【アラウコの叫び 】第3巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス

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キラクラの戦い/漆黒の四騎士①

第86話「我がアルミニウス」

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二つの斧と剣がぶつかる鈍い音が二重に響き渡った。


ガンガス「ヘッフェ。いつの間に。」

ガスパル「ワシはこう見えて、四騎士で1番早いのじゃ。」

ガンガス「フン、馬上においてはな。」

ガスパルは、無駄な動作なく長く太いハルバートを馬上から伸ばし、アルカティパイの攻撃を制止していた。

ガスパル「しかし、危なかったな。
と、漆黒の四騎士と呼ばれてるんだから少しは馬も学べ。」

ガンガス「俺は地に足がついてるのが性に合ってる。」

ガスパル「所で、こやつら思った以上にやりおるな。
トゥデスコスの体格だけでなく、大麻中毒者達の様な身のこなしまでしよる。
というか、お前も吸ってるのか?」

ガンガス「アサシンたちの事を言ってるのか?
ハシーシュはやってないが、南東の技に俺も心得はある。」

ガスパル「それは初耳だな。
坊さん達には、言わない方が良いぞ。」

ガンガス「ああ。」

ガスパル「言われてみれば、お前の得物も湾曲しておるな。」

「この剣は抜刀もしやすいし、色々と俺にとっては利点も多いのだ。」
ガンガスは気を取り直して、剣を構えた。

ガスパル「ただ、なおさら馬上の方が扱いやすそうな剣ではないか?」

アルカティパイ(新しく現れたこの男・・我が渾身の一撃を軽く片手で止めたか。)

不敵な笑みとは裏腹に、ガスパルの背からは熱気が立ち込めいる。
グワノ兄弟は、尋常じゃない圧を感じた。

ガスパル達とグワノ兄弟が睨み合い緊張が高まる中、
遠くから雄叫びが聞こえた。

「ローロロロロロ!」

その刹那、ガンガスの脇腹に丸太の様な何かが迫ってきた。
ガンガスは湾刀でかろうじて受けとめたが、勢い凄まじく、
そのままガスパルの右斜め遥か後方に吹き飛ばされる。

そのままガスパルにも攻撃が迫っていた。
ガスパルは両手でハルバートをしっかり持ち攻撃を凌いだが、馬ごと後方に後退させられていた。

吹き飛ばされてゆくガンガスを横目にガスパルが呟く。
「ほう、あの剣は衝撃吸収にも便利そうじゃのう。」

すぐ様ガスパルは落ち着いた面持ちに戻り、アウカマンを一瞥すると、自身の愛馬の頭を撫でた。

ガスパル「そうかお前ですら、萎縮してしまう程か。
のう、我がバビエカよ。」

馬はブルルッと鳴き声を上げた。

「ここでやり合うのも一興だが、ワシは先陣を任されている身。
どう転ぶか分からない戦は避けなくてはいけないんでな。」
ガスパルは馬を素早く反転させると、瞬く間にその場を後にした。

ガスパル「さらばじゃ!我がアルミニウスよ!
ロロロローろろろぉ!」

アウカマンは、ガスパルの行動に特に反応するまでもなく、仁王立ちしていた。

そして、マプチェ兵達は馬で駆け抜けるガスパルに矢を射かけた。

アウカマン「やめい。味方に当たりかねない。
やつとの決着はまだ先であろう。」






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