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エピソード1 平家と源氏の末裔
第12話 オレの太刀は遅効性なんだ
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平平が軽やかなステップでコールマイナーのほうに近づいてくる。
くるりと一回転して振り向くと、左手の人さし指でコールマイナーを指さした。いつの間にか左肩から左腕が元に戻っている。
平平が口元ににんまりと不敵な笑みを浮かべてから言った。
「あー、言いわすれてた……」
「オレの太刀は遅効性なんだ」
「それはどういう…」
コールマイナーの頭の上に浮かんでいたHP値「-500」の数字が動きはじめる。
「-1000」からカウントが加速度的に増えていく。
「ちょっと待て!」
「-5000」
「オレがくらったのはほんのかすり傷程度の攻撃だぞ」
コールマイナーの左腕が吹き飛んだ。
「-10000」
続けてコールマイナーの右腕が吹き飛び、ツルハシがドサリと地面に突き刺さった。
「-15000」
からだがものすごい勢いで膨れ上がりはじめる。その数字は『-20000』。
コールマイナーがこれ以上ないほど憤怒の雄叫びをあげた。
「ふ、ふざけるな。こんな……」
が、そこまでだった。
ついには顔が数倍に膨れあがり、口を動かすことができなくなっていた。
頭上の数字は「-25000」
パーンというとんでもなくおおきな破裂音がして、コール・マイナーが吹き飛んだ。あたりに粘着性の肉塊が盛大にぶちまけられて、コール・マイナーの残骸だけがそこに残っていた。平平は真正面にいたが、あらかじめ結界をはっていたので、その粘着物を浴びずに済んでいた。
「いやはや、たいらはん、たいした力ですえ」
「まったくもって霊力バカ。まっこと力がチートすぎるぜよ」
音無姉妹はなかばディスりながら、平平の力を称賛した。
コールマイナーの肉塊が、ゆっくりと崩れ落ちていきはじめると、そのなかに埋まっていた人々がぼたりぼたりと地面に落ち始めた。やがて胸元に囚われていた安倍先輩のからだが前のめりで落ちてきた。
平平はあわててその下に走りよると、そのからだを肩で受け止めた。
「おっと。あんたを落っことしたら、あとが面倒だからな」
意識のない安倍先輩にそう言いながら、平平が肩をまわして立たせると、うしろをむいて叫んだ。
「まひる。こいつ、ちゃんと助けたかンな」
まひるがなにか言いたそうだったが、平平はその手前にいる源子のほうに目をやった。
「おい、みなもと氏ぃ。今日も生き延びたぜ」
「なにをおっしゃってるのです。わたしがへいべい君を死なせるようなことないでしょう。、わたしの命に換えてもね」
「だな。信じてたぜ」
平平は口元をおおきく開いて笑ってみせた。
源子はほっとひと息つくと、目の前に操作パネルを呼び出して、なにかを忙しく入力しはじめた。
平平はしばらくその姿を見ていたが、目だけを上にむけると、上空にいるアミに声をかけた。
「万条先生。終わったぜ」
だが、アミは不満足そうな顔をして言った。
「いいや、まだだ」
アミはうしろを振り向くなり、くるりと中空に指先で円を描いた。アミの指先はみずからの霊力陣を呼び出していた。アミ指先でそれをピンと指先ではじくと、自分の背後で戦況を見ていたノンの目の前でとまった。
ノンは目の前にさしだされた霊力陣を不思議そうに見つめた。
「さぁ、もう正体を現してもいいぞ」
ノンが驚いた表情でアミの顔を見つめた。だが、そこにはいやらしいほど勝ち誇ったアミの顔があった。アミは美人が台無しになるほど顔を歪ませ、歯をむきだしにして笑っていた。
ノンの目には、まるで魚眼レンズを通しているかのように、アミの、目も、鼻も、唇も、いびつに歪んで見えた。アミが言う。
「わたしはオマエを守ってたわけじゃない」
「守ってたわけじゃない?」
「あぁ……。結界を張って、オマエから生徒たちを守ってただけだ」
「ど、どういうことですの?」
わけがわからずにおどおどとするノンに、むかってゆっくりとアミが拳銃を引き抜いて、アミとノンのあいだに浮かんでいる霊力陣に照準をあわせた。
ノンの目がカッと見開かれたかと思うと、顔がゆがみあっという間に化物に変わっていく。目がつりあがり、口がこめかみまで裂けた恐ろしい姿。
アミは化物に変貌したノンを余裕の表情で見ながら訊いた。
「おい、おまえ、ダメ元で問う」
構えた拳銃の撃鉄をひきおこしす。
「あの日基地局喪失を起こしたのはおまえたちの仲間か?」
化物の正体をあらわしたノンが、鋭いキバをむき出しにして叫んだ。
「そんなこと知ったことかぁ」
ノンの化物は十センチ以上もある鋭い爪を、ふりあげた。その爪の色がめまぐるしく変わる。アミはその爪の攻撃の色を見定めようと目を凝らす。が、ふいにアミはにっこりと笑みを浮かべると、幼子のようなかわいらしい声をあげた。
「だよね——。下っ端だもん」
そういうなり自分の目の前に用意していた霊力陣の一箇所を銃で撃ち抜いた。ノンの化物もアミにむかって鋭い爪を繰り出した。その爪の色が『赤』色に染まっている。
その瞬間、化物ノンの頭が吹き飛んだ。
化物ノンの頭が空中に浮かんだ結界から外に飛びだして、かなたへ落ちていく。
アミの容赦のない化物の駆逐っぷりに、平平が唖然とした表情で言った。
「おいおい、あいかわらず躊躇なしかよ」
平平に皮肉を言われたアミは特に気にした様子もなく、ノンの頭が吹っ飛んでいった方向を見おろしていた。が、ふと、自分が撃ち抜いた自分の霊力陣をみて驚きの声をあげた。
「あれぇーー。今の勝負、私、25%負けてたんだぁ」
アミはあきれかえって肩をすくめた。
「ハ、あいつ勝負に勝ってんのに、殺されちゃうって、どんだけ弱かったのよ」
くるりと一回転して振り向くと、左手の人さし指でコールマイナーを指さした。いつの間にか左肩から左腕が元に戻っている。
平平が口元ににんまりと不敵な笑みを浮かべてから言った。
「あー、言いわすれてた……」
「オレの太刀は遅効性なんだ」
「それはどういう…」
コールマイナーの頭の上に浮かんでいたHP値「-500」の数字が動きはじめる。
「-1000」からカウントが加速度的に増えていく。
「ちょっと待て!」
「-5000」
「オレがくらったのはほんのかすり傷程度の攻撃だぞ」
コールマイナーの左腕が吹き飛んだ。
「-10000」
続けてコールマイナーの右腕が吹き飛び、ツルハシがドサリと地面に突き刺さった。
「-15000」
からだがものすごい勢いで膨れ上がりはじめる。その数字は『-20000』。
コールマイナーがこれ以上ないほど憤怒の雄叫びをあげた。
「ふ、ふざけるな。こんな……」
が、そこまでだった。
ついには顔が数倍に膨れあがり、口を動かすことができなくなっていた。
頭上の数字は「-25000」
パーンというとんでもなくおおきな破裂音がして、コール・マイナーが吹き飛んだ。あたりに粘着性の肉塊が盛大にぶちまけられて、コール・マイナーの残骸だけがそこに残っていた。平平は真正面にいたが、あらかじめ結界をはっていたので、その粘着物を浴びずに済んでいた。
「いやはや、たいらはん、たいした力ですえ」
「まったくもって霊力バカ。まっこと力がチートすぎるぜよ」
音無姉妹はなかばディスりながら、平平の力を称賛した。
コールマイナーの肉塊が、ゆっくりと崩れ落ちていきはじめると、そのなかに埋まっていた人々がぼたりぼたりと地面に落ち始めた。やがて胸元に囚われていた安倍先輩のからだが前のめりで落ちてきた。
