【アラウコの叫び 】第3巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス

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支配者

第103話「山の支配者」

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-とある山の頂-
「若様、黒トカゲの血でございます。」

ゴクッ

幾つもの鳥の羽を頭から肩まで纏う派手な出立の人物が
器に入った血を飲み干した。

「悪くない、血は良いものだ。
そう言えば、
近隣ではリャマの血が吸われる事件が多発しているらしいな。」

「ハッ!道中でも時折リャマの干からびた死体を
目にしました。」

「俺たちの間でリャマを吸う者などおらんしな。
妖の類か何か・・」

「只今戻りました。」
物陰から1人の男が現れた。
同じく沢山の羽を頭部に装着し、片方の肩だけに動物の毛皮の様な物を纏っていた。

「ナルポか、話せ。」

ナルポ「ハッ!
マジョケテがあっさり討たれ、異人達が勝利しました。」

「やはり負け戦となったか。
決め手はなんだったのだ?」

ナルポは事の顛末を伝えた。

「ほう、それ程の兵器を異人どもは有しているのか。
結果から見ると、南のマプチェ達の優勢具合も怪しいものだ。
マジョケテを誘き出す様に誘導された展開の可能性が高い。」

ナルポ「おっしゃる通りで、マジョケテ達は踊らされた様に見えました。」

「しかし全滅は免れたとの事だが、それは何故だ?」

ナルポ「マジョケテが果てると
アウカマンがすぐさま
異人の武器を手に竜巻の様に暴れ出しました。
その隙に南方から加わった巨人達が、地面に転がる武器や死体を積み上げ壁を作り上げました。
異人達の追撃は壁の前に上手くいかず、
前線の軍は被害を最小限に抑え撤退する事ができた様です。」

「クリジャンカよ、お前の倅は頼もしいな。」

緑の生い茂る自然の宮殿の主は
空を見上げた。

「異人共の頭はどうだった?」

ナルポ「絶えず高笑いをしておりました。
戦の最中と言うのに、まるで世間話でもしている様でした。
ただ、誰よりも隙がなく相当な手練だと思われます。」

「その高笑い、
余裕から来るものなのか
それとも・・」

ナルポ「と、奴の側近に私が潜伏している事を勘づかれかけました。」

「ほう、人の気配を持たぬお前を。」

ナルポ「動物の気配に敏感、いや微かな違和感を感じ取れる者なのかもしれません。」

「もう少し情報が欲しい。
今しばらく高みの見物といこうぞ。」

「若様の仰せのままに!」
従者たちは口を揃えて応えた。

主は眠りについた。



※ここでトカゲの血を飲む行為が出て来ますが、もし動物の血を飲む方をお気をつけください。
トカゲの種類や環境によっては、飲むと危険な場合や、感染症などのリスクもある可能性があります。


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