転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸

文字の大きさ
11 / 88

第十一話 Wデート?~1

しおりを挟む
休日の朝、レナンジェスは珍しくコーヒーを啜りながら王都の店をリストアップした一覧表を見ている。

「朝は公園でも散歩して昼食後にヴィンドウショッピングしたりクレープ食べたりするか」

そう呟くとコーヒーを一気に飲み干す。

「それにしても…平民服も豪華になったものだ」

鏡越しに写る平民服姿の自分を見て苦笑いを浮べる。服は相変わらず安くはないが庶民が買えない程でもない。それは各領が繊維産業に力を入れたからである。

『準備出来ました』

ヒューイとドゥーイも普通の恰好をして現れる。

「今日は私の事をお兄ちゃんと呼ぶように」

『はい、お兄ちゃん』

(ウッ、可愛い…。お姉ちゃんと呼ばせたいのは前世の性だろうか?)

そんな事を考えながら校門へ向かうレナンジェスであった。



「遅いぞぉ」

「我は今来たところだ」

「お待たせしました。それよりも集合時間まであと30分ありますが…」

「解っているだろぉ?ミーア嬢とデートだから遅れるわけにはいかないんだよぉ」

チャールズはソワソワしながら言う。

「我もダブルデートが楽しみで…」

(ダブルデートじゃないから!親交を深める為の交流だから!それに私の従者も居るんだからね!)

そう思いながら苦笑いを浮べるレナンジェス。ライディースはレナンジェスとデートと言う認識なのだろう。

それから30分後、主役の悪役令嬢ミーアが現れる。

「平民服でも綺麗だなぁ、ミーア嬢」

「お上手ね」

チャールズの言葉に優雅な仕草で返すミーア。

『お姉さま綺麗』

ヒューイとドゥーイがハニカンで言うとミーアは頬を赤らめる。それを見たチャールズはヒューイとドゥーイにムッとした視線を向ける。

「そ、それでは行きましょうか」

レナンジェスは慌てふためきながらそう言うと6人を王都の公園まで連れて行った。



「風が気持ち良いわね」

髪をなびかせ風を心地よさそうにするミーア。それにはチャールズが見惚れている。

『お兄ちゃん、アイス食べよ』

不意に言うヒューイとドゥーイ。今日は暖かいし少し冷たいものが欲しい気分だ。それを察したのだろう。そして2人は近くのアイスの屋台でカップに入ったアイスを6個買ってくる。

(出来る…この2人の男子力は私より上だ…)

そう思いながらヒューイからカップに入ったアイスと木のスプーンを受け取るレナンジェス達。そして近くのベンチに腰を下ろす。

『お姉さま、これも美味しいですよ。はい、アーン』

2人の小悪魔は異なるアイスをミーアに食べさせる。

「こういうのも良いわね」

ミーアはニコリと2人の小悪魔に微笑んだ。

「負けられねぇえなぁ。ミーア嬢、アーン」

チャールズが小悪魔に対抗心むき出しにする。

「チャールズさん、それは子供だから許される行為ですよ」

レナンジェスは慌ててチャールズの暴走を止める。

「我も…レナンジェスにアーンを所望したい…」

ボソリと呟くライディース。レナンジェスは聞こえないふりをしてチャールズの耳元で囁く。

「レディーの口をハンカチで拭ってあげた方が良いですよ」

そう言って密かに渡す白いハンカチ。

「ミーア嬢、口元についているぜぇ」

チャールズは全てを察して優しくミーアの口元を拭う。それには悪役令嬢も顔を紅潮させた。

「レナンジェス…我の口元も…」

「はい、これで綺麗になりましたよ」

レナンジェスは作り笑いでライディースの口元をハンカチで拭った。それに赤面するライディース。

「君達もほら」

続けざまにヒューイとドゥーイの口元を拭うと2人は嬉しそうな顔をした。



それから皆で公園の花壇を見ながら散歩する。温かい陽気の中で花の香りを楽しむのも悪くはない。

(それにしてもチャールズはやるな)

何しろ段差や水溜りがある度にミーアに手を差し伸べるのだ。これぞ紳士の対応であろう。

(それに比べてこの人は…本当にギャップ萌えファンに謝って欲しいね!)

ライディースは逆にミーアと同じ扱いをレナンジェスに求めるのだ。レナンジェスは仕方なく手を毎回差し伸べている。しかし本音は美少女にそれをするかイケメンに姫様扱いされたいである。

(女性扱いされて嬉しいのは前世が女だったからだからね!ゲイ術愛好家と勘違いしないでよね!!)

心の中で声を大にして叫んでいた。

「それにしても今日は良い天気ね」

ミーアが髪をかき上げながら口にする。

(トキメイていますな。チャールズは絶対にミーア嬢の色気にトキメイていますな!顔が赤いし鼻の下が伸びているぞ!まあ…私もドキッとしたけど)

こう見ると彼女が悪役令嬢の意味が無いように思えた。むしろ彼女を袖にした俺様王子は女を見る目が無いのだと改めて感じるのであった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】双子の兄が主人公で、困る

  *  ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……! ルティとトトの動画を作りました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 本編、両親にごあいさつ編、完結しました! おまけのお話を、時々更新しています。 本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~

紫鶴
BL
早く退職させられたい!! 俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない! はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!! なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。 「ベルちゃん、大好き」 「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」 でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。 ーーー ムーンライトノベルズでも連載中。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜

小屋瀬
BL
〜まだ無自覚編〜のあらすじ アニメ・漫画ヲタクの主人公、薄井 凌(うすい りょう)と、幼なじみの金持ち息子の悠斗(ゆうと)、ストーカー気質の天才少年の遊佐(ゆさ)。そしていつもだるーんとしてる担任の幸崎(さいざき)teacher。 主にこれらのメンバーで構成される相関図激ヤバ案件のBL物語。 他にも天才遊佐の事が好きな科学者だったり、悠斗Loveの悠斗の実の兄だったりと個性豊かな人達が出てくるよ☆ 〜自覚編〜 のあらすじ(書く予定) アニメ・漫画をこよなく愛し、スポーツ万能、頭も良い、ヲタク男子&陽キャな主人公、薄井 凌(うすい りょう)には、とある悩みがある。 それは、何人かの同性の人たちに好意を寄せられていることに気づいてしまったからである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 【超重要】 ☆まず、主人公が各キャラからの好意を自覚するまでの間、結構な文字数がかかると思います。(まぁ、「自覚する前」ということを踏まえて呼んでくだせぇ) また、自覚した後、今まで通りの頻度で物語を書くかどうかは気分次第です。(だって書くの疲れるんだもん) ですので、それでもいいよって方や、気長に待つよって方、どうぞどうぞ、読んでってくだせぇな! (まぁ「長編」設定してますもん。) ・女性キャラが出てくることがありますが、主人公との恋愛には発展しません。 ・突然そういうシーンが出てくることがあります。ご了承ください。 ・気分にもよりますが、3日に1回は新しい話を更新します(3日以内に投稿されない場合もあります。まぁ、そこは善処します。(その時はまた近況ボード等でお知らせすると思います。))。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...