平平はあわててその下に走りよると、そのからだを肩で受け止めた。
「おっと。あんたを落っことしたら、あとが面倒だからな」
意識のない安倍先輩にそう言いながら、平平が肩をまわして立たせると、うしろをむいて叫んだ。
「まひる。こいつ、ちゃんと助けたかンな」
まひるがなにか言いたそうだったが、平平はその手前にいる源子のほうに目をやった。
「おい、みなもと氏ぃ。今日も生き延びたぜ」
「なにをおっしゃってるのです。わたしがへいべい君を死なせるようなことないでしょう。、わたしの命に換えてもね」
「だな。信じてたぜ」
平平は口元をおおきく開いて笑ってみせた。
源子はほっとひと息つくと、目の前に操作パネルを呼び出して、なにかを忙しく入力しはじめた。
平平はしばらくその姿を見ていたが、目だけを上にむけると、上空にいるアミに声をかけた。
「万条先生。終わったぜ」
だが、アミは不満足そうな顔をして言った。
「いいや、まだだ」
アミはうしろを振り向くなり、くるりと中空に指先で円を描いた。アミの指先はみずからの霊力陣を呼び出していた。アミ指先でそれをピンと指先ではじくと、自分の背後で戦況を見ていたノンの目の前でとまった。
ノンは目の前にさしだされた霊力陣を不思議そうに見つめた。
「さぁ、もう正体を現してもいいぞ」
ノンが驚いた表情でアミの顔を見つめた。だが、そこにはいやらしいほど勝ち誇ったアミの顔があった。アミは美人が台無しになるほど顔を歪ませ、歯をむきだしにして笑っていた。
ノンの目には、まるで魚眼レンズを通しているかのように、アミの、目も、鼻も、唇も、いびつに歪んで見えた。アミが言う。
「わたしはオマエを守ってたわけじゃない」
「守ってたわけじゃない?」
「あぁ……。結界を張って、オマエから生徒たちを守ってただけだ」
「ど、どういうことですの?」
わけがわからずにおどおどとするノンに、むかってゆっくりとアミが拳銃を引き抜いて、アミとノンのあいだに浮かんでいる霊力陣に照準をあわせた。
ノンの目がカッと見開かれたかと思うと、顔がゆがみあっという間に化物に変わっていく。目がつりあがり、口がこめかみまで裂けた恐ろしい姿。
アミは化物に変貌したノンを余裕の表情で見ながら訊いた。
「おい、おまえ、ダメ元で問う」
構えた拳銃の撃鉄をひきおこしす。
「あの日基地局喪失を起こしたのはおまえたちの仲間か?」
化物の正体をあらわしたノンが、鋭いキバをむき出しにして叫んだ。
「そんなこと知ったことかぁ」
ノンの化物は十センチ以上もある鋭い爪を、ふりあげた。その爪の色がめまぐるしく変わる。アミはその爪の攻撃の色を見定めようと目を凝らす。が、ふいにアミはにっこりと笑みを浮かべると、幼子のようなかわいらしい声をあげた。
「だよね——。下っ端だもん」
そういうなり自分の目の前に用意していた霊力陣の一箇所を銃で撃ち抜いた。ノンの化物もアミにむかって鋭い爪を繰り出した。その爪の色が『赤』色に染まっている。
その瞬間、化物ノンの頭が吹き飛んだ。
化物ノンの頭が空中に浮かんだ結界から外に飛びだして、かなたへ落ちていく。
アミの容赦のない化物の駆逐っぷりに、平平が唖然とした表情で言った。
「おいおい、あいかわらず躊躇なしかよ」
平平に皮肉を言われたアミは特に気にした様子もなく、ノンの頭が吹っ飛んでいった方向を見おろしていた。が、ふと、自分が撃ち抜いた自分の霊力陣をみて驚きの声をあげた。
「あれぇーー。今の勝負、私、25%負けてたんだぁ」
アミはあきれかえって肩をすくめた。
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