53 / 167
土曜日の4人
しおりを挟む
晴れた土曜日。
香織と沙織、真紀理に亜香里の4人は駅に集まった。
その前日の同好会の稽古で「地井頭ネエ。カワイイもの買いに行きましょうよ」と、相変わらず圧のある笑顔で言い寄ってきた。
「いや…カワイイものを買うって…」
それを横で聞いた亜香里も言い寄ってきた。
「拙者はロックな熊なるものを買いたいぞ」
「だからそんなものは存在しないでしょ」
「行きましょう!」
「ゆくぞよ!」
2人に詰め寄られアタフタしてると沙織の視界に気配を消して帰り支度をしてる香織が見えた。
スゴい勢いで畳んだ袴や道着をボストンバッグに入れ武器ケースを背負いスタスタと入口に向かう。
もう道場を出るまで2秒とかからない。
だが沙織はしなやかな動きでダッシュし、跳ねるような走りで入口に差し掛かった香織をガッツリと捕まえた。
ハァハァと息を切らせて沙織は悪い笑みを見せて言った。
「捕まえた!」
「え?…」
しまらない笑みでやり過ごそうとする香織。
「気配消してひとりだけ逃げようなんてダメだから」
「いや逃げようなんて…」
「愛洲も一緒にカワイイもの買いに行こうね」
「いや~どうなんだろ…」
「明日駅ビルで!キマリ!」
そういうわけで晴れた土曜日、4人は駅に集合した。
愛洲香織も地井頭沙織もカジュアルな女子といった姿だが、戸的真紀理はTシャツにジーパンでおよそ「カジュアル」に取り残された感じがにじみ出ていた。
香織は思った。
ポニーテールの男子…?
「へえ…カワイイッスねおふたりとも」
沙織と香織を見て真紀理は素直に言った。
「ふつうだからうちら」
「なんか男の子に言われてるみたいだよ。その言い方」
「すいません。自分、不器用なんで…」
天を仰いで沙織が笑った。
「あははははは。それあれでしょ。昭和の名優がよく言ってたセリフ」
「なんだっけ…角刈りの人でしょ」
「そうそう。知ってる?」
「名前が出てこない」
そこへメガネをかけた黒いゴスロリ系、つまり黒いゴシックアンドロリータ系の女子が近づいてきた。
黒胡麻亜香里である。
「おお!ミネラル!」
「ロリータ?スゴいね」
「スゴいだなんてそんな…」
メガネをかけているのでおしとやかだ。
「いや褒めてないから」
「インパクトが…」と香織は言いかけて亜香里の背中に背負っている黒い革の長ケースが目に入った。
「なに持ってきたの?」
「当然。武士の魂でございます」
「刀?」
「厳密には模擬刀ですけど」
「なんで?」
「武士にとって魂でございますから」
「持ち歩いてるの?普段から?」
そういえば校内でも亜香里は刀ケースを背中に背負っていた。
沙織は亜香里の肩にポンと手を置いて言った。
「あとでちょっと刀の振るとこ写真に撮ろうね」
「SNSにアップする気満々だね」
「なんでもいいからとりあえずバズろうよ」
「バズりに飢えてるね」
「せっかくJKやってんだから」
その言葉に香織がツボって爆笑した。
香織と沙織、真紀理に亜香里の4人は駅に集まった。
その前日の同好会の稽古で「地井頭ネエ。カワイイもの買いに行きましょうよ」と、相変わらず圧のある笑顔で言い寄ってきた。
「いや…カワイイものを買うって…」
それを横で聞いた亜香里も言い寄ってきた。
「拙者はロックな熊なるものを買いたいぞ」
「だからそんなものは存在しないでしょ」
「行きましょう!」
「ゆくぞよ!」
2人に詰め寄られアタフタしてると沙織の視界に気配を消して帰り支度をしてる香織が見えた。
スゴい勢いで畳んだ袴や道着をボストンバッグに入れ武器ケースを背負いスタスタと入口に向かう。
もう道場を出るまで2秒とかからない。
だが沙織はしなやかな動きでダッシュし、跳ねるような走りで入口に差し掛かった香織をガッツリと捕まえた。
ハァハァと息を切らせて沙織は悪い笑みを見せて言った。
「捕まえた!」
「え?…」
しまらない笑みでやり過ごそうとする香織。
「気配消してひとりだけ逃げようなんてダメだから」
「いや逃げようなんて…」
「愛洲も一緒にカワイイもの買いに行こうね」
「いや~どうなんだろ…」
「明日駅ビルで!キマリ!」
そういうわけで晴れた土曜日、4人は駅に集合した。
愛洲香織も地井頭沙織もカジュアルな女子といった姿だが、戸的真紀理はTシャツにジーパンでおよそ「カジュアル」に取り残された感じがにじみ出ていた。
香織は思った。
ポニーテールの男子…?
