if中二病が異世界転移したら

梅宮 姫乃

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宮廷魔術師団入団編

2話 洞窟

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 光が治まり目を開ける。しかし視界に広がるのは闇、闇、闇、真っ暗闇だ。足下が見えず迂闊に動くことができない、さらにはここが何処かもわからない。まさに一寸先は闇というやつだろう。
 プチパニックに陥っていた俺は何でもいいから何かないかと手動かす。するとなにやら妙につるつるして四角い物体に触れた。

 「もしかして‥‥‥」

 俺は少しの期待を持って四角い物体を触り続けていると案の定その突起は見つかった。俺は思いきってそれを押してみる。

 「よっしゃゃゃゃ!!」

 スマホだ!スマートホン略してスマホ!電話やらなんやらできるあれである。右上には充電が満タンであることを示して100%と表示されている。さっそくロックを解除すると懐中電灯を使った。電話をすることも考えたが圏外の表示があったので諦める。懐中電灯の灯りを頼りに辺りを見回すとそこは先程までいた部屋と同じものが置いてあった。

 「なんだ停電かよ」

 その事に気がつくと無性に恥ずかしくなってきた。とりあえず電気をつけるためスイッチを押す。

 カチ、カチカチカチカチカチ 

 あれ?つかなくね? 

 仕方ないまだ復旧していないのだろう。電気はつかなかったがとりあえず安心すると無性にトイレに行きたくなったのでドアを開けた。 

 ヒュ~ゴォォォォ

 よしまだ落ち着いていなかったのだろう。とりあえずドアを閉めて深呼吸をするとまた開いてみた。

 ヒュ~ゴォォォォ

 うん、見間違いじゃないようだ‥‥‥ってうぉぉぉぉい!なんだよ!なんで部屋のドア開けた先が崖なんですか?ねぇ誰か教えて!ぷりーずてるみー!!からだ、いまからだフワッとした。ねぇこれ落ちたら死ぬでしょ! 

 とりあえず部屋の奥へ逃げる。

 何あれ?新手のどっきりだろうか?それともあれ、どこでも○アとかいうやつだったっけ?ドア開けたら崖とか誰が望むんだよ!よしこうゆうとには本を読もう。

 ちょうど一冊読み終わったところで状況を整理する。

 家に帰る→魔法の練習→魔方陣が光る→停電→ドアの外が崖。

 うん、これは転移だな!転移、転移、転移、て・ん・いぃぃぃ!?ヤバイ、非常にヤバイです。いくら魔法剣士の俺でも転移魔法なんて使えないぞ!これは‥‥‥そう、何かがあって何かがあって何かがあってこうなった。うん、解決!

 とりあえずは部屋ごと転移したようなので部屋に置いてあったお茶やお菓子、本などはある。ドアの向こうは崖だった。では窓の方はどうか、とりあえず開けてみた。するとどうやら崖ではないようで、風は吹いておらず真っ暗闇だった。とりあえず懐中電灯を当ててみる。するとぼんやりとだが奥が見えた。どうやらすぐそこで行き止まりのようだ。地面はごつごつした岩場だったのでネット頼んで今日届いた新品のランニングシューズをはくと窓から外に出た。足下はごつごつしていてけして良いとは言えないがなんとか歩けないほどではなかった。広さは俺の部屋と同じくらいだろう。壁にはピッケル?とロープが置いてあった。ここを掘った人の持ち物だと思われる。一番奥まで行ったがそれ以外見つける事は出来なかった。とりあえずピッケルとロープを窓から部屋にいれると俺も部屋に入るため勢いよく地面を蹴る。

 ゴンッ!

