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土曜日の4人
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晴れた土曜日。
香織と沙織、真紀理に亜香里の4人は駅に集まった。
その前日の同好会の稽古で「地井頭ネエ。カワイイもの買いに行きましょうよ」と、相変わらず圧のある笑顔で言い寄ってきた。
「いや…カワイイものを買うって…」
それを横で聞いた亜香里も言い寄ってきた。
「拙者はロックな熊なるものを買いたいぞ」
「だからそんなものは存在しないでしょ」
「行きましょう!」
「ゆくぞよ!」
2人に詰め寄られアタフタしてると沙織の視界に気配を消して帰り支度をしてる香織が見えた。
スゴい勢いで畳んだ袴や道着をボストンバッグに入れ武器ケースを背負いスタスタと入口に向かう。
もう道場を出るまで2秒とかからない。
だが沙織はしなやかな動きでダッシュし、跳ねるような走りで入口に差し掛かった香織をガッツリと捕まえた。
ハァハァと息を切らせて沙織は悪い笑みを見せて言った。
「捕まえた!」
「え?…」
しまらない笑みでやり過ごそうとする香織。
「気配消してひとりだけ逃げようなんてダメだから」
「いや逃げようなんて…」
「愛洲も一緒にカワイイもの買いに行こうね」
「いや~どうなんだろ…」
「明日駅ビルで!キマリ!」
そういうわけで晴れた土曜日、4人は駅に集合した。
愛洲香織も地井頭沙織もカジュアルな女子といった姿だが、戸的真紀理はTシャツにジーパンでおよそ「カジュアル」に取り残された感じがにじみ出ていた。
香織は思った。
ポニーテールの男子…?
「へえ…カワイイッスねおふたりとも」
沙織と香織を見て真紀理は素直に言った。
「ふつうだからうちら」
「なんか男の子に言われてるみたいだよ。その言い方」
「すいません。自分、不器用なんで…」
天を仰いで沙織が笑った。
「あははははは。それあれでしょ。昭和の名優がよく言ってたセリフ」
「なんだっけ…角刈りの人でしょ」
「そうそう。知ってる?」
「名前が出てこない」
そこへメガネをかけた黒いゴスロリ系、つまり黒いゴシックアンドロリータ系の女子が近づいてきた。
黒胡麻亜香里である。
「おお!ミネラル!」
「ロリータ?スゴいね」
「スゴいだなんてそんな…」
メガネをかけているのでおしとやかだ。
「いや褒めてないから」
「インパクトが…」と香織は言いかけて亜香里の背中に背負っている黒い革の長ケースが目に入った。
「なに持ってきたの?」
「当然。武士の魂でございます」
「刀?」
「厳密には模擬刀ですけど」
「なんで?」
「武士にとって魂でございますから」
「持ち歩いてるの?普段から?」
そういえば校内でも亜香里は刀ケースを背中に背負っていた。
沙織は亜香里の肩にポンと手を置いて言った。
「あとでちょっと刀の振るとこ写真に撮ろうね」
「SNSにアップする気満々だね」
「なんでもいいからとりあえずバズろうよ」
「バズりに飢えてるね」
「せっかくJKやってんだから」
その言葉に香織がツボって爆笑した。
香織と沙織、真紀理に亜香里の4人は駅に集まった。
その前日の同好会の稽古で「地井頭ネエ。カワイイもの買いに行きましょうよ」と、相変わらず圧のある笑顔で言い寄ってきた。
「いや…カワイイものを買うって…」
それを横で聞いた亜香里も言い寄ってきた。
「拙者はロックな熊なるものを買いたいぞ」
「だからそんなものは存在しないでしょ」
「行きましょう!」
「ゆくぞよ!」
2人に詰め寄られアタフタしてると沙織の視界に気配を消して帰り支度をしてる香織が見えた。
スゴい勢いで畳んだ袴や道着をボストンバッグに入れ武器ケースを背負いスタスタと入口に向かう。
もう道場を出るまで2秒とかからない。
だが沙織はしなやかな動きでダッシュし、跳ねるような走りで入口に差し掛かった香織をガッツリと捕まえた。
ハァハァと息を切らせて沙織は悪い笑みを見せて言った。
「捕まえた!」
「え?…」
しまらない笑みでやり過ごそうとする香織。
「気配消してひとりだけ逃げようなんてダメだから」
「いや逃げようなんて…」
「愛洲も一緒にカワイイもの買いに行こうね」
「いや~どうなんだろ…」
「明日駅ビルで!キマリ!」
そういうわけで晴れた土曜日、4人は駅に集合した。
愛洲香織も地井頭沙織もカジュアルな女子といった姿だが、戸的真紀理はTシャツにジーパンでおよそ「カジュアル」に取り残された感じがにじみ出ていた。
香織は思った。
ポニーテールの男子…?
「へえ…カワイイッスねおふたりとも」
沙織と香織を見て真紀理は素直に言った。
「ふつうだからうちら」
「なんか男の子に言われてるみたいだよ。その言い方」
「すいません。自分、不器用なんで…」
天を仰いで沙織が笑った。
「あははははは。それあれでしょ。昭和の名優がよく言ってたセリフ」
「なんだっけ…角刈りの人でしょ」
「そうそう。知ってる?」
「名前が出てこない」
そこへメガネをかけた黒いゴスロリ系、つまり黒いゴシックアンドロリータ系の女子が近づいてきた。
黒胡麻亜香里である。
「おお!ミネラル!」
「ロリータ?スゴいね」
「スゴいだなんてそんな…」
メガネをかけているのでおしとやかだ。
「いや褒めてないから」
「インパクトが…」と香織は言いかけて亜香里の背中に背負っている黒い革の長ケースが目に入った。
「なに持ってきたの?」
「当然。武士の魂でございます」
「刀?」
「厳密には模擬刀ですけど」
「なんで?」
「武士にとって魂でございますから」
「持ち歩いてるの?普段から?」
そういえば校内でも亜香里は刀ケースを背中に背負っていた。
沙織は亜香里の肩にポンと手を置いて言った。
「あとでちょっと刀の振るとこ写真に撮ろうね」
「SNSにアップする気満々だね」
「なんでもいいからとりあえずバズろうよ」
「バズりに飢えてるね」
「せっかくJKやってんだから」
その言葉に香織がツボって爆笑した。
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