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運命の人
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職員室の前に緊張の面持ちで立ち尽くした香織は今一度、状況を確認した。
杉本四郎は確かに山本治三郎…前世の夫…
だけど杉本には記憶がない…
今呼び出されたのは告白じゃなくて、武道同好会の用紙を取りに来ただけ…
「とにかく、職員室に入らないと…」
意を決して戸に手をかけた瞬間「お!来たな」。
廊下を歩いて来た杉本四郎が香織を見つけた。
「ちょうどいい。入って」
「は、はい…」
意識しないように振る舞おうとするがどこかぎこちない。
杉本は机に出勤簿と教科書を置くと引き出しから用紙を取り出した。
「じゃ、これな。今何人いるの?」
「4人です」
「全員の名前書いたら提出するように」
「はい」
香織は机の上の赤ん坊を抱きかかえた女性の写真に気がついた。
「この写真…」
まさか…
「これ?」
杉本は顔を崩して嬉しそうに語りだした。
「うちの奥さん。この間初めての子が生まれてね」
ガーーーーン…
香織の頭はまっしろになった。
…運命の人がすでに結婚して子供まで…
「よかったですね先生…」
この浮気もの~!
…いや、現世ではそんな関係ではないから浮気でもなんでもないか…
「いやあ。ありがとう」
「赤ちゃんカワイイ…」
杉本はデレデレだ。
「そう?いまあじつは可愛くて可愛くてしょうがないんだよ。あはははははは」
…ダメだ。もう運命もへったくれもない。
運命の人と気づいて速攻でフラれた…
「そうだ。愛洲は合気道だったよな。でも合気道の源流は大東流合気柔術だからな。今度先生が少し大東流を見せてあげよう」
…源流?
前世では新陰流を学んだけど源流の陰流をわたしが継いでたから現世ては源流マウント取りに来たわけか…ってどうでもいい!
香織は杉本の幸せそうな笑顔に笑顔で答えながらムカついていた。
杉本ムカつく!
…山本治三郎の頃が懐かしい…
杉本四郎は確かに山本治三郎…前世の夫…
だけど杉本には記憶がない…
今呼び出されたのは告白じゃなくて、武道同好会の用紙を取りに来ただけ…
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意を決して戸に手をかけた瞬間「お!来たな」。
廊下を歩いて来た杉本四郎が香織を見つけた。
「ちょうどいい。入って」
「は、はい…」
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「全員の名前書いたら提出するように」
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ガーーーーン…
香織の頭はまっしろになった。
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「いやあ。ありがとう」
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