 天井に頭を打った。物凄く痛い。死ぬほど痛い(死なないけど)その場で頭をおさえてうずくまること恐らく数分今度は腕の力だけで窓から部屋に入る。恐らくここは地球よりも重力が軽いのだろう。そのせいで頭を打ったのだろう。かなり痛かったがコブも出来ていないのでよしとする。部屋に戻るとやることもないのでとりあえず寝る。このままでは飢え死にするが今はそんな事考えたくない。
 ━━━━眠れない。どうしよう全くもって眠れなかった。まぁこの状況で寝られたらどれだけ図太い神経してるんだという話なのだが。ドアを開けてみる外は相変わらず崖だったが日が傾いて来たようで空がオレンジ色に染まっている。よく見ると眼下には街が広がっていた。ポツポツと庭?付きの家も見えた。中央には西洋風のお城がそびえ立ちここが異世界なのだと改めて思い知らされる。お城から離れたところにはコロッセオ?のようなものまで建っていた。ここからでは家の材料なんかは見えないがどうも中世風のような感じな気がした。

 クルァァァ!!

 何事かと思い声のした方を見てみるとそこには一匹?一体?のドラゴンがいた。

 あぁファンタジーだ‥‥‥

 さっきは気にしていなかったが空には太陽が二つもあった。とりあえず俺は眠くなるまでここから景色を眺める事にした。

 徐々に日が落ちて行き月が昇る。(月は一つだった)なんとも美しい風景だ、日本ではとてもじゃないが観ることが出来ないのではないだろうか。そう思えるほどに綺麗な星空だった。ずっと眺めているとだんだんと眠くなってきたのでドアを閉めてベッドの上で横になる。すると案の定すぐに眠りに着くことができた。

 この状況でなんのかんの言ったくせに物凄い熟睡してしまった‥‥‥

 ドアを開けて外を眺める。丁度日が昇ったところなのだろう雲が薄くかかって幻想的な景色を作り出していた。

 うん、異世界‥‥‥素晴らしい‥‥‥おてんとさんおら今日もガンバるだ、なんてな。

 ふざける余裕があるのは良いことだ。
 朝食はポテチとペットボトルのお茶だ。おそらくこれでポテチともお別れだろう。少し勿体ない気がしたのでなんのかわからないが記念に一袋取っておくことにした。

 ‥‥‥取り敢えずもう一度だけ確認してみるか

 残り50%を切ったスマホの懐中電灯を頼りに洞窟の中を歩く。

 カラン

 なんだろう?

 どうやら何か蹴ったようだ。灯りを下の方に向けると綺麗な指輪が落ちていた。

 ん、なんか高そうだし貰っとくか。

 取り敢えず拾っていく。

 《━━━━マスター契約確認。マスター‥‥‥死亡確認。現所有者の適正‥‥‥確認。適正‥‥‥90%。これより意思ある倉庫リビングストレージの所有者を変更。マスターの名前を登録してください》

 ‥‥‥は?意味が解らない。マスター?ワタシですか、いや解ってるな。うん問題ない。リビング‥‥‥生きている?意思ある?意思のある倉庫?なんだそりゃ

 「お前はなんだ」
 《解、意思ある倉庫リビングストレージであります》
 「違う、そうゆう意味じゃなくて能力とか、効果とか、そうゆうやつ」
 《解、半径5メートル以内の物を出し入れすることが可能。この領域内では大きさ、質量に制限は無し。また収納可能量は無制限となりこの倉庫は外界と隔絶、時間停止の効果が付与されております》

 お、ぉうなかなかにトンでもなアイテムだ。ってかこれがこの世界の普通なのだろうか?まぁ取り敢えず超便利そうなのでマスター登録をする。

 「間宮まみや竜次りゅうじだ。これから頼む」
 《マスター登録を確認。新しいマスター間宮まみや竜次りゅうじを登録‥‥‥完了。マスターとの同期を開始‥‥‥完了。最適化を開始‥‥‥完了。これより意識ある倉庫リビングストレージはマスターのものとなります》

 なんだ!?

 どろりと溶けた意識ある倉庫リビングストレージが俺の掌の中に消えていったのだ。

 《解、マスターの体内へ入ることにより紛失の防止を行いました。その結果脳より直接指令を出すことが可能となりました》

 お、ぉうなんか更にスゴくなった‥‥‥これから何かと重宝しそうであるのだが大丈夫だろうか。 
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