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カワイイもの
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「地井頭ネエさん週末は何してたんですか?」
うっ…。
真紀理の圧のある笑顔に沙織はやや押された。
「いろいろ…」
「いろいろ?たとえば?」
「ナニナニ。わたしのアリバイ?誰か死んだ?」
「ははははは。ネエさん面白い!」
道場には鍵を開けた沙織が着替えるとすぐに真紀理が入って来ていた。
「戸的は何してたの?」
「わたしはジムで練習したり…かな」
日曜日の香織とのデイキャンプの話をしたくない沙織は目を逸らした。
「練習けっこうじゃない。いいよ練習は」
我ながら中身のないことを言ってるとはわかっているが真紀理は気にもとめない。
「今度2人で買い物とか行きましょうよ」
「買い物かあ」
「地井頭ネエさんとカワイイもの買いたい」
「あははははは。なにその漠然とした目的」
「やっぱ女子力も今のうちに上げとかないととか思ってて」
たしかにそうかもしれないけど…
「地井頭ネエさんて武道やってるけど髪も長くてカワイイ感じじゃないですか」
「そう?嬉しいこと言ってくれるじゃん」
沙織は髪は普通の長さだが生まれつきの天パ、いわゆる天然パーマだ。それをうまく利用して前髪を分けたりしている。
「戸的も髪長くてポニーテールカワイイよ」
「そうっすか?わたしじつはガサツで束ねてるだけだから」
「いやいやいやカワイイよ。うん」
真紀理がテレだした。
「なんかネエさんに言われると嬉しいッス」
真紀理がテレると舎弟感が出てくる。
それが沙織のツボった。
「あはははは。ちょっと嬉しいッスって…運動部の男子みたいだよ」
「そういうとこなんスよね。自分…」
「なんスよね。自分って…ハハハハハ」
沙織が腹を抱えて笑い出した。
そこへ香織と亜香里が入ってきた。
「なになに?なんか面白いことあった?」
「リコピンちゃんがオモシロキャラ発揮してきたよ。ね。どういうとこだっけ?」
「ま。そういうとこッスよね。自分」
「ハハハハハ」
香織にはとくにツボらなかった。
「だってさ」と、香織は亜香里にリアクションを求めた。
メガネをかけた亜香里はよく周囲が見えるので小心者感が出てある意味おしとやかになる性格だ。
「正直なにが面白いのやらわかりかねまする」
「だって」と、今度は沙織のリアクションを待つ。
「いやだって自分、て女子プロの後輩じゃないんだから」
「え。じゃ女子プロの先輩?」香織がどうぞの感じで手の平を沙織に差し出す。
沙織はくわっと眉間にシワをよせた。
「誰が女子プロの先輩だ!」
真紀理がたまらず沙織に詰め寄った。
「だから今度カワイイものを買いに行きましょうよ」
「だからそれが漠然としてるんだってば。カワイイものっていうのが」
香織は「カワイイものって言ってもいろいろあるじゃない。カワイイ服なのか、カワイイ靴とか。それともバッグにつけたいキャラもの的なのとかさ」
真紀理はまっすぐに香織を見て言った。
「なんでもいいからカワイイものッス」
「カワイイものッス?」
香織は思った。
男子としゃべってるみたい…
沙織は思った。
どんだけカワイイものに飢えてるんだろ。
逆にこいつの部屋見てみたい…
サンドバッグとダンベルとかしか置いてなかったりして…
そして香織は亜香里のメガネを取った。
「あ…」
「おぬしはどう思う?」
亜香里はガラリと不敵な笑みを浮かべキャラ変した。
「知れたことよ。好きなだけカワイイものをむさぼればよいのだ!」
「よいのだだって」
「どっちも重症だよね」
うっ…。
真紀理の圧のある笑顔に沙織はやや押された。
「いろいろ…」
「いろいろ?たとえば?」
「ナニナニ。わたしのアリバイ?誰か死んだ?」
「ははははは。ネエさん面白い!」
道場には鍵を開けた沙織が着替えるとすぐに真紀理が入って来ていた。
「戸的は何してたの?」
「わたしはジムで練習したり…かな」
日曜日の香織とのデイキャンプの話をしたくない沙織は目を逸らした。
「練習けっこうじゃない。いいよ練習は」
我ながら中身のないことを言ってるとはわかっているが真紀理は気にもとめない。
「今度2人で買い物とか行きましょうよ」
「買い物かあ」
「地井頭ネエさんとカワイイもの買いたい」
「あははははは。なにその漠然とした目的」
「やっぱ女子力も今のうちに上げとかないととか思ってて」
たしかにそうかもしれないけど…
「地井頭ネエさんて武道やってるけど髪も長くてカワイイ感じじゃないですか」
「そう?嬉しいこと言ってくれるじゃん」
沙織は髪は普通の長さだが生まれつきの天パ、いわゆる天然パーマだ。それをうまく利用して前髪を分けたりしている。
「戸的も髪長くてポニーテールカワイイよ」
「そうっすか?わたしじつはガサツで束ねてるだけだから」
「いやいやいやカワイイよ。うん」
真紀理がテレだした。
「なんかネエさんに言われると嬉しいッス」
真紀理がテレると舎弟感が出てくる。
それが沙織のツボった。
「あはははは。ちょっと嬉しいッスって…運動部の男子みたいだよ」
「そういうとこなんスよね。自分…」
「なんスよね。自分って…ハハハハハ」
沙織が腹を抱えて笑い出した。
そこへ香織と亜香里が入ってきた。
「なになに?なんか面白いことあった?」
「リコピンちゃんがオモシロキャラ発揮してきたよ。ね。どういうとこだっけ?」
「ま。そういうとこッスよね。自分」
「ハハハハハ」
香織にはとくにツボらなかった。
「だってさ」と、香織は亜香里にリアクションを求めた。
メガネをかけた亜香里はよく周囲が見えるので小心者感が出てある意味おしとやかになる性格だ。
「正直なにが面白いのやらわかりかねまする」
「だって」と、今度は沙織のリアクションを待つ。
「いやだって自分、て女子プロの後輩じゃないんだから」
「え。じゃ女子プロの先輩?」香織がどうぞの感じで手の平を沙織に差し出す。
沙織はくわっと眉間にシワをよせた。
「誰が女子プロの先輩だ!」
真紀理がたまらず沙織に詰め寄った。
「だから今度カワイイものを買いに行きましょうよ」
「だからそれが漠然としてるんだってば。カワイイものっていうのが」
香織は「カワイイものって言ってもいろいろあるじゃない。カワイイ服なのか、カワイイ靴とか。それともバッグにつけたいキャラもの的なのとかさ」
真紀理はまっすぐに香織を見て言った。
「なんでもいいからカワイイものッス」
「カワイイものッス?」
香織は思った。
男子としゃべってるみたい…
沙織は思った。
どんだけカワイイものに飢えてるんだろ。
逆にこいつの部屋見てみたい…
サンドバッグとダンベルとかしか置いてなかったりして…
そして香織は亜香里のメガネを取った。
「あ…」
「おぬしはどう思う?」
亜香里はガラリと不敵な笑みを浮かべキャラ変した。
「知れたことよ。好きなだけカワイイものをむさぼればよいのだ!」
「よいのだだって」
「どっちも重症だよね」
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