「へえ…カワイイッスねおふたりとも」
沙織と香織を見て真紀理は素直に言った。
「ふつうだからうちら」
「なんか男の子に言われてるみたいだよ。その言い方」
「すいません。自分、不器用なんで…」
天を仰いで沙織が笑った。
「あははははは。それあれでしょ。昭和の名優がよく言ってたセリフ」
「なんだっけ…角刈りの人でしょ」
「そうそう。知ってる?」
「名前が出てこない」
そこへメガネをかけた黒いゴスロリ系、つまり黒いゴシックアンドロリータ系の女子が近づいてきた。
黒胡麻亜香里である。
「おお!ミネラル!」
「ロリータ?スゴいね」
「スゴいだなんてそんな…」
メガネをかけているのでおしとやかだ。
「いや褒めてないから」
「インパクトが…」と香織は言いかけて亜香里の背中に背負っている黒い革の長ケースが目に入った。
「なに持ってきたの?」
「当然。武士の魂でございます」
「刀?」
「厳密には模擬刀ですけど」
「なんで?」
「武士にとって魂でございますから」
「持ち歩いてるの?普段から?」
そういえば校内でも亜香里は刀ケースを背中に背負っていた。
沙織は亜香里の肩にポンと手を置いて言った。
「あとでちょっと刀の振るとこ写真に撮ろうね」
「SNSにアップする気満々だね」
「なんでもいいからとりあえずバズろうよ」
「バズりに飢えてるね」
「せっかくJKやってんだから」
その言葉に香織がツボって爆笑した。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
神木さんちのお兄ちゃん!
雪桜 あやめ
キャラ文芸
✨ キャラ文芸ランキング週間・月間1位&累計250万pt突破、ありがとうございます!
神木家の双子の妹弟・華と蓮には"絶世の美男子"と言われるほどの金髪碧眼な『兄』がいる。
美人でカッコよくて、その上優しいお兄ちゃんは、常にみんなの人気者!
だけど、そんな兄には、何故か彼女がいなかった。
幼い頃に母を亡くし、いつも母親代わりだったお兄ちゃん。もしかして、お兄ちゃんが彼女が作らないのは自分達のせい?!
そう思った華と蓮は、兄のためにも自立することを決意する。
だけど、このお兄ちゃん。実は、家族しか愛せない超拗らせた兄だった!
これは、モテまくってるくせに家族しか愛せない美人すぎるお兄ちゃんと、兄離れしたいけど、なかなか出来ない双子の妹弟が繰り広げる、甘くて優しくて、ちょっぴり切ない愛と絆のハートフルラブ(家族愛)コメディ。
果たして、家族しか愛せないお兄ちゃんに、恋人ができる日はくるのか?
これは、美人すぎるお兄ちゃんがいる神木一家の、波乱万丈な日々を綴った物語である。
***
イラストは、全て自作です。
カクヨムにて、先行連載中。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる