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2章 傭兵団拡張編
1話
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傭兵ギルドとの提携を解除してから1週間が過ぎた。僕はこの1週間で今後の為の準備をしていた。
まず始めたのは団のメンバー集めだ。今は子供達とシュベインしかいない。子供達に戦争へ行かせる訳にもいかず、かと言って護衛もさせられない。その為、傭兵面での収入は期待出来ない。更に、ガルド対策としても人数が欲しい。
そこで僕は傭兵ギルドの掲示板にてメンバー募集を始めた。
内容は以下の通りである。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
カディス団メンバー募集中
・募集条件 : 戦争もしくは護衛クエストの出来る者
対人戦闘の出来る者
階級は関与しない
・団情報 : ポーション、マナポーションなどの製造
子供多数
・団援助 : ポーションなどの支給(1クエストに最大10
個)
クエスト内容によって団から特別褒賞が貰え
る
面接などの日程は受付にて確認下さい。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
このポスターを掲示してから3日後には10人の面接予定が、6日後には20人を超えていた。
次に行ったのはギルドホール建設だ。まずは、土地探しから始めた。街中に建てれればと思っていたが甘かった。ガルドの息がかかっている者が多く、悪条件なものばかり紹介され、遂には紹介すらされなくなった。
そこで、街から離れた所にある魔の森付近に建設をする事にした。ゴーレムを大量投入し、魔の森の入り口近辺の一部を伐採しり、畑を作ったりした。
ついでとばかりに【創造】でポーション製造工場のような物を作った。生産ゴーレムを多数配置して、生産されたポーションは少し低い角度をつけた柔らかい素材で出来ているローラーの上に落ち、その後運ばれた先でゴーレムにより木箱に詰められる。これにより僕自身がポーションを創る手間が省けるようになった。今では、倉庫を創りそこに納められる程に生産されている。
工場建設に力を入れすぎた為にギルドホールが計画段階のままであった。そこから急ピッチで計画を立て、【創造】で建設を開始した。
結果、地上3階、地下4階の貴族の屋敷並みな建物が建った。小さい門も創った事により外見は貴族の屋敷だ。どうせ、誰も住みつかないだろうと思い張り切って創った結果がこれだ。これには流石に子供達には隠せず僕の秘密を話した。
その次は、団の戦力集めとして奴隷を買った。主に買ったのは獣人である。人間よりも基礎能力が高いが奴隷として売られているのは男は四肢の一部が欠損していたり、女は性奴隷などと言った具合であった。
兎に角、戦力が欲しかった僕は大人の獣人の男や女を買うか迷った。迷った理由は、見てきた奴隷の獣人のほとんどが目を濁していたからだ。憎しみや怒り、悲しみや絶望などと言った感情に支配されており、僕の魔法で四肢を治したとしてもとても仲良くはしていけそうには思えなかった。そう思うとやはり、子供の方を買ってしまう。目が濁っていたとしても子供ならまだ染まりきっていないだろうと言う思いから子供の奴隷をまた買った。
そんな事を1週間、あちこちの街でやっていたら、子供の奴隷を買い漁る変態貴族がいる噂が流れた。おそらく、その変態は僕の事だろう。男、女関係なく買っていたがそれでも話を聞く所、僕としか思えなかった。
これらの準備をしている際にいくつか問題が起きた。
一つは、傭兵ギルドとの提携を解除した事により、「ポーションが粗悪品だったのでは?」や「詐欺まがいな事をしたのでは?」などの噂が広まった。おそらくガルドの仕業だろう。どう対処しようかと思っていたが、噂が経ってから数日で消えた。対処するまでもなかったようだ。
もう一つは、面接をしたが来たのは3人だけだった事だ。原因は分かっている。竜の右翼も団のメンバー募集をしたからだ。C級1人の団よりも有名でA級やB級のいる竜の右翼に集まってしまうのはしょうがない事だろう。だが、少しは期待していたので、ショックが大きかった。
