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第十一節気 小暑
初候――温風至(あつかぜいたる)
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「なんや、うちのがすっかり世話になってもうたみたいで、すみませんなぁ」
「あぁ、いえいえ」
玄関先で頭を下げるのは、雨降小次郎の保護者だという初老の女性だ。
雨師と名乗っているが、本当なら雨の神さまということか。そろそろ梅雨明け時期ということで、梅雨仕舞い支度を兼ねて、門下の小次郎が世話になったこの家に挨拶に来たらしい。暁治には、どんな支度をするのかはさっぱりだが。
「そうそう、全然気にしなくていいよぉ」
「暁治はそれくらい気にしないにゃ!」
いや、お前らは少しくらい気にしろよと思う。
暁治は後ろからはやし立てる二人を睨んだが、まったく堪える様子を見せない。なんてずうずうしいやつらだろう。
猫屋喜一が家の前に現れた日から、「暁治は寂しがりやだからしょうがないにゃぁ」と言って、なぜか家に居ついてしまったのだ。
半居候どころではない、居候だ。
そうなると黙っていられないのか、半居候までもが居候宣言したのが先週のこと。
暁治は謹んでご辞退申し上げるとともに、文字通り家から蹴り出した。
「はるの意地悪っ、差別だ!」
いや、区別だろ。
聞けばキイチは普段、野良猫に混じって生活しているとかで、ちゃんと帰る場所のある朱嶺とは違うようだし。もふもふだし。
変化を解いて猫の姿を見せてもらった暁治は、懐かしい猫の姿に彼のことを信じないわけにはいかなくなった。もふもふだし。
「もふもふの毛皮ではるを誑かしたなっ」
「知らないにゃ」
つーんっと、キイチは横を向く。ここのところずっとこの調子だ。彼らが大人しくなるのはご飯どきくらいのもの。
そして飯どきとなると、最近ご近所さんがちょこちょこ現れるようになった。雨降小次郎もその一人で、たまに、いやしょっ中飯を食べに来る。
「ほなら、帰ろうか」
そんなわけで、雨師が暁治の家に挨拶に来るのも道理であった。
「え、でもお師さん、今日はちょっと」
雨師が来て喜んでいた小次郎だが、帰ろうと言われて言い淀む。
「どうかしたん?」
「小次郎、雨師さまのお迎えが不満か」
雨師の両脇に立っていた二人の男の片割れが、重々しい声音で尋ねてくる。確か白南風 《しろはえ》と名乗った方だろうか。もう片方は黒南風 《くろはえ》で、聞いた字面からして風の神さまかもしれない。どちらも背が高く、並んで立つと門柱のようだ。
「いや、そうやないんやけど、今日はたけのこやから」
「たけのこ?」
「今日の晩ご飯だよ!」
首をひねる雨師たちに、朱嶺が心得たように答える。が、ますます疑問に思ったのか、訝しそうな顔をされた。
「この時期に、ですか?」
「あぁ、それはですね」
以前ご近所に住む石蕗に、たけのこを貰ったことがあるのだが、たけのこご飯や筑前煮にして色々食べたところ、宮古先生はたけのこが好物という噂がご近所さん中に飛び交ったらしい。気づけばたけのこのお裾分けが山となっていた。
この地域、プライバシーの垣根はほぼゼロである。
とはいえ捨てるなんてもったいないと、すべて下茹でして食べきれない分は冷凍保存。かくして宮古家ではここのところ定期的に、たけのこご飯の日が開催されていた。エンドウ豆とたけのこで埋まっていた冷凍庫、突き崩すまであと少し。
「えと、よかったら食べていかれます?」
なんとなく気まずい雰囲気の中、思わずそう提案してしまう暁治だ。
「でも、ご迷惑やあらしまへんか?」
おっとりとした風情の雨師は、口元に手を当てると、そっと暁治の方を見る。
「いえ、問題ありませんよ。どうせこいつらの分も作るし、あなた方が増えるくらい大したことないですよ」
