VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

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第五章 幸せに向かって

第三話 演目 師の続きを歩く

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 縁達は虚言坂道也きょげんざかみちなりの運営する塾に、早送りでやって来た。
 この間縁達が来たのは、私有地にある体育館。
 今回は塾に来た……と、いうか同じ土地にあるから、言い方が少々違うだけだ。
 虚言坂塾は、桜野学園と同じ戦い方を学ぶ場所。
 学生と塾生、他にも色々と違いはある。
 
 とりあえず縁達は、これからどうなるのかを見守る。

『結びさん、一本槍君がここに来た理由は?』
『そりゃ、虚言坂塾の生徒達に相談するためさ』
『まあ、ここに来るからそりゃそうか』

 虚言塾の敷地から、男子1人、女子2人が出入口へと向かって来る。
 
 女子の1人目は虚言坂メーナ、嘘と夢の力を持つ。
 遊牧民ぽい服装でスカート、ドロワーズがチラッと見えている。
 そして黒い癖っ気な髪に羊の角、羊飼いの持つ杖のシェパーズクルークを持っている。

 2人目の女子は、リリアール・サキュレート、見た目通りのサキュバスだ。
 わがままボディにコウモリの羽、露出の多い服装で青い色の肌の悪魔の女性。
 長い少し薄い紫の髪と、豊満な胸を揺らして歩いている。
 だが彼女の魔力、魔法は相思相愛の力を使う。
 つまりは見た目ではなく、心は立派なレディだ。

 そして男子は紅水仙べにすいせん成樹なるき
 金髪のイケメンで銀色のキラキラとしたスーツに、手鏡を持っている青年。
 美しさを武器に戦う、一本槍とは死力を尽くして、全力で手合わせした。 

「ナルっち、むっちゃんがここに来るって本当?」
「ああ、わが友が何やら心に深い傷を負ったらしい」
「……それはダメ、まずは心身の回復、これは寝具をアピールするチャンス」

 そんな話をしている三人の前に、一本槍が現れた。

「皆さん、お久しぶりです」

 現れた一本槍は、桜野学園に居た時とは風格が変わっていた。
 悲しみを自分なりに、乗り越えようとしている雰囲気を放っている。
 また、服装が上下紫の中華風の服装に、腰には布を巻いていた。
 これは、先代が着ていた服装を模した物だ。

「陸奥! ……なるほど、大切な人を亡くしたか?」
「わかるんですか?」
「ああ、悲しみを乗り越えようとしている、美しい心を感じる」
「待って待って、ナルっち! それむっちゃんの心がやべぇって事じゃん」
「一本槍さんは心身共に疲れている……とりあえず、お茶を出しますので中へ」
「あ、はい」

 一本槍は、塾内にある休憩所へと案内された。
 ぱっと見、種類が少ないフードコートにも見える。
 メーナは人数分の飲み物とお菓子を用意した。
 そして、一本槍は簡単に自分に起きた事を話す。
 自分の師匠が、いたずら気分で殺された事を。

「その巻物って……ああ俺が治療中、病院の前で担任の先生から受け取った、と、言っていたアレか?」
「ええ」
「むっちゃん、それブチギレ案件じゃん」
「一本槍さん、まずは心身の回復が先です」

 メーナはゴソゴソとポケットをあさり、チラシを何枚が出した。

「私から見て一本槍さんは、まだまだ本調子ではありませんね?」
「はい……そうですが……って、これここの塾の案内では?」
「そうです、どうですか一本槍さん、この塾に通っては」
「え? いや、唐突ですね」
「メッコ、本当に唐突だねーもうちょっと営業トーク鍛えなよ」
「お金はいりません、体験入学も最長で一ヶ月まで出来ます」
「……メッコ、人の話を聞きないなさいよ、むっちゃん困ってるじゃん」

 とりあえず一本槍はチラシを見た、塾の特徴や料金等色々と書いてある。
 そして一番の推している部分が睡眠、次に授業内容や宿泊施設等。
 
「ふむ、確かに唐突だがどうだ陸奥? 新しい環境に身を置くのもいいぞ?」
「そうですね……わかりました、メーナさん、お世話になります」
「はい、父には私から話を通しておきます」
「ありがとうございます」
「てかむっちゃん即決だねー」
「はい、チャンスだと思った事は逃がしません」
「お、いいねー……なら私も行動に移すかー」
「え?」
「むっちゃん本調子じゃないなら、イケイケな歓迎会でメンタル回復じゃんね」
「お、いいな、陸奥、お前にはリハビリを手伝ってもらった借りがある、今返す時だろう」
「ありがとうございます」

 一本槍自身がってきた他人との良き縁。
 それが今、一番助けてほしい時に手を差し伸べたのかもしれない。
 縁達……特に縁はうんうんと頷いていた。

『なるほどな、約一ヶ月ここでお世話になると』
『一ヶ月か……修業の成果が出始める頃くらいかね? まあ人によるか』
『ふむ……今の一本槍君はどれくらい強いんだ?』
『さあ? 過去の映像からはわからないよ、だだ』
『ただ?』
『私達の知らない所で、以前の私と同等のくらいには強くなるのさ……ま、優しく見積もってね』
『おお……優しい』
『それはいったん置いといて、ここで色々と勉強して、最終日に道也さんと手合わせするらしい』
『ほー』
『そこまで飛ばそうか』
『ああ』

 当たり前の事だが、自分達の知らない所で成長をしている事。
 また、自分達が知らない所で、しっかりと人脈を作っている事。
 それらを感じ取り、満足そうな顔をして早送りをする2人だった。
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