そして、案の定、面接に来た者達は態度はおろか礼儀も出来ていなかった。そこまで高いものは要求していないが極一般的な挨拶や話す時の言葉遣いなどすら出来ないようでは子供達に悪影響が及びそうで3人とも落とした。その事をシュベインに話したが、大抵の奴はそんなもんだと言われ更にショックを受けた。能力が高くなかったからそこまではショックではなかったよ・・・・・。
他にした事はシュベインに傭兵組みの訓練とクエストをしてもらったり、商店組みの警備見直しをしたり、新たな商品開発などをしていたり、新しく買った奴隷の子供達を店で働かせてみたり、傭兵としてシュベインに面倒をみせさせたり、移動販売をしてみたりもした。
と、この1週間は濃い1週間を過ごしていた。その結果、ポーションは他の街でも売れるのが明らかになった。これは他の街に行ったりした時に値段を比べたりしていて売れるのではとある程度は予想していたが、予想を超える早さでポーションは完売する程であった。
そこで僕は、村々や街に移動して販売するキャラバンを作る事にした。何をするにしてもまずはお金が必要だ。だから僕は移動販売する組みを新たに作り、早速導入している。移動販売組みが慣れるまでナナに臨時で手伝ってもらっている。そのおかげか、売り上げは上々で少しずつ売る量を増やしてもその日のうちに完売する。
そうしているうちにあれから一ヶ月が経っていた。
カディス商会はディグル領のみならず、他の街でも聞いたことがある程度の認知がされるようになった。これにより、僕は別の街に店をもう一店開いた。開店した場所は王都から二つ先にあるセントネル領の街である。王都に店を出さなかったのは商会ギルドの本部があるからだ。流石に本拠地である王都に店を開けば全力で潰しにくるだろう。そして今の状態で商会ギルドと対抗する事はよろしくない。だから近辺の街に店を出し、様子を見る事にしたのだ。
__________________
王都ドレイク領の商会ギルド本部で年に2回行われるギルド長会議が行われていた。
「これより会議を始める」
白い髭を蓄えたガタイの大きい男の合図で会議が始まった。
「まずは、売り上げの確認だ。各自報告せよ」
「私は売り上げに問題はありませんでした」
「わたくしは売り上げが少し上がりましたわ」
「俺のところは相変わらずって感じだ」
次々と報告される中、ガルドの番が来た。
「儂の所は売り上げがこの間話した時よりも売り上げが落ちているわい。これもあの若造のせいじゃ!あのような破格の値で売られてはポーションはディグル領では売れぬは!」
ドン、と机を叩き怒りを露わにしていた。そんな様子を見ていた周りのギルド長は静かに笑っている者やお気の毒にといった表情などをさせていた。
そんな中セントネル領のギルド長ラテは難しい顔をしていた。そんな様子を見ていた白い髭の男がラテに問いかけた。
「ラテよ、そんな顔をしてどうした。売り上げの方は問題ないのだろ?」
「はい、現状の売り上げには問題はありませんが、私の所にもカディス商会の店が建てられつい2日、3日前に開店しました。今のところはそこまで影響は出ていませんでしたが、ガルドの報告を聞く所、今後影響が出ると思い対策をどうするかを悩んでおりました」
「なっ!あの若造!」
「ガルドよ鎮まれ。商会ギルドはカディス商会に関与しないと決めたではないか。今の所はポーションくらいで他にはあまり手を出しおらん。今後も様子を見て決めるまで手を出すではないぞ」
「「「「「・・・・・・」」」」」
白い髭の男の発言に対し、他のギルド長は一言も発しなかった。
その後、会議は着々と進められ終え、ガルドを残しギルド長達は退出した。
ガルドはと言うと最後まで怒りを露わにしていた。なぜ、潰さないのか。出来たばかりの商会など商会ギルドの力を持ってすれば容易く潰せる。それなのに商会ギルドは手を出さない方針になってしまった。
「くぅ~!気にくわん!気にくわんわ!!」
机を思っきり叩きつけ怒鳴っていた。
そんな様子を扉越しからラテは聞いていた。
「あのガルドをここまでさせる商会か・・・。私の方でも調査をさせた方がいいな。協力関係を築けるなら築き、無理ならガルドを誘導して潰させるか。クククク」
不敵な笑みを浮かべ、不気味な笑い声は廊下に静かに響いた。
【後文】
2章目スタートしました。少しですが、投稿しました。この章は戦闘が控えめにする予定ですが、話数も少なくする予定です。
応援ありがとうございます!
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