むしろ高校男子の食欲に比べれば、成人が三人増える程度など些細なものだろう。暁治は最近炊飯器を買い替えた。料理屋並みの、一升炊きの大きなジャーだ。
薄給教師泣かせではあるが、少し前たまたま買った宝くじが当たったので、奮発してしまった。最近、ちょっとツイてる気がする暁治である。その分エンゲル係数がかさんでトントンなのは泣けてくるのだが。
今まであった三合用の炊飯器はというと、炊飯器レシピの活用をさせてもらっている。最近ますます料理の腕を上げた自覚はあるが、これはたぶんいいことなのだ。暁治は、ポジティブシンキングを信条としていた。
そんなことがあってから数日。今日は梅雨明けの見事な青い空である。成人男性とはいえ、初老の女性はともかく、大男二人の食欲を甘く見ていた暁治は、あの後追加で米を炊くことになった。
考えればおかずは味噌汁と、最近色々作るのに凝っているお漬物だけ。ご飯が進むわけである。
みんな喜んでいたので、いいのだが。
バスを降り、ガラガラと音が鳴るカートを引く。カートには大きな米袋がふたつ。田中先生の実家が米農家らしく、日々上がるエンゲル係数に弱音を吐いたら、持って帰れと差し入れてくれたのだ。田舎は人の優しさでできている。
そういえば、ここのところ食材を買った記憶がない。ご近所さんたちが宮古先生どうですか? と、祖父のように呼んで色々差し入れてくれるのだ。
たまにご近所さんが混ざる夕飯も、一品二品とおもたせが追加されるのでありがたい。昨日は石蕗が桃を持ってきてくれて、桃が懐いて大変だった。そつがない彼は、幼女キラーの素質がありそうだ。そのうちお嬢さんをくださいとか言われたら、受けて立つ準備はできている。
「重い……」
砂利道でカートはきつい。今日はキイチは委員会、朱嶺は朝から見かけない。肝心なときにいない居候どもめと思いつつ、もう米がないから今日持って帰るのだと無理してしまった。
やはり車で送って貰えばよかったと、今になって後悔する。バス停から家までそんなにかからないし、カートもあるし大丈夫と、大見得を切るのではなかった。
ふぅ、と、息をつく。家まであと少しだ。
足を止めると、流れる汗をハンカチで拭う。じりじりとした夏を感じさせる陽差しとは裏腹に、風はまだひんやりしている。これから暑さも増すだろうけれど、まださやさやと道端の草をなでる風が心地よい。
バサリ、と、羽音がした。
目の前を横切った黒い影は、烏だろうか。
夕方にはまだ早い、夏の陽はまだ斜陽と呼べるほど低くはない。
そういえば、夕暮れの時刻はたそがれどきともいうのだと、知ったのは祖父の言葉だったろうか。
会う人の顔がぼんやりとして、相手の顔がよく見えなくなるのだと。誰そ彼と呼びかけるから、たそがれどきというのだと。
「逢う魔がどきともいうんだよ」
祖父の声が聞こえた気がした。
確かに魔物や妖怪に出会っても、薄闇の中ではわからないだろう。
そう思い、顔を上げた暁治は、自分の家の前に人影を見た。
一瞬キイチか朱嶺かと思ったが、日暮の中に浮かぶのは、漆黒の髪。量が多めのぼさっとした前髪から覗くのは、眼光鋭い切れ長の瞳。
白い着物の上から黒い上着を羽織り、足元はゆったりとした黒袴を膝下で絞ったもの。足元は脚絆と呼ばれるものだったか。
胸元には縦にぼんぼりがふたつ。左右についている。頭には黒い小さな丸い帽子のようなものを着け、手には長い杖。先には丸い輪っかがいくつかついていた。
確かこれは、山伏の服装ではないだろうか。コスプレにしては、田舎町にしっくりと馴染んでいるけれど。
少々じっと見過ぎてしまったようだ。暁治の視線に気づいた山伏は、こちらに視線を向ける。手にした錫杖が、しゃらりと鳴った。正面から対峙して気づいたのは、まだ幼さの残る少年だということ。
「失礼ながら、はる殿とお見受けする」
「へ?」
