【アラウコの叫び 】第3巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス

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キラクラの戦い/悪魔の乳房

第102話「悪魔の乳房」

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ガルバリノが上空を見上げると、
何かが放物線を描き、丘の麓へ向かっていった。
「なんて、飛距離だ・・」


-キラクラの丘麓-
「報告です。アウカマン様の進軍が丘の中腹で
止まってしまった様であります。
ただし、アウカマン様の軍の士気は依然として高いとの事です。」

マジョケテ「ほう、もう一押しかの。
パルタの軍はどうした?」

「もうじきアウカマン様の軍と合流する模様であります!」

マジョケテ(丁度今から動けば、おいしとこを頂けそうだな。)

マジョケテ「道を開けい!!
我は梟王マジョケテなるぞ!
ワシ自ら前線まで赴き士気をさらに上げてやるわ!!」

「ハハーッ!」

「進めい!!!」
マジョケテは勇壮に進軍を開始した。

マジョケテは進軍を一旦やめる合図をした。
その場所には、既にアウカマン達が進軍し、意味をなさなくなった敵軍の柵だけが並んでいた。

マジョケテ(ここで士気をあげておくかの。)

「皆の者!!敵は目前である!!
敵は何やら見慣れる物を携えてはおるが、
ワシらの突撃の前では無用の長物である。」

フン!

マジョケテは、不可思議な装飾の施された目立つ柵を
勇ましく引っこ抜くと
天高く掲げ力強く放り投げて兵達にアピールした。

ドザァー。

「おおおおー!」

「ワシらモルチェ族の恐ろしさとくと
味わわせてやろうぞ!」
マジョケテが改めて檄を飛ばした。

その時だった、

ドシュオーン!!!!!!

聞き慣れぬ轟音が突如響き渡った。

マジョケテ「何じゃこの音は?」

「マジョケテ様、あれは!!」

マジョケテで右前方の上空に大きな石の様なものが降ってくるのが見えた。

マジョケテ「なんじゃこれは?噂の雷か?」

マジョケテの眼前でさらに塊は大きく映り迫っている。

マジョケテ「だが、残念じゃのう。
ワシには当たらぬわ!」

マジョケテは老体とは思えぬ、
体捌きで横に逸れた。

ドガボワッ!!

マジョケテの隣に塊は墜落したが、それだけでは終わらなかった

マジョケテ「な・・」

グシャっ!!!

バタっ・・

塊が砕け無数の破片がマジョケテを襲った。

マジョケテの身体の所々は吹き飛び、
やがて身体は地面に突っ伏した。

「マジョケテ様ー!!!」


-丘の頂-
「エグいな・・標的は絶命したでしょう。」
アルデレテは望遠筒を覗き込みながら呟いた。

バルディビア「そうか。
艶かしい軌道であった。
まるでおなごの腰の様である。」

エレロは乳首を模した突起のある蓋を持つと、
臼砲を摩り微笑んだ。

臼砲には、二体の堕天使が
豊満な乳房を模した筒にしがみついてる様な
装飾が施されていた。

一体は幼子で、もう一体は乳離れを
とうに終えている様な娘が描かれている。

バルディビア「エレロ君の腕前、感服したぞ!」

エレロ「何よりこの追い風があってこそ、
バルディビア様の強運の賜物ですね。
私もあやかりたいものです。」

バルディビア「ハハ、貴君の腕と調達能力があってこそ。
これで豪快に遊んでくるがよい!
今回の砲弾の金も含まれておる。」

そう言うとエレロに金貨の袋を渡した。

エレロ「こんなにですか!ありがとうございます!!」

「ん?」
アルデレテは崖に向かって、暗器を投げた。

すると鳥の羽の様なものが舞った。

バルディビア「どうしたのだ?」

アルデレテ「気のせいか・・」

バルディア「あちらは崖であろう。
流石に誰も上がってこれまい。」

アルデレテ「そうですね。どうやら鳥の様でした。」

バルディビア「しかし、素晴らしい逸品じゃのう。
強風を感知する堕天使達の仕組みも洒落ておる。」

バルディビアは臼砲を改めて見つめた。

堕天使達はまるで生きてるかの様に
翼をバタつかせ続けた。
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