6 / 6
×6
しおりを挟む
「……ねー、そろそろ起きてよー」
俺と香菜子の子は無事産まれた。
男の子、だった。
産まれてすぐ、恐る恐る話かけてみたらしいが……
子の中には、双葉は、居なかった。
「ねーってばー、折角の休みなんだしどこか連れて行ってよ~!」
其れならば、まだ香菜子の中に留まっているのか?
……
だが、俺達の子が産まれた瞬間から……
……香菜子の中から、双葉は、消えた。
……
……
香菜子は取り乱し、私の考えなしの行動が結局双葉ちゃんを消してしまったと慟哭した。
俺はそんな香菜子を抱きしめ、そんな事は無い、これはそういう「宿命」だったんだ……どのみち俺と香菜子が普通に結婚し、女の子が産まれていても、多分双葉は……。
……
……
……
其れから12年の月日が流れ、俺と香菜子は30代、俺達の息子は12才となっていた……そして……
「これか~、この布団が悪いのか~! ……せ~のっ、えいっ!」
「ふごわっ!!」
ドッベシャ~ン! 思いっきり布団を引っぺがされ、ベッドの下に転がり落ちる俺。すわ一体何がっ! ……きょろきょろするパジャマ姿の俺の前に立つのは……。
「お兄ちゃん、やっと起きたっ! さっ、早速行きましょっ!!」
「あ~! 又とうさんの寝室に来やがって!! いい加減にしやがれ!!」
「っつ~~~……ど、どこにですかっ!」
「キャハハハハッ! 何その敬語っ♪ 寝惚けたお兄ちゃん面白~い♪」
「……全く、いっつも急に遊びに来ては兄さんにべったりなんだから……」
……其処には12歳・小学六年生になった双葉がいた……
「だってかな姉、お父さんお母さんも、この身体のお父さんお母さんも、もぅ足がとか腰がとか言いだして遊んでくれないんだも~ん!」
いや、正確には、
俺と香菜子の息子と同時期に、
香菜子の両親が産んだ女の子に入った双葉だ。
……ややこしい……つまり今の双葉は俺の妹でもあり、香菜子の妹、にもなったのだ。
香菜子は一人っ子で、両親は若く、元々香菜子に兄弟姉妹を作りたかったらしいが、娘の妊娠を知って発奮してしまったらしい。
勿論香菜子の妹としての人格も存在する……其方は香菜子の妹らしく大人しいんだけどなぁ。
「ま、これで私もかな姉と同じ様に、兄さんのぶんし~んとも結婚出来る訳で、これはこれでハッピーエンドでしょ?」
「何言ってやがるこのエロ小学生!!」
「誰が分身だ! それにお前なんかとケッコンするかよ!!」
「そうよ双葉ちゃん、そういうのはギリギリまで言わずに、私が兄さんとシたようにギリギリで押し倒すのよ!!」
……何だこのカオスエクスプロージョン。
双葉は相変わらず、ニシシッ、っと笑っていた。
俺と香菜子の子は無事産まれた。
男の子、だった。
産まれてすぐ、恐る恐る話かけてみたらしいが……
子の中には、双葉は、居なかった。
「ねーってばー、折角の休みなんだしどこか連れて行ってよ~!」
其れならば、まだ香菜子の中に留まっているのか?
……
だが、俺達の子が産まれた瞬間から……
……香菜子の中から、双葉は、消えた。
……
……
香菜子は取り乱し、私の考えなしの行動が結局双葉ちゃんを消してしまったと慟哭した。
俺はそんな香菜子を抱きしめ、そんな事は無い、これはそういう「宿命」だったんだ……どのみち俺と香菜子が普通に結婚し、女の子が産まれていても、多分双葉は……。
……
……
……
其れから12年の月日が流れ、俺と香菜子は30代、俺達の息子は12才となっていた……そして……
「これか~、この布団が悪いのか~! ……せ~のっ、えいっ!」
「ふごわっ!!」
ドッベシャ~ン! 思いっきり布団を引っぺがされ、ベッドの下に転がり落ちる俺。すわ一体何がっ! ……きょろきょろするパジャマ姿の俺の前に立つのは……。
「お兄ちゃん、やっと起きたっ! さっ、早速行きましょっ!!」
「あ~! 又とうさんの寝室に来やがって!! いい加減にしやがれ!!」
「っつ~~~……ど、どこにですかっ!」
「キャハハハハッ! 何その敬語っ♪ 寝惚けたお兄ちゃん面白~い♪」
「……全く、いっつも急に遊びに来ては兄さんにべったりなんだから……」
……其処には12歳・小学六年生になった双葉がいた……
「だってかな姉、お父さんお母さんも、この身体のお父さんお母さんも、もぅ足がとか腰がとか言いだして遊んでくれないんだも~ん!」
いや、正確には、
俺と香菜子の息子と同時期に、
香菜子の両親が産んだ女の子に入った双葉だ。
……ややこしい……つまり今の双葉は俺の妹でもあり、香菜子の妹、にもなったのだ。
香菜子は一人っ子で、両親は若く、元々香菜子に兄弟姉妹を作りたかったらしいが、娘の妊娠を知って発奮してしまったらしい。
勿論香菜子の妹としての人格も存在する……其方は香菜子の妹らしく大人しいんだけどなぁ。
「ま、これで私もかな姉と同じ様に、兄さんのぶんし~んとも結婚出来る訳で、これはこれでハッピーエンドでしょ?」
「何言ってやがるこのエロ小学生!!」
「誰が分身だ! それにお前なんかとケッコンするかよ!!」
「そうよ双葉ちゃん、そういうのはギリギリまで言わずに、私が兄さんとシたようにギリギリで押し倒すのよ!!」
……何だこのカオスエクスプロージョン。
双葉は相変わらず、ニシシッ、っと笑っていた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
王国の女王即位を巡るレイラとカンナの双子王女姉妹バトル
ヒロワークス
ファンタジー
豊かな大国アピル国の国王は、自らの跡継ぎに悩んでいた。長男がおらず、2人の双子姉妹しかいないからだ。
しかも、その双子姉妹レイラとカンナは、2人とも王妃の美貌を引き継ぎ、学問にも武術にも優れている。
甲乙つけがたい実力を持つ2人に、国王は、相談してどちらが女王になるか決めるよう命じる。
2人の相談は決裂し、体を使った激しいバトルで決着を図ろうとするのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる