それ以上は聞けなかった。
私は、友人夫婦の共通の知人から、ご主人には、大勢の浮気相手がいることも聞いていた。それは事実で、何人かは私も知っていた。それでも、奥さんを満足させていることを、私はある意味、尊敬していた。
しかし、自らに照らし合わせると、妻は絶対私を許すはずがなかった。
ある日、機会があって、妻が奥さんに聞いた。
「旦那さんの浮気をなぜ許しているんですか?」と。
奥さんは、当たり前のように、「分からないでしょうね。私とあの人とは離れられない関係なの」と。それから長い身の上話が続いたそうだ。
《奥さんの話を要約すると、次のようになる。
昔、奥さんは地方の名士の家に生まれたが、親に反発して家出、たまたま知り合った男にヤクザに売られ、日本海沿いの温泉街で買春をさせられていた。
自殺さえ考えていた折に、たまたま現在のご主人と出会い、その絶望的な状況から救い出してくれた。当時、刃傷沙汰(にんじょうざた)になり、ご主人は背中をナイフで刺されていた。
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