世界征服好きロボが来ました

Yuu

文字の大きさ
1 / 1
この世界を自分のモノに!

世界征服計画

しおりを挟む
 「ウイルスチェック完了。次元飛行ヲ許可シマス。」
様々なロボットが機会を操作している。
「よくやりましたね。これで暇つぶしに人間が多い世界に行けそうです。」
そう言って、ウルボルテはにやにやしながらロボットの肩(は無いけど人間で言う肩の部位)を優しく叩く。
ウルボルテのツインテールのようになっている羽がヒラヒラと舞う。
「暇つぶし…ウルボルテお主、趣旨を忘れとらんか?元は人間のデータを取得するために…」
「遊びに行くのよね!分かってるわ!私に任せなさい!」
エッヘンと胸を貼るウルボルテに、フクロウのロボット、ウーロは、呆れるしか無かった。

 「あぢぃ…あちぃよぉ…あちぃよかなとぉ゛~…」
「あ゙づい゙…暑いなぁゆうたぁ゙~…」
今日も今日とて、奏斗と優太は平和に過ごしていた。何の変哲もない学校に通い、何の変哲もなく学校で過ごし、何の変哲もない帰り道を歩く。これ以上平和な事は無い。だが、だが暑い、暑すぎるのだ。電車はなんて楽なんだろうか。冷房は勝手に着いていて、勝手にこの体を運んでくれる。なんて素敵な乗り物なんだ。しかし現実はそう甘くない。本番は駅から家までの道のりなのだ。神はなんて無慈悲なのだろうか。この駅と家までの長い道のりを歩けと?何故そんなに遠い家に住む運命さだめになったのだろうか、神の思うことは毎回意味がわからない。
 帰り道が同じ優太と居ながらも、頭の中ではそういうことを良く考える。考えてみれば、こういう事を考えているのは下校中の日課になっている。
 やっと家に近くなり、そこと優太と別れる。「じゃあな。」と一言掛け合ってからそれぞれの家の方面へ足を運ぶ。
(何か変わったことはないかな…出来ればあっと驚くようなファンタジーな事が起きて欲しい…)
そんな甘い現実を妄想しながら家の玄関の門を開け玄関のドアの方を見ると、宛名も何も書いていない、大きめのダンボールが置いてあった。
「ん、なんだこれ?」
思わず呟いてしまったことにも気づかず、ダンボールを家の中に入れる。本当に何も書かれていない。誰が送ってきたのかも分からないから、近所の誰かと間違えた送り物じゃないかと何度も考える。(もし他の人の物だと中身を見るのもダメだ、だが物凄く気になる…もしかしたら自分宛かもしれない…)
奏斗がそう悶々と考え込んでいると、ダンボールはいきなり自分で動き、やがてダンボールの蓋が開いた。
「コンニチハ、ゴシュジン。世界征服ヘノ第一歩トシテ、貴方ガ私ノゴシュジントナリマシタ。ドウゾヨロシク。」
中から出てきた女の子の様なロボット、そしてオモチャのフクロウは、地面から浮き、ふわふわしながらこちらに話しかけてきたのだった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

わたし、不正なんて一切しておりませんけど!!

頭フェアリータイプ
ファンタジー
書類偽装の罪でヒーローに断罪されるはずの侍女に転生したことに就職初日に気がついた!断罪なんてされてたまるか!!!

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

処理中です...