いきなり呼ばれて、間抜けな声が出た。
「貴殿に恨みはござらぬこともないが、お覚悟!!」
かけ声とともに飛ぶように近づかれ、振り上げられる錫杖。なにがなにやらわからぬままに、暁治の意識はフェードアウトした。
「あぁ、いえいえ」
玄関先で頭を下げるのは、雨降小次郎の保護者だという初老の女性だ。
雨師と名乗っているが、本当なら雨の神さまということか。そろそろ梅雨明け時期ということで、梅雨仕舞い支度を兼ねて、門下の小次郎が世話になったこの家に挨拶に来たらしい。暁治には、どんな支度をするのかはさっぱりだが。
「そうそう、全然気にしなくていいよぉ」
「暁治はそれくらい気にしないにゃ!」
いや、お前らは少しくらい気にしろよと思う。
暁治は後ろからはやし立てる二人を睨んだが、まったく堪える様子を見せない。なんてずうずうしいやつらだろう。
猫屋喜一が家の前に現れた日から、「暁治は寂しがりやだからしょうがないにゃぁ」と言って、なぜか家に居ついてしまったのだ。
半居候どころではない、居候だ。
そうなると黙っていられないのか、半居候までもが居候宣言したのが先週のこと。
暁治は謹んでご辞退申し上げるとともに、文字通り家から蹴り出した。
「はるの意地悪っ、差別だ!」
いや、区別だろ。
聞けばキイチは普段、野良猫に混じって生活しているとかで、ちゃんと帰る場所のある朱嶺とは違うようだし。もふもふだし。
変化を解いて猫の姿を見せてもらった暁治は、懐かしい猫の姿に彼のことを信じないわけにはいかなくなった。もふもふだし。
「もふもふの毛皮ではるを誑かしたなっ」
「知らないにゃ」
つーんっと、キイチは横を向く。ここのところずっとこの調子だ。彼らが大人しくなるのはご飯どきくらいのもの。
そして飯どきとなると、最近ご近所さんがちょこちょこ現れるようになった。雨降小次郎もその一人で、たまに、いやしょっ中飯を食べに来る。
「ほなら、帰ろうか」
そんなわけで、雨師が暁治の家に挨拶に来るのも道理であった。
「え、でもお師さん、今日はちょっと」
雨師が来て喜んでいた小次郎だが、帰ろうと言われて言い淀む。
「どうかしたん?」
「小次郎、雨師さまのお迎えが不満か」
雨師の両脇に立っていた二人の男の片割れが、重々しい声音で尋ねてくる。確か白南風 《しろはえ》と名乗った方だろうか。もう片方は黒南風 《くろはえ》で、聞いた字面からして風の神さまかもしれない。どちらも背が高く、並んで立つと門柱のようだ。
「いや、そうやないんやけど、今日はたけのこやから」
「たけのこ?」
「今日の晩ご飯だよ!」
首をひねる雨師たちに、朱嶺が心得たように答える。が、ますます疑問に思ったのか、訝しそうな顔をされた。
「この時期に、ですか?」
「あぁ、それはですね」
以前ご近所に住む石蕗に、たけのこを貰ったことがあるのだが、たけのこご飯や筑前煮にして色々食べたところ、宮古先生はたけのこが好物という噂がご近所さん中に飛び交ったらしい。気づけばたけのこのお裾分けが山となっていた。
この地域、プライバシーの垣根はほぼゼロである。
とはいえ捨てるなんてもったいないと、すべて下茹でして食べきれない分は冷凍保存。かくして宮古家ではここのところ定期的に、たけのこご飯の日が開催されていた。エンドウ豆とたけのこで埋まっていた冷凍庫、突き崩すまであと少し。
「えと、よかったら食べていかれます?」
なんとなく気まずい雰囲気の中、思わずそう提案してしまう暁治だ。
「でも、ご迷惑やあらしまへんか?」
おっとりとした風情の雨師は、口元に手を当てると、そっと暁治の方を見る。
「いえ、問題ありませんよ。どうせこいつらの分も作るし、あなた方が増えるくらい大したことないですよ」
むしろ高校男子の食欲に比べれば、成人が三人増える程度など些細なものだろう。暁治は最近炊飯器を買い替えた。料理屋並みの、一升炊きの大きなジャーだ。
薄給教師泣かせではあるが、少し前たまたま買った宝くじが当たったので、奮発してしまった。最近、ちょっとツイてる気がする暁治である。その分エンゲル係数がかさんでトントンなのは泣けてくるのだが。
今まであった三合用の炊飯器はというと、炊飯器レシピの活用をさせてもらっている。最近ますます料理の腕を上げた自覚はあるが、これはたぶんいいことなのだ。暁治は、ポジティブシンキングを信条としていた。
そんなことがあってから数日。今日は梅雨明けの見事な青い空である。成人男性とはいえ、初老の女性はともかく、大男二人の食欲を甘く見ていた暁治は、あの後追加で米を炊くことになった。
考えればおかずは味噌汁と、最近色々作るのに凝っているお漬物だけ。ご飯が進むわけである。
みんな喜んでいたので、いいのだが。
バスを降り、ガラガラと音が鳴るカートを引く。カートには大きな米袋がふたつ。田中先生の実家が米農家らしく、日々上がるエンゲル係数に弱音を吐いたら、持って帰れと差し入れてくれたのだ。田舎は人の優しさでできている。
そういえば、ここのところ食材を買った記憶がない。ご近所さんたちが宮古先生どうですか? と、祖父のように呼んで色々差し入れてくれるのだ。
たまにご近所さんが混ざる夕飯も、一品二品とおもたせが追加されるのでありがたい。昨日は石蕗が桃を持ってきてくれて、桃が懐いて大変だった。そつがない彼は、幼女キラーの素質がありそうだ。そのうちお嬢さんをくださいとか言われたら、受けて立つ準備はできている。
「重い……」
砂利道でカートはきつい。今日はキイチは委員会、朱嶺は朝から見かけない。肝心なときにいない居候どもめと思いつつ、もう米がないから今日持って帰るのだと無理してしまった。
やはり車で送って貰えばよかったと、今になって後悔する。バス停から家までそんなにかからないし、カートもあるし大丈夫と、大見得を切るのではなかった。
ふぅ、と、息をつく。家まであと少しだ。
足を止めると、流れる汗をハンカチで拭う。じりじりとした夏を感じさせる陽差しとは裏腹に、風はまだひんやりしている。これから暑さも増すだろうけれど、まださやさやと道端の草をなでる風が心地よい。
バサリ、と、羽音がした。
目の前を横切った黒い影は、烏だろうか。
夕方にはまだ早い、夏の陽はまだ斜陽と呼べるほど低くはない。
そういえば、夕暮れの時刻はたそがれどきともいうのだと、知ったのは祖父の言葉だったろうか。
会う人の顔がぼんやりとして、相手の顔がよく見えなくなるのだと。誰そ彼と呼びかけるから、たそがれどきというのだと。
「逢う魔がどきともいうんだよ」
祖父の声が聞こえた気がした。
確かに魔物や妖怪に出会っても、薄闇の中ではわからないだろう。
そう思い、顔を上げた暁治は、自分の家の前に人影を見た。
一瞬キイチか朱嶺かと思ったが、日暮の中に浮かぶのは、漆黒の髪。量が多めのぼさっとした前髪から覗くのは、眼光鋭い切れ長の瞳。
白い着物の上から黒い上着を羽織り、足元はゆったりとした黒袴を膝下で絞ったもの。足元は脚絆と呼ばれるものだったか。
胸元には縦にぼんぼりがふたつ。左右についている。頭には黒い小さな丸い帽子のようなものを着け、手には長い杖。先には丸い輪っかがいくつかついていた。
確かこれは、山伏の服装ではないだろうか。コスプレにしては、田舎町にしっくりと馴染んでいるけれど。
少々じっと見過ぎてしまったようだ。暁治の視線に気づいた山伏は、こちらに視線を向ける。手にした錫杖が、しゃらりと鳴った。正面から対峙して気づいたのは、まだ幼さの残る少年だということ。
「失礼ながら、はる殿とお見受けする」
「へ?」
いきなり呼ばれて、間抜けな声が出た。
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