11 / 30
カラスの錯乱
しおりを挟む
「おーい、麻里子ちゃーん」
朝六時、夫と陽介が仕事に行く前の朝シャンを浴びている。ちゃんづけで私を呼ぶ時には、必ず良からぬ企みのある時だった。フリーのグラフィックデザイナーという仕事がら、朝は比較的時間に余裕があるため、陽介の甘え声にはできるだけ応じることにしていた。
パジャマのまま浴室のドアを開くと、シャワーを終えた状態で、全裸のままバスタブのヘリに大きく股を開き座ってる陽介の姿があった。
「スッキリさせて」
やんちゃ坊主のような眼差しで麻里子を見つめると、少し膨らみかけているペニスをゆっくりとしごいていた。その姿を目にした麻里子は、パジャマを脱ぎ下着姿になると、仕方がないという表情で、陽介の股間の前で腰を下ろした。
陽介が口元にペニスを突き出すと、麻里子は半ダチの肉茎を握りしめると、鈴口から分泌物が滲み出している亀頭をパクリと口に咥えた。
陽介には、麻里子が知っている男たちとは少し異なる性癖があった。毎朝仕事に出かける前に性欲が昂まるらしく、必ず麻里子の口内での射精を求めた。結婚当初は、その性癖を麻里子に知られ、嫌われることを恐れて、シャワーを浴びている時、マスターベーションで欲求を解消していたらしい。
ところが、ある日、シャワーの最中に現れた麻里子とセックスすることになり、たまたま射精寸前にペニスを咥えることがあって、現在の営みが常態化してしまったのだった。麻里子にとって、精液を口にして嚥下することは、それほど嫌なことではなかった。もちろん美味なわけではなかった。何番目かに付き合った男がフェラチオマニアで、慣らされたと言うこともあるが、陽介の喜ぶ姿を見るのがしあわせだった。夫はエネルギッシュで、性欲が人並み以上に強かった。朝、射精したからといって終わりではなく、今夜も自分に挑んでくることは確かだった。
麻里子が肉茎を強弱をつけて扱きながら、亀頭の窪みや裏筋を巧みに舌で刺激すると、喉奥目掛けて陽介は白濁液を噴射させていた。陽介の射精は、間歇泉が噴出するように幾度か続いた。麻里子は、夫が陶酔状態から覚めるまで、口内に白濁液をかかえたままじっと待っていた。これも愛情表現の一つと感じていた。陽介は、そんな麻里子の心遣いよく知っていて必ず、「ありがとう」と言いながら頬にキスをした。
そのキスが合図のように、麻里子は口中の白濁液を喉を鳴らして嚥下した。麻里子はそのまま立ち上がり、陽介と抱き合うと、「行ってらっしゃい」と笑みを浮かべた。
その時、浴室の窓の向こうにある塀の上に、羽音を立てて一羽のカラスが飛来した。
「カラスに見られちゃったね」
麻里子が笑いながら、陽介の顔を愛おしそうに見つめた時、もう一羽カラスが舞い降り、先ほどのカラスの隣に寄り添うように留まった。
「夫婦かな?多分、夫婦だね。中良さそうだ。知ってる?カラスって、一度連れ添うと死ぬまで夫婦なんだよ」
「そうなの。知らなかった。私たちも、あのカラスのようにいつまでも仲良くいましょうね」
カラスたちに改めて目をやると、何かを話しているようだった。麻里子たちのことを話題にしているように見えた。
それから半年ほど経った頃、浴室の掃除をしていると、窓の向こうの塀の上にカラスの夫婦を見つけた。
そう言えば、あれだけ頻繁にあった陽介の恒例の営みも、日を経るごとに数を減らし、この一週間は「麻里子ちゃーん」という、陽介の猫撫で声を聞いていなかった。
陽介が自分に飽きてしまったのかと思った。しかし、そうではないと感じていた。夜の営みは回数を減らすことなく、相変わらず毎夜、快感のため失神するほどの陶酔を味わっていたからだった。
しかし、なぜ毎朝の習慣があっさりと消滅したのか気になっていた。性癖が要因の習慣が簡単に消滅するはずがないからだ。それに、最近の陽介は一時間ほど早く出社するようになっていた。新しいプロジェクトの責任者になったためらしいが、どこか可笑しいと感じていた。
朝六時、夫と陽介が仕事に行く前の朝シャンを浴びている。ちゃんづけで私を呼ぶ時には、必ず良からぬ企みのある時だった。フリーのグラフィックデザイナーという仕事がら、朝は比較的時間に余裕があるため、陽介の甘え声にはできるだけ応じることにしていた。
パジャマのまま浴室のドアを開くと、シャワーを終えた状態で、全裸のままバスタブのヘリに大きく股を開き座ってる陽介の姿があった。
「スッキリさせて」
やんちゃ坊主のような眼差しで麻里子を見つめると、少し膨らみかけているペニスをゆっくりとしごいていた。その姿を目にした麻里子は、パジャマを脱ぎ下着姿になると、仕方がないという表情で、陽介の股間の前で腰を下ろした。
陽介が口元にペニスを突き出すと、麻里子は半ダチの肉茎を握りしめると、鈴口から分泌物が滲み出している亀頭をパクリと口に咥えた。
陽介には、麻里子が知っている男たちとは少し異なる性癖があった。毎朝仕事に出かける前に性欲が昂まるらしく、必ず麻里子の口内での射精を求めた。結婚当初は、その性癖を麻里子に知られ、嫌われることを恐れて、シャワーを浴びている時、マスターベーションで欲求を解消していたらしい。
ところが、ある日、シャワーの最中に現れた麻里子とセックスすることになり、たまたま射精寸前にペニスを咥えることがあって、現在の営みが常態化してしまったのだった。麻里子にとって、精液を口にして嚥下することは、それほど嫌なことではなかった。もちろん美味なわけではなかった。何番目かに付き合った男がフェラチオマニアで、慣らされたと言うこともあるが、陽介の喜ぶ姿を見るのがしあわせだった。夫はエネルギッシュで、性欲が人並み以上に強かった。朝、射精したからといって終わりではなく、今夜も自分に挑んでくることは確かだった。
麻里子が肉茎を強弱をつけて扱きながら、亀頭の窪みや裏筋を巧みに舌で刺激すると、喉奥目掛けて陽介は白濁液を噴射させていた。陽介の射精は、間歇泉が噴出するように幾度か続いた。麻里子は、夫が陶酔状態から覚めるまで、口内に白濁液をかかえたままじっと待っていた。これも愛情表現の一つと感じていた。陽介は、そんな麻里子の心遣いよく知っていて必ず、「ありがとう」と言いながら頬にキスをした。
そのキスが合図のように、麻里子は口中の白濁液を喉を鳴らして嚥下した。麻里子はそのまま立ち上がり、陽介と抱き合うと、「行ってらっしゃい」と笑みを浮かべた。
その時、浴室の窓の向こうにある塀の上に、羽音を立てて一羽のカラスが飛来した。
「カラスに見られちゃったね」
麻里子が笑いながら、陽介の顔を愛おしそうに見つめた時、もう一羽カラスが舞い降り、先ほどのカラスの隣に寄り添うように留まった。
「夫婦かな?多分、夫婦だね。中良さそうだ。知ってる?カラスって、一度連れ添うと死ぬまで夫婦なんだよ」
「そうなの。知らなかった。私たちも、あのカラスのようにいつまでも仲良くいましょうね」
カラスたちに改めて目をやると、何かを話しているようだった。麻里子たちのことを話題にしているように見えた。
それから半年ほど経った頃、浴室の掃除をしていると、窓の向こうの塀の上にカラスの夫婦を見つけた。
そう言えば、あれだけ頻繁にあった陽介の恒例の営みも、日を経るごとに数を減らし、この一週間は「麻里子ちゃーん」という、陽介の猫撫で声を聞いていなかった。
陽介が自分に飽きてしまったのかと思った。しかし、そうではないと感じていた。夜の営みは回数を減らすことなく、相変わらず毎夜、快感のため失神するほどの陶酔を味わっていたからだった。
しかし、なぜ毎朝の習慣があっさりと消滅したのか気になっていた。性癖が要因の習慣が簡単に消滅するはずがないからだ。それに、最近の陽介は一時間ほど早く出社するようになっていた。新しいプロジェクトの責任者になったためらしいが、どこか可笑